かりちゅまより吸血鬼らしい爵銀龍の幻想入り   作:クロマ・グロ

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VS幻想を喰らうガイアデルム 第三形態  その4

 

 

~断裂群島~『上空』

 

メル・ゼナが妖怪となり、幻想の存在となった事でガイアデルムとの戦いを大きく有利に導いた。

だがガイアデルムは例え肉体を貫かれてもその傷を簡単に修復してしまうため致命傷をなかなか与えられずにいた。

 

「なんて回復速度してるのよ………体を貫いてもダメ………レーヴァテインで顔面を切り裂いたのに致命傷にすらならない。」

「おそらく多くの妖怪から力を得た影響でしょうね、再生能力が高い妖怪は数多くいるもの。」

 

ガイアデルムは能力こそ得ては居ないがキュリアによって吸収させていた妖怪の殆どが再生能力が高いのもあり、その力が積もりに積もって瞬時に肉体を再生させていた。

 

その際に己の力を少し使うようだがどう見ても戦闘に支障が出る程ではなかった。

 

「だけど一番怖いのは人の肉体を得ることね、恐らくあの力の量だとまともな肉体にはならないでしょうけど人の形にまで肉体を縮められたら洒落にならなくなるわよ………」

 

そもそも今霊夢達がガイアデルムとまともに戦えている最大の理由が肉体が大きすぎてガイアデルムが攻撃を避けることが出来ないという点にある。

だからこそガイアデルムは防御にかなりの力を割いているのだがそれが人の形となった場合下手したら攻撃がまともに当たらず、防御に回していた力を一気に反撃に回される危険性がある。

 

「…………幻想郷に来た妖怪の大半が何故人を模倣するのか………ね」

 

そもそもの問題として妖怪とは人の恐怖から産まれ、人が理解できなかった現象を己では抗うことの出来ない怪物としてその姿を捉えたのが始まりとなる。

 

それは獣を模していたり、己よりも圧倒的に大きな怪物という場合が多く、人の恐怖より産まれた妖怪はさらに恐怖を得ようと人を襲う者が大半となった。

 

だがやがて人の恐怖はそれを消すために自分達を守ってくれる者、己を見守ってくれる超常の存在、『神』を想像し、それを崇めるようになった。

 

人の信じる力によって産まれ、その存在を維持する事が出来る神は自身が力を振るうことは出来ずとも、人に恐怖を退ける力を与えることが出来た。

 

これにより人の恐怖より産まれた妖怪は人の恐怖を退ける力により退治される。

やがてそれは霊力として人に根付いたのだ。

 

人よりも大きな妖怪は人の攻撃を避けることがほぼ出来ない。的が小さいから戦える人間に当てるのも困難となった。

 

妖怪は逆に人に対して脅威を覚えたのだ。

だが自分の体では大きく不利となってしまう。

ならどうするか。

 

妖怪はやがて人から隠れる為、もしくは人を摸倣するために人の形となるようになったのだ。

本体を圧縮し、人の形へと変じさせて化ける。

元々化けタヌキと呼ばれる妖怪の技だが、それを常に行ううちに完全な人としての形を得て幻想郷へと誘われたのだ。

 

 

大きな捕食者は小さな強者には勝てない。妖怪は人の恐怖を欲するが逆に人の恐怖を知っているのだ。

 

 

「だけどあそこまでの巨体で力もあるんじゃ人ではどうにもならないわよ?

だいだらぼっちなんか良い例じゃない。」

「そうとも言えないわ。

ねえ霊夢、あの世界のモンスターの書物………読んだことはない?」

「無いわね…………魔理沙が見せてきた事はあるけど字が読めないもの。」

「絵を見たことはあるのね………」

「えぇ………でもそれが…………ちょっと待ちなさい。」

「あの絵がなんだってんだ?」

「魔理沙も魔法使い、研究者の端くれなら気付きなさいよ。

霊夢は分かったみたいね。」

「あんな人が敵うはずの無い絶対強者が闊歩する世界………じゃあなんであのガイアデルムの構造すら詳しすぎる程に書かれてたの………あんな細かい体内に関する情報なんて一度殺しでもしないと………まさか!!」

「気付いたようね、あの世界のモンスターは全て人によって狩られた事がある種ばかりなのよ。

それが例え超巨大な古龍であっても。」

「なっ!?ちょっとまて、あそこは確か魔力とか霊力とか一切無い世界なんだろ!?」

「えぇ………だからこそおかしいのよ。

人が龍を簡単に殺すなんて。」

 

 

ガイアデルムは一度討伐されている。

討伐されたガイアデルムは人の手によって殺されているなら人に何故勝てなかったのかを理解している。

幻想郷は人が忘れたものがたどり着く………

 

「キュォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォオオオオオオオオオオオオオオオオオオオ!!!!」

 

ガイアデルムは咆哮と共に全身を混沌とした色のオーラに変えて一つの形に凝縮する。

 

そしてそこに居たのは全身が歪で禍々しく、マフラーのように背中に伸びる腕を持ち、顔の無い人の形をした化物。

 

人によって狩られたガイアデルムを用いて作られた呪いを持った鎧。

 

冥淵纏鎧と呼ばれる最強の鎧へと肉体を圧縮した顔無し四つ腕の怪物となり、その背中には同じ材質と思われる歪な大太刀を背負っていた。

 

「ギャガガガガガガガガガガガガッ!!!!」

 

ガイアデルムはまるで嘲笑うようにその姿を表した…………

 

体は小さくなったがその力は全く変わらない。

 

 

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