超昂大戦 二次創作SS ありがとう、エスカ・ルビー! 星が導く四つの煌めき   作:環 藍河

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※原作第1部完結までのネタバレが含まれます。


4章 心の翼、届け

「はあっ…あっ…みんな…ありがとう…」

ヒビキ、うらら、エリー。

かけがえない、最高の仲間たちの思いに満たされ、エスカ・ルビーは満ち足りた安寧の中にいた。

 

「ルビーちゃん…ルビーちゃん。」

「えっ…?」

「ホントに大きく成長したね。すごいなあ」

ルビーの全身を大きく、柔らかく包む、心の色。

アカリがいつも追いかけ、届かない手を常に伸ばして求め続けた、憧れの光。

「あっ…ああっ…!」

 

「超昂天使エスカレイヤー、英雄のお部屋へ只今参上…なんてね」

エスカレイヤーこと、高円寺沙由香。

異次元でたった一人で地球侵略を阻んだ、伝説の超昂戦士にして、園崎アカリを悪の手から救い、エスカ・ルビーとなる決意を呼び醒ました、アカリのレジェンド。

 

「…み、見ないでくださいっ、こんなふやけた顔っ、私、今、すっごい…ふああああっ!!」

…カタルシスとエクスタシーに身を預けきったルビーは、憧憬の人に絶頂のだらしない姿をさらけ出す醜態に、羞恥心を全開にしていた。

「…あ、あれ? …なんか、その、…ゴメンね」

「はうっ、あのっ、そのっ、いえ…単なる私の至らなさと言いますか…ううっ」

反省中の仔犬のように、ルビーはうなだれる。心なしかツインテールもしょんぼり枝垂れ、わんこの両耳のようだ。

 

「ふふっ、アカリちゃんがこんなにえっちになったのも、私のせい。悪い先輩ね」

超昂戦士のパワーの源、Dチャージ。エスカレイヤーに憧れ、同じ道を歩むには避けて通れない行為。

ダイビート入隊から数週間。未経験ゆえ、初めはキスや愛撫で慣熟し、折を見て徐々に…と気遣うトキサダに、アカリはその夜、本行為を志願する。並ならぬアカリの覚悟にトキサダは折れ…

その日、少女は真の超昂戦士となった。

 

それも束の間。

『あのっ、長官。わ…私だけ気持ちよくなるんじゃ、申し訳なくて…長官も私で、ぜひ…!』

 

『お疲れですか、長官? 今日は私が長官を癒やします。いーっぱい、元気になってくださいね。』

 

『(長官。私の方は、ぜんぶ準備、バッチリですよ。…今日は、どこから…教えてくれますか?)』

回を重ねる度に主導権を引き寄せ、脅威の成長を遂げるルビー。

「アカリちゃんの秘めたポテンシャル、恭ちゃんも認めてたなあ。…ちょっと妬いちゃうかも」

…。

……?

………!!!!!

「…あっ、ああああああっ!! や、やだあああああっ!!」

全てを悟ったルビーは、顔面蒼白となる。

トキサダの中には、沙由香の恋人・柳瀬恭平が共存する。沙由香いじめのダシに「あの真っ赤な子なんか、こーんなことまで」としばしばピロートークで語る。

つまり。

ルビーのDチャージは、もともとエスカレイヤーに相当大部分が筒抜けだった。

 

「も…もう、恥ずかしくて私、死にそうです…」

憧れの人に知られていた、自らのあられもない姿…引いた血の気がV字に跳ね上がり、今や耳まで真っ赤。

半べそのルビーは、両手で顔を覆う。

「恭ちゃんは後でとっちめておくからね。」

その上からそっと頬に両手を寄せ、エスカレイヤーは続ける。

「エスカ・ルビーは今や、大事な大事な私の…エスカレイヤーの勇気の源なんだから」

「…はい?」

エスカレイヤーの不意の告白に、ルビーの羞恥は瞬間蒸発し、新たな感情が上書きされる。

 

「スパーリングのとき、アカリちゃんの瞳に私はこんなに素敵に映っているんだって知って、面映ゆいけど、誇らしかったんだ」

トキサダを誘惑するエリーに心掻き乱され、出動で凡ミスを繰り返すルビー。スランプのさなか、ルビーはエスカレイヤーとの模擬戦でその迷いを看破され、零れる涙を抑えられず、絶望を憧れの人に吐露する。

 

『私…エスカレイヤーさんみたいになるって…立派な志を持って、みんなを護る力を正しく使うって決めたのに…! 

 ダメなんです…心がざわついて、拳も鈍って、足も止まって。こんな私が…正義のヒーローなんて…相応しくないっ…!』

 

エスカレイヤーはルビーにその誤りを説く。自分もまた、公正でも高邁でもない、むしろ我儘な、私情を原動力に戦うヒーローだという事実を。

それは、自分の心に正直になることであり、誇りこそすれ、恥じるべきでないことを。

そして、護りたい人を想って動くことの素晴らしさを。

 

「驚いたけど、泣きじゃくるアカリちゃんの力になりたいって思ったら、言葉がスッと出てきたんだよ」

「あ…あの時はお見苦しい姿を…ああん、今日は恥ずかしいことばかりですよおっ…!」

「でもね、アカリちゃんの憧れになれるなら、志や公平さも悪くないなって、最近ちょっと理念を変えてるかも、私。」

「そ…そうなんですか?」

 

「だって私の世界では、家族の仲間はいても、アカリちゃんみたいな可愛くて真っすぐな後輩は、一人もいなかったんだもの。」

自身のクローン・ななかは妹(弟?…諸説あり)。マドカもまた、沙由香を支える妹ロボメイド。肉親の源太郎博士は言うに及ばず、ミストレーヌは義母、恭平とは…いつか本当の家族に。

「縁もゆかりも無いアカリちゃんが、私みたいになりたいって言ってくれて、こんなにひたむきに努力を重ねて。ダイラストとの戦いじゃ、こんな日が来るなんて夢にも思わなかったし、そんな熱い後輩の目標になれるなんて、幸せに決まってるじゃない。」

 

両手を双肩に移し、正対した伝説の先輩は、後輩にその想いを告げる。

「ルビーちゃん…いや、もう『ちゃん』なんておかしいね。改めて…ルビー、私と同じ超昂戦士になってくれて、私をずっと見ていてくれて、本当にありがとう。私もルビーのこと、大好きだよ。これからも一緒に戦おう、ねっ」

「エスカレイヤーさん…っ!」

ピンクと、真朱。二つの光が共振し、相乗して強く熱くきらめき、ルビーの胸を貫く。

「…っ、あっ…私、溶け…は、あああっ!」

 

『青い地球を守るため、胸の鼓動が天を衝く!

紅蓮の光は、不滅の炎!』

初出動から幾度も唱えた、この口上も。

 

『超昂戦士・エスカ・ルビー! 悪の現場に、只今参上!』

長官が私への期待と未来への希望を託して付けてくれた、この登録名も。

 

みんな、みんな、貴女を追いかけるための、私の小さな翼。

 

理想の戦士からの最大級の礼讃と、初めて明かす深い愛慕の情は、真珠色の翼となって、紅き小鳥を優しく包む。

ルビーは再び至上の祥に達し、心地よい鼓動の中、しばし天を仰ぎ、浅い眠りについた。

 




満を持して登場のレジェンド超昂戦士・エスカレイヤー様。
今年なんと20周年…8月には聖誕祭とか何とか。
超昂大戦ではレジェンド3人、どうしてもルビーたちに美味しいところを残さなければいけない宿命(と言うか、勝ってはいけないポジション)のため、レジェンドファンには忸怩たる思いもあるかも…?
環も原作(リブートにあらず原典の方)で大幅衝撃を受けた一人なので、令和の復活は喜ばしい限り。これからもルビーたちを導きつつ(プラス恭平とイチャコラしつつ)、超昂大戦でも活躍してほしいです。

さて、これで完結しても良いところなのですが、エピローグを一つご用意しております。「ルビーを胴上げ」のシリーズコンセプトで、もう一つだけ締めに入れたいエピソードがございまして。
蛇足にならないよう頑張りますので、もう一話だけおつきあいを賜れば幸いです。ではまた。
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