かりちゅまより吸血鬼らしい爵銀龍の幻想入り 作:クロマ・グロ
呼び出される百竜達
~紅魔館~『図書館』
紅魔館の図書館にある禁書庫、そこには図書館の管理者である魔法使い、パチュリーと館の主であるレミリアが訪れていた。
そしてパチュリーは召喚魔法書の封印を解きながらレミリアに問う。
「本当に良いのね?どんな影響かあるか分かったものではないわよ?」
「えぇ、そうね。
でも私は今回は運命に素直に従おうと思うわ。
今回見た運命を大きく変えてしまった場合かなり不利になりそうだもの。」
レミリアは今回は珍しく真面目な雰囲気で話す。
「それほどの物を見たのね。」
そしてパチュリーは長い付き合いからこれが何か確信を持てる程の運命を見たのだと理解する。
「ええ、おそらく負ければこの幻想郷は終わりを向かえる。
私はなんとしてでも『百竜夜行』を起こす必要があるわ。
だけどそれは逃げるためであってはならない、戦いに勝つために起こすのよ。」
レミリアは決意を抱きつつそう答える。
パチュリーは溜め息を付きながらも答える。
「八雲紫には悪いとは思うけど今回はレミィの言葉に従わせて貰うわ。」
そしてすべての魔法書の封印を解き、幻想郷にばらまく。
「なんとしてでも勝つわよ………深淵の悪魔に………」
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この日、幻想郷にいる数多の実力者達の元へある書物が渡った。
そしてそれが召喚魔法の書であることが知られるのもそこまで時間がかからなかった。
管理者である八雲紫は胃潰瘍でダウンして動けない今、この召喚を止められる者は誰一人として居なかった。
この日を境に『百竜異変』と呼ばれる異変が始まりを向かえるのだった……………
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~妖怪の山~
そこにはたまたま外の空気を吸いに来た野良の鬼がおり、その鬼は周囲の様子が可笑しいことに気付く。
「んぁ?空が………いや、周囲が……………紅い?」
そう、自信の周辺に紅い光が舞っており、その中には紅い蝶のような生物が何匹も居るのが確認出来る。
「酒の飲み過ぎ………なわけねぇな………どうなってやがる?」
そして周囲の気配の異様さに鬼は気付く。
「命の気配が………感じられねぇ。
あの紅いやつ以外が居ねぇ………
天狗の所は無事みたいだが、動物が………死滅してやがる。」
周辺には動物の死骸が散乱しており、それには無数の噛み傷と血が完全に抜かれた様子が見られた。
そして自分の周囲には紅い蝶…………いや、紅い翼の生えたヒルが群がっている。
「なっ!?う、うぐわぁぁぁあああ!?!?やめろ!?やめろやめろやめろぉぉぉぉおおお!?!?」
紅いヒルが群がり己の全身に噛みつき血と生気を吸うと同時に毒を流し込む…………
本来動物であればこの時点で死に至るのだが彼は鬼、強力な妖怪であることが状況をさらに最悪な物へと近付けた。
自身の毒でも死なない鬼に張り付き、血と生気を吸い続ける翼の生えたヒル達はそれを無理矢理自分の宿主にしようとさらに毒を注ぎ込み、寄生をし始める。
しかしその注ぎ込まれる毒の量はとても耐えられるような量ではなく鬼は自分の意識を保つことが出来なかった。
注ぎ込まれた毒と力により鬼の体は変異する。
全身の皮膚は赤黒くなり、血管が浮かび上がる。
さらに頭、胴、腕、足、角に大量の翼を持つヒルが群がり、核を形成する。
「オォォォォオオオオオオオオオオオ!!!!!」
鬼は吠える。
自分を殺してくれと。
そして鬼は完全に自我を失い、凶暴化する。
『傀異化』
メル・ゼナ達の世界でキュリア達の真の宿主である深淵の悪魔の死後、自分達が生き残る為に様々なモンスターに無理矢理寄生し、大きく寿命を減らさせながら凶暴化させる現象。
しかしこの現象を幻想郷で知る者は八雲紫しかおらず、その八雲紫は胃潰瘍によって動くことが出来ないでいた。
百竜夜行と百鬼夜行……それぞれがぶつかる時は近い。