かりちゅまより吸血鬼らしい爵銀龍の幻想入り 作:クロマ・グロ
しかしゆかりんの胃は無事なのかw
~永遠亭~『病室』
迷いの竹林、常に地形が変化しており、この迷いの竹林を抜けて永遠亭に向かう、もしくは竹林から脱出するには、大きく分けて2つある。
一つは竹林のすぐそこに住居を構え、案内をしている蓬莱人『藤原妹紅』に道を案内して貰う事。
もう一つは永遠亭の住人に案内をして貰うことだ。
そして後者に関しては竹林で迷った際に永遠亭に住む住人である『因幡 てゐ』を見つけた際は運良く竹林から脱出出来ると言う。
これはてゐが持つ『人間を幸運にする程度の能力』が関係していた。
てゐを見つけた際、この能力が発動することによりその人間は幸運を得て竹林を脱出出来ると言う仕組みなのだが、竹林から脱出した際に得た幸運を使いきってしまうので脱出後まで幸運が続くという訳でもない。
運が悪ければ脱出した瞬間に妖怪に襲われるなんてパターンもあり得てしまうのだ。
さて、そんな迷いの竹林の中にある永遠亭では、一人の妖怪の賢者が入院をしていた。
そして今日はその退院予定日だったのだが…………
「どうなの?永琳………そろそろ退院出来ないと管理が怖いのだけれど………」
「……………ふぅ、とりあえず胃に空いていた大穴はようやく塞がったわ。
それにしても貴女の妖怪としての回復能力と私の薬を使って一月近い間入院させる必要があったのだから普通の人なら即死するわよ?」
「えぇ………自覚が無いわけでは無いのだけれどそれだけ今は力関係が凄く難しくなっているのよ…………あの世界のモンスター達の持つ力は弱くても上級の妖獣くらいはあるのよ………
最大の原因はあの肉体の大きさと強靭な甲殻や鱗、毛皮とかの防御能力よ。
私たちの弾幕程度では傷一つ付かないモンスターが多いのだけれど多分私の力でも古龍相手に勝てるかはかなりギリギリよ。」
紫はとても深刻そうに言う。
すると永琳は考え事をしながら言う。
「それだけ強いのね………私としても毎回あの天狗を姫様の部屋に落としていたメル・ゼナの力は気になっていたのだけれど……」
「試したり何か薬に使えないか実験しようとするのはやめておきなさい。メル・ゼナの持つ龍属性は貴女の蓬莱人としての特性と相性が悪すぎるわ。」
「確か能力を封印すると聞いていたのだけれどそれだけではないのね。」
「えぇ、メル・ゼナが封印するのは程度の能力だけじゃなくその他の能力も含むわ。
恐らくだけれど不老不死の死なないという特性は封印しきるのは難しいと思うわ、ただ不老不死特有の圧倒的な再生能力は大幅に制限されてしまうでしょうね。」
そしてそれを聞いた永琳は警戒をしている様子だった。
「警戒するだけ無駄よ、あの龍には私達を警戒すらしてないわ。
それだけ古龍という存在が圧倒的なまでの強さを持っており、生態系の頂点に立っていたという事よ。」
そして古龍についての生態や考察等の話で盛り上がっていた二人、永琳が古龍の血や浄血と呼ばれる特殊な血液の性質に深い興味を示していた為かなり不安になったがそんな悩みもすぐに消え去った………何故なら………
「ぎゃぁぁぁぁぁぁああああああ!?!?あんたなにそんなの連れてきているのよ!?卑怯じゃない!!ってあっつぅ!?」
いつものようにこの永遠亭の姫君である『蓬莱山 輝夜』の部屋に天狗が落とされたのかと思われたがどうやら違うようだ。
いつも通り妹紅が殺し合いに来た様子なのだが妹紅が誰かと協力しながら殺し合いを仕掛けてきたようだ。
そして紫が気になってスキマを発生させて大きく開き、輝夜の自室の様子を写し出す………そしてその様子を見た八雲 紫は……………
「ゴシャ!?ギガゴズバァ!?!?!?」
「ちょっと紫!?何があったの!?」
今までで最大クラスの吐血をしたのだった。
「なんで…………なんでよりによってまたとんでもないやつが増えてるのよ…………しかも絶滅種じゃないのそれぇぇぇええええええ!?!?!?
これ絶対結界に不具合起こしてるじゃない!?!?」
そこにいたのは全身を豪火に身を包んだ二匹の竜の番、『リオレウス豪火種』と『リオレイア灼熱種』の二匹を連れ、全身をその二匹から出てくる豪火と灼熱を吸収さた炎に身を包んだ妹紅の姿だった。
「しかもこれは二匹のモンスターの力を無理矢理操っているのね………無理をしてるせいか本来再生の炎を扱う妹紅が火傷を負いながらその体を燃やしているわ。」
「蓬莱人の再生が間に合わないと言うの………」
「いえ、むしろ蓬莱人だからようやく出来る力業よ。
ただ炎を操れるだけならすぐに燃え尽きるでしょうね。」
『レウス、レイア、お前らは私に炎を分けるだけでいいよ。こいつとの殺し合いはいつも私達がやっている暇潰しに近いんだ。
戦いたいなら後でやっていいけど今はこの力を試させてくれ。』
『あぁもう!!なんだかよく分からないけどまたいくらでも殺してやるわよ!』
『ぬかせ!輝夜ぁぁぁぁぁあああああ!!!!
ぐぁぁぁぁあああああ!!!!』
そして二匹の竜はその全身から放つ豪火と灼熱を妹紅に捧げる。
あまりの威力に妹紅は苦しみに叫び声をあげるが意識をしっかり保てているのが凄いと言えた。
「あぁ………永琳………後でまた胃を見て貰っても良いかしら?」
「………………えぇ、これは仕方ないわ………」
永琳は同情しながら承諾したのだった。