かりちゅまより吸血鬼らしい爵銀龍の幻想入り 作:クロマ・グロ
~紅魔館~『中庭』パチュリーside
「ゴフッ!?(吐血)」
あぁ………早速懸念してた事態が起こっちゃったわね。
それにしてもホントに血を吐く程ストレスが貯まってるとはね。今度愚痴でも聞いてあげようかしら………。
「ジタバタジタバタ」
「もー、暴れちゃダメだよー」
「特徴を見る限り翼もあるし飛竜種に分類されそうだけれどあの形のまま大きくなるなら飛行能力は無さそうかしら?」
「ゴフッゴフ(吐血)せ、正解よ………あの子の種族は岩竜バサルモス、鎧竜グラビモスの幼体なのだけれど本来よく見られるバサルモスはあそこにいるガランゴルムより少し小さい程度だからたぶんあの子生まれたばかりなのだと思うわ。」
「ジタバタジタバタ…………グスッ」
あ………動けないと分かったのか軽く泣いてきてる。
「あー、こいし?その子ほんとに嫌がってるみたいだから離してあげて。今にも泣きそうになってるわよ?」
「はーい!」
「………(地面に潜る)」
「潜ってるけど背中だけ出てるから分かりやすいわね。とはいえ背中だけ見ると石にしか見えないしたしかに擬態としてはちょうどいいのかしらね?」
「ボコッ」
今度は顔だけ出してキョロキョロと周囲を見ている。
そして自分が見られてると分かるとすぐに顔を地面に埋めた。
「どうやら本能的なものみたいね、この子は特に何か強い思考はしてないからほんとに生まれたてなのでしょうね。」
「うーん、たしかにバサルモスの食べるものは鉱物だったはずだからここは貴女達地底組に任せるのが良いのかしら?」
「え!育てていいの!」
「はぁ、私はペットを何匹も飼ってて今更なので別に構いませんよ。とはいえその前に………こいし!」
「ふぇ?」
あら?どうやらさっそくあれをつけるようね。効果の程は一体どれ程かしら?
「はい、これ腕に付けて?」
「なにこれ?」
そして腕輪型の魔道具を付けさせると赤いボタンを押した。
するとこいしの体に赤黒い稲妻が一瞬走り、定期的に帯電しているように見える。
「一応その中に入っている龍属性は年単位で持つはずよ、足りなくなったらメル・ゼナに補充してもらいなさい。」
「お姉ちゃん、これなに?なんか変な感じするけど。」
「能力を使おうとしてみて?」
「うん?わかった………どうどう?」
「ええ、ちゃんと起動してるみたいね。」
どうやら成功した見たいね。こいしは発動したつもりみたいだけれど頭を撫でられて困惑している様子だった。
「ふぇ?何で………何で私が分かるの?いままで皆分からなかったのに………」
「貴女がこれ以上気付いて貰えずに寂しい思いをしないために作ったのよ。
これを付けていれば起動してる間だけ飛べない代わりに能力を封印するから勝手に無意識が発動することも無くなるわ。」
「これ以上……気付かれなくなることはないの?」
「えぇ、貴女が意図しない限り貴女に気付かないことはないわ。」
「ふぇ………うぇぇぇぇえええん!!!!!
お姉ちゃぁぁぁぁぁあああん!!!!!」
「よしよし、いままで寂しかったわね。」
「まぁ一件落着なのかしらね、メル・ゼナもお疲れ様ね。」
「グルル」
「うほ?」
「あぁ、ガランゴルムは知らないのだったかしら?」
「コクリッ」
「あの子、自分の能力が完全に掌握出来てないのよ。
それが原因で勝手に発動して皆から気付いて貰えずにいたから結構寂しい思いをしてたみたいなのよ?
だから制御出来るようになるまで勝手に発動しないようにメル・ゼナの龍属性を常に纏わせられるような道具を作ったのよ。」
「ボコッ………?」
「ふふ、自分を無理矢理連れてきた少女が泣いていて困惑してるって感じかしら?」
「ズボッ…………タタタタ………」
するとバサルモスは地面から出てきてこいしの所へ向かい、足に体を擦り付ける。
「いたたたたっ!?痛いよ!?」
「あら、この子なりに心配してくれてたみたいね。」
「むぅ、よいしょ」
「ッ!?ジタバタジタバタ………ボスッ」
「えへへー、これなら大丈夫!」
こいしはまたバサルモスを掴んで持ち上げたと思ったら頭に乗っけた。
バサルモスは生まれたてでもかなりの重さがあり、大きさ的に今は蹴鞠の鞠くらいのサイズだが、それでも15kgくらいはある。
しかしこいしは妖怪の為、そのくらいなら問題無いくらいには力はあるのだ。
「貴女の新しい家族はどう?」
「んー!重い!でもかわいい!」
「ふふ、ガランゴルムにもかわいい弟分が出来たのかしらね?」
「ウホッ」
「ペチペチ」
「んー?どうしたの?」
突然バサルモスはこいしの頭を翼でペチペチして八雲紫が用意している鉱石に目を輝かせる。
「どうやらお腹が空いたみたいね。」
「とりあえず向こうの世界からマカライト鉱石というのを取り寄せたわ。たぶんこっちの世界の鉱石だけじゃ体の強度が脆くなっちゃうから定期的にそっちに持っていくわね。」
「ありがとう、八雲紫。はい、食べて良いわよ」
「コクリッバリバリモキュモキュ」
「幼体でも鉱石を噛み砕ける強さはあるのね。」
「その代わり口は小さいから攻撃とかには使えないのだけれどね。」
「まぁとにかくこれからよろしくね?バサルモス?」
「っ?モキュモキュ」
これからまたにぎやかになりそうね、地底組は。