かりちゅまより吸血鬼らしい爵銀龍の幻想入り 作:クロマ・グロ
ゆかりんの胃には今回どのような穴が空くのか………
~マヨヒガ~
八雲紫達が住みかとする場所であり、この場所を知るものは限られている。
そこには住人である八雲一家がいたのだがどうも真剣な様子で何か作業をしていた。
「藍?結界の状況はどうなっているかしら?」
「………少しずつですが無理矢理こじ開けられています。
このままでは長くは持たないでしょう。」
「修復は?」
「妨害されています。
それにこのモンスターの能力が高過ぎて修復速度が追い付きません。」
二人が覗き込むスキマの向こうには巨大な爪をスキマに突き刺してこじ開けようとするとてつもなく大きな腕と、その空いたスキマから流れ込むキュリアの群れであった。
「不味いわね………ただでさえこじ開けられたスキマからキュリアが流れ込んで幻想郷の妖怪から力を吸い続けているわ。」
「向こうの世界のモンスターは突然変異等が一世代で起こしやすいとも聞きます。
このままでは妖怪の力を取り込んでさらに不味い事態になってしまうのでは?」
「………その為のモンスター召喚よ、妖力が馴染むかどうかかなり賭けだけど少なくともメル・ゼナは覚醒するでしょうね………『亜種』でも『希少種』でも『特殊種』でも『辿異種』でも『二つ名』でもない……
そうね、名付けるとすれば…………
『幻想種』と呼ぶべきモンスターへと」
今は定期的にメル・ゼナの支配するキュリアにレミリアやフランドールといった吸血鬼の精気を吸ってもらってメル・ゼナに吸収してもらっている。
これによりメル・ゼナは二人の吸血鬼の精気を媒介として妖力を取り込み続けている……。
だが吸収する力は何でも良いというわけではなくその力に合わせたものにしなければ効率良く取り込むことが出来ない。
もちろん相性が良くなくても時間さえかければその力を取り込み、扱うことが出来る。
そして既にこれを逆ではあるが実践しているのが藤原妹紅である。
本来モンスターの炎、それももともと炎を扱うモンスターがさらに炎に特化した特殊種の炎の力を取り込んで扱うのはとても長い時間ゆっくりと取り込み続けて体に馴染ませる必要がある。
そうでないと体が耐えきれないのだ。
しかし妹紅はその不老不死という自身の肉体の特性を生かし、自分の体を再生しながら受け続け、その力を吸収していったのだ。
結果として完全に扱いきる事は出来て居ないが、力を取り込んで扱うことが出来るようになっていた。
これを逆で行う事により、リオレウス豪火種とリオレイア灼熱種は妹紅の再生の炎という特性を取り込むことが出来ると予測している。
「とりあえず希望はメル・ゼナになるのでしょうか………あ、マヨヒガに向こうの世界に繋がっているかなり小さいスキマが開きました、恐らく結界全体への負担が大きくて綻びが生じた物と思われます。
如何しますか?」
「放置で構わないわ……この大きさなら小型モンスターでも入れるモンスターは限られる上に時間が経てば勝手に塞がれるわ。
今は結界の強化による時間稼ぎが優先よ。」
「畏まりました。」
紫達は影響は無いだろうと判断したのか放置していたスキマだが、運が悪いことにこのスキマの向こうには生まれたてのモンスターが居た、そしてスキマの向こうが周辺の景色とスキマに入った先の周辺の状態が全く違う事に興味を持ったモンスターはその翼腕で空いたスキマを掴んでよじ登る。
この竜はそもそも親が存在せず、繁殖方法も寄生、分裂に近い為周囲にはそれを止める事が出来る者は居なかった。
そして八雲藍の式である橙は、今は人里に新しく住み着いた竜について調べて貰っていた為、この場にも気付けるものは居なかったのだ。
「とりあえずスキマの周辺に罠と結界を作ってキュリアの出入りを極力を押さえるわよ。
力を取り込ませ過ぎたら何が起こるか分からないわ。」
「はい、分かりました。
現在キュリアを減らすために攻撃性の罠を仕掛けています、効果はどのくらい出るか未知数ですが結界も同時進行で設置していきます。」
そして背後に足音が響く。
小さな子供が歩いているような足音だ。
「そう………あら?橙かしら?いつの間に帰って……………え?」
「あれ?橙が帰るのはまだ先のはずですが…………へ?」
そこに居たのは全身が黒い鱗と甲殻に覆われ、腕のような形状をした翼に燐粉が流れるように移動する翼膜、そしてその頭部には目が存在せず盲目で、代わりに側頭部に収納される形で触覚が仕舞われていた。
そのモンスターは………
「っ!?境符『四重結界』!!!」
「シャァァア!?」
「紫様!?このモンスターは一体………」
「ゴア・マガラ…………なんで…………なんでこいつがここにいるのよぉぉぉぉおおおおおおお!?!?!?」
「ゴア・マガラというと紫様が向こうの世界で散々追いかけ回されたというあのゴア・マガラですか?」
「えぇ………しかもよりによってマヨヒガに来ちゃったからもう帰せないわよ…………他の場所ならまだやりようはあだったけどここじゃ私の力が充満し過ぎててもう幻想判定になっちゃったわよ………」
「シャァア!?シャア!シャァァ!!」
ゴア・マガラはいきなり自分の周囲が突然壁のような物に囲まれて閉じ込められた事に困惑している。
触覚で感知してもスキマがひとつもない事に驚きを隠せないようだ。
「とりあえずこの子の境界弄って燐粉の毒性消さないと…………幻想郷滅ぶわね………。
この子を始末しても良いのだけれどさすがに生まれたての赤子を殺すような精神性はしてないわ………。」
そしてゴア・マガラの狂竜ウイルスの境界を弄り、免疫の破壊と生殖細胞としての機能を完全に無くしたゴア・マガラは最終的に八雲紫に懐いてしまった為、紫が仕方なく面倒を見ることとなったのだった。
が八雲紫の胃に星形の穴が空くのはその翌日の話だったのだ。
まさかの幻想郷まで追ってきたゴア・マガラでしたw
最初の方で実は伏線を作ってましたw
どのタイミングで出すか迷ってたんですよねぇw