かりちゅまより吸血鬼らしい爵銀龍の幻想入り 作:クロマ・グロ
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これはものすごく励みになる程嬉しいです。
これからも出来るだけ毎日2話を目標に出していくのでぜひこれからも読んでいってください!
地底『古都』:勇儀邸
「いやぁ、あの時の戦いは楽しかったねぇ………
まさか『怪力乱心を持つ程度の能力』でも追い付くのが限界とは。」
メル・ゼナが後で教えてもらった事ではあるのだが、この世界には『~程度の能力』というものが存在することをメル・ゼナは知った。
この勇儀の『怪力乱心を持つ程度の能力』は最大の強化率としては本気を出したメル・ゼナと同等の身体能力となる。
しかし純粋な力というわけでもなく異能の類いであり、自身の肉体から発生することに代わりは無いため『~程度の能力』や飛行能力は基本的に龍属性によって無効化される。
しかし妖力や霊力といった力で作られた弾幕だけはなぜか無効には出来なかった。
恐らくこれは力を生み出し、放出するという形ではなく、最初からあるものを出すからであろう。
メル・ゼナの世界にいたモンスター達も火炎袋などの体内器官を使ったブレス等を封じる事は不可能だった。
そしてあの戦い以降ちょくちょく勇儀は酒を差し入れに来るようになっていた。
メル・ゼナも酒を何度も飲まされていくうちに自然と飲めるようになり、今や鬼達と酒の飲み比べすら出来るまでになった。
恐らくメル・ゼナがキュリアの毒が全身に行き渡っても問題ないくらいに毒等の耐性が強く、純粋に胃袋などの内臓が鬼達よりも物理的に大きいからというのもあるだろうが。
「そういやお前さんとは酒を何度も飲み交わしてはいるが基本的に私が話しかけるだけでお前さんがどんな性格をしているかは曖昧な部分しか分からなかったねぇ。
ちょうど良い、メル・ゼナは覚妖怪という物を知っているかい?」
悟り妖怪という生き物はメル・ゼナはまだ聞いたことが無い為に首を傾げる。
「そうかい、まぁあいつの事は基本皆考えたくも無いのかねぇ。
その覚妖怪ってのはこの地底にある地霊殿の主人なんだがね、あいつは他のやつの心を覗くことが出来るのさ。
しかもそれは言葉を持つ人や妖怪だけに限らず、話せない妖怪や動物とも会話が可能になるような代物らしくてね。
とはいえそれゆえに心を読まれたくないと何かしら邪な物を考えたりするような奴らからは特に忌み嫌われてしまっていてね。
人は誰しも何かしら秘密を持つもんだから皆嫌っちまってこの地底に住み着いたってわけさ。
まぁ地底にいるやつらは基本はみ出し物か物好きくらいなもんなんだがね?」
心を覗き、言葉を扱わない生き物とすら会話を可能にする『覚妖怪』。
その者がいれば自分も他の者達や勇儀、紅魔館の人達とちゃんとした会話が出来るのだろうか?
メル・ゼナは悟り妖怪に会ってみたいと思った
「クルルルゥ………」
メル・ゼナは悟り妖怪がいるであろう地霊殿に体を向け唸る。
「あっははははは、そうかい。
まぁあいつらも喜ぶだろうさ、あいつに会いたいなんて物好きがいるなんて知れば尚更さね。
さて、アタシも久しぶりに酒を飲み交わしたいし『さとり』に合いに行くとするかねぇ。」
そしてメル・ゼナの背中に乗った勇儀は地霊殿を指差し、飛んでほしいとお願いする。
勝手に背中に乗られた上にそもそも自分で飛べるだろうとメル・ゼナは軽く呆れていたがそのまま翼を力強く羽ばたかせ、地底の中でも最も大きな屋敷に向かう。
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覚妖怪『古明地 さとり』こと小五ロリside
なぜか今一瞬イラっとさせられた気がしたが周囲に誰もいない事は分かるため気のせいと思うことにしましょう。
私は古明地 さとり、地底を管理する地霊殿の主であり人や妖怪に忌み嫌われる覚妖怪の一人よ。
私には妹が居るのだけど彼女は人や妖怪の黒い心を見すぎてしまってそれをもう見たくないと心を……『第三の目』を閉ざしてしまったわ。
私達覚妖怪にとって相手の心を覗くこの第三の目は覗いた物や言葉をイメージとして脳に直接伝達する器官の為、これが閉じられてしまうとなるとあまり良い影響は出ない。
実際妹の『古明地 こいし』は心を閉ざしてしまったことにより心を読む事は出来なくなった変わりに『無意識を操る程度の能力』を手にしてしまった。
その為私はもうこいしの心を覗くことも出来ず、こいし本人も能力により自身の意識その物が無くなり自分でも何をしているのかわからない事が多いという。
それに加えてこの能力は誰からも認識されなくなってしまうため、こいしがこれにより人と話したりもそんなに出来なくなって悲しんでいるのを私は知っている。
なにか解決出来そうな物があれば良いのだけれど………。
そしていつものように読書や調べ物をしているうちに地霊殿の皆がざわめくのを私は感じる、これは恐怖?いえ、圧倒的な存在に対する畏怖といった所かしら?
一体何があったのかしら。
そう思い、外に出ようとすると慌てた様子の私のペットがこちらに向かっているのを読んだ為、一旦扉から離れた。
ガチャッ!ドンッ!!
扉は案の定勢い良く開けられてそこから私のペット、火車である『お燐』こと『火焔猫 燐』が入って来た。
あのまま扉を開けようとしてたらそのまま扉に吹き飛ばされるか殴られてたわね…………
「たたたた大変です!?さとり様!?り、りりり龍が!」
「落ち着きなさいお燐、今読むから…………
成る程、そういう事ね。」
通りでペット達がざわついていると思ったわ、龍は生命の中でも生態系のトップに立ち、信仰の対象にすらなる存在。
そしてそれはただいるだけで圧倒的な存在感を感じさせるという共通点がある。
そして何より…………
「この前の新聞に載っていた龍、『爵銀龍メル・ゼナ』が背中に勇儀乗せてこちらに向かっているねぇ………」
「どどどどど、どうしましょうさとり様!?」
「落ち着きなさいって、とりあえずいつものようにお客様を出迎える準備をしなさい、あの龍は物理的に地霊殿に入るのは難しいから庭にテーブルとかを用意しなさい。
あと勇儀がいるってことは多分いつものだからお酒とおつまみを一応用意しておきなさい………はぁ………」
よりによって勇儀はとんでもないのつれてきたわね………まぁ私も興味はあったからちょうどいいかも知れないわね。
私はまだ見ぬ龍に心を踊らせ、到着を待つ。