そして、歌野たち白鳥の一味(仮名)のチーム名を決めましょう。
前回のあらすじ
"七武勇"三好夏凛の前に完膚なきまでに叩きのめされた芽吹。しかし彼女は諦める事なく、折れる事なく、"最強の防人"になる事を歌野に誓うのであった。
ーーおよそ二年ほど前、楠芽吹は香川のとある神社に呼び出されていた。
周りを見渡せば、彼女以外にも多数の少女たちがいる。
バーテックスが突如出現してから世界は混沌と化してしまったが、その中で現れた四人の勇者。乃木若葉をはじめとする"四勇"と称される彼女たちは、大社の援助の元、バーテックスの掃討を行った。
それからしばらく時が過ぎてーー
「本日、皆様にお集まりいただいたのは今後、新しく発足する大社所属の部隊に加わってもらうためです」
大社の神官たちが顔を出し、その中にいた女性神官は芽吹たちにそう告げた。
顔を出す、といっても神官は皆、仮面をつけているため、素顔は拝めない。
(新しい部隊、か)
芽吹は上澄み程度しか聞いていないが、どうやら前の部隊は解体されたようだ。
「元々大社が保有していた部隊の者たちは先日、皆御役目を退きました。よって、その後継となる部隊に皆様を加えさせていただくこととなったのです」
「部隊……とな?」「私たちが……大社で働ける……」「御役目で成果を出せば、家も今以上に裕福になれるっ」「うっ……うう、感激ニャ……」
集まった少女たちは口々に呟いた。
今や大社の力は四国だけでなく、荒廃した日本全国の支柱であり、その組織に所属できる事は、経済的にも社会的にも豊かになれる名誉な事なのだ。
(その部隊で、私は必ずトップになってみせる……っ)
芽吹は四国の香川に生まれた。物心つく前に両親は離婚。建築士であった父は仕事に熱中し過ぎるあまり母親に愛想を尽かされたらしい。
しかし、芽吹は父を蔑む事はせず、むしろその優秀さに憧れを抱いていた。
小学校では芽吹も努力を重ね、勉学や運動も他の追随を許さない程の好成績を残していた。
そんな折、全国各地にバーテックスが出現、芽吹の世界は一転して闇に包まれた。
幸い、四国内にいたので直接的な被害は受けていない。しかし、これから先の不安は芽吹の中に募っていく。
しかし、四勇や大社の活躍によって、世界は安泰へと進んでいき、元々安全地帯だった四国は平常時へ戻ろうとしていた。
ーーそして今、芽吹は後に"防人"と呼ばれる大社所属の戦闘部隊へ、その御役目に就くことになる。
「ーー楠芽吹さんですわねっ。先程の試合、見事でしたわっ」
「……どうも」
模擬試合の後、少し高飛車な態度が窺えるひとりの少女が腰に手を当て胸を張り、話しかけてきた。
「わたくしは弥勒夕海子と言います。お互い大社のために励みましょうっ」
「……」
弥勒夕海子と名乗る人物に絡まれ、芽吹は階段に腰掛けて話をしていた。
「来月には正式に防人が発足されるそうですわ。その際に、この場で一番の者にリーダーの権限が与えられるそうで……、貴女も中々の腕前ですが、最後はわたくし弥勒夕海子がトップに輝いてみせますわっ」
「壮大な夢ですね……」
(防人のトップになるのは私だけど……)
芽吹は日々の稽古から夕海子を見た事はあったが、お世辞にも筋が良いとは思えなかった。
夕海子だけではなく、他のみんなにも言える事だが、幼少期から努力し続けてきた芽吹の身体能力は、ここに集められてから鍛錬している者たちとの明らかな差があった。
先程『壮大な夢』と言ったが、半ば嫌味も込もっていただろう。
「弥勒さん……。この部隊……、防人の御役目は、"命懸け"って話を聞きましたが」
それを聞いたとき、若干夕海子の表情が曇った。
「先代、と呼ぶべき部隊の
(なぁんだ。弥勒さんはわかってるんだ……。じゃあこの人たちよりは幾分かマシかな……)
芽吹は目の前で繰り広げている"お遊戯"を一瞥した。
防人の前に大社の御役目に励んでいた部隊はバーテックスとの交戦経験もあったという。
芽吹たちが集められ、防人として新たに発足するのも、その部隊がもう存在しないから。おそらくはバーテックスとの戦いで壊滅したと思われる。
「芽吹さんはご存知ですの? 『鏑矢』という部隊について」
「少しだけ。私達防人の前身となった部隊の名前って事ぐらいですが」
「そうですわ。少し前に起きた岡山県民をはじめとする本島側と、香川県民をはじめとする四国側との戦い、『瀬戸内の乱』とか『岡山・香川の乱』とか言われていますが、その戦いの鎮圧に出ていた鏑矢が"星屑"や"進化体バーテックス"に襲われてみんな全滅したそうです」
少し前、本島から避難してきた人たちを四国に迎え入れるべきか否か、四国内で論争があったという。無論、土地や食糧問題から全員を収容できる規模は四国にはない。
また、岡山と海を隔てた香川は本島と離島の違いから差別的意識を持っており、『四国を"海外"と差別しておいて、いざ危機的状況になったら情けなく頼るなど、虫が良すぎる』という意見もあり、特に市民からの反発が多かった。
岡山と香川の仲違いは、今回により一気に燃え上がり、戦いへと発展した。
それを阻止すべく動いたのが当時、大社の戦闘部隊だった"鏑矢"。彼女たちの力により、戦いは両成敗という形で終えるかに思えた。
しかし、突然介入してきた無数の星屑と進化体により、市民と鏑矢は全滅したという。
……その進化体の一体は、後に"獅子座"と名付けられたそうだ。
「……弥勒さんは詳しいんですね」
「……わたくしには義理の姉がいましたの。彼女が鏑矢に所属していましたから、話だけは弥勒家に入っていたのですわ」
「そうだったんですか……」
鏑矢に夕海子の姉がいたという事は、おそらく……。
「わたくしの義姉、"蓮華お姉様"の遺体は未だに見つかっていません……。まぁ、あの場には身元がはっきりとわかる遺体の方が珍しいので、今後も見つかるかどうか怪しいのですが……」
鏑矢も市民も皆、バーテックスに襲われ、沢山の人たちが食い殺されたと聞く。現にあの場には、上半身または下半身のない者。腕しか残っていない者。頭がない者。そもそも人間としての名残がない者などの遺体が大半だった。
「わたくしは優秀なあの人に追いつけるよう……また、弥勒家の没落を阻止するため、防人で励むのですわっ」
「……」
(彼女も……色んな事を抱えてるのね……。もっともトップの座を譲る気はさらさら無いけど)
夕海子の想いを聞き、芽吹は立ち上がって鍛錬に戻った。
ーー翌日。
「なっ、ななな……っ」
「……」
芽吹と夕海子の目の前で、見慣れぬ少女が木製の双剣を振るい対戦相手を圧倒していた。
(……出来る)
芽吹はその少女に自分と似た何かを感じ取っていた。
「ーーそこまでです。"三好夏凛"さん」
「……ふぅ」
彼女は戦いの後、相手と握手をする。
「アンタ、足運びがおぼついてるわよ? もっと体幹を鍛えた方がいいわ」
「えっ、あ……ありがとう」
「……三好夏凛さん、と言いますの? 彼女、昨日までいなかった人ですわっ」
(相当な努力を続けてきたようね……。しかもあの特異な剣術)
「……!」
夏凛は視線を感じ取り、その主である芽吹をじっと見た……。
……これが、後に七武勇となる三好夏凛と、芽吹との出会いだった。
「三好夏凛さんっ! この弥勒夕海子がお相手致しますわっ」
夕海子は夏凛に模擬試合を申し込んだ。
「良いわよ」
「では、いざ参りますわっっ‼︎」
ーー数秒後。
「……参りましたわぁ〜」
地面にうつ伏せで倒れ、夕海子は目を回していた。
「弥勒先輩、勢いをつけ過ぎなんです。……まぁ気概は買うけどね」
「……」
夏凛は手を伸ばして起き上がらせようとするが、夕海子はその手を取らず、使用していたレイピアを持って立ち上がる。
「……貴女もこのわたくし、弥勒夕海子のライバル、という事ですのねっ」
「ライバル? はぁ……」
「今回はわたくしの"レイピア"が貴女の双剣と相性が悪く負けましたが、次は負けませんわよ」
夕海子の負け惜しみに夏凛は少し笑った。
「レイピアだろうと、槍だろうと銃だろうと負けないけどねっ」
「……聞けば貴女は大社に勤務しているお兄様に頼み込んでここにいるようですわね」
「……誰から聞いたの? それ」
「大社関係の人たちですわ。ここには結構いますもの」
「……そう」
「すみません。余計でしたわね」
夏凛の態度から触れてはいけなかった事だと察し、謝った。
「良いわよ、別に。私が兄貴に無理言ってここに来たのはホントだから」
「…………」
芽吹はそのやりとりを遠目から見ていた。
ーー数日が経つと、今のメンバーの中で突出しているのは芽吹と夏凛の二人である事は誰の目から見ても明らかだった。
ただ、二人はまだ戦った事がないので、みんなは暇つぶしがてら、どっちが強いか、を話し合っていた。
(駄目……。今のままじゃ勝てない。三好さんが使うあの剣術には……)
芽吹も木刀を二本扱う二刀流である。夏凛と同じだからこそ、その差がよくわかる。
(あの剣技が欲しい……。あの剣術をマスターすれば私は強くなれるっ。そうすれば防人のトップも確実に……っ)
悩みに悩んだ末、辿り着いた答えはーー。
「私に……貴女の二刀流をっ、教えて……ください」
芽吹は葛藤の中、夏凛に頭を下げて教えを乞うた。
「……楠? なんで? アンタは上を目指してるんじゃなかったの?」
「そうよ……。私は……防人で一番の存在になるの」
夏凛はそれを聞いた上で尋ねる。
「理解できないわね。……私も防人になるからには当然、トップを狙う。……貴女は競争相手に教えを乞おうっていうわけ?」
「……っ」
それが恥である事は芽吹が一番よくわかっている。だが、今はそんなプライドを捨てなければ、欲しいものが手に入らないこともわかっていた。
「……今、私達の中で一番強いのは私か貴女か、って話が広がってる。私は貴女以外の人には試合で勝ってきたっ。だから後は貴女だけになる」
「……」
「でも今、貴女に勝てるって"思い上がる"程、私は馬鹿じゃない」
「じゃあ防人のリーダーに……、トップになる事を諦めるの?」
「諦めないっ!」
「……話が見えないわよ。私を依然、競争相手と見なしておきながらなぜ、頭を下げて頼むの?」
「貴女を越える為っ‼︎」
芽吹は顔を上げて夏凛の眼を真っ直ぐ見た。
「……!」
夏凛はそんな眼差しを受け、驚きながらも……。
「ふふっ、はははっ」
吐き出して笑った。
「私とトップ争いしてる奴を、私自身の手で鍛えろって言うの? 可笑しな話ねっ」
「それでもっーー」
「良いわっ。明日またここへ来なさい」
「ーーっ!」
(不器用な奴ね……。でも、そういう奴は嫌いじゃない)
「……礼を言うわ、三好さん」
「ついてこれなかったら早く言いなさいよね? なんせあと1ヶ月足らずで鍛錬期間は終わるんだから」
「食らいついてみせるわよ」
「そう。……じゃあこれっ」
夏凛は小瓶を芽吹に渡した。
「何これ?」
瓶には『クエン酸』と書かれたラベルが貼られていて、中に錠剤が入っていた。
「それ、効くから」
「……ありがと」
それから芽吹と夏凛は稽古を共にしていった。
「ーー私の技の本質は加速。剣の型ははじめに取っておき、後は加速して敵を斬る。基本的にこれね」
「加速……」
「楠。アンタはまず止まっている状態から瞬時にトップスピードに持っていけるような俊敏さを身につけなさい。型を覚えるのはその後ね」
「わかったわ」
それから稽古を始めて一週間、芽吹は元々の身体能力や覚えの良さで夏凛の剣技を習得していった。
「三好さんはこの技を誰から教わったの?」
「兄貴。まぁ教わったって言うより見て盗んだって方が正しいけど」
「お兄さん? 確か、大社にいるのよね?」
「ええそうよ。なんでもできて、親や近所からも"天才"、"神童"とか呼ばれてたわ。……私が使っている剣技はほぼ全て"スピード頼り"でしょ?」
「そうね。型を決めてトップスピードで相手を斬る」
「兄貴は"
「なるほどね……」
そこまで言うと夏凛と芽吹は立ち上がり稽古に戻る。
「休憩は終わり。次は二刀流の奥義を教えるわ。できるまで食事は禁止よ。食べて良いのは"煮干し"だけ。わかった?」
(またそれなのね……)
「わかっているわ」
ーーそれからまた刻が経ち。
「
「きゃあああああああーーー!」
目にも止まらぬ速さで駆け抜け、相手を吹っ飛ばした。
「しょ、勝者。楠芽吹っ」
「……ふぅ」
周りのみんなも、審判を務めている神官さえも動揺を隠せなかった。
「今の……三好さんの技、だよね……?」
「やっぱりそうなんだ……」
芽吹と夏凛が一緒に稽古している事をみんなは知っていた。
しかし芽吹の性格上、夏凛と共にいる事など半信半疑だった者たちもいたので、今の芽吹が繰り出した技は、その事を決定付ける証拠となった。
「随分、様になってきたわね、楠」
「貴女の特訓のおかげでね」
芽吹と夏凛は向かい合う。
防人のリーダーは、1対1の決闘で決める。合計32人のトーナメント戦。
夏凛と芽吹は位置的に決勝戦で当たることになる。おそらく、神官が狙ってこの組み合わせにしたのだろう。
「決勝で待ってなさい、三好さん。私が必ずそこまで上がって貴女を越えてみせるっ」
「ははっ。良いわよ楠。楽しみになってきたわ」
二人は握手を交わした。
「
「ええっ! 約束よ」
ーーそして二人は順調に勝ち上がっていった。
そして決勝戦前日の夜。
「……ん? 三好さん?」
薄暗闇の中、夏凛と誰かが話していた。相手は黄色の髪をして、うなじ辺りで二つに結んでいる女だった。
風体から見るに、芽吹とあまり変わらぬ歳だろう。
(誰かしら、あの女)
芽吹は神官かと思ったが、仮面はしていない。
「…………」
謎の女は去っていき、夏凛は俯きながら建物の中へ入っていった。
(……?)
……そして翌日。
夏凛は芽吹の前に現れなかった。
「三好夏凛は昨夜から行方不明です。よってこの試合、楠芽吹さんの不戦勝とします」
「……ど、うして……?」
芽吹は神官の胸ぐらを掴んだ。
「どうしてよ⁉︎」
「楠さん、落ち着いてください」
「落ち着ける訳ない‼︎ 三好さんは昨夜見たのよ!」
「……! どこでですか?」
「宿泊施設を出た辺りでっ。知らない女と話してた!」
「……なるほど」
神官は掴まれたまま冷静に芽吹に告げた。
「その"誰か"と会った後、三好夏凛はお兄さんの元を訪れました」
「……っ⁉︎」
「口論になっていたそうですが、その後三好夏凛は離反。おそらくもう香川にはいないと思われます」
「だから何で⁉︎ その兄って人に会わせなさいっ‼︎」
「できません。貴女には防人のリーダーになり、皆を率いて御役目を果たさなければいけませんので。……また三好夏凛のお兄さんは責任を取り、謹慎処分となりましたので会うことはできないかと……」
(嘘、でしょ……?)
芽吹の胸中はドス黒い闇に飲み込まれていった。
昨夜、夏凛を呼び止めなかった自分への後悔と、黙って出ていった夏凛への怒りが全身を包み込んでいく……。
「……ぁぁぁぁぁぁぁああああああああああああああああああああああ!!!」
空に向かって叫んだ。
「ふざけるなァァ‼︎ 三好夏凛ッッ。貴女、私と約束したじゃないッ! 逃げるのかァァ‼︎」
しかし、その返答がかえってくることなどない……。
そして周囲が慌ただしくなっている中でも、防人は通常通り発足された。
また、夏凛の抜けた穴には急遽、人を補充した。
「ーーイヤイヤイヤイヤイヤ、ムリムリムリムリムリ〜〜‼︎」
「"雀"っ。久しぶりっ。これからよろしくね」
「いや、先輩っ! 何で私なんですかあああ〜〜〜!」
新しく入った"加賀城雀"という少女が32人目となった。また、先輩と呼ばれていた彼女は後にNo.8の名が与えられる。
どうやら、二人とも小学校が同じだったらしい。
「……芽吹先輩。本日より防人が正式に活動されますっ。何か一言あれば、リーダーのあなたからどうぞお願いしますっ」
そう言ったのは、防人のお目付け役として大社から派遣された"国土亜耶"という少女。
芽吹は岡山県倉敷市に新たに設立された大社本部の前で防人全員に告げる。
「全員、聞きなさい。私達はこれより防人としてこの世界を救うべく、バーテックスを殲滅し、各地の生存圏を死守していく!」
(違う……)
「私はここに誓う! 私が部隊を指揮する以上、貴女達を絶対に死なせない!」
(私が望んでいたのは……手に入れたかったのは『これ』じゃない……)
「逃げたい奴は今すぐ逃げ出しなさい‼︎
(三好さん……。どうしてなの……)
「市民が可弱い事は罪では無いッ。『勇気』はココにある‼︎」
ドンッ と胸を叩いた。
「強大な敵がこの世界に蔓延るのならばっ、私達防人がそれを駆逐し市民を守らなければならないッ‼︎」
(三好さん……。私は変わらず、貴女を越える事を目標にし続けるわ。この部隊の全員を死なせずに御役目を全う出来れば、貴女以上のリーダーだという証明になる筈ッ)
「絶対なる勇気を掲げてッ、私と共について来なさい‼︎」
「はいっっっ‼︎」
芽吹の熱い弁舌に防人のみんな(数名除く)は、背筋を正し敬礼をした。
(私は諦めない。『折れない勇気』 ……それが、楠芽吹の掲げる勇気の在り方だからッ)
「ーー嫌だああああ〜〜‼︎ 逃げたいっ! ねぇ⁉︎ 逃げていいよねぇぇぇ‼︎」
「……雀さん。あの熱演を見てよくそんな言葉を口にできましたわね……」
「御役目……。仕方ない……」
ーーそれから芽吹たち防人は四国の外で活動を始める。しばらくは全員で
四国へ戻る事は無く……。
いや、四国へ戻る事を許されず……。
「ーーッ!」
「あっ、目が覚めた。……良かったぁ」
芽吹は起き上がり、周りを見た。
歌野と雪花と水都が安堵した表情を浮かべてこちらを見ている。
「……そっか。私は……敗けたのね。意識がはっきりとしてきたわ」
自分の体を見る。痛々しい傷痕がより一層、芽吹の敗北を決定付けていた。
「楠さん、あのねーー」
「ねぇ、歌野。約束……忘れてないから」
「……!」
「三好さんに言われた通り、私は今以上に強くなる。世界を、大社を知りたい。……だからこれからも、貴女と一緒に居させてくれる?」
「〜〜〜‼︎」
ぱあぁっと歌野の顔が輝き、ニッコリと笑った。
「オフコース♪ これからもよろしくねっ」
「あっ。言っておくけど、仲間にはならないからね。あくまで私と貴女は"ビジネスパートナー"。良い?」
「……そこ、こだわるんだ……」
「うん。それでも良いわっ。ふふっひ♪」
そして、ゆっくりと立ち上がる。
「あっそうだ。……ねぇみんな、私たちにもチーム名が欲しいと思うの」
「チーム名? うたのん、それって『防人』とか『四勇』とか、……『七武勇』とか?」
「そうそう! でね、もう考えてあるんだっ」
歌野はバッグの中から農作業時に着ていたジャージを取り出した。
そして、左胸の部分に描かれているハクチョウのエムブレムを指差す。
「チーム・白鳥?」
「ううん。ズバリ……」
満面の笑みで歌野はそれを掲げた。
「
芽吹が正式に歌野の仲間になった……と言っていいのか? これは。
三好夏凛:能力は不明。ってゆーか彼女の能力は剣術とは相性が悪いものらしく、おそらくこの先使う機会はないだろう、と思われる。(能力無くても戦闘面は問題ない)
ヒントは『結城友奈は勇者である』の三好夏凛初登場回(風格ある振る舞い)をご覧ください。
現在の懸賞金額は480万ぶっタマげ(720万円)。初頭額は400万ぶっタマげ。
次回 愛されぬ勇者