2箇所飛行場の制圧と爆破を成功した時雨とあきつ丸。
しかし、その前に時雨と金剛は提督の仇をどう取るかで対立する。
時雨は国民共々殺して、新政府を作る。
金剛は国民を殺さず、現総理を退陣させることだった。
完全対立はこれから戦友の絆にヒビを入れた。
本日は日本に宣戦布告して3日たった。2日目で近くの飛行場を制圧し、爆破もした。これで航空機も攻撃できるはずない。艦載機も空を舞って鎮守府を防衛する。そして、私たち呉鎮守府はグラウンドに呉鎮守府に所属する全艦娘が集まる。グラウンドの舞台には私こと金剛、時雨、あきつ丸、山汐丸、神州丸が立っている。これは昨日行われた航空自衛隊飛行場を爆破、制圧したことを報告するために集まった。
「みなさーん!Good morning!今日はあることを報告するネ!時雨。」
「皆聞こえるかな?僕達は近くの飛行場を2箇所を制圧したよ。もちろん、復旧作業出来ないぐらいまで爆破もしてきたし。」
「時雨、今回はGood Jobネ。」
「ところで、金剛。僕はこれでいいと思うんだけどさ。君、改めて仇取る気あるの?」
舞台を見ていた艦娘達は不思議そうに見ていた。そりゃ、聞いたことの無い話が始まったのだから。
「時雨…それはここでする話じゃないデショ。それとも、ここで決める気デスカ?」
「それでもいいね。」
「ほんと…自分勝手だネ!」
私と時雨は同時に隠し持っていた拳銃を互いに向け合う。艦娘たちからは「何やってるの!」や「どうして…。」などの声が聞こえる。妹たちは舞台に駆け上がろうと走り出すが、あきつ丸、神州丸、山汐丸の3人に食い止められる。
「金剛姉様!」
「比叡!その場でじっとするネ。これは私と時雨の対立ヨ。妹たちは巻き込む気は無いヨ。」
「そんなのダメです!お姉様!榛名はそんなの大丈夫じゃないです!」
「大丈夫ネ。私だって、仲間の弾丸で倒れる気は無いカラ。」
榛名にも上がって来ないように釘打ち、私は時雨の方を向く。陸軍艦達はその向き合う場面を見て不敵に笑う。時雨は「未だに僕が君のこと撃たないと思っているのかい?」と私に向けて拳銃を撃つ。弾丸は私の頬を掠めて、頬からはツゥーと血が流れる。
「はぁ…Shit…。時雨どうゆうつもりネ?」
「僕は本気だよ?君を拘束するか殺すか。それは全て僕次第さ。」
「面白いことを言いますネ。私は時雨に指揮権を渡すつもりはないヨ!テイトクの仇は私たちが取る!でも!国民には罪がないデショ!」
「そうだね。まさか、今の政府がこうなるとも思ってなかっただろうね。でも、国民だって今の状況を見ても知らないふりをしているんだよ?」
「痛いところを突くネ。でも、私たちは国民を護るために生まれてきたノ!それを蔑ろにする訳にはいかないデショ!」
「チッ。綺麗事だね。やっぱり金剛。君には失望したよ。」
「時雨、私も時雨には失望してるヨ。復讐に駆られて日本そのものを壊そうとしている姿に!」
「君だって復讐に駆られて日本に宣戦布告したくせに、君だって復讐の鬼だろう?それとも、違うって言うのかい?」
「そうネ。私も時雨も復讐の鬼ダヨ。」
「君と同じとは皮肉だね。」
私と時雨は互いに拳銃を向けながら笑う。そして、笑い終わると真顔で拳銃を改めてしっかり互いの頭を狙う。
「さて、君はどうする気なのかな?」
「時雨、私は仇を取るケド…。国民は護る!」
「そっか。僕は君に期待していたんだよ?君なら、日本そのものを破壊するって期待してたのに『国民は殺さない。』と言うし…はぁ。やっぱり君には期待するのは間違ってたのかもしれないね。」
「時雨…悪いと思ってるヨ。でも、日本は護らないといけないデショ。」
「君…本当に甘いね。拘束しても、甘さは変わらないね。君…死んじゃえよ。」
時雨は私の腹部に弾丸を撃ち込む。私の腹部からは血が溢れ出す。あまりの痛みで膝を地面に着いてしまう。
「ぐっ…はぁ…はぁ。痛いネ。でも、私だって艦娘ネ。」
私が撃たれた時に妹たちが陸軍艦達を押し抜けて、舞台に駆け上がり、私の前に立ち盾となろうとする。
「退けて…クダサイ。はぁ…これは…くっ…私と時雨の問題ネ。」
妹たちは私を見て、心配そうにしている。すると比叡がおもむろに近づき、比叡もしゃがむ。
「姉様。比叡達では力不足ですか?それとも、比叡達も要らない子ですか?」
「違うヨ。比叡達は優秀な妹たちデスネ。私は鼻が高いからネ。だから、私は妹たちを傷つけさせないヨ。だから、引っ込んでナサイ!」
私は比叡達を押しのけて、時雨の前に立つ。
「あはは。まだ、話す元気はあるんだね。」
「私だって伊達に戦艦だからネ。」
「じゃあ、続きをしようか。金剛?」
「受けて立つヨ時雨。」
私と時雨はまた拳銃を互いに向けた。私は腹部を押さえた状態で向けているので照準が少しブレる。
「金剛。君、強がってるよね?今、諦めたら殺さずに拘束させてもらうけど?」
「くっ…そう言って裏で殺すんデショ。」
「それは僕次第だよ?それに、戦友はそう簡単に殺すわけないじゃん。」
「戦友…は?時雨!お前何人の市民を殺ったネ!飛行場近くの!」
「あれは事故だよ。爆破した時に何人か民間人が巻き込まれてね?それで両足が吹き飛んでて苦しそうに『ころ…して…』と言うもんだから持ってたこの拳銃でバーンってね。最後に『ありがとう』って言うもんだから僕はいいことをしたはずだよ?」
「そんな簡単に民間人を殺したのか!適切な処置をすればまだ助かったかもしれないのに!」
「落ち着いてよ金剛。これは戦争だよ。日本は敵国だから、民間人を助ける意味なんてないんだよ?」
「ジュネーブ条約を知らないとは言わせないヨ!文民を攻撃してはいけないと書いてるのは戦争をしていた私たちだって知ってるはずネ!それとも…そんなのはなかったと言いますカ?」
「ジュネーブ条約…?ああ、武力衝突が起きた時に負傷兵、捕虜、医療従事者、文民を保護しなきゃいけない条約だったかな?もちろん、知っているよ?有名な条約だもんね。」
「この日本だって!その条約に加入しているネ!」
「そういえばそうだったね。でも、殺して欲しいって言われちゃったら…殺るしかないじゃないかな?」
「それがどうであっても!許されないことを時雨はしたヨ。」
「うるさいなぁ…君。その口そろそろ閉じなよ。」
「私は黙りまセン!私が!この手で総理を殴るネ!」
「まだ大層な思想を持ってるんだね。それとも考えがダイヤモンドなのかな?」
時雨の言葉にイラッとくる。金剛を英語にするとダイヤモンドになり、私のことをバカにしていると言うことだ。特に今の時雨の笑顔でそれを言っているのだから。
「時雨!人を殺さずして政府を降す方法はあったデショ!」
「でもさ?私たちの戦友だって沈んでいったよ?大和に武蔵…陸奥、飛龍、龍驤…。駆逐艦達だって姉妹達だって死んで行ったんだよ!」
「そうネ…。平和を祈りつつ沈んで行った戦友達ダヨ。その石碑も作ったヨ。」
「あきつ丸。僕はどうすればいいと思うかな?」
時雨は急にあきつ丸に話を振る。私は少し驚いたが、時雨ではなくあきつ丸を見る。
「そうですなぁ。ここで金剛殿を殺すとここにいる艦娘たちに不信感が出ると思うでありますよ?」
「でも、僕の考えもわかってくれるよね?皆。」
時雨は並んでいる艦娘達に聞く。一部の艦娘達は納得しているようだが、大半は納得していなさそうだった。
「ありゃ、僕の予想だと皆、僕の考えに賛同してくれると思ったんだけどね。あっ、それと空母達と潜水艦達以外皆艤装使えないからよろしく。」
「時雨…それはダメダヨ…。私達…艦娘がただただの兵士になるヨ…。」
「そうだよ?僕達は艦娘から兵士になるんだ。だから、僕も君のところに行くから先に待ってて欲しいな。」
「時雨…。」
曇り空に1発の銃声が響いた。時雨が撃った銃弾は私の頭を撃ち抜き、私はその場で息を引き取る。
7月13日。夏の朝曇り空…私こと金剛型高速戦艦1番艦『金剛』は死亡した。その後、鎮守府内に放送が入る。
『金剛の生命反応消失を確認。次の司令部を判別…。次の司令部長官は白露型2番艦時雨となる。』
この放送が反乱軍が殺戮兵器になっていくこととなる。
「さて、手始めにあきつ丸始めようか。」
「山汐丸、あれを始めるであります。」
時雨は作戦本部を執務室から作戦立案室に変更し、所属している艦娘達を恐怖の支配を始めた。そして、時雨は司令部長官として最初の作戦を実行する。その作戦は空母達の艦載機によって行われる『市街地爆撃』である。
「まず手始めに、原爆で燃えたけどまだ広島城に臨時作戦本部があるから広島城を中心的に狙ってみようか。」
「了解であります。さて、そろそろ海上の船が邪魔でありますな。全て沈めてしまうでありますか?」
「そうだね。沈めてしまおう。」
時雨の次の指示は潜水艦達による、海上艦への雷撃である。『いずも』『かが』沈めかけの『みょうこう』へ魚雷が近づく。そして、3隻の側面から水柱を立てる。そして、警報音が鎮守府まで聞こえてくる。そして、各護衛艦は呉の海に沈んで行った。
「いい感じだね。じゃあ、次は陸上自衛隊かな。」
「神州丸が忍び込んで爆弾を設置しているであります。」
「一気に決めちゃっていいよ。特に司令部は破壊するように。そして、艦娘たちはまず、京都を狙うよ。金剛の死体は…そうだね…。どこかに送ってしまおう。横須賀かな?」
「時雨殿…。酷いでありますな。」
「君だって、僕を止めなかったじゃないか。それに綺麗に燃えていると思わないかい?人達の悲鳴が聞こえてくるよ。でも、なんだろう…。これじゃ満たされない。あの狂った戦いはどこなんだろうね。」
「時雨殿。大丈夫でありますよ。そのうち、東京が戦火に巻き込まれて行くでありますよ。」
「ふふ。そうだね。僕達は正しいはずなんだ。そう…。」
「今更後悔するべきでは無いでありますよ。時雨殿始めるでありますよ。」
「そう…だね。僕は後悔しないようにしなきゃね。」
時雨はあきつ丸に隠れて声を殺しながら涙を流す。しかし、声がしっかり殺しきれずに声が漏れる。あきつ丸は帽子を深く被り、時雨の鳴き声を無視した。
翌日、空母による広島城への空襲が始まった。市民たちは逃げ惑い、自衛隊の大本営は京都に拠点を移し、艦娘たちに抵抗をする。呉鎮守府は広島城を占拠し、時雨とあきつ丸が馬に乗って崩れかけの広島城の公園に入城した。そして、フラッグポールには海軍の軍旗が掲げられた。実質的に呉鎮守府が広島を制圧したと言う意味を示す。
「あきつ丸。ここに自衛隊幹部たちを座らせて。」
「了解であります。」
あきつ丸は無線で神州丸に「戦犯者を連れてきて欲しいであります。広島城の広場でいいでありますよ。」と伝えた。数分後、神州丸を先頭にして縄で手を縛られている自衛隊幹部達を連れてきた。山汐丸は最後方で三八式歩兵銃の銃剣を幹部たちに向けていた。
「ここでいいであります。戦犯者の皆さんお久しぶりであります。ここに映像があるので見るであります。」
いつの間に用意されていた映像が自衛隊幹部達の目に入る。それは自衛隊本隊が陣取っている山だ。すると、自衛隊本隊が陣取っている山が大爆発し、山火事が起こった。
「あらら、これは誰も1人生きてないでありますな。」
あきつ丸はニヤリと笑いながら、自衛隊幹部達に向けて話す。自衛隊幹部達は「貴様!こんなことしてわかってるのか!?日本に対する侵略行為だぞ!アメリカなどが黙ってないぞ!」と声を荒らげてあきつ丸に言う。するとあきつ丸は先程の言葉を発した自衛隊幹部の髪の毛を掴み顔を覗き込む。
「侵略行為?貴様らが先にしたんだろう?何が『俺らは悪くない』ていで話してるんだ?」
あきつ丸はいつもの口調ではなく、荒い口調になっていた。
「貴様らの1番上が自分たちを裏切ったのを知らないとは言わせないからな!」
あきつ丸はその自衛隊幹部の髪の毛を離し、拳銃を抜き自衛隊幹部の眉間を撃ち抜く。
「地獄で提督殿に謝罪するであります。」
他の幹部たちの顔は恐怖の顔になり、時雨たちを見る目が変わっていた。時雨はその目に気づき、幹部たちに近づく。幹部たちは膝を付いていたが、尻もちを付く。
「大丈夫だよ。僕達は君たちを殺さないよ。まあ、僕たちの質問に答えてくれたら…だけどね?」
「あ…ああ!答える答える…わかる部分で!」
「よろしい♪じゃあ、まず私たちの中で内通者はいるかな?」
「内通者…?そういえば何故かお前たちの情報が流れてきてたな。」
「やっぱりだね。大本営に1番近い艦娘からの情報かな?」
「その辺は俺らには一切情報がないんだ。だが、これだけは言える。確実に情報は流れている。」
「そっか。ありがとうね。」
「な、なら!解放してくれ!」
「うん。いいよ。山汐丸。」
「はい。」
山汐丸は銃剣で縄を切るために近づく。そして、山汐丸は縄を切ろうと銃を幹部に向けると山汐丸は撃つ。幹部は時雨の方を向いて血を吐きつつ時雨に声を荒らげた。
「き…きさまぁ!はぁ…約束が…くっ…違うでは無いか!」
「僕は約束を守ったよ?でもね?山汐丸とは約束してないからね。残念だったね。君は天国に行けるのかな?」
「くっそがぁぁぁぁぁ!」
「僕にそんな汚い顔見せないでくれないかな?」
時雨がそう言うと銃を構えていた山汐丸が幹部を撃ち殺す。あきつ丸は「チッ!これだから人間はダメでありますな。」と言ってタバコを吸い始めた。
他の幹部たちは仲間を横で殺されたからか絶句している。
「ふぅー。改めてここが広島でありますか。世界で初めて原爆が落とされた場所でありますか。写真では瓦礫だけだったようでありますが…今となっては都会になっているでありますな。」
「そうだね…。今となっては有り得ないね。そんな街を壊してるのは僕達なんだね。」
「そうでありますなぁ。ところで良かったでありますか?鎮守府を妹に守らせて。」
「大丈夫だよ。夕立も村雨も強い子だからね。白露…は海に消えていったんだけどね。」
「ふぅー…そうでありますか。それで、こいつらどうするでありますか?」
「見せしめにするのはさすがにダメだね。ジュネーブ条約に則り、君たちを捕虜として自衛隊との対話の鍵になってもらうよ。」
自衛隊幹部達は何も言わずに座っているだけ。あきつ丸はため息を吐きながら、広島城を見る。
「さて、この地下に大本営があるんでありましたな。」
あきつ丸は広場から広島城の地下へ続く階段を探す。どこにもないようだが、怪しい階段を見つけた。
「元々は横に建物が建ってたそうでありますが…原爆で瓦礫になったから地下に作ったらしいでありますな。おっ、かなり武器残ってるでありますな。しかし、この地下崩落しそうでありますな。自分たちは…この戦争の後戦犯者として捕まるはずでありますから、その前に得を積んでおくのもいいでありますかな。」
あきつ丸はダイナマイトを火薬庫から見つけ出し、武器庫にダイナマイトを用意する。そして、あきつ丸はタバコを投げ込む。そして、走って大本営を脱出する。タバコは火薬に火をつき、ダイナマイトを爆発させた。広島城は跡形もなく消え、広島市に大爆発音を響かせた。時雨は驚いたように広島城を見るが、最終的には笑顔で「綺麗な花火だね。」と言う。そして、時雨は走って逃げてきたあきつ丸の近くに来てある指示をする。
「確か、裏切り者が居るんだよね。うちの鎮守府に。」
「はぁ…はぁ…そうでありますなぁ…。」
「なら、その裏切り者殺そっか。」
「そう…でありますなぁ…。」
「なら、あきつ丸でいい感じの人決めちゃってね?」
「自分が決めておきますであります。それでは、自分たちはテントを制作してくるので、時雨殿は次の攻める場所を決めといて欲しいであります。」
「了解だよ。」
時雨たちは殺害した自衛隊幹部から呉鎮守府に内通者が居ることを知り、刺客を送り込む。その刺客は誰になるのか。あきつ丸次第であった。
どうも、綾凪九尾です。
1コメくれたお方ありがとうございます。
あれ褒めてるんですよね?そうですよね?
ともあれ、この小説は10話ぐらいで終わらせる予定です。
もう話の内容も決めてあるので、ご安心を。
この小説が終わり次第、元々出てた小説を出そうかな。
さて、今回は時雨と金剛の対立が出てきましたね。
金剛は死んでしまったのでもう出てくることないかな?多分?あっ…ついでに、語り部は金剛です。そこだけよろしくお願いします。
それでは、長々としてたら嫌われそうなのでここで締めますね。
それでは、次回は「第肆戦」の内容は「(呉鎮守府あきつ丸検閲済み)」です。