かりちゅまより吸血鬼らしい爵銀龍の幻想入り   作:クロマ・グロ

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今回は永琳sideでの話でまた新しいモンスターが登場します。
まぁタイトルでだいぶばれてる気もしますがどうぞお楽しみに。


月光を纏う竜

~迷いの竹林~

 

 

 

この日、迷いの竹林では珍しく霧が発生しており、私は満月の夜にのみ見つけることが出来る薬草を採取するために竹林に出向いていたのだが案の定視界がかなり悪く、薬草の採取は今回は諦めるべきかと考えていた。

 

しかしこれは定期的に採取出来るとはいえ満月の月光によってその色を変えてようやく見つけられる代物の為、一度タイミングを逃してしまうとそれが採取出来るのはかなり先になってしまうのだ。

 

「困ったわね………あれは元々そんなに備蓄がない上に栽培が難しい薬草だから定期的に見つけて起きたかったのだけれど………。」

 

この薬草は特殊な性質を持っており、基本的には色んな植物に擬態していて固定された姿形を持っていないのだ。

そしてその擬態は完璧であり、プロでも見分けることが出来ないとされていて、唯一分かっているのがこの薬草が満月の月光を浴びることで金色に色を変化させるという性質だけだ。

ゆえに幻想となりこの幻想郷に自生しているのだが、人によってはこの薬草が突然変異でしか生まれない物という説を立てており、栽培に一度も成功した例が無いことや栽培しても、その擬態元になっている植物しか生えない事からこの説が生まれた。

 

そして私はそんな薬草をこの霧の中探していたのだが、あるとてつもなく大きな気配を近くに感じる。

微かな足音も聞こえなくも無いのだがかなり消されている。

 

そう、まるで"姿だけが消えているように"。

 

そして竹林の影に入ったところでその正体が明かされる。

それは月白色に輝く体毛と透き通った刃のような鋭い翼を持ち、猫のような頭部をしており、腹部は橙色の巨大な竜だった。

 

そして最も特徴的なのは、月光を浴びた部分が見えなくなっているのだ。

恐らく光の屈折を利用したものだろうと永琳は結論を付ける。

 

「まるであの薬草と真逆ね………」

 

そして竜は、私の目の前で座り込んで私を見つめる。

まるでその瞳は私に何かを見出だしているような、そんな瞳だったのだ。

 

「貴方は何かを感じ取っているのね………恐らく私に染み付いた月の気配といった所かしら?」

 

月光を利用して姿を消す、そんな生態を持つのなら恐らく月が何らかの力を持っていることにも気付いているだろう。

そしてそんな竜が私に感じ取るもの、それは恐らく私が飲んだ蓬莱の薬ではなく月に住んでいた私に染み付いている月その物の気配なのだろう。

 

「そうね、私も探し物があるから一緒に探しながら話さないかしら?」

 

「…………(コクリ)」

 

そして竜は背中を向けてゆっくりと移動し始めた。

 

「貴方は恐らくこの世界に迷い込んだ口でしょうね。

貴方はこの辺りに見覚えが無くて戸惑っていたのではないかしら?」

「………ッ!」

 

竜は驚いたような表情をし、目を大きく開いていた。

 

「どうやら当たっていたみたいね。

そうね、自己紹介といきましょうか。

私の名前は八意永琳、元々月に住んでいた者よ。」

「………………(カキカキ)」

 

すると竜は地面を爪で引っ掻いて文字を書き始めた。

驚いた、随分と知能が発達してるのね。

そしてそこにかかれた文字は………

 

「これは竜世界の文字ね…………

ナ ル ガ ク ル ガ………ナルガクルガ、貴方はそう呼ばれていたのね。」

 

私達は深く繋がりをもった竜の住む世界の事を竜世界と呼ぶことにしており、私はその文字について紅魔館の本を借りて学んでいた。

ただまだモンスターの図鑑等は読めておらず、ナルガクルガがどのような種族なのか私は知らなかったりする。

 

そして竜はやはり月の光を浴びる度にその部位が見えなくなっていた。

恐らく意図的な物ではなく、この体毛その物が特殊なのだらう。

 

そして目的の薬草を発見して採取する。

その合間にナルガクルガはケルビと呼ばれる青い鹿のような小型モンスターを狩って捕食していた。

 

どうやら肉食らしい。

そして仕留められたモンスターを見てみるとトゲが刺さっており、そこから毒液と思われる液体が滴っていた。

どこにそんなものを隠していたのか気になると、ナルガクルガは自身の尻尾に大量のトゲを発生させてから収納していた。

どうやら尻尾に射出可能な毒のトゲを大量に隠し持っていたようだ。

これは不意打ちを受けていたら私は一撃で戦闘不能になっていた可能性あると考えていた。

あのケルビというモンスターの傷から血が溢れ続けていた。

恐らく出血性の高い致死性の毒と私は見ており、いくら体が再生する蓬莱人でもあの巨体から繰り出される毒トゲを展開した尻尾による叩きつけを貰ったら恐らく再生スピードを上回り、しばらく私は再起不能にさせられるだろう。

 

これは一度戻って調べる必要がありそうね。…………

 

 

 

そして私達は薬草を持って永遠亭に戻ったのだった。

 

 

 

なおウサギ達をみていて涎を軽く垂らしていた為、その辺りはしっかりと話し合わないとうちのウサギ達が全部食べられかねなかった………。

 

 

まったくジンオウガと完全に同じじゃない…………。

まぁ肉食だから仕方ないのでしょうけどね。

 

 

 

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