かりちゅまより吸血鬼らしい爵銀龍の幻想入り 作:クロマ・グロ
~妖怪の山~
天狗や河童をメインにその他組織を持つ妖怪や数多の山の神が生息域としており、排他的な縄張りとしている。
その為許可なく侵入した者は殺すか追い出すなりして排除するのだがそこに一匹の狼と竜の特徴を持つ赤子が現れてしまっていた。
本来なら排除するべきなのだがさすがに見捨てるのも可哀想なので第一発見者である『犬走 椛』は自宅につい連れてきてしまっていた。
なお、ルナガロンの幼体に遊ばれていたキュリアは山の外に無事放された。
「わんっ!」
「うーん、犬や狼として見ると結構な大型に分類出来そうなのだけれど、毛が一切無い上に鱗や甲殻に全身覆われているし……そもそも狼なのかしらこの子は?」
そしてルナガロンの扱いに困っていた椛の元へ友人の河童である『河城 にとり』がやってきていた。
そこ、お値段異常言わない。
「おや?椛、さっきから家からいぬの声のような鳴き声がしていた様子だったしペットを飼い始めたのかい?」
「あ、にとり。それが違うのよ、空から妙な本みたいなのが降ってきて頭に角が直撃したんだけど
それがいきなり光ったと思ったらこの子が居たのよ。」
「それってつまり本から呼び出されたって訳かい?」
「多分そうだと思う、でも本を呼んでみても何かの歌と多分この子の親かなにかの絵に光った魔法陣しかなくて、残りのページも多分この子の事が書かれてるみたいなんだけどどこの文字かよく分からないのよ。」
「はぇー、そいつは妙な話だね。
呼び出しておいて帰すつもりがないって訳かい。
それも話聞く限り上から降ってきたってことは誰かが使おうとして落としたって訳かい?これまた迷惑な話だねぇ。」
「今日山に白黒が侵入して撃ち落されてたから多分あいつのだと思うけど、この子私を親だと思っているのか物凄く懐いてて私としても追い出したりしたくないのよ。」
「うーん、まぁ最近の天狗は排他的な空気があの巫女が原因で薄れてきてるし説得すればなんとかなるんじゃないかい?」
そう、以前は基本的に問答無用で殺していたのもあったのでさすがに見過ごせないと一度霊夢に組織ごとボコされていた為、今の天狗は割と温厚になってきている。
過激派が居ないわけではないがごく少数となっており、ちゃんと話せば上も聞いてくれる為職場としてもよくなっていた。
とはいえ侵入者に厳しいのも事実な為どうするか悩んでいたのだが、結局椛は上に相談することにしたのだった。
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椛の上司の大天狗の屋敷
天狗には階級があり
下から哨戒をメインの仕事とする『哨戒天狗』
それを率いる『白狼天狗』
そしてその上に高い飛行能力を持ち、情報収集を目的に活動する『カラス天狗』
さらにそれらを統括する『大天狗』
最後に全ての天狗の長である『天魔』
となっている。
椛は白狼天狗ではあるのだがその能力を買われ、扱いとしてはカラス天狗と同じ権限を持ち合わせていた為、今回の相談は大天狗となったのだ。
そして・・・
「だめだ」
「う、やっぱり」
「きゅ~ん」
「うぇー?ケチ臭いなー!」
何故かにとりも付いてきたが大天狗様にご相談に伺った所速攻でダメ出しされてしまいました。
まぁ分かってはいたのですけどね。
所が大天狗様が意外な話をし始めた。
「まぁ本来ならそういう所なんだがな?」
「はい?」
「わふっ?」
「へ?」
「実を言うとさっき天魔様にこちらに来て頂いていたのだが帰る直前にお前達が来てどうやらその狼?みたいなやつに少し興味を持ったそうでな、悪いんだが今回の件は一度天魔様に話してみてくれ、私としては許可しても良いのだがその権限を持ち合わせてはいないからな。さすがにこれを許可するとなると例外になってしまうから大天狗同士で本来なら話し合う必要がある内容なんだ。」
「な、なるほど。しかし天魔様に直接ですか!?」
「わふふっ?」
「あぁ、まぁ緊張するだろうがあの方が許可を出すなら基本的に誰も文句は言えんからな。
まぁ椛には私も良く仕事で世話になっている。
ちょっとしたお礼みたいな物さ。
さて、私としてもちょっとしたお願いなのだが」
「はい、なんでしょうか?」
「ちょっとその子に触らせて貰えないかい?
実は私はこういうかわいい動物が大好きでな。
私としても触ってみたかったのだよ。
あぁ、もちろう断ってくれても構わないよ。」
どうやら大天狗様もこの子の魅力にやられたらしい。
人生なにがあるかわからないものだ。
そして大天狗様にだっこされて頭を撫でられたかなりの上機子な様子がうかがえた。
「ナデナデナデナデナデナデナデ 」
「わふっわふふふふわんっ!?
わ・・わ・・わ・・わぉぉぉおおおおおおん!?!?!?」
「おや?やりすぎたかい、すっかりぐだってしまったか。」
ルナガロンが撫でられ過ぎて遠吠えをし、ぐったりした頃、部屋に誰かが入ってきていた。
「全くあんたは相変わらずだね」
それはとても立派な翼に法螺貝による笛を携え、豪華な装束に身を包む黒髪の天狗の女性だった。
「これは天魔様、お待たせして申し訳ない。」
「よせ。これ私が勝手にしたことだ、お主らを咎めるつもりは毛頭ない。
さて、そこ白狼天狗よ。」
「は、はい!」
「そこの珍妙な妖怪の親として育ててみる気はないかい?」
「はい・・・って、はい!?」
「わ・・わふ?」