「良いか……俺達は狼だ。人間ではない。だから人間に合わせる必要は無い。だから、殺れキーパー」
「はん!それはどうかな。俺の見込んだ男はお前なんかよりも人間らしいんだよ。自分に従え、キーパー!!」
―三日前 東京―
街中を相棒と二人で出歩いていた。
「なぁ、これ本当に合ってんのか?合ってるんならどうするんだ?」
そう相棒が言うが俺は何も言わない。それがキーパーだからだ。
「ま、キーパーは無口だもんな。な〜?ムクちゃん?」
そう言って相棒が茶化していると突然銃声が聞こえた。
やはりか。ここで間違いは無い。
「お、おいおい……まじかよ……よし、行くぞ相棒!!」
市民は銃声だなんて聴き慣れていない。だから花火程度にしか思っていないんだろう。
「ここのマンションからだ!!外から行くぞ!!」
外の非常階段を撃って壊す。今ので俺達の存在がバレただろう。
足音を気にすることなく進む。
中の通路に人が居た。
銃だ。発砲。
命中。胴体!!
ダメージは無し。このまま進む。
相棒が先行してドアを蹴破る。
銃弾が彼のコートに穴を空けた。
「クソ!俺のコートが!!」
相棒の様子を見る。被弾は無し。痛がっている様子もない。
中から物音。窓を飛び越える音だ。
中へ入る。人は居ない。
「撃て!窓の外だ!」
窓の外に銃を持った男が居た。
撃つ。当たった!当たったはずだが逃げられた!!
「クソ!追うぞ!下は……ゴミ箱かよ!!」
ボブンと相棒が降りたらしい。
俺も相棒がゴミ箱から出るのを見て飛び降りる。
ゴミ箱にはゴキブリが居た。払い除けて外へ出る。
相棒は先に行ってる。
血がある。これなら追い掛けられる。
「相棒!こっちだ!!」
相棒のサポートにより追い付いて銃撃戦となった。路地裏でだ。
相手は数発撃ってすぐに逃げた。
追い掛けているとグレネードが転がってきた。
「ッ!相棒!!」
相棒が覆い被さる。
爆発し、盾となったゴミ袋が吹き飛ぶ。
「ダメージは!?」
無しとジェシュチャー。
すぐに追う。
「まさかグレネードとはな!!工作が得意なようで!!」
先程のグレネードを一瞬で工作物だと見抜いた相棒。流石だ。
クルマの急発進?
「撃て!!ヤツだ!!」
マガジン一杯撃つ。タイヤに命中。しかし、操作技術が凄いのかそのまま走り去った。
「クソ!!応援は………来たか。遅いぞモル!!」
「よぉ!待たせたなキル!キーパー!!乗れ!!」
白色のクルマに乗って追い掛ける。
クルマの中にはP90があった。一体どうやって?
「急ぐぞ!!」
急発進した車に体を大きく揺られながら車に追い付いた。相手は一体どこに向かっている!?
「奴は武器商人だ。港に入ったら俺達の負けだ!!撃て!!前輪のタイヤだ!!」
前輪のタイヤを狙って撃つが、当たらない。当たったとしてもホイールで弾かれる。
「奴らやってやがる!!クソ!!」
相棒もAR-15で狙うが当たらない。
ん?窓が開いた?
「グレネードだモル!!」
「クッソ!!耐ショック!!」
言い切ると同時にグレネード。
ヤバイ!車内に戻らないと!!
爆発。車の横転。車内を縦横無尽に銃やマガジン。書類が飛び交う。
そして、ハンドガンの暴発の音を聞くと俺は気絶した。
―???―
揺れ動く視界の中に人が居た。近付いてきた。
「………連れて行くぞ」
耳鳴りがする中でなんとか聞けたその声は女だった。
両肩を持ち上げられ、引き摺られる。そこでまた意識は無くなった。
―???―
次目覚めると病院の中だった。手術室?なんだ……何を……
また意識が消えた。
―???―
次目覚めると緑色の天井が見えた。
そして、隣には男が居た。
「起きたか………今後、お前に俺達の常識を教え込む教官を買いでたサムだ。この世の現実を叩き込むから覚悟しておけ」
うめき声しか上げられなかった。
声は出ない。俺は、喋れない体なのだから。
キーパー……なのだから