かりちゅまより吸血鬼らしい爵銀龍の幻想入り   作:クロマ・グロ

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VS幻想を喰らうガイアデルム 第三形態  その2

 

 

~断裂群島~『上空』

 

 

かなりきついわねこれ…………

 

私達はガイアデルムがついに飛んでしまったのもあり、空中戦を強いられてしまい、飛ぶことの出来ないモンスターがもはやダメージすら与えられなくなっていた。

 

「さすがに地上のモンスターが何かしら投げつけたりしてダメージを与えることは…………出来なそうね。」

 

確実にモンスターが瓦礫等を投げつけた程度だとガイアデルムが発する妖力、魔力、霊力によって生成される防御結界を貫くことは出来ない。

 

「仕方ないわ、飛行可能なモンスターと私達で戦闘するしかないわ。

それと…………レミィ、フラン、いい加減使うしかないんじゃないかしら?」

 

 

「…………そうね、メル・ゼナの消耗が激しすぎるから確実に勝負を決めたい時に使いたかったのだけれど…………そうも言ってられ無いわね、覚悟決めるわよフラン!

メル・ゼナ!!」

 

 

「…………………キュォォォオオオオ!!」

 

フランとレミリアは己の命を賭ける覚悟を決めており、その場で二人寄り添った。

メル・ゼナはその二人の覚悟に答えるように咆哮を放ち、フランとレミリアの肩にその牙をたてて噛みつく。

 

「うぐっ!?あぁぁぁぁあああ!?」

「まだ………よ………ぐっ…………限界………ギリギリ………まで…………あぁぁぁぁあああ!?」

 

二人は吸血の際に突き刺さった牙によるそのあまりの痛みと、メルゼナの牙から流れるキュリアの毒によってかなりの苦痛を味わっており、悲鳴を上げる。

 

「ちょっと!?」

 

霊夢はその二人の様子を見て思わず止めようとするが……。

 

「邪魔を………するな!!!」

「っ!?」

「これは………私達の………覚悟なのよ………この吸血と………共に………メル・ゼナは………私達が少しずつ与えていた………ぐっ………私達吸血鬼の血と…………それに含まれた妖力に………完全に適合して………私達と同じ吸血鬼となる…………」

 

「っ!!メル・ゼナを妖怪にするつもり!?」

「えぇ………これは………この子も了承しているわ………」

 

「正気なの!?そんなことしたらあんた達は!」

「えぇ………大幅に力を失うわね………でもそれがどうしたと言うのよ!そうも言ってられない状況でしょうが!!

っ!?がぁぁぁああああ!?」

「お姉様!メル・ゼナァァァアアアア!!!」

 

二人の悲鳴と共にメル・ゼナは吸血を終えて二人を放し、美鈴と咲夜が受けとる。

 

「お嬢様………妹様………よく……頑張られましたね………」

「言っとくけど………私達はこの程度では死なないわよ。

吸血鬼の再生能力………舐めんじゃないわよ。」

 

 

メル・ゼナは全身を丸め、翼によって体を覆い隠し、卵のような状態になる。

 

卵は空に浮きながら石のように色を灰色に変えて気配を失っていく。

 

しばらくたった後に卵はヒビが入り、底からガイアデルムの物を大きく上回る絶大な妖気と共に黒い霧をヒビから噴出させる。

霧はやがて形を作り出し、黒き眷属となって卵の周囲を飛び回る。

 

「黒い………キュリア?」

 

卵はやがて霧を全て出し切って地面へと落ちた。

黒い眷属達はやがて一つに集まって行き、一つの龍の姿を形作る。

 

その甲殻は黒く染まりつつも深紅の鱗と紅く発行する毛を持っており、その翼は七色の輝きを持って全員を照らしていた。

 

だがそこから照らされた光は決して聖なるものではなく、むしろ絶望を与える妖しい光であり、その妖気はレミリアとフランドールの妖気を足しても足りない程絶大な物となっていた。

 

「ふふふ………私達の………ほぼ全ての妖力と………メル・ゼナ自身が妖怪となった時に………元々大妖怪クラスの膨大な妖力を持って生まれるはずだったのね。

それらが全て合わさった結果………大妖怪3人分の力を一度に持った究極の吸血鬼となったわけね………」

 

「ちょっとまって、確かに量はガイアデルムよりも多いけどそれじゃ殆ど状況が………」

「バカね………別々の存在が持つのではなくて………一つの存在が持つことが重要なのよ………」

 

「どういう…………ッ!?」

 

そう、例え大妖怪3人が力を合わせてとしてもガイアデルムの常に発生させている結界を貫くことは出来ない、それぞれ性質が違う以上合わせたとしても確実にある程度お互いで相殺してしまうからだ。

 

だがメル・ゼナは単独でその力を扱える、何一つロスすること無くその力を扱えるのだ。

 

メル・ゼナは霧を出してその姿を消し去った。

するとガイアデルムの顔の横でいきなり姿を表し、その尻尾で深紅の輝きを持った刺突を行う。

 

その尻尾はまるでレミリアの神槍『スピア・ザ・グングニル』を彷彿とさせ、神をも貫く槍はガイアデルムの結界をいとも簡単に貫き、その目を貫こうとする。

 

ガイアデルムはとっさに翼脚で顔を守ったが、その槍はガイアデルムの翼脚をあっさりと貫いたのだ。

 

「キュォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォオオオオオオオオオオオオオオオオオオオ!?!?」

 

 

今ここに幻想を喰らう龍を封じる幻想の吸血鬼となった龍が産まれたのだ。

 

「さぁ、刮目しなさい!!究極の吸血鬼!ガイアデルムのライバルでありこの地の新たな守護者の力を!!!」

 

 

 

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