超昂大戦 二次創作SS ありがとう、エスカ・ルビー! 星が導く四つの煌めき   作:環 藍河

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※原作第1部終章までのネタバレ内容が含まれます。
※直接的な性的表現はありませんが、人によっては同性愛ととられる表現が含まれます(女性同士)のでご注意ください。



序章 この胸を焦がす、溢れる想い

(私は…、私たちは…ホントに、あのオルタナスタインに、勝ったんだ…!!)

総てを出し切った五体をベッドに預け、窓越しの満天の星空に掌を伸ばし、紅蓮の超昂戦士・エスカ・ルビーこと園崎アカリは、自分の成した偉業を噛み締めていた。

ガッツ全開が信条の元気少女にして、今や誰もが認める、地球防衛組織ダイビートのエース。その力で幾多のピンチを跳ね除け、今日、遂に最終決戦に勝利。果たして人類の未来を護り抜いた。

 

人類が興奮に包まれ、一向に醒めやらぬ深夜、ダイビート本部内、アカリの自室は静寂の中にあった。

帰宅もままならない疲労と、大義を成した達成感に蕩けながら、シャワーを浴び、ベッドでまどろむ。

 

(私の体…自分の体じゃないみたいだった…。

絶対、一人じゃダメだった。世界中の人々の応援に応えたい…負けられないって思えたから、できたんだ…!)

エスカ・ルビー・アステライズ・インテグラル・フォーム。人類の希望を繋いだADDDの究極進化形は、装着者の全ての感情と、世界中の人々がルビーに寄せる想い…希望・激励・信託・祈念・憧憬・愛慕…をエネルギーに変え、敵を討つ。

最終決戦を前に、さやかが即席で作った

EGR(Emotion Generator&Recirculator)は、SNSインターフェースで世界の人々の熱い思いをルビーに送り、ADDDインテグラル・フォームによってエネルギーに転化するシステム。一度凶刃に倒れたルビーの再起と、人類滅亡を企図するオルタナスタイン打倒の原動力となった。

 

静寂の中、アカリの鼓動だけが響き渡る。

…とくん。…とくん。…とくん。

…!

 

とくっ、とくっ、とくっ…

どくっどくっどくっ、どっどっどっ…!

「…? な…何? わ、私の体、熱っ…!」

はあっ、はああっ、はあっ!

どくん! どくん! どくん!

呼吸が荒ぶり、鼓動は昂ぶる。

 

アカリは突如、光に包まれる。

幾たびも悪を打倒してきた、紅き正義の輝き。

次の瞬間、アカリの身を包んだのは、セーラー服にも似た戦闘服。

肩を覆うカラーと腹部のレオタード、腰から吊り下がるプリーツスカートは、見る者の瞳を吸い込むヴァーミリオンレッド。

両胸から背中を覆うレオタードと差し色のスカート正面、ロンググローブに左右非対称のタイツとブーツは、純白の中に真珠の輝きを放つ。

アカリとデビュー戦以来運命を共にしてきた、エスカ・ルビーの基本フォームだった。

 

(…ど、どうして?! 変身コードも唱えていないのに…?!)

 

EGRはSNSインターフェースからの感情と同時に、ルビーに最も近く、最も強い4つの感情を還流していた。

一度敗れたルビーを奪還し、然る後に決戦の地へ再臨させるまで、その傍を固め、ルビーに希望を託した4人の超昂戦士。その熱い想いもまた、ルビーのADDD回路に流入し、旧来のD2エネルギーとして膨大な量がストレージされていた。

しかし、インテグラル・フォームでは同時に消費できないエネルギーとして、最終決戦で用いられず残留。

今、それが時間差で励起状態に達し、ルビーはレッドゾーンまで上り詰める。

 

「は…あああっ…! くう…っ! うう〜っ!!」

友情、謝意、信頼、敬愛…いずれ甲乙付け難い、ルビーへの溢れ出す想念が次第に輪郭を成し、内面に語りかけてくる。

「あっ…ああっ…、あったかい…よおっ…!」

 

(ルビー…やったな。私も誇らしい)

(次はあたしの番だから。待ってなさい、ルビー)

(素敵よ、ルビー。もっと顔を見せてほしいな)

(ルビーちゃん、強くなったね。私も嬉しいよ)

 

「あっ、あううっ、あああああっ!」

波動を奏でる4つのエネルギーは、寄せて引きを繰り返し、周期を乱暴に重ねて、ルビーを高みに上げる。

「はああっ、はふうっ、うっ…あああ…っ!

幾度目かのピークを迎え、ようやくルビーは弛緩した。

「ふう…っ、はあ…あっ、は…っ、…」

(みんな…みんな、私を…こんなに…想ってくれて…いたんだ…。…嬉しい…っ…)

仲間たちの赤裸々な心に触れ、その波動の一つ一つに、ルビーの心が幾重にも満たされていく。

 

真紅の輝きに導かれ、自らも煌めきを成した三人の戦士たち。そして、その全ての始まりを生み出した一人の戦士。

最高の夜に綴られた、四人とルビーの織りなした一年の長きにわたる心の物語をご覧いただこう。




ご覧いただき、ありがとうございます。筆者の環 藍河です。
突然何が始まったのか、というこちらのショート・ストーリー、簡単に言いますと「第1部完結記念・みんなでルビーを胴上げわっしょい」(?)
環が楽しませていただいた超昂大戦第1部へのオマージュ、あるいはスキマ補間…超えてきた分岐フラグで、ヒビキ・うらら・エリーが何を思ってきたかを描いてみたいと思いまして…。
こちらのシリーズはこれから4章構成+エピローグで連載。原作でもっと読ませてほしいな~と思った部分を、ジェネリック増幅していきます。
原作へのリスペクトは何より大事にしていきますので、よろしければ皆様が、続きもお楽しみいただけますように…!
【追伸】さやかの作った応援システム、正式名称は原作で特についていなかったと記憶しています。本作での名称は、環の創作です。
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