かりちゅまより吸血鬼らしい爵銀龍の幻想入り   作:クロマ・グロ

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新しい守護sy………竜

 

 

~人里~『入口付近』

 

 

慧音が永遠亭での再入院を受けて2週間程たった頃だった。

今日は傷の具合が大分よくなったので退院していいという許可を貰えたのだが戦闘はまだしては行けないというドクターストップを貰っていた。

 

永琳曰く

『貴女の体は反動が大きすぎたからそれに適応するためにさらに肉体が強靭になろうとしてるのよ。

それで回復が遅いのだから最低限あと一週間は戦闘含めた激しい運動は避けなさい。

帰り道もその竜に乗せて貰いなさい。

少なくとも野良の妖怪の襲撃は防げるでしょうから。』

 

そして竜の背中に跨がって人里まで帰ってきたんだが………

 

「お?慧音も呼び出したのか?」

「妹紅か、前の戦いから戦力的に厳しいのは分かっていたからな………それで呼び出したは良いんだが認めてもらうのが大変でな。

お陰で入院期間が伸びてしまったよ。」

「…………グルル」

「あぁ、すまない。責めているわけではないんだ。

むしろ私としては心強くてな、とりあえず妹紅は里の人を呼んでくれるか?

帰ってきたことを伝えておきたい。」

「あぁ、そりゃいいんだが…………色々と大丈夫か?」

「なにが………あーー、そうだな。

ディアソルテ、地面に潜ってて貰えるか?

角だけ出す感じで。」

 

「キュォォオオオオ(ズモモモモモ)」

 

ディアソルテはその角と牙、翼等をとても器用に使って地面を掘り進む。

そして地面から角だけが生えているような形で埋まっている。

 

 

『ディアソルテ』

ディアブロスの突然変異種であり、隻角のディアブロスが度重なる戦闘によりその甲殻を血のように赤く染めた姿。

そしてその性格は極めて狂暴であり、縄張りに入ったものを許すことはない。

 

以前にハンターによって討伐されており、もうこの個体は存在しない。

 

召喚魔法の次のページに書かれていたこのモンスターの説明だ。

とても簡潔であり、生態なども殆ど載ってはいなかったが恐らくすでに討伐してしまったから他の原種との違いがあまり記録出来なかったと見て良いだろう。

 

とりあえず潜っては貰ってるがどのみち最初に驚かせ過ぎない為という程度であり、最終的に皆怯えそうだからどうしたものか………

 

「うーん、まぁその状態なら話しは出来るか………、ちょっと待ってろ。」

 

 

そして妹紅は里の中に入って、私の帰還を皆に知らせ始めた。

そして人里の門が開き、そこから里の皆が出迎えにやってくる。

 

「慧音先生!お戻りになられましたか!」

「お帰りなさい!慧音先生!」

「先生ー!お帰りー!」

 

「あぁ、ただいま。

すまないな、長い間人里を留守にしてしまうことになってしまって。」

 

「いえいえ、慧音先生が守ってくださらなかったら我々も既に死んでいたでしょうから。

留守の間も妹紅さんが守ってくださいましたから里に損害は何も出てませんよ。

それで…………さっきから気になっているのですがその地面から生えた突起は………?」

 

「あぁ、今日から私と共に生活して人里を守っていく仲間だ。

ちょっと強面で体もかなり大きいから最初皆を驚かせてしまうと思ったから地面に潜って貰ってたんだ。」

「そうでしたか、ですが慧音先生が一緒なら大丈夫ですよ。

私達は貴女を信用していますから。」

「そうか、ありがとう。

とりあえず先に伝えておきたいんだが彼はあくまでも草食の生き物だから必要以上に怖がらないであげてくれ。

出てきていいぞ?少しずつ体を出してくれ。」

 

そして角のある地面が後方に大きなヒビを作り、隆起していく。

 

さらに横方向からも隆起し、その大きな翼を周囲は驚く。

想定以上の大きさだったのだろう。

 

次に斧のような形状をした大きな尻尾が地面から飛び出して、その地面を叩きつける。

そして地面から唯一飛び出していた角も動き出し、その姿を里の者達へさらけ出す。

 

 

「キュォォオオオオ!!!」

 

「ディアソルテという。

好物はサボテンでらしいから食糧としては果物とかを中心に上げてくれ、サボテンはまだそんなに数が多くなかったはずだから本格的に増やしておいてくれ。」

「なっ!?この見た目で完全な草食なんですか!?」

「あぁ、やっぱりそう見えないか?」

「えぇ、まだ雑食と言われた方がしっくり来ます………」

 

まぁ初めて見る者達からすればたしかに怖い見た目だよなぁ。

 

そして人里の一人が自宅で育てていたというサボテンを持ってくる。

最近幻想入りしてきたサボテンであんまり数はないけど少しなら構わないそうだ。

 

「ッ!!キュォォオオオオ!!!」

 

彼がヨダレを垂らしながらサボテンを見ている。

余程の好物らしい。

 

「あー、た、食べますか?」

「キュッ(コクリッ)」

「ではどうぞ」

 

そしてサボテンは地面に置かれて、彼は嬉々としてそのサボテンにかじりつく、トゲはどうやら刺さらないようだ。

 

「キュォォオオオオ♪」

 

「ホントに美味しそうに食べてますね。」

「だろう?」

「何はともあれ頼もしいです。

歓迎させて頂きますよ。」

「そうか……受け入れてくれてありがとう。」

 

 

そして彼は人里にすんなり受け入れられて、地面に角を出して埋まった状態で寝ており、その角を遊び場にする子供も増えているらしい。

 

きっと彼らは度胸ある人間に育ちそうだな…………

 

 




ディアブロスの食事はかわいい!
異論は認める!!

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