ある日、ココアのスマホにメールが1通届いた
ココア:……ん、誰からかな……千夜ちゃんからだ……何々?
『ココアちゃん、お仕事中ごめんなさいね
今日お仕事終わったらラビットハウスに
来れるかしら?』
ココア:………?ラビットハウスに?今日?何かあるのかな……えっと……
『大丈夫だよ ところでラビットハウスには行けるけど何かあるの?』
『よかったわ 何があるかは来てからのお楽しみよ じゃあ待ってるわ』
ココア:……何だろう、とりあえず仕事しなきゃ……
ココアは千夜とのメールを終え、仕事に戻る
仕事が終わって退社時刻になるとココアはすぐに会社を出て車に乗り、木組みの街へと走らせた
ココア(ラビットハウスに何かあったのかな……でもあのメールを見る限り深刻な感じじゃなさそうだけど……)
ココアは道中、そんなことを考えながら走っていた
そして車は木組みの街へ
ココア:………至って普通だなぁ……ふう
ココアはドアノブを掴んで一息ついてドアを開けた
しかし、中は真っ暗だった
ココア:………?何も見えない……えっとスマホのライト……わっ!
ココアがスマホを取り出そうとした時、突然パッと電気がついた
そこにはチノ、リゼ、千夜、シャロ
そしてマヤとメグというメンバーが勢揃いしていた
マヤ:よっ!やっと来たなココア
メグ:いらっしゃいませ~
ココア:………あれ?皆揃ってどうしたの?今日は誰かの誕生日か何かかな?
シャロ:ふふ、違うわよ……それよりほら、こっち座んなさい
ココア:えっ?ここ?カウンターじゃなくて?
千夜:ええ、今日はここがココアちゃんの特等席よ
リゼ:ああ、そうだ……チノ、用意はいいか?
チノ:………はい
窓際のテーブル席へ座らされたココア
チノはそこへコーヒーを3つ、置いていく
ココア:チノちゃん、これは一体何かな
チノ:何ってコーヒーですよ、冷める前に全部飲んでください
ココア:……いや、そうじゃなくて……まあいいや、いただきます
ココアはコーヒーを1つずつ飲んでいく
チノ:ココアさん、どれがどの味かわかりますか?
ココア:えっと……これがブルーマウンテンで……
チノ:いえ、コロンビアです
ココア:あ……えっと、こっちがキリマンジャロで
チノ:いいえ、それがブルーマウンテンです
ココア:あ、あれ?えっと……これはインスタント……
チノ:うちのオリジナルブレンドです
ココア:あはは、そ、そうだったね……はぁ
チノ:ふふふ、相変わらずですね
ココア:面目ない、です
リゼ:ところでココア……今のやり取り、何か思い出さないか?
ココア:?何かって?
リゼ:わからないか?じゃあこれならどうかな
リゼは懐からモデルガンを取り出してココアに突きつけた
リゼ:お前は誰だ!!
ココア:リ、リゼちゃん!?私はココア……あ、もしかして………
リゼ:お、思い出したか
シャロ:ようやく気づいたのね
千夜:そうよ、ココアちゃん
マヤ:今日は~
メグ:ココアちゃんが~
チノ:初めてこの街に……そして、初めてラビットハウスにやって来た日です
ココア:………あ、そうだ………忘れてた
『うさぎがいない!?』
『早くコーヒー全部飲んでください』
『そんなこと聞いてないぞ!怪しいやつめ!』
ココア:そうだ……あの日……ここから全てが始まったんだ
チノ:ええ、だから今日はお祝いです
リゼ:また今日から皆で再出発だ!
マヤ:料理持ってきたぞ~!ていうか宅配物だけど
メグ:いっぱい来たよ~
チノ:急に決めてしまったので作る時間なかったので……さあ、ココアさん……食べる前に何か一言……ってココアさん!?
リゼ:泣いてるのか!?
ココアは話を聞きながらポロポロと涙を溢していた
千夜:誰かにいじめられたの!?誰!?シャロちゃん!?
シャロ:んな訳あるかぁ~!
千夜:ふふふ、冗談よ
ココア:ご、ごめんね……心配させちゃって……違うんだ、嬉しかったから……私のためにこんなにしてくれて……だから
マヤ:へへ、姉の目にも涙ってヤツだな
メグ:それを言うなら鬼の目にも涙だけど今日はそうだね~
ココア:あはは、そうだね~
ココアは涙を流しながらクスリと笑ったあと眼鏡を取って腕で涙を拭って立ち上がった
ココア:えっと、今日は皆ありがとう……私のためにこんなパーティー開いてくれて……また私たちはバラバラになるけど……お互いこれからも頑張っていこうね
リゼ:ああ、場所はバラバラになるけど心は1つだ
千夜:ええ、また皆で昔みたいに会いましょう
シャロ:大丈夫よ、この前皆で山に行ったんだし
マヤ:お~楽しかったなぁ
メグ:また遊びに行きたいねぇ~
チノ:では、皆さん……冷めないうちにどうぞ
マヤ:寿司は冷めてるけどなぁ~
メグ:も~!マヤちゃん空気読んでよ~
マヤ:え~だってさ~
リゼ:ほらほら喋ってないで食べないとなくなるぞ
千夜:シャロちゃん、どれが食べたい?わさび取りましょうか?
シャロ:自分で取るわ!それにわさびくらい食べられるわよ!子供じゃないのよ!
チノ:ココアさん、はい……どうぞ
ココア:あ、ありがとう……チノちゃん
チノ:ココアさん、また時々遊びに来てくださいね……私はいつまでも待ってますから
ココア:うん、行くよ……絶対に……ラビットハウスは……ううん木組みの街は私の
ココアは窓の外を見て言った
ココア:第二の故郷だから……
こうしてパーティーは一晩中盛り上がり、全員眠ってしまった
翌日、それぞれ別々の場所へと戻っていく
またここからココアたちの新たな日々が始まるのだった