かりちゅまより吸血鬼らしい爵銀龍の幻想入り 作:クロマ・グロ
~マヨヒガ~
「紫しゃま~藍しゃま~タマミツネさん達と遊んでくるです~!」
「ちぇぇぇぇぇええん!気を付けて行くんだよ!」
「グフッ…………いってらっしゃい、橙。」
「きゅ~!」
橙はタマミツネの親子と一度遊んでから毎日のように妖怪の山へと遊びに行ってくるようになっていた。
お弁当には藍特性のいなり寿司をたっぷり詰めており、これもタマミツネ達と食べるつもりらしい。
「しかし橙もすっかりモンスター達と遊ぶのが日課になってきましたね。」
「あれもあれで私の胃痛の原因の一つなのだけれど?」
「結界を新しくしたはずなのにどんどん入ってくる度抜けて来ましたからね。」
「何故あそこまで大量に入り込んでいるのか………」
「いったい何が原因なのか………」
あの異変以降、ガイアデルムにも手伝って貰い、今までより数倍の強度を誇る結界の構築に成功していた。
ただ異変の後でも幻想入りするモンスターはどんどん増えており、紫達は原因を掴めないでいた。
ただガイアデルムは何か予想がついているらしいのだが『我らが祖には逆らえぬ』としか教えてくれてないので今はその祖とされる存在を調べている最中だった。
「きゅ!」
するとゴア・マガラが紫の膝の上に乗って丸くなる。
「あぁ、ごめんなさいね。
貴方には退屈だったかしらね。」
「きゅ~……。」
ゴア・マガラは紫に撫でられながら答える。
異変からそれなりの月日が立っているのもあってゴア・マガラもそれなりに大きくなってはいたのだが、まだ生後一年もしていないためにまだまだ遊んだり甘えたりしたいらしい。
とはいえ式となって最低限の知識を与えられているので紫達がどれだけ忙しいのか等は理解していたりする。
だからこそなかなか遊んで貰えないゴア・マガラは少し寂しく思っていた。
「うーん、現状解決が見えないものをずっと考えるよりはこの子に構ってあげる方が良いかしらね。」
「確かにそうかもしれませんね。
それにしてもこの子は自棄に紫様に懐いていますね。
私も遊んであげたりはしていますけど紫様がいらっしゃるとそっちにすぐに向かってしまいます。」
「ちなみにこの子はここを撫でて貰うのが好きみたいよ?
うりうりうり~。」
「きゅ~~♪」
紫はゴア・マガラの触覚がある付近を優しく撫でる。
ゴア・マガラは身をよじりながら翼脚で紫の手をつかんで体を擦り付ける。
「私が遊んであげる時は基本的に尻尾の中に埋まってきますね。
橙も私の尻尾が特に好きなようですしやっぱり何かしら魅力的に見えるものなのですかね?」
「そうね、私は自重してたけどやっぱりその尻尾はかなりもふってみたいわね。
ただでさえ柔らかそうな狐の尻尾が9本もあるんですもの。
一度で良いから中に埋もれてみたい気持ちは分かるわ。」
「きゅ!きゅ~♪」
「うひゃあ!?ご……ゴア・マガラか?いきなり尻尾に飛びかからないでくれ。
驚いてしまったじゃないか。」
ゴア・マガラは目の前でゆらゆらと揺れる9本の尻尾に我慢しきれずに突撃する。
驚いた藍がその衝撃で尻尾を閉じるような形で固まり、ゴア・マガラが完全に尻尾に埋もれて隠れてしまう。
だがゴア・マガラはもぞもぞと尻尾のなかを動いて気持ち良さそうにしていた。
「360°どの方向にも尻尾って………寝たら気持ち良さそうね。」
「実際たまに尻尾の中で寝てるときはそれなりにありますよ?
ただ燐粉が大量に尻尾に絡まるのでその後尻尾がキラキラしますけど。」
「ふふ、それだけ私達の事を家族として認識してるってことじゃないかしら?
式にしたせいか本来習性にない行動が多く見受けられるからこの子だけが特別なのかもしれないわね。
ゴア・マガラという種族は本来親と言える者はいない上に生まれた時から一人で生きていくから。」
「そうなのですか?育児放棄といえば確か例の蛍の妖怪が育てているライゼクスというのも同じでしたよね?」
「まぁそうなのだけど生まれ方が根本的に違うのよ。
この子の成体が持つ燐粉は繁殖の為に生殖細胞も少し含まれるのよ。」
「というと?」
「今は私が封じているから発症しないのだけれどこの子の燐粉はウイルスとほぼ同じ作用を持っていて症状を発症してから死亡するとその死体から新しいゴア・マガラが生まれるのよ。」
「………………紫様がこの間恐がってた映画にもそんな感じのがありませんでしたっけ?」
「……………バイオハザ◯ドの事を思い出させないで頂戴よ………。」
「きゅ……きゅ……きゅ……きゅーー♪」
するともぞもぞと尻尾からゴア・マガラが抜け出し、紫の頭の上に楽しそうにしながら飛び乗る。
「この子ほんと私の頭の上が定位置なのよね………」
「紫様の頭の上で寝てる時それなりにありますよ?」
「あ、やっぱりそうなのね。
まぁこっちからじゃ見れないからあんまり実感無いのだけどね。」
「きゅきゅ!」
するとゴア・マガラが紫の頭をペチペチと叩いてボールの置いてある方向に翼脚を向ける。
「はいはい、これで遊んでほしいのね。」
「私も人の事を言えませんけど子供には甘くなってしまいますよね。」
「そうね。」
「きゅーー!」
八雲一家では橙と一緒にゴア・マガラが溺愛されていたのだった。
紫「はい、ころころ~」
ゴア「きゅ!」
紫「そうそう、上手よ。」
ゴア「きゅあ!(ブレスで紫へとボールを飛ばす)」
紫「へぶ!?(顔面hit)」
ゴア「きゅ?」