なんで俺の縁談相手が勇者のヒロインなんだよ   作:荒北龍

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新しい住人

 

 

「はい復唱ッ!!!」

「「 勇者は顔がいいだけのヤリ〇ンッ!!」」

「勇者が興味あるのは!?」

「「身体ァ!」」

「勇者の本体は!?」

「「下半身!」」

「勇者は!?」

「「死すべし慈悲はなぁしッ!」」

 

「テメェら朝からうっせぇぞ!!」

 

「シャオラァッッ!!!」

「「シャオラァッッ!!!」」

 

以下略。

 

 

§§§

 

 

俺はとりあえず台所に立つ。

 

「今日の飯、何にしよう」

「ねぇねぇ、ご飯まだー?」

「ガソリンまだかー?」

「ちったァ待っとれッ!」

 

テーブルに座って何やらグダグダ言ってる2人を黙らせ、とりあえず俺は冷蔵庫の中を見る。

俺はとりあえずアジの開きと卵と龍ひき肉を取り出す。

 

「そういや野菜も結構余ってたな」

 

そう言ってニラともやしと豆腐を取り出す。

 

「朝飯は決まりだな」

 

俺はまずアジの開きを火をつけた日輪の網の上に乗せ、焼いてる間に、ボウルの中に片栗粉と豆腐を入れてヘラで豆腐をクリーム状になるまで混ぜると、刻んだニラともやしとひき肉を入れて、味の素を少々加える。

フライパンには油を引いて混ぜた混ぜた豆腐をフライパンに入れて蓋をする。

 

そして四角く小さいフライパンに油を引き、薄く卵をひく。

その上に予め塩コショウ、酒とみりんと醤油で炒めたそぼろを卵の上に乗せ、そのまま卵で包む。

そして再び卵をひいて、焼けたらまた包む。

それをあと一二回繰り返し、四角くく形を整えればそぼろの卵焼きの完成だ。

 

他にも日輪で焼いていた干したアジの開きを皿に乗せ、フライパンで焼いていた野菜豆腐に焼き目が着いていたらひっくり返し、裏面にも焼き目が着いたら、そのまま中がしっかり焼けるまで焼けば完成だ。

 

「あとは釜飯だが」

 

俺はかまどを見に行く。

蓋を開ければ真っ白の白米が湯気を立てている。

ヘラでかき混ぜればおこげができている。最高だ。

 

米を茶碗に入れ、ついでに隣で作っていたほうれん草のお味噌汁をお椀につぐ。

 

「··········美味そうだな。私も食べたい」

「お前アンドロイドだから飯は··········消化器官があるんだっけ?」

「ふっ!(ドヤァ」

「ドヤ顔すんな、腹立つ。言っとくが開きは2つしか焼いてねぇからお前の分ねぇからな」

「じゃぁお前のを半分貰う」

「··········まぁいいけどよ」

 

そう言って俺はできた飯をリヴァイアサンが待っているテーブルに置く。

 

「おー、美味しそー!」

「異世界から仕入れた食材で作った朝飯だぜ」

「へー、そうなんだ」

 

そう言ってさすがにいきなり箸で食べるのは難しいだろうからリヴァイアサンの前にフォークとナイフを置いてやる。

二十八号の前にも米やお味噌汁を並べてやる。

全員分並べ終われば俺も椅子に座る。

 

「いただきます」

「?いただきます」

 

二十八号は首を傾げながらも俺と一緒に手を合わせる。

 

「なにかの祈り?」

 

不思議そうに見てくるリヴァイアサン。

確かにこっちの世界には「いただきます」と言う文化はない。

 

「まぁそんなもんだ」

「意味あるの?それ」

 

確かにこれは()()()()()()の文化だ、する必要も意味もない。

じゃぁ何でするかって言われると

 

「昔の癖みたいなもんだ。それより飯食おうぜ、冷める」

「そうね」

「上手いな!この豆腐を焼いたヤツ!」

「食うのはええよ」

 

いつの間にか真ん中の大皿に乗せられた豆腐の野菜焼きを食べながら白米を進めている二十八号。

味覚もあんのか。

 

いよいよこいつが【機械仕掛けの神(デウスエクスマキナ)】か怪しくなってきた。

 

「醤油をつけた方が美味いぞ」

「そうなのか?」

「この魚も美味しいわ!」

「それも醤油をつけて食うと美味いぞ。醤油をかけるのは少しだからな」

 

2人とも俺の料理に大満足のようだ。

 

───どうですか、俺の故郷の料理。

 

俺はお味噌汁を啜った。

 

「···············しょっぱい」

 

少しだけしょっぱいが、体が温まり、米と一緒に食うならこれくらいがちょうど良かった。

アジの開きに醤油をかけ、骨をかき分けて身の部分を食べる。

油がのった鯵(アジ)の身は米に良くあう。

白く温かい米を頬張り、小皿に切って分けた鳥そぼろの卵焼きを食べる。

少し甘めな卵焼きと中で甘く炒めた鶏そぼろが良くあう。

再び米を頬張り、お味噌汁を啜った。

 

「またお前のお味噌汁が飲みてぇよ」

 

やっぱり俺のお味噌汁は少ししょっぱい。

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