かりちゅまより吸血鬼らしい爵銀龍の幻想入り 作:クロマ・グロ
~冥界~『裁判所』
「シャァァァァァアアアアア!!!!」
オオナズチは早速咆哮し、口から大量の霧を吐き出す。
これによって周囲が霧に包まれて視界がとても悪くなる。
だが私には関係ない。
私は霊的な視覚をもって彼らの魂を見る。
私は死者を裁く閻魔であり、彼らの魂を見る。
その為に物理的に視覚だけでなく霊的な視覚がなければ彼らを裁くのには不十分だからである。
オオナズチはカメレオンのように全身の体の色を変えて周囲の風景に完全に溶け込む。
私からすれば完全にバレバレではあるのですが物理的な視覚で見るとどの方向から見ても輪郭すらわからない程完全に溶け込む事が出来ているために見事といえた。
私は早速オオナズチに牽制の弾幕を放とうとする。
だがそれよりも先にテオ・テスカトルが動き出した!
「グォォォォオオオ!!!」
テオ・テスカトルが右前脚を私に向けて振るう。
しかし位置的な関係で私には当たらない距離のはずなのに…………っ!?
テオ・テスカトルが脚を振るった瞬間、赤い粉塵が大量に私のいる場所に向かって撒き散らされる。
粉塵はその場にしばらく残り、私は反撃に弾幕を放って様子を見る。
だがテオ・テスカトルは冷静にそれを避けて、口を『ガチッガチッ』というまるで火打石を合わせるような音を立てながら…………ってまさか!?
私は思わずその場から大きく離れる、とてつもなく嫌な予感がしたからだ。
そしてその予感は正しく、テオ・テスカトルが大きく口を開けてガチンッ!とその場で噛んだ瞬間………
「っ!?うぁぁあ!?」
その場に残っていた粉塵が連鎖的に爆発を引き起こす。
私は避けてはいたが爆風の範囲が思ったよりも広く、それによって軽く吹き飛ばされる。
どうやら先程テオ・テスカトルが蒔いた粉塵は可燃性が非常に高い粉塵のようだ。そしてよくみればその粉塵はテオ・テスカトルの全身にもその輝きを見せており、己の炎と粉塵による爆発、この二つを駆使して戦うのがテオ・テスカトルの戦闘スタイルのようだった。
「キュォォォォオオオオオオ!!!」
続いてクシャルダオラが動き出す。
よくみてみれば周囲には強風が吹き荒れており、近付けばただでは済みそうにない。
すると大きく息を吸い込み、まるで空気を圧縮したような暴風のブレスを吐き出す。
そのブレスは完全に風のみによって産み出されており、とても目視で確認することが難しい為に避けるのも難しい。
だがこの程度でやられる私ではない!
「審判『十王裁判』!!」
私から全方向へと発射して、テオ・テスカトル、クシャルダオラ、ついでに透明になって後ろから狙っていたオオナズチに向けてレーザーの弾幕もおまけで発射する。
本来スペルカードとは最低限避けることが出来るように作るものなのだがこれは人間と同じ姿の肉体の者が避けるのを前提としており、とても巨大な体を持つ彼ら古龍は避ける事が出来ない密度の弾幕となる。
「グギャッ……グ……グォォォォオオオ!!」
「シャッ!?シャッ!?シャッ!?シャッ!?」
「キュォォォォオオオオオオ!!!」
テオ・テスカトルはさすがに避けきれない密度の攻撃を受けてそこまでダメージは無いようなのだがかなりうざったそうにしている。
オオナズチはどうやったら避けれるのか周囲をアワアワと動いて弾幕に当たりながら動き回っている。
何故だろう………なんか可愛い。
というか…………魂が幼いような気がする。
クシャルダオラはその硬い肉体によって弾幕を全て弾いており全く聞いていない。
だが頭部や脚に受けている弾幕に軽く鬱陶しそうにしている。
さすが鋼龍と呼ばれるだけはありますね………全く弾幕が聞いていない。
「小町!!」
「お任せを!!」
私は緊急事態となったことによりこの裁判所で警戒をしていた小町を呼びつけて追撃を行わせる。
「いつもサボっているんだからいい加減働きなさい!!
終わったらどのみちこの間の説教の続きをさせて貰いますが今回の仕事ぶり次第では減刑を考えてあげなくもありません!」
「今はそれどころじゃないと思うんですが!?
とはいえそれなら私としては万々歳ですよ!!
死神『ヒガンルトュール』!!」
小町から大量の段幕を前方にばら蒔き特に厄介な硬い肉体を持つクシャルダオラへと向けて放つ。
「キュォォォォオオオオオオ!?!?」
「っ!?角です!こいつら角への直撃を一番嫌がってます!」
角………確か向こうの世界の閻魔から聞いてはいましたが、古龍の角は基本的に全ての古龍に共通する力の源であり、そこが破壊された場合古龍はその超常的な力を出しにくくなってしまうらしいですね………
「とはいえ私達の弾幕だと破壊は難しそうです………
それに彼らは魂だけの存在となっています。
なのでおそらく破壊しても今はないと思います。」
「とはいえ嫌がっているということは生前の行動が染み付いているようです。
ならば積極的に狙って魂の力を削り続けましょう!」
魂の力
彼ら古龍は魂だけとなったとしても自分でタマゴに宿り転生することが出来る特殊な魂をしている。
その力は妖怪や人間の魂とは比べ物にならない程の力を持っており、私達が強制力を持たせるにしてもある程度力を削いでおく必要があるのだ。
この戦いはその力をどれだけ削れるかの戦いになる。