白鳥歌野は農業王になる   作:amorphous

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拙稿ですがよろしくお願いします。
三好夏凛や楠芽吹に、()()()()()()()()で涙をのんだ銀メダリスト共はいくらでもいるぜ。



前回のあらすじ
雪花は全ての力を出し切った。蓮華は右腕を失った。それでも倒す事は出来なかった。しかし、その努力は彼女たちの最も信頼する相手に託される。


第九十二話 越えてゆく!

 雪花は拳を強く握りしめて床に這いつくばることしか出来なかった。

 立ち上がって戦える力などもう残っていない。

 そして蓮華もまた、あと少しのところで倒れてしまった。右腕を犠牲にして、それでもNo.3を倒すには至らず。

 

 ――どれだけ想いが強かろうとうまくいかないことだってある。現実は非情だ、残酷だ。

 そんなことは分かっている。嫌というほど味わってきた。

 何をしても越えられない壁は存在する。

 

 ……どんなに頑張っても、思い通りの結果になる保証はない。

 どうにもならないことなんていくらでもある。

 

 

 ――それでも、"今だけ"はそうであってほしくない。

 

 

「――あら? この先がトップフロアだったかしら……?」

 

 その時、階段に二人の陰が見えた。そのうち、一人は身体をベルトで巻かれ、もう一人の背中に固定されている。

 

「あ……あぁ……ぅ」

 

 その姿を見ただけで涙が溢れだす。

 

「歌野ぉ……」

 

 二階にてNo.5と戦っていた歌野が辿り着いたのだ。そして三階にいた芽吹も。

 

「……っ⁉︎ 次から次へと……」

 

 No.3の顔付きが変わる。彼女からすれば水都を連れ出していち早く姫路城から脱出したいのだが。

 

「……⁉︎ 蓮華ッ、雪花ッ⁉︎」

 

 歌野は二人の状態に気付く。ベルトを緩めて芽吹をその場に下ろしたあと、近くにいる蓮華に駆け寄った。

 

「……歌野」

「蓮華ッ⁉︎ その腕……」

 

 歌野は蓮華の右腕が干涸びていることに気付く。しかし蓮華は腕の事は説明せずに今の歌野に必要な情報を与えた。

 

「歌野、よく聞きなさい。……相手の能力の弱点は水などの液体よ。砂という性質を阻害すれば、ダメージを与えられる。それとこの上が最上階。水都だけがいるはず……」

 

 そしてそれをNo.3が黙って聞いているはずもない。

 

「敵の前で、随分と余裕だなァ」

 

 話している最中の蓮華を歌野ごと攻撃しようとする。

 

「ぐおッッ……⁉︎」

 

 しかしその時、No.3のバイザーに亀裂が入り、頭部に装着していた防具ごと破壊された。

 

「くっ。……ちぃ、あの時か」

 

 最後に蓮華と交錯した際、蓮華の斬撃が頭部を捉えていたのだ。

 

「……歌野。情け無くて悔しいわ。あなたに託すことしかできないなんて」

 

 弱点は分かった。雪花の想いを受け取った。……だが、蓮華はその役目を果たすことが出来なかった。

 

「背負って……くれる、かしら」

 

 歌野は微笑みながら蓮華を抱きしめた。

 

「オフコース♪ 蓮華と雪花の努力は無駄にしないわっ」

 

 歌野は蓮華から離れると立ち上がり前を向いた。

 

「代わりに……その状態でちょっとハードだけど、芽吹をお願いねっ」

「わかったわ」

 

 芽吹は未だに意識が戻らない。さらに傷口を歌野が縛ってはいるが少しずつ血が滲んで流れている。

 さっきまで背負っていた歌野の背中に、それが分かるほど付着している。

 

(歌野自身も、相当な傷なのに……)

 

 衣服だけではない。持っている武器に付いている血も、芽吹のものか歌野のものか分からない。

 

「クハハ。その二人を見れば分かる。随分信頼されているようだなァ。……"信頼"。ククク……この世で一番不要なものだ」

「あらそう? 私はアグリーしかねるわっ」

「大局は変わらん。俺と戦う前から満身創痍のてめェは……この二人と同じ轍を踏むことになる」

「それは……っ、どうかしらッ!」

 

 歌野は右腕を一旦振り上げ、そのまま勢いよく下ろす。

 その動作につられるようにベルトもまた波打ちながらNo.3に襲いかかる。

 

「クハッ。イキがったところで水も持たねェてめェに何が――」

 

 歌野の能力も分かっている。この場に水気がないことも。自分へ向かってくる武器の先端が顔を捉えるその時まで、No.3には次の自分の姿など予想していない……。

 

 ゆえにその一撃が、顔に命中して吹っ飛ばされる。

 

「……ッッ!!!」

 

 何とか空中で体勢を整えて床に両足を付ける――瞬間を狙って歌野はベルトを右足に巻き付けた。

 

「な……何ィ⁉︎」

 

 そのまま引っ張られて歌野の元へ。

 

「ムチムチのぉぉおおお〜〜!」

「待……っ」

「スタンプーーッ‼︎」

 

 歌野の右足がNo.3の腹部の中央へと。吸い込まれるような蹴りが入る。

 

「がぁああッッ‼︎」

 

 ベルトの拘束が解けて床を二転、三転しながら壁に激突する。

 

「ハァ、ハァ……ガッハガハッ、ゴホ……ッ」

 

 口元から垂れた血を拭き取りながら、冷静になろうと息を整える。

 

「何故だ……。水もなく、ただのムチみてェなオモチャのクセして……」

 

 その間、歌野は雪花を抱えて蓮華と芽吹の所へ運んでいた。

 

「ソーリー雪花。血で汚しちゃったわっ」

「いや……それは、()んだけど」

 

 雪花は上半身だけ起こして心配そうに歌野を見る。

 歌野は変わらず笑っていた。

 

「二人で芽吹をお願いねっ。決めてくるから」

「……うん」

 

 自分を運ぶ為に触れていた部分が赤くなっている。よく見なくとも歌野の手は血で真っ赤だ。

 

「まさか……"血"でッ!!!?」

 

 そこでNo.3は、水も無く、ましてや能力も関係無しにダメージを与えてきたカラクリに気付く。

 

「血でも砂は固まるわっ!」

 

 歌野の表情は自信に満ち溢れていた。

 血という人間の一番身近に存在する"液体"で攻撃してきたこと、そこに何の迷いもない。

 それが偶然であろうとそうでなかろうと。雪花から蓮華へ。そして蓮華から歌野へ。戦いの中でその想いは確かに受け継がれていた。

 

「ハァ……ハァ……。ク……ハハハハハ」

 

 

『――結局てめェがやったことはなんだ。液体ならこの俺に攻撃できるってことを……証明した()()じゃあねェかッ』

 

 蓮華に吐いた自分の言葉を思い出して笑いが込み上げてきた。

 

「いいだろう。……そこの()()()()()()()()、そしてお前。バスターコールという更なる地獄が待っていようと、必死で俺に挑み、食らいついてきやがるてめェらの執念に報いてやる」

 

 No.3は少し前進すると、足元の砂の中に手を入れて"銃剣"を出現させた。

 

「そんなところに。それとも砂にして隠してたのかしらっ」

 

 歌野の疑問には答えず、No.3は銃剣の刃の部分を掴むと、それを()()()

 

「"勇者"として、だ」

 

 刃と共に銃身も外れて床に落とす。中には、ひとサイズ小さい別の刃が備わっていた。

 

「マトリョーシカみたいねっ。でもどうして剣を剣にインしてたの?」

 

 その疑問には答える。

 不敵な笑みを浮かべながら。

 

「"毒針"さ」

「……そう」

 

 光に反射してその刃がひかる。おそらく毒が塗られているからだろう。

 しかし歌野は、ただそれだけ言った。

 

「一端の"勇者"ではあるようだな……」

 

 特に驚きもしなかった歌野の返しに、No.3は笑いながらも真剣な表情をする。

 

「"勇者の決闘"はいつだって生き残りをかけた恨みっこなしの戦い。……勇者が戦いを始めた以上、そこに卑怯なんて言葉は存在しねェ」

 

 先程からNo.3が口にしている勇者という単語が『勇者の野菜』を食べた能力者という意味ではなく、本来の意味だということを自然とここにいる全員は分かっていた。

 

「俺は俺の目的のために。てめェはてめェの目的のために。互いがそれぞれ譲れねェもののために、その命、魂が尽きるまで」

「ええっ、そういうスピリットは前にある人から聞いたわっ。……私も、みーちゃんを助けるために、全部をかけるっ!」

 

 勇者とは、何かを守るためにその全てを捧げて勇み戦う者。

 それは世界だったり。たった一人の友達だったり。理由はそれぞれ。

 

 ……それが分かっているからこそ、No.3はあえて"勇者の決闘"と言った。

 果たすべき御役目(目的)のために、どんな手を使おうとも成し遂げる。"勇者"として、"目障りな敵"を排除する。

 

 そして、目的は違えど歌野もまた、守るために。

 

「だって……。私はみーちゃんに……どうしても伝えなきゃいけないことがあるの」

 

 彼女の果たすべき理由は、そのひと言に集約させる。

 

「そうか。じゃあいくぜ、()()()()

 

 真正面から対峙する二人の闘志が火花を散らす――。

 

 

 

 先に動いたのは歌野。ベルトを真っ直ぐに伸ばしてNo.3に攻撃を加える。

 しかしそれを身体を傾けることで避けられた。

 

 No.3はそのまま突撃して毒が塗られた刃を歌野に突き出す。

 

「っはあー!」

 

 歌野は伸ばしていたベルトを一気に引っ張った。すると猛スピードで歌野の方へ戻り、No.3の後頭部に打撃を与えた。

 

「……くっ」

 

 怯みながらも攻撃は継続する。

 歌野は収縮させたベルトを握ったまま、身体をその場で一回転させて刃をすれすれで避けた。

 

「ムチムチのブレ……」

 

 回転の勢いを付けて振りかぶる。と、同時にNo.3が右手を前に突き出して歌野の身体に触れようとする。

 

「……くっ!」

 

 触れられる前に攻撃を中断し、両足を脱力させて床に倒れて横に転がる。そのすぐあとにNo.3の刃が床を刺した。

 

「ふうぅ〜〜」

 

 転がりながら距離を取り、立ち上がるとひと呼吸おく。

 

「休んでるヒマねェぜ」

「……ッ⁉︎ ムチムチの(ピストル)ーーッ‼︎」

砂嵐(サーブルス)!」

 

 歌野の伸ばすベルトを、今度は砂嵐を巻き起こして防御する。また、それは攻撃にも転じる。

 

「く……うああ〜〜ッ」

 

 吹き荒れる砂嵐に身体は削られていく。空中を舞う歌野だったが、手足をバタつかせることで何とか体勢を整えて着地した。

 

 ――その瞬間を、No.3は見逃さない。

 

「オラァアア‼︎」

 

 歌野もすぐに反応したが、ベルトを振るうより先に刃が左肩を抉った。

 

「〜〜ッ‼︎ せいッ!」

 

 肩の痛みに怯みながらも、カウンターとしてNo.3の横腹を蹴り、追撃としてベルトで右頬をはたいて吹っ飛ばした。

 

「ぐっほぉお、あ……」

 

 相手は床を転がりながらもすぐに体勢を立て直す。

 

「歌野、今……」

 

 芽吹の処置をこの場で出来る限り行った蓮華と雪花は、先程傷を負った左肩を見る。血は流れて、歌野の身体をより一層朱に染める。

 見間違いではない……。歌野は確かに、毒が塗られた刃で傷を負ってしまったのだ。

 

「前の伊予島杏との戦いや、ここでのNo.5との戦いで生き延びたてめェでも、これには耐えられん。勝負アリだ。じきに『蠍座』の毒が身体を巡って死ぬ」

「蠍座……? バーテックスのこと……?」

 

 塗られている毒の正体は"蠍座バーテックス"の能力――『ドクドクの野菜』を大社が再現するために作った試作品だ。

 蠍座の能力を完全に再現するにはまだ遠いが、それでも毒の効力は本物だ。

 

「……? 解せねェな。何故まだ抗う?」

 

 しかし歌野の目は死んでいない。彼女の闘志はこの戦いが始まった時から一度たりとも揺らいではいなかった。

 

「ムチムチの銃乱打(ガトリング)ーーッ‼︎」

「――ぐっ。うごっ、ぬあ……ッ」

 

 歌野の猛攻を避け切れずに何発か食らってしまう。

 

「てめェは死ぬんだ。その傷口から入った毒で。……もうすぐ全身が麻痺して呼吸すらままならなくなる」

 

 その時間は数分後か、はたまた数十分後か。生きている人間に試すのは今回が初めてだが、元の能力を参考にするならば初期症状がいつ現れてもおかしくはない。

 

「……どの道、てめェは勝っても負けてもバスターコールで消し炭になっちまうんだ。もう観念して――」

「やぁぁあああ!」

 

 それでも歌野は構わず攻撃を仕掛ける。ベルトを一回転させ大きく薙ぎ払う。

 No.3はしゃがみ込んで回避する。と、それを読んでいたのか、歌野はNo.3の頭上に来たタイミングで一気に振り下ろす。

 

「ムチムチの戦斧(オノ)ォー」

 

 後頭部から背骨までの一直線に打撃が加わる。

 

「グッハァア⁉︎」

 

 さらに床に叩きつけられた衝撃が全身を巡り苦痛の声を上げる。

 

(バカな……。蠍座の毒は効いているはず)

 

 歌野の底知れない生命力に僅かな恐怖を覚える。当の歌野は肩で息をして片膝をつくが、決して倒れない。

 

「どうしてそこまで躍起になれるッ⁉︎ 仲間の一人や二人。見捨てれば迷惑な火の粉は降りかからねェ。まったくバカだ、てめェらは‼︎」

 

 歌野ももう限界に近いはず。毒もある。それでも、ベルトを持っていない左手を床につけ、それを支えとしてゆっくりと上体を起こす。

 

「みーちゃんはね……人には死ぬなっていうくせに、自分は真っ先に命を捨てて助けようとしてくれるの……」

 

 水都が自分を助けようとしたのはもう何度目だろうか。

 思えば能力者(勇者)になった時。北海道で天秤座、そしてNo.4と戦った時。京都支部跡地での牡牛座の攻撃の時。

 ……そして伊予島杏の決闘の時。

 

 ――いつだって、水都は歌野のそばにいて命をかけて守ってくれた。

 

「今回もそうっ! あなたたちの計画のせいで……私たちを守るために……。放っておいたら死ぬのッ」

「分からねェ奴だ。だからその厄介者を見捨てちまえばいいと俺は言って――」

死なせたくないからッッ仲間なのよッ‼︎

 

 歌野の大声がフロアに響く。聞こえた全員の肌が震える。

 

「だから私は絶対に諦めないッ‼︎ みーちゃんがそうしたようにッ。みーちゃんもそうだったようにッ」

「その結果……死んだとしても、か?」

「もし、死んだとしても、それはそれっ」

 

 歌野の覚悟。決して生きることを諦めない強さ。

 どれだけ絶望的な状況に立たされていようと。背後で死神が手招きしようとも。

 ただひたすらに、仲間と生きる。

 

「何なんだ……てめェは」

「私は白鳥歌野。農業王になる女よッ!」

 

 胸を張り、未来の自分の姿を自信満々に語る。

 

「そのために私は必ず……ッ、四国に行って"神樹様の恵み"を手に入れるんだからッ!」

「ク……ハハッ。それがどういう意味か分かってんのかァ? "この先"に誰がいると思ってやがる」

 

 ここで歌野たちを迎撃してきたNo.3より上の存在が四国に存在する。

 お尋ね者である歌野たちが歓迎されないのは当然のことだ。必ずその者たちとの戦いになる。

 

「たとえ大社や七武勇。……四勇が立ち塞がってもッ、私は彼女たちを越えてゆくわ‼︎」

「……いいか。この世界をより深く知る者ほど、そういう軽はずみな発言はしねェもんだ」

 

 四勇の、伊予島杏の強さを、『勇者の野菜』の"覚醒"という存在を、身をもって知りながら。

 バーテックスという未知なる存在の恐ろしさを知りながら。いや、歌野だけではなく大社も多くの人は奴らの存在を詳細には知らないだろう。

 

 ――それでも歌野は諦めない。()()揺らがない。

 

「この世界のレベルを知れば知るほどに、そんな夢は見れなくなるのさッ‼︎」

 

 歌野は左手を前に出す。そして自身へ向かってくる刃を素手で掴んだ。

 

「ふぅうッッ‼︎」

 

 力一杯握りしめると、掴んでいた刃が砕け散った。

 

「なにィ⁉︎」

「はぁああーーッ」

 

 銃剣に残った方の刃の根本を掴んだまま引き寄せる。

 

「ッぁああッ!」

 

 右手に持っているベルトを伸ばして腹部に命中させる。

 

「ぐっ、ウッ……」

 

 足が床に付いたまま擦りながら数メートル後退させられて止まる。

 

「どこの馬の骨とも知れねェ勇者が……ッ」

 

 だがすぐに破壊された刃を根本から脱略させると、また新たな仕込み刃が生えたかのように現れた。

 

「この俺を誰だと思ってやがるッ!」

 

 その新しい刃による刺突攻撃を繰り出す。

 

「あなたが大社(どこ)防人(だれ)だろうとッ‼︎ 私はあなたを越えてみーちゃんを助けるッッ‼︎」

 

 両膝を曲げてしゃがみ込むように突き出される刃を回避した。そして足のバネを利用して右足でNo.3を蹴り上げた。

 

「チィっ。……さっさと潰れろッ。砂嵐(サーブルス)"重"(ペサード)‼︎」

 

 上から放たれた衝撃波のような砂嵐さえも歌野は耐え、攻撃の準備に入る。

 

「ムチムチの〜〜ッ」

 

 ベルトを最大限伸ばして自分の身体に巻き付ける。砂嵐に抗うように、そのまま真上にジャンプして巻き付けていたベルトを一気に解く。

 

予測不可能な(イレギャラー)暴風雨(ストーム)ーーッ!!!」

 

 空中でベルトと共に自分も超高速で回転し、その勢いが激しい竜巻を起こす。

 

「――砂漠の金剛宝刀(デザート・ラ スパーダ)ッ!」

 

 No.3も強度を高めた巨大な斧の形状をした砂の刃を放つ。

 ……しかし巻き起こる突風が、血に濡れたベルトが、その砂の刃を薙ぐようにかき消してしまう。

 

「バカな――」

 

 目にも止まらぬ速さでNo.3の身体に、ベルトによる打撃と風圧による裂傷を加えながら上へ、上へと押し上げていく。

 

「ぐぅおおおおおおおおあああああああああああああああーーッ!!!?」

 

 天井の壁を突き破り六階へ。そしてその階にいる少女の目の前を通り過ぎてさらにその上へ。攻撃は止まらず進む。

 

 

「――うわあ⁉︎ …………えっ」

 

 水都のいる六階の天井さえも突き破り、No.3は姫路城の外へ放り出された。

 

「うたのん……」

 

 一瞬だけ、その姿が見えた。床を突き破ってNo.3と共に現れ、すぐに落下していったが。

 

「みんな……」

 

 震える唇から自然と言葉が漏れる。

 この穴の下に自分の待ち望んだ……自分を助けに来てくれた、大切な仲間たちがいる。

 

 

 再会の瞬間は、もうすぐそこに――。




 もしかしたら三大将より強いのかもしれないこの俺っ娘。

 さて次回は、ようやく水都に会えます! 水都の登場も半年ぶりですかね。


次回 雷の如く
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