かりちゅまより吸血鬼らしい爵銀龍の幻想入り 作:クロマ・グロ
~冥界~『白玉楼』
「ギュィイイイイ!!」
ショウグンギザミの鳴き声が響く。
ジャキンッ!シュインッ!
鎌が展開され、高速で振るわれることにより空気を切り裂き、その切り裂いた空気によってかまいたちが発生していた。
これによりショウグンギザミが切り裂くものはさらに細かく刻まれていた。
そしてショウグンギザミは他の獲物を引っ張り出してそれを骨と肉に斬り分ける。
しかし斬っていると肉の脂により切れ味が落ちてしまうため、己の鎌同士で磨いたりもしていた。
これによって切り分けられた肉を受け取った妖夢は………。
「助かります!あと半分ですので頑張ってください!
私はこれを全て料理しますので…………。」
死んだ目で料理を作り続けていた。
「ギュィィィィィィィイイイイイ!?!?」
ショウグンギザミはあまりの作業に軽く悲鳴を上げていた。
しかしそれも当然だろう、何故なら……………
「なんで幽々子様は以前リモセトスを召し上がってから食欲が減らないでそのまま増えた状態になってるんですかぁ!?
以前の5倍ぐらい食欲増えてるじゃないですかぁ!?
死にますよ!?私は半分死んでますけど死にますよ!?」
そう、あのリモセトス地獄を乗り切った後はもうこれっきりだと思っていたのだが、幽々子の食欲は戻らずに朝昼晩の量が異常過ぎるレベルで増えていたのだ。
しかしそのあまりの量に流石の妖夢もパンクしており、ショウグンギザミに稽古と庭の手入れが終わった後に料理を手伝って貰っていた。
ショウグンギザミはその巨体故に細かい料理には向いてはいないのだが、その鎌の繊細さには目を見張る物があり、どんなに小さいものでも正確に切り裂いていた。
そして解体もお手の物であり、妖夢は主に食用モンスターの解体と、食材の切り分けを頼んでいた。
流石に量が量なので、一人で切って料理していては時間がかかりすぎるので切り分けと料理係で分担することにしていたのだった。
しかしあまりにも量が量なのもあり、妖夢もショウグンギザミも悲鳴をあげていたのだった。
切っても切ってもキリがなく、いくら料理して捌いても終わる気配がしない地獄……それを毎日三回行っていたのだ。
そしてショウグンギザミはその幽々子のあまりの食欲から、彼女の事をイビルジョーの亜種か何かと認識していた。
あながち間違いでは無かったのである。
そして料理を終わらせた二人は……………
「……………(ピクピクッ)」
「……………(ブクブクブク)」
妖夢は痙攣を起こしながら半霊とは違うモノが口から出ており、ショウグンギザミは泡を吹きながらヤドが軽くズレていた。
これが毎日三回起こる為、ショウグンギザミは無駄に鍛えられていたのであった。
かまいたちも敵を切り裂く為ではなく、料理を速く終わらせるために習得したのだった。
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そしてしばらくして復活した二人は庭の手入れを行っていた。
そして妖夢が話しかける。
「いつも手伝って貰ってスミマセン………でもあの量を一人で捌くのは流石に無理があったので………。」
「ギュィィイイ………」
妖夢は心なしかげっそりしている。
そしてショウグンギザミもその鳴き声に元気がないのがわかる。
そしてそしてズレたヤドを直し、鎌を仕舞って自分の触角を手入れしていたショウグンギザミは空いた片方の鎌で庭の木を剪定して手入れをする。
ショウグンギザミは結局白玉楼に住み着き、妖夢の手伝い兼修行相手として仕事をしていたのだ。
お陰で妖夢の剣術から学んだ事を自分の鎌で再現する等、どんどん強くなっている。
そして妖夢は圧倒的に足りていなかった実践経験を多く積むことが出来ており、その剣術に磨きをかけていた。
今はショウグンギザミの抜刀をなんとかモノに出来ないか試行錯誤しているらしい。
「それにしても貴方の剪定はとても自然な感じがします。元々湿地で住んでいたと聞きましたがその時に自分の好きな形に木を剪定したりしていたんですか?」
「ギュイ?ギュィィィイイ………」
ショウグンギザミは元々湿地に住んでおり、そこからどんどん火山地帯まで生息域を伸ばしていたのだが、余計な邪魔が入るのを防ぐために木等を切り裂いて傷を付けていたのだ。
だが彼は木を切り裂いた時、自分の好きな形に気が纏まっていたのに気が付き、他の木を同じようにしてみようと興味を持って剪定をしていたことがあった。
火山にてディノバルドを己の力で倒して鎧裂きとなった頃にはもう生息地を火山内部に変更していた為、ここしばらく剪定をしていなかったのだが、幻想入りによって湿地や火山では見られない美しい木々を見て、趣味が再発していたのだった。
とはいえショウグンギザミが妖夢にそれを伝える手段は持ち合わせておらず、地面に絵を描いてなんとか伝えようとしていた。
「これは………縄張りを主張する時に木を切り裂いていたんでしょうか?うーん、私にも地底の覚妖怪のように貴方とコミュニケーション取れれば良いんですがねえ。」
いつもながら会話は難航していたのであった。
「妖夢~♪次はリモセトスが食べたいわ~♪」
「勘弁してください!?」
「ギュイギュィィィィイイイイイ!?!?」
やはりユユコジョーはイビルジョー亜種