かりちゅまより吸血鬼らしい爵銀龍の幻想入り   作:クロマ・グロ

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後日談その12  アリスから見たツケヒバキ達

 

 

~魔法の森~『アリス邸』

 

 

今日はツケヒバキとその親であるヤツカダキの観察をしてみようと思う。

 

とりあえず元から分かっている事をある程度先に纏めてみようと思うわ。

 

まず一つ目はヤツカダキといい大型の個体になれるのは雌のみ、つまり女王蜘蛛と呼べるような形の個体ということ。

 

どうやらこの辺の生態としては蟻や蜂に近いところがあり、女王が大量の卵を産み、雌は兵士として、雄はただ交尾する為だけに存在するみたいで雄の個体はそもそも成長させてもツケヒバキのままらしい。

これはパチュリーの所で聞いた話ではあるが実際雄個体に対する扱いはかなり厳しい。

特に交尾を終えた雄の個体についてはそのまま剥がれ落ちて死んでしまうというのもある。

 

更に割と躊躇無く共食いをする。

と言っても雌同士で共食いをするというわけではなく、そのまま剥がれ落ちた雄の個体を食べたり、交尾前の個体をバリバリ生きたまま食べている所をそれなりに目撃する。

可哀想だと思わなくは無いのだがパチュリーから借りた生態調査書曰くヤツカダキやツケヒバキにとってかなり貴重なタンパク源のようだ。

 

ただたまに死んだ雄個体か簀巻きにされた雄個体を私に献上してくるので困惑しているわ。

いやまぁ確かに美味しい珍味とは聞いているのだけれどさすがに巨大な蜘蛛を食べるのは抵抗あるわよ………

 

それになんか今日は暴れてる雄を縛ってなにかを切り落として私に献上してきたけど…………これ多分精巣よね………

 

今までは糸だけ貰ってパチュリーにあげていた

けどいい加減献上されているのだし食べるべきなのかしらね…………

 

すると目の前に暴れる雄を簀巻きにしたツケヒバキがやってきた。

ちょうど献上してきたのかな?と思ったら…………キャンプで肉を回しながら焼くような台を作り、下に置いた薪や木の葉に着火していた。

 

「へっ!?」

 

私は思わず声に出して驚いてしまった。

簡単ながらもツケヒバキ達が料理という概念を学び始めていたからだ。

 

しかもなんか妙にリズムよく跳ねながらぐるぐると回して焼いていた。

 

それに少し向こう側ではさっき白子を生きたまま切り離された雄がヤツカダキにバリバリと食べられている………

 

なんてカオスなのかしら………

 

そして焼き上がった雄を皆で分けて食べていた。

 

…………私も今度食べてみようかしら?

でも白子とか蜘蛛の調理方法なんて分からないし次パチュリーの所に出向いた時にでも調理方法を咲夜に教えて貰おうかしら?

 

そしてツケヒバキ達が私の行動範囲の周辺に張っている罠に何かが引っ掛かったようで、鳴子が鳴り響いている。

 

さて何が引っ掛かったのやら…………ってあれは………

 

 

「なんなのよこれぇぇぇええええ!?!?!?」

 

影狼が脚を逆さ吊りにされて必死にスカートを押さえていた。

あれ?あの娘って迷いの竹林に住んでたんじゃなかったかしら?

 

するとツケヒバキが罠の設置してある木を登って影狼の上に降りる

 

「ヒッ!?ってそこにいるのアリスじゃない!?見てないで助けなさいよ!?」

「だから今ツケヒバキが罠を…………ってあら?」

 

ツケヒバキが罠を解除する所か簀巻きにして海老反りの姿勢にして拘束し始めた。

 

「解除する所かひどくなってるんだけどぉ!?

ってかこの体制結構辛いからホントにどうにかしてちょうだい!?」

 

うーん、そういわれても………って珍しいわね?

確かツケヒバキ達は私の言葉とか普通に理解しているように見えていたのだけど………影狼をエサと認識しているのか脅威と認識しているのか………

 

でもちょくちょく悪ふざけをしているところも見るからそのパターンもあるのよね………

 

するとツケヒバキが親のヤツカダキを連れてきた。

 

「キキィ?」

「ギャァァァァアアアア!?!?なにその妖怪!?蜘蛛!?土蜘蛛!?牛鬼!?ってか本気で助けてちょうだいよ!?つかアリスいつの間にこんなの飼い始めたのよ!?」

 

うーん、仕方ないわね………

 

と思ったらヤツカダキが吊るしている部分を切って腹部の鍵針に引っかけた。

 

「あら?運んでくれるの?」

「キィ!」

「ありがとう。

まぁ影狼がなんでここにいるのかも知りたいところだったしそのまま連れて行きましょうか。」

「待って!?話す!ちゃんと話すから本気でこれ解いて!?」

「なんか知らないけどツケヒバキ達が貴女を警戒してるっぽいからこのままいくわよ。」

 

ギャーギャー騒がしい影狼をひっさげて私達はとりあえず家まで向かうのだった。

 

 

「んで?なんでこんなとこに来ているのよ?」

「正確には魔理沙に頼ろうと思って来たのよ………今迷いの竹林に肉食の巨大な化物が何体も住んでて妖怪がかなりの数食べられているからどうにかして貰いたくて………でもここまで来る間に何体も見かけたしなんなのよもう………幻想郷に何が起きてるのよ?」

「………貴女新聞とか読まないの?」

「マスゴミのやつ信憑性薄いじゃないの………

それにこの間変なのに噛まれてずっと意識が朦朧としてたからなにが起きてたのかよく分からないのよ……」

 

成る程ね、傀異化していたのね………ってか竹林に住む巨大な化物って多分………

 

私は今迷いの竹林を住みかにする夫婦の龍を思い浮かべて軽く呆れたのだった。

 

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