かりちゅまより吸血鬼らしい爵銀龍の幻想入り   作:クロマ・グロ

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ゆかりん復活!


賢者の目覚め(吐血)

 

 

 

~マヨヒガ~『寝室』

 

 

意識がまだ朦朧とする中、私はまどろみから目を覚ます。

断裂群島を幻想郷に無理矢理ねじ込むのにはかなり大きな代償が必要になり、生命活動に最低限必要な力のみを残して眠りに就いていた。

 

目を完全に開いた瞬間映ったのはかなりボロボロになってしまった自分の寝室であった。

 

「ッ!!」

 

思わず私は飛び起きる。

マヨヒガがここまでボロボロになると言うことはこの地を時間の経過による劣化などから防ぎ、物理的な干渉を弾く保存結界が破壊されたか、それを制御することが出来る者が居なくなった、もしくは制御出来る状態では無くなったということである。

 

この結界は紫が眠りに就いていた間は藍に任せていた。

つまりは………。

 

「藍!藍ー!無事なら返事をしなさい!」

 

声を上げて藍を呼ぶが、紫の声が響くだけで藍の声は帰ってこない。

 

「スキマは………駄目ね、まだ使える程回復出来てない。」

 

紫はいつものようにスキマを開きそれを用いて藍を探そうとするが目覚めたばかりなのもあり、スキマを使える程妖力に余裕等無かった。

その為全身が軋むがその苦痛を耐えてマヨヒガを歩きながら藍を探そうとするのだった。

 

ボキボキグキゴキベキィ!?

 

「ほ………骨が…………」

 

長い間眠り続けていた代償は割と洒落にならなかった。

 

紫はあまり使いたくはなかったが杖を使って体を支え、まるで老人のような動きでマヨヒガを歩く。

 

「どこもかしこもボロボロになっているわね………何かの余波なのでしょうね。

少なくともガイアデルムは幻想郷に入ってきているでしょうけど今はどうなっているか………」

 

「キューー!!キューーーー!!!」

 

後ろから聞き覚えのある鳴き声が聞こえる………だが同時に嫌な予感がした。

 

紫は振り返ろうとするが杖で支えているこの体では素早く動くことが出来ず、突撃してきたナニカによって背骨を強打する。

 

「ぎゃぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁああああああああああ!?!?!?!?!?」

 

「きゅ?」

 

元凶となった鳴き声の主、生まれたてのゴア・マガラは首を傾げるのみだった。

 

 

結局ゴア・マガラにヤゴコロ製の湿布を持ってきてもらい、背中に貼って貰った紫はゴア・マガラを頭に乗せて歩く。

 

『にしても相変わらず変なマスコットが描かれてるわね……』

 

そこには永琳の帽子をかぶった変なマスコットが描かれていた。

本人曰くヤゴコロ先生らしい。

 

『どうでもいいわね、そんな事より藍を探さないと。』

「ゴア・マガラ、藍の場所を知らないかしら?」

「きゅ!きゅきゅ!!!(ペシペシ)」

 

ギシギシ

 

ゴア・マガラが何かを伝えたいのは分かるのだがその翼脚で今頭をペシペシされると背骨が辛いからやめて欲しい紫だったが、まだ赤子のようなゴア・マガラを叱る気にはなれなかった。

 

ゴア・マガラの案内によりマヨヒガの藍の部屋に力を使い果たした藍が居るのを見つけた。

 

「藍!…………全身に酷い裂傷………治ってきてはいるけど一度あの永琳に診察して貰わないと不味いわね……とはいえ傷は塞がっているみたいだから自力での再生も悪くはないけど再生までどれだけかかるか…………一度起こさないと。」

 

そして紫はおもむろに藍のタンスの下着が入った引き出しを取り外し、その奥に隠してある藍も知らない秘密の棚から藍のお仕置き用のグッズを取り出す。

 

 

ちょくちょく蝋燭やいばらの鞭等も見えたが気のせいだと思いたかった。

 

 

紫は取り出したグッズから何故か内側から膨れ上がった缶詰を取り出す。

 

ゴア・マガラは触角によって中身が空いていなくてもそのとてつもない臭気を内に秘めたその缶詰から逃げる為に外に出ていくのだった。

 

「あら………簡単には気が付かれたわね。」

 

部屋に投げ入れた後に結界で隔離してしばらく放置する  。

しばらくした後に藍の部屋から悲鳴が響く

 

 

「とりあえず藍の無事も確認出来たわね。

それにスキマを開く程度には力を回復したわね………」

 

これによって現状の把握が出来るが一体どうなっているか検討も付かない。

 

「胃薬ヨシッ!いざ……………グフッ(ダラダラダラダラ)」

 

紫は思わず吐血していた。

いくらなんでも想定外過ぎたからだ。

 

「ガイアデルムが妖力以外に魔力と霊力を持っているのはまだ理解出来なくはないけど完全に妖怪になって幻想郷に受け入れられてる状態じゃない………どうも様子から会話は難しそうだけれど。

 

だけどメル・ゼナまで妖怪………それも吸血鬼になってるとか聞いてないんですけど!?

あいつら何してくれてんのよ!?

 

 

とはいえまだ戦闘が続いてる上にお互いの再生能力が高過ぎて勝負が付かないみたいね………それにガイアデルムのあの動き…………」

 

 

紫はハンターの動きを真似て攻撃するガイアデルムを見てひとつの悪戯のような仕返しを思い付いた。

 

「てゐ!!」

 

懐からスタンガンを起動して取り出しスキマに勢いよく突っ込む。

 

『ギャガガガガガガガガガガガガッ!?!?!?!?』

 

ガイアデルムの肉質は確かに龍属性が一番の弱点だが、雷も結構致命的な弱点でもあった。

 

更に状態異常の耐性もあまり強くなく、完全に不意を突いた上にゼロ距離なので邪魔も入らない。

 

 

 

 

そしてハンターの一番の天敵は………………………

 

大型モンスターなどではなく小型モンスターによる妨害なのである。

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