やっと平和になった日本。しかし、日本政府の裏切りによって、呉鎮守府、横須賀鎮守府、佐世保鎮守府、舞鶴鎮守府の提督は全員死亡。その中の呉鎮守府の第一秘書艦だった金剛型高速戦艦1番艦の『金剛』は日本政府に復讐を誓い、日本政府に宣戦布告をするのだった。
執務室で私は妹たちを呼んだ。秘書として時雨を配置している。
「まず、比叡と榛名は陸上自衛隊との話し合いを進めてクダサイ。霧島は陸上自衛隊が反撃してきた時のこちら側の反撃を考えておいてクダサイ。」
「金剛、攻撃されない限り本隊に攻撃しないのかい?」
「もちろんヨ。私たちは元々日本を護るために産まれてきたんですヨ。市民を殺しちゃう能力を私たちは持っているんですから、市民を殺す訳にもいかないの。」
「姉様…話し方が…。」
「失礼したネ。時雨、ちょっと私はここを空けるヨ。その間、なにか報告あったら時雨の指示でいいネ。」
「わかったよ。」
私は執務机の椅子から立ち上がり、妹たちと時雨を執務室に残して、執務室から出る。廊下に出ると、駆逐艦達が集まって話していた。
「どうしたノ?」
「あっ金剛さん…。」
「どうしたノ?ブッキーシスターズ?」
「いえ、お疲れ様です。」
「ん?おつかれ様ネ。」
駆逐艦達は少し私から距離を取っていた。特に第6駆逐隊の子達だ。そりゃ、仕方ないかもしれない。守るべきあるはずの日本と戦争を宣言した私は周りからしたら怪物に見えてしまうのだろう。私はまた廊下を歩き出す。廊下で重巡洋艦や戦艦達は私を見ると敬礼をする。重巡洋艦達と戦艦達は私を『総司令官』として認めているようだ。それはいいことだ。でも、日本みたいな無理難題を押し付けるのではなく、守るために戦わなければならない。そして、私は廊下を歩きある場所の扉を開ける。
「この部屋は久しぶりに来たわ。いつもいつも『デースデース』って言うのもめんどくさいわね。ええっと、ここにお茶っ葉があって…ポットがここに…。まあ、ティータイムするわけじゃないんだけどね。でも、ここでティータイムをするのも悪くないかしら?」
なんやかんや言いながら、やかんに水を入れる。私は1人で水をお湯に沸かせている間にお茶っ葉をポットに入れる。やかんを見てもまだ沸けていないので、部屋のクローゼットを開けた。実はこの部屋は提督の部屋であり、ここには提督の制服がハンガーに掛けられていた。もちろん、軍服もあるため、式典には着ていかなければならないが、今は式典などない。だが、ひとつおかしい気がする。提督の制服と軍服が一着ずつなくなっているがする。まあ、提督が持っていったんだろう。私は金剛型の制服を脱ぎ、提督の制服を着る。そして、帽子を被り窓の外を睨みつける。
「みょうこうはほぼ沈みかけね。山の中の陸上自衛隊の本隊はまだ山頂に配置されていているのね。ふーん…囲まれてしまっているのね。」
私が窓を見ながら、さっき独り言を話している間に出来た紅茶を飲む。至って、平和のティータイムをする。この静かな時間を壊すように、吹雪が入ってきた。
「Oh?どうしたノ?」
「あっ、金剛さん。先程、陸上自衛隊から情報が。」
「話してみてヨ。」
「はい!『政府は呉鎮守府を反乱軍として、陸上自衛隊と海上自衛隊及び航空自衛隊に攻撃を許可する』だそうです。」
「ふむ。了解ネ。対空用意しといてヨ。海上自衛隊は潜水艦に対応してもらうネ。陸上自衛隊は攻撃すると言っているノ?」
「いえ、陸上自衛隊は貴殿達を攻撃するつもりは無い。と言っています。」
「これでもし、攻撃すると反撃が返ってくるってことネ。」
私は吹雪と話ながら、提督の私室を出ていく。そして、私は提督の制服で廊下を歩く。
「ブッキー、今すぐ対応するために私は執務室に戻るネ。吹雪達は安全なところに隠れてクダサイ。」
「金剛さん…。」
「大丈夫ネ。死ぬつもりはないカラ。」
吹雪と執務室前で別れて、私は執務室に入ると時雨と妹たちは私の姿を見て驚いていた。
「金剛…。覚悟を決めているんだね?」
「そうデス。海上と航空が来るのなら本気でやるべきデショ。」
「そうかい。作戦は?」
「時雨、状況は?」
「うん。まず、海上自衛隊はミサイルを発射する用意をしているね。航空自衛隊は航空機を出撃される時間が長そうだね。でも、来るのはもうすぐ来ると思うよ。」
時雨はちゃんと説明してくれた。しかし、ここまで攻められていると対応が難しくなる。とりあえず、近くの飛行場を狙って滑走路を爆撃する作戦を時雨、妹たちに提案する。すると、飛龍と蒼龍が執務室に入ってきた。
「金剛司令官、どうしますか?」
「近くの飛行場を狙ってクダサイ。艦載機で飛行場を狙えば、一旦空はまだ安全になるヨ。海上は潜水艦たちが狙ってるから安心ネ。」
「金剛、こう話している間にもあたごに潜水艦の魚雷が当たって、沈めかけだそうだよ。」
「ふむ。いい感じネ。飛行場を制圧する用意のためにあきつ丸達に伝達しといてクダサイ。ここにミサイルで潰れてしまっても、次の司令部ができるはずネ。時雨、ちゃんと私の指示を待ってクダサイネ?」
「…チッ。わかったよ。」
「今、舌打ちしたような気がするネ時雨?」
「いやいや、気のせいだよ。」
いや、今のは確実に聞こえた。私の指示を待ってくださいとお願いしたのに舌打ちをする時雨。何を考えているのかさっぱり分からない。
時雨は私を見ずに執務室から出ていく。その後ろ姿はなにか闇を抱えているように見えた。蒼龍と飛龍は私から「明日から攻めて欲しい」と時雨がが出ていった時に伝えた。
「…ま!おね…!お姉様!大丈夫ですか?」
「Shit…。榛名どうしたノ?」
「いえ、時雨さんが出ていった時から呼んでいたんですが…どうしましたか?」
「あっ…なんでもないヨ!」
なんでも無いわけじゃない。時雨のことを考えていたと言えば何かしら私が怪しくなってしまう。
〜呉鎮守府作戦立案室〜
「やぁ、あきつ丸。」
「時雨殿お疲れ様であります。」
「金剛からGOのサインが出たよ。いつでも、近くの飛行場は爆発の用意をしといて欲しいな。」
「もちろんであります。それとも今やってしまうでありますか?」
「それはいいね。やっちゃおう。生温い戦いは必要ないよ。僕が欲しいのはレイテみたいな戦いさ。」
〜執務室〜
私は落ち着くために紅茶を愛用する。それは私がイギリス生まれで紅茶の匂いがすると落ち着くからだ。だからこうして、また戦争が始まる前の怖がる気持ちを押し殺すために紅茶を飲む。もう二度と飲めなくなってもいいように、何度も何度も。そして、紅茶がなくなって…そしてわかった。これが戦争。これが戦争なのだと。
「はぁ、提督は未だに信じているのかなぁ。私が日本に攻撃をしないって。」
独り言は執務室の中に消える。妹たちは外にいる空母達と話をするついでに艦載機の補給しに向かった。時雨は作戦立案室に行った以来帰ってこない。私は日が暮れ始めている空を見ながら外を見る。ティーカップを机に置いて、外を見る。護衛艦が包囲している以外綺麗な海だ。
「本当にこれでよかったのかなぁ。私…ちょっぴり後悔してるかも。後悔するのならやらなければよかったかな。」
どんどん不安が心を押しつぶしそうになる。この戦争のあと私たち「艦娘」は軽蔑されていく道を進んでしまった気がする。
「戻ったよ金剛。ん?どうしたんだい?深刻そうな顔をしているけど?」
「時雨デスカ。別に何もないネ。」
「そうかな?僕から見てもかなりしんどそうだよ?」
「こんなぐらいで倒れる訳にはいかないヨ。」
本当にその通りである。ここで倒れればヴァルハラに居る提督に笑われてしまうからだ。そして、私は何を考えているのか分からない時雨に指揮権を渡すつもりは無い。私がどうされようとこの指揮権は渡さない。
「とりあえず、金剛。今日の軍事作戦はないからゆっくり寝てきた方がいいよ。あとは僕が対応しとくからね。」
時雨の不敵な笑みが時雨の思考を謎にさせる。もちろん、戦友としては信頼はしているが一つ一つの行動がおかしいのも確か。私は時雨の提案を断る。
「私は休みまセーン。ここの司令部として休む気はないからネ!」
「…ふーん。そうかい。……かな?」
私は時雨が最後の方に言った言葉を聞き取れなかった。特に怪しい言葉じゃなさそうだから気にしなかった。
「時雨。明日の朝にあきつ丸達を飛行場に出撃させてクダサイ。これから始まるのが本当の戦争ネ。」
「待ってました!そうゆうと思って僕達もう飛行場に爆弾仕掛けてあるよ!」
「仕事が早いネ。これでどうなるか楽しみだヨ!」
私は手を叩いて喜ぶ。そして、日も沈み夜がくる。海上に居る護衛艦達は鎮守府を照らすために探照灯をこちらに向ける。逆に相手に居場所をバラしていると言うことがわかってないのだろうか?
「金剛。あれは挑発行為かな?」
「ちょっと鬱陶しいネ。夜戦戦闘機は?」
「確か…あったはずだよ。」
「発艦させて沈めてクダサイ。狙いは『いずも』と『かが』ネ。沈んだ仲間たちの名前を使ってる護衛艦を沈めるのは心が痛むヨ。」
「そう言う私達も沈んでるけどね。」
「それは鉄の体の時デス。」
「でも、僕達も深海棲艦みたいなもんだよ。特に今の姿は人間から見たら深海棲艦だよ。人の体を持ったね。」
「確かにその通りネ。でも、私たちはこの政府を正すためにやるだけネ。」
「そう言っている割には人間には甘いね。本当に提督の仇を取る気あるわけ?」
時雨から急な質問に私は言葉も出せない。そんなこと、私が1番知りたいことだ。手紙には「市民には手を出すな。」と言われ、秘書には「作戦が甘い」と言われ、私はどうすればいいのだ?
「あるかないのかはっきりしてくれないかな!僕達は君について行くんだよ!」
「わかってるネ。わかってるケド…私だって分からないヨ!テイトクのためにやるって決めたのに私は怖いノ!また、大事な人達…仲間が死んでいくのが嫌なの!」
「ふん。それが君の意思なんだね。君のことだから『仲間は捨ててでも仇を取る』って言うと思っていたんだけどね。どうやら、僕の見当違いかな?」
「時雨…?何を言って…いるんデスカ?」
「君には失望したよ。」
何故か失望された。私が仲間を捨てるわけが無い。なんのために今まで助け合いながら戦ってきたのだろうか。この時雨は本当にやばい考えをしているのかもしれない。そんなやつにまともな思考ができるはずもない。
「時雨、今すぐ自室に戻れ。さっきの私に対する言葉は水に流すカラ。」
「僕はずっと思っていたんだ。こんな生ぬるい戦場じゃあ僕は満たされないって。」
時雨は私の後ろにある窓を開け、三日月を見ながら私に説明する。その顔はどこか悲しそうで…怒りに満ちていた。
「僕が狂い始めたのはあの狂った戦いのレイテだよ。あの時が1番生きた心地がしたね。沈んでいく深海棲艦を見て、あの生きている炎は綺麗と思ったんだ。全てを飲み込むあの炎が。金剛にはわかるかな?僕は唯一あのレイテで生き残ったんだよ。それがやっと、山城たちと勝てたんだ。これ以上の喜びはなかったけど、僕は感じ取ってしまった。『ああ、またあの狂った戦いはできないのか』ってね。その時に提督が死んだ。あの腐った豚野郎達によって提督は殺されたんだ。僕は政府のことを憎んだよ。金剛が好きだった提督が…僕が大好きだった提督が殺されたんだ。そして、あれほど提督に頼ってたくせに今更裏切る政府なんて要らないと思わないかい?金剛。僕は要らないと思うんだ。今更何もしてくれない上に裏切るのなら全て跡形もなく壊してから新たな政府を作ればいいって思うんだよ。」
確かに時雨の言い分もわかる。しかし、それでは私たちの日本を護ってきた意味がなくなってしまう。私は時雨の言い分を反論する。
「私たちは日本を護るために生まれてきたノ。それが私たちの存在意義ネ。それを無視して日本を潰すことはできないヨ!」
「そうだね。僕達は護るために生まれてきたね。でも、守るべき物が裏切って来たんだよ。それでも護る意味はあるの?」
「あるヨ!腐っているのは政府であっただけで、国民を守らなければならないネ!それでも…それでも…時雨は日本を壊すんデスカ?」
「私が司令部になればそうなるね。だから、金剛…君をこの場で拘束してもいいんだよ?」
時雨は拳銃を私に向ける。私は何も言わずに、時雨を睨みつける。そして、時雨は拳銃を下ろして「冗談だよ。
ごめんね。私がゆっくりさせてもらうよ。」と言って拳銃をカバンに戻しながら、執務室から出ていった。私は椅子に深く座り直してため息をつく。
「時雨は考え方がおかしいじゃない。既に昔から狂っていたわけね。これは困ったな。」
私は時雨が見ていた月を見ながら呟いた。そんな呟きもこの暗い空の中に消えていく。そして、私は椅子で眠りにつく。
朝、霧島が入ってきた音で起きる。霧島は焦ったような顔をしていた。
「どうしたネ。こんな朝っぱらから。」
「すみませんお姉様!至急、お伝えしたいことが!」
「ノープロブレムヨ。それで伝えて欲しいことって?」
「はい!時雨さんとあきつ丸さん達が飛行場を爆破し、その飛行場を制圧しました。」
「ふむ。それならいい感じネ。」
「あれ?これはお姉様の指示でしたか?」
「その答えについてはNOネ。時雨たちの作戦に私が話を聞いただけネ。制圧した飛行場はいくつ?」
「ええっと…、ふたつです。」
予想以上の攻め具合だった。時雨とあきつ丸達は飛行場を爆破してから突撃をしたのだろうか?とにかく、私には関係ない。私は霧島を連れて、執務室に向かった。廊下で吹雪と会う。
「あっおはようございます金剛さん。」
「グッドモーニングネ。ブッキー。」
「今日はどんな指示をくれるんですか?」
「ふむ…待機しといて欲しいナ。私は仲間を失うつもりはないヨ。」
「そうですか…。私達って居る意味あるのかなって…。」
「私たちの守る場所だネ。だからそんなに心配することはないヨ。」
私が吹雪の頭を撫でると少し笑顔になった。それはそれでいいことだ。鎮守府は明るいのが1番いい。でも、今は戦争中なのだ。そんな甘い考えは捨てなければならない…。そして、私は吹雪と別れて執務室に入った。
「皆さん、朗報がありましたネ。これは喜ばしいことデスネ!このまま基地も制圧するべきデース。」
「お姉様!おめでとうございます!」
「とりあえず、今回の報告をみんなにするべきデース。航空機が来ないように艦載機を上げた状態で時雨とあきつ丸達を招集して、今回の戦果を報告するネ。」
「はい!いつぐらいに致しましょう?」
榛名は私に聞いてきた。私は顎に手を当てて考える。今日の報告なら今日の方がいいのだろうか?でも2つ落としていることによって、二手になっているのなら明日の方がいいのでは?と思い出す。
「明日でいいヨ。霧島、時雨とあきつ丸に伝達ネ。内容は『明日の昼に戦果報告をするから帰投せよ』とだけ。」
「了解しました。お姉様。」
この戦果報告であんなことが起きるとは思っていなかった。まさか、裏でこうなっていたなんて…誰も予想してるわけが無い。あの事件はどうしたら良かったのだろうか?その事件の解決するための人ももういないのだからもう二度と解決することはない、
どうも、綾凪九尾です。
1話で評価9をありがとうございます。リア友には「なんか読んだことあるんやけど。」と言われて書くのが萎えた私ですが、改めて出してよかったんだなと思います。
さて、今回ですが特にないです。
でも、この小説は私が数日間考えに考えて作っていますんで、おかしいところがあっても私はノープロブレムです。
ところで、残酷な描写ってなんですかね?私には残酷な描写が書けないのでよく分からないんですが…?
まあ、その辺はどんどん理解していくしかないですね。
では、また気分が良ければこの小説を出します。人気出ればいいなぁ。
この辺で失礼します。綾凪九尾でした