かりちゅまより吸血鬼らしい爵銀龍の幻想入り   作:クロマ・グロ

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爵銀龍と覚妖怪

 

 

覚妖怪『古明地さとり』side

 

 

私はこれから来るであろう龍に乗った友人を迎えるため地霊殿の中庭まで行く。

あの龍の大きさでは地霊殿の中に入ることは出来ない為お燐に外から案内してもらう予定となっている。

もう一人のペットの『お空』は………来たら来たで確実に何かしらの騒ぎになりそうだから仕事を続けて貰っていた。

 

そして中庭に用意されたテーブルと椅子を見つける、今回もどうせ一緒に飲み来たとかそういう感じでしょうし、まぁそれはいつものことなのだけれどなぜあの龍と一緒なのかしら?

 

疑問はいくつか浮かぶがこればかりは本人が来ないことにはわからないものも多いため椅子に座って用意された紅茶を飲みながら勇儀達を待つ。

 

それから数分後、お燐に案内された龍とその背中に乗った友人の勇儀が中庭に降り立った。

 

『へぇ、あれが新聞に載っていた爵銀龍メル・ゼナね。

確かに貴族のような立ち振舞いにその白銀の鱗や甲殻、これはその2つ名に恥じぬ美しい龍ね。

それに複数の思考を首や腕の羽毛のような部分、それに尻尾の先端から感じる。

これはなにか共生してるのかしら?』

 

「よっこらしょっと、おーいさとりー!!!」

「はいはい、聞こえてるわ。

久しぶりね勇儀、今日もいつものかしら?」

「お?話が早いねぇ、と言いたい所なんだがちょっと違うんだなこれが。」

『成る程ね、あの龍と話をしながら飲みたいし私と久しぶりに飲みたいから翻訳ついでに一緒に飲みに来たって訳ね。』

「そう、まぁ事情は分かったわ。

それにそちらが爵銀龍メル・ゼナでよろしいようですね、初めまして、私の名はさとり、古明地さとりと申しますわ。

 

貴方は………そう、名を持たないようですね。

 

種族名でかまわないですか?

えぇ、人間や竜人が付けた種族名ではあるがそれが『ワタシ』を差すことには変わり無いから、ですか?

………成る程貴方自身もワタシの力による翻訳を望んで来たようですね、それに私の心を覗く力は忌み嫌われやすいのですが貴方には興味しか無いようですね。

そうですね、私の事を初対面でこのように思ってくれる方はなかなか居ないので少々嬉しく感じてしまいます。」

 

「おーい、そろそろいいか?

お前さんらだけで話進められちまうとアタシが置いてかれちまうよ。」

「ふふふ、そうね。

そろそろ一緒に飲むとしましょうか。

メル・ゼナ、貴方は一緒に飲むのかしら?

あら、勇儀と何度か飲み比べ出来るくらいですか?

これは私が潰されるまで飲み会は続いてしまいそうですね。」

「メル・ゼナはいつも通りアタシの酒でいいかい?」

「コクリッ」

「私はさすがに貴女のお酒は強すぎるからうちにあるワインを持ってくるわ、お燐!」

「ははは、はい、さとり様!」

「ふふふ、そんな怖がらなくても大丈夫よ。

倉から適当なワインとあとおつまみも持ってきて貰えるかしら?」

「か、かしこまりました。」

 

そして私はお燐に頼み、彼女はあわてながら地霊殿へと戻り、倉からワインや既に用意したおつまみを持ってこさせた。

 

「ごめんなさいね、うちのペットが。

え?ええ、彼女は火車という元々猫の妖怪だったのだけれど力を持つ妖怪となることで人の姿を獲たのよ。

貴方にも出来るか?あぁ、確かに貴方では大きすぎて入れない建物が殆どですものね。

そうですね、不可能ではないと思いますが力が強すぎるゆえにその力が貴方の龍としての姿に固定されてしまっているのでもし使えたとしてもその姿ではかなり大幅に弱体化してしまうかと。」

 

「お?メル・ゼナ人の姿になれるのか!?」

「正直少し難しいと思うわ、不可能ではないのだけれどあの子特有の力が龍としての姿以外を拒むようだから。」

「あー、あの龍属性ってやつかい」

「龍属性?まぁ貴女の知るその深紅の雷とやらがそれでしょうね、だからなるとしたら龍の要素をかなり大幅に残した人の形になるから少なくとも声とかは出せないと思うわ。」

「そっかー、そいつは残念だ。」

 

そして勇儀は酒を皿に移し、メル・ゼナに差し出す。

そしてメル・ゼナは器用に前足で受け取り、翼を前に持って行き優雅に飲む。

確かにこれは吸血鬼より吸血鬼っぽいと天狗が言うわけね、あの子は取り繕ってもバレるくらいには優雅に出来ないもの。

 

「あー、そういやこいつとの出会いなんだがね。まぁお前さんならだいたい予想付いてると思うがあの新聞に釣られて私も地上に出て会いに行ったわけよ。」

「やっぱりね、それと地底の者が地上に干渉するのはあまり良いことではないのだけれど………って今更よね。

まぁ、良いわ。話の続きを……………………って負けた!?勇儀が!?」

 

第三の目で心を読んだ時、勇儀はちょうどメル・ゼナとの戦いを思い出しており、その決着の瞬間をさとりは覗いてしまった。

 

勇儀は鬼の中でも山の四天王と呼ばれており、実力は確かなのだが………。

その勇儀が負けるとは私も想定外だった。

 

「お?相変わらず話が早いねぇ。ただまぁメル・ゼナと話をしたいのもあったんだけど一番の目的としては

 

さとり、あんたの妹の件だけどこいつの力でなんとかなるかもよ?」

「なっ!?それはどういう………龍属性は力を封じる特性を持つ?飛行等も出来なくなってしまうが『~程度の能力』が使えなくなる!?でも一時的………」

 

もしそれが本当なのだとしたら継続的にこいしが龍属性を纏うことによりこいしが無意識に振り回される事はほぼ無くなる。そうなると龍属性を常に纏わせられるような道具が必要となるがそれを作れるような人物は限られる。

 

「・・・はぁ、お酒の席で話すような軽い内容じゃないわよこれ、詳しくは明日話しましょう。今はとりあえず私もお酒が入っちゃってるからいろいろ聞かせてもらおうかしら?」

 

そうして私はこいしともう一度姉妹としてちゃんと過ごせることを夢見ながら勇儀達と飲み続けたのだった。

 

 

 

 

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