かりちゅまより吸血鬼らしい爵銀龍の幻想入り 作:クロマ・グロ
妖怪の山~大天狗邸~
私は天魔様からあの子の義理の母親として育ててみないかという提案を受けかなり驚いていた。
なおルナガロンはぐったりはしていたが首を傾げている。
「まぁ落ち着け、理由も説明する。」
「は、はい・・・」
「まぁ本来なら許可出来ない類いなんだが今回はテストケースだ。」
「テストケースですか?」
「そうだ、私達の排他的な性質は案外不便な点が多々存在していてな。
その中でも排他的故に他の妖怪との連携の取りにくさもあるんだ。
だが身内として育てる分にはそこまで排他する必要はないから訓練としても良いし天狗以外の妖怪と自身の違いを比べる良いチャンスにもなるんだ。」
「な、なるほど?」
「まぁそれにこれは私の勘なんだがこの子はかなり強くなるんじゃないかと思っていてな。」
「この子がですか?」
「あぁ、この子からは妖力も霊力を神通力も感じないつまりは正確には妖怪ではない。
だがいてつくような冷たい力を感じるんだ。
それにお前さんが拾った書物、あれをちらっと見せて貰ったがあれに描かれている事が本当ならおそらくそいつはかなりの脅威として君臨していたんじゃないか?」
「あれを読むことが出来たのかい?」
「いや、断片的にしか読めん。あれは八雲のマヨヒガくらいでしか見たことない文字でな、単語をいくつか教えて貰った程度の知識でしかない。
だがその単語が本当ならばこいつは狼ではなくおそらく竜の1種だろう」
「竜ですか!?」
そして私がこの子の正体に驚きを隠せずにいたその頃、どこからともなく声が響く
「あら?良く分かったわね。
さすがは天魔、ちょっと教えた程度なのに良くそこまで分かるものね。」
「八雲か、やはりこれはお前関係の物か?」
「よいしょっと、正確にはこれは紅魔館に関係する代物ね、魔理沙ったらこの前のやらかしでとんでもないことしでかしたのにまだ懲りてなかったみたいね、しかも中途半端に召喚したせいで子供を呼び出しちゃって。」
「成る程、例のメル・ゼナとやらに関わる存在な訳か。」
「察しが良いわね、まぁとりあえずとしては赤子同然の幼体が呼び出されたみたいだしそこまで問題は無さそうね。」
「あぁ、待った。この子が紅魔館の書物から呼び出された子なら一度紅魔館に出向いた方が良いだろうか?」
確かに紅魔館の子なのだとしたら返さなければならない、だが私はこの子とあまり離れたくない。
そう思い、私はこの子を優しくぎゅっと抱き締める。
「っ?きゅーん、ペロペロ」
この子に私の心配が伝わってしまったのか心配するような鳴き声を出して私の顔を舐めてくる。
「あぁ、それなら心配要らないわよ。
紅魔館はもう把握してるし私は念のため様子を見てきて排除されるようなら連れ帰って欲しいとしか言われてないのだから。」
「なに?」
「ふぇ?」
「わふ?」
「へ?」
「つまりはその子と一緒にいても良いわよってこと。これが成体だったならかなり別問題だったのだけれど。そこの白狼天狗を親だと認識してるみたいだしね。とりあえずは問題無いわ。」
「はぁ、良かったぁ」
「わん!」
「まぁそれでもこの子の種族の名前が分からないんじゃ名前も付けにくいでしょうしそれだけは教えてあげるわ。
この竜の名前はルナガロン、『氷狼竜ルナガロン』よ。
メル・ゼナの世界で牙竜種に分類される生き物よ。
成体については後であの本を翻訳したの持っていくからそれを読んでおいて頂戴。」
「良かったね、椛」
「うん、にとり。」
「ふぅ、まぁそれで良いならこちらとしても責任もって育てるだけだしそこまで問題は無さそうだね。」
「ただまぁ種族としては危険度が高いからしっかり教育しておきなさい。私からはそれだけよ。」
「はい!」
「わふ!」
「ルナガロンまで返事してるよ、もしかして私達の言葉が分かってるのかねぇ」
確かにこの子はまるで会話を理解してるようなタイミングで鳴き声を出したりする事が多いけどそうなのかな。
「あら?良く分かったわね、あの召喚書には翻訳の魔法も刻まれているからこの子はちゃんと言葉を理解しているわよ?」
「へ?」
「ぬ、そうなると私達の会話も」
「ええ、理解していたでしょうね。
まあ丸く収まったのだから良いじゃない。」
「まぁそうなのだがな、そうなると少し天狗の中で話し合って本格的に仲間に育ててみたいな。」
「そうね、私としても成体はともかく幼体が妖怪達に育てられた場合が気になるし・・・そこの河童、ちょうどいいわ。」
そして八雲紫はにとりを呼び出して一枚の紙を取り出す。
「へ?私かい?」
「はいこれ、妖力を入れて呼び出して」
「えっちょっ!?
はぁ、これで良いのかい?」
にとりは困惑しながらも渡された紙に妖力を注ぎ、その紙が怪しく輝き、目の前に小さい影が現れる。
「ケロッ」
・・・って河童?でも四つ足?
「おや?同胞かい?でもなんか違うね。」
「お?年齢指定で呼び出したの成功ね。」
「この子は一体?」
「この子の種族はヨツミワドウ、『河童蛙ヨツミワドウ』よ、向こうでは大型の生物だから育てたら大きくなるわよ」
「へぇ、って私が育てるのかい!?」
「河童同士仲良くね。それじゃあね。」
「あっちょっ!?」
そして八雲紫は消えてしまう。
にとり、一緒に子育て頑張ろっか