諦め猫熊はかく語りき 作:幽
この話に関してのごたごたが終ったので投稿です。
感想、評価、いただけましたら嬉しいです。
非情である自覚はある。
出世のために犠牲にしていたことも多くある。
けれど、たった一人だけ残った幼子に対する情の一つぐらいは抱えていた自負があった。
スパンダインというそれは、周りから出世のために生きていると思われている。それは事実だ。そのために必要であり、認められるというのならどんな非道でも行える。
それは、例えば、一つの島を滅ぼすことさえもためらいはなかった。
「スパンダムゥ、いい子にしてたか?」
「・・・父さん、仕事は大丈夫なんですか?」
呆れたような顔をした少女にスパンダインはでれでれと相貌を崩した。久方ぶりの帰宅に応じて、いそいそと向かった娘の部屋には、いつも通りちょこりと椅子に座った娘の姿があった。
「当たり前だろー、ちゃんと終らせてきた。パパを少しは信用してくれよ。」
スパンダインはそう言って、娘を抱き上げた。
「そうですか。父様、お帰りなさい。」
「ああ、ただいま。」
スパンダインはそう言って娘に微笑みかけた。
最初、婚姻も、そうして子どももスパンダインにとって出世のための道具に過ぎなかった。
婚姻は派閥やコネを作る上では重要で、子どもも婚姻や己の派閥のコマの一つになればいいと考えていた。
けれど、生まれてきた子どもはそれはまあ、可愛かった。
ふわふわの髪に、妻と同じ黄昏のような髪。小さな、おもちゃのような手のひら。ふくふくとしたほっぺた。真っ白な肌。
はっきり言おう。
スパンダインという男は、それはそれは男臭い世界に生きていた。それには基本的な屈強な男か、それとも男女問わずに賢しい人間しかいなかった。
それ故に、ぽんと生まれた愛らしく、無垢なる生き物にスパンダインは全てを持って行かれた。
簡潔に言えばそれはそれは溺愛した。妻にはあまり甘やかすなと言われたが、何はともあれ可愛いのだ。
けれど、生まれた娘はひどく大人びていた。スパンダインの甘やかしに負けず、よくも悪くもしっかりと育ってくれた。
ただ、娘はどこか不思議な空気を持っていた。何か、浮世離れしたような、そんな空気を纏っていた。
海軍、悪魔の実、海賊、そうしてちまたの事件。
それを見ては、何か、考え込むような仕草をよくした。
スパンダインとしては気になっていたが、妻にも子どもには子どもなりの世界があるのだといわれ、深くは考えていなかった。
その子どもが可愛いことに変わりは無かったのだから。
そうして、妻が死んだ。元より、さほど丈夫な人ではなかった。散々に泣いたスパンダインはそれでも遺された忘れ形見のためにがんばろうと思えた。
娘は、死というものを理解できなかったのか、不思議そうな目で葬儀を眺めていた。
それから、妻のいなくなった家で娘は余計にしゃべらなくなった。
黙って、何かを考え込むことが増えてきていた。それに対してスパンダインについても何かを話すことは少なくなった。
おそらく、母に会えずに塞ぎ込んでいるのだろうと、考えていた。
スパンダムの目は、不思議な色だった。
深い、妻に似た、けれど彼女の色より深い、色。深いと言っても、黒に近づくようなものではなく、ただ、深い色をした瞳だった。
スパンダインはその瞳に、この子が天竜人の馬鹿どもに目をつけられないようにしようと心に誓った。
けれど、スパンダインはその瞳が、何か、ずっと、自分の知るにはあまりにも遠くを見つめているようで。
「ねえ、パパ。」
「お!どうした~♡」
珍しく家にいたスパンダインは、自分に久方ぶりに話しかけてきた娘に相貌を崩して口を開いた。娘は、妻の趣味だった白いワンピースを着ていた。
娘はされるがままにスパンダインに抱き上げられた。スパンダインはその後に思わず固まった。
その瞳。深く美しいそれは、ぞっとするほどに魅入られてしまいそうな色をしていた。
スパンダインは無意識のうちに、背筋が寒くなった気分だった。何か、見てはいけないものが、何か、己の知らないものがその瞳から自分をのぞき込んでいるような気がした。
「パパ?」
「え、あ。なんだい?」
スパンダインは己の中に生まれたそれをねじ伏せて、娘に嫌われまいと必死に言葉を紡いだ。
「このよで、いちばん、えらいひとって、だーれ?」
子どもらしい質問にスパンダインはまたでれでれとスパンダムに微笑んだ。スパンダインはその微笑ましい質問に、脳内でどう答えるかと考えた。
(今のうちに、教えておいた方が良いだろう。)
スパンダインは子どもにも分かりやく、海軍のことや、そうして天竜人の話をした。政府に勤めているとはいえ、あんな存在にかわいい娘を近づけさせたくなかった。
「だから、スパンダム、その方達に近づいてはダメだよ。」
それにスパンダムはじっと床を見つめた。そうして、すっと顔を上げた。
それに、スパンダインは固まった。
見上げた、瞳。
「ねえ、パパ。」
その瞳は、今まで見た、スパンダムの瞳の中で、何よりも、深く。
「このよで、いちばんに、えらいのはてんりゅうびと、じゃなくて。」
夜よりもなお暗く、されど、朝焼けのように美しい、そうして、吸い込まれるほどに深い、瞳。
それが自分を見ている。それが、己の中を探るように見つめていた。
それは、まるで、全ての真実を知るかのように、見通すように自分を見て。
「うつろのおうざに、すわるひとなのに。」
深淵が、こちらを見て、笑っていた。
スパンダインは、スパンダムにキツくその話をしないようにと言った。それに対して、スパンダムは素直に頷いた。その時には、彼女の深い色は失せていた。
なんだ?
あれは、いったい、なんだ?
スパンダインはその瞳と、その言葉を聞いたとき、まるで冷や水を被せられたような気分だった。
自分の娘であるあの子は、いったいなんなのだ?
虚の王座、そうだ。聖地にあるはずの、権力の象徴だ。けれど、娘がそんなものを知るような知識媒体はなく、教える存在もいない。
ならば、あの子はどこでそれを知ったのだ?
スパンダムは元々あまり話をするのを好んでおらず、もっぱらスパンダインぐらいにしか口を開こうとしなかった。
だからこそ、スパンダインはスパンダムの扱いに悩んでいた。
(・・・・虚の王座に、座る?)
そんなものはありえはしないのだ。あり得ないのに、少女は、まるでそれが真実であるように語っていた。
そうだ、想像としていないの、だとかでもなくて。なのに、と少女は確定したようなことを言った。
それは、無邪気な幼子の言葉なのか?
スパンダインの脳裏には、あの、深い、ふかい、瞳が浮かんでいた。
けれど、スパンダインは頭を振った。それでも、スパンダムは大人しくとも可愛らしい少女だった。
妻の遺した、愛しい忘れ形見。
それでいいと、そう納得していたのだ。
少女に聞いても、どこで知ったのかを理解していなかった。ただ、スパンダムはまるで空が青いことを皆が当たり前の常識ととらえるように、その事実を理解していた。
それからも、スパンダムは変わることなく、唐突にではあるがスパンダインに聞いてくることはあった。
それは、例えば、子どもらしく突拍子もないことだ。
ねえ、パパ。
うみのそこにね、おくにがあるの。そこにはね、みあげるような、にんぎょのおひめさまいるんだよ。
ねえ、パパ。
あるしまにね、じぶんがとったかいじゅうのおおきさをきそってる、きょじんのふたりがいるんだよ。
ねえ、ぱぱ。
あるうみにはね、おんがくかのかいぞくだんと、さいかいをねがってるくじらがいるんだよ。
そうだ、全てがきっと愛らしいもの、のはずなのに。
その瞳は、いつだって、夜よりも暗く、朝焼けのように美しい、深い。
それを見るたびにざわざわと、スパンダインの中に何かが生まれる。けれど、スパンダインはそれを目をそらした。
そんな、突拍子もないことを除けば、スパンダムはただの子どもだった。
けれど、あの日、とある日、スパンダインは己がその事実から目をそらしたことを心底、後悔した。
その日も、娘は変わることなくスパンダインに問いかけてきた。
「ねえ、パパ。かみさまって、いる?」
それにスパンダインは変わることなく天竜人のことを口にした。それに、スパンダムは心底、不思議そうな顔をした。
そうだ、あの日、その瞳は今まで以上に、暗く、そうして、美しい、深い、深い、黄昏色をしていた。
「かみさまは、たいようだよ。みんなと、たのしく、あそぶの。たいようのかみさまの、なまえはね。」
ニカ、だよ。
深淵が子どもの姿で、笑っていた。
スパンダインはすぐにスパンダムにそのことを誰にも言わないようにキツく言い含めた。少女はそれに不思議そうな顔をして、素直に頷いた。
太陽の神、いいやニカの名前をスパンダインは聞いたことがあった。けれど、それを知っていること自体口にしなかったし、深入りしようとも思わなかった。
そうだ、知っているだけで消される可能性のあるそれを、なぜ、この子は知っている?
スパンダインはそこまで考えて、とある可能性にたどり着いた。
見聞色の覇気は極めれば未来を見通すこともできるそうだ。そうして、それを先天的に持つ存在がいるということも知っていた。
(守らなくては・・・)
スパンダインの中でそんな考えが生まれた。スパンダムの見聞色の範囲がどれほどかはわからない。けれど、ニカの名前を知っていた彼女のことを政府は赦すことはないだろう。
殺せば、簡単だったのだろう。きっと。
スパンダムはスパンダインの爆弾だ。それが爆発すれば身の破滅だ。なら、即座に始末するのがベストであったはずだ。
けれど、スパンダインの中には、赤ん坊の手のひらを思い出していた。その、柔らかな、小さな、熱い体躯を覚えている。
妻との、約束を、覚えている。
ならば、ならば、ならば、スパンダインは覚悟を決めた。
愛しい娘を、守らなくてはいけない。
それからスパンダインはスパンダムによくよく言聞かせた。
いいか、大きくなったらパパと同じお仕事をするんだよ。
なんで?
同じお仕事だったら、お前は何の苦労もしなくていいんだ。怖いことも何もないからな。
わかった。
そうだ、それでいい。素直に、そのまま頷いていてくれ。
スパンダインはこの世界に納得していた。確かにこの世界は残酷かもしれない。奴隷は存在し、圧倒的な差別は存在する。けれど、どんな世界にだって、格差は存在するだろうし、上手く生きれないものが悪いだろう。
スパンダインは今の地位につくまで、死に物狂いであがいたのだ。
戦わない者に、勝利が訪れるはずなどないだろう。
この世は残酷だ、この世は狂っている。けれど、それでいいだろう。人間とは結局、残酷で、狂っている。
それが変わらないのなら、世界だって変わらない。
だから、例え、この世界でいつかに娘が死ぬかもしれないとしても。世界を変えるなんて非現実的な選択肢ではなくて、順応することを彼は選んだのだ。
ある日、珍しく帰ったとき、娘からの呼び方が父さんに変わっていた。子どもの気まぐれさから、そういったこともあるのだろうかと切なくなりながら受け入れた。
何よりも、その呼び方になってから、あの深い瞳は見なくなったこともある。スパンダインへの問いかけをしたことも忘れていた。
よしよし、可愛い子。そのままであってくれ。この世界は残酷だから、俺が守ってやるのだと、そう思っていた。
だからこそ、スパンダムの学者になりたいという希望を聞いたとき、恐ろしくなった。
肩を掴んだ手がぎちりと鳴った。けれど、その手を離せなかった。
スパンダム、お前は何を知ろうとしているんだ。いったい、何を、この世界の、何を知ろうとしているんだ。
脳裏に浮かんだ、禁忌に触れた賢者達。
スパンダインは正直に言えば、それに呆れていた。だって、そうだろう。
政府の禁忌は、おそらく政府も根底を覆すものだ。正しいことこそが正義?それによって崩れ去る平和の責を誰が取るのと言うのだろうか。
だから、どうだってよかった。
けれど、スパンダインは娘の中に眠る何か。その深淵が、より、深くなったとき。
娘を失う気がしたから。
学者であることへの夢を口にしなくなった後のスパンダムはひどく落ち込んでいた。そうして、以前よりもずっと静かな子になった。
スパンダインはスパンダムの様子を心配していたが、彼女はそれ以外では普通だった。
ただ、物静かで、意欲に欠ける部分はあったがそれ以外は異常は無い。スパンダインを避けることもなく、普通に接している。
心配の言葉を口にして良いのかもわからなかった。スパンダムの夢を否定したのは、スパンダインだったのだから。
スパンダムはそのまま順調にCPに務めた。仕事ぶりは堅実で、周りからの評判はいい。けれど、出世欲はなく、手柄も他人に譲っていることもある。
スパンダインはそれに対してどうしたものかと悩んでいた。下っ端ではダメなのだ。それでは、簡単に切り捨てられてしまう。
ある程度の地位で、娘を守ることも出来る環境を整えたかった。幸いなことにスパンダムは仕事が出来た。その地位に就けても批判はそれほど出ないだろう。ただ、スパンダムに意欲があればの話であったが。
グアンハオに行ったのが、きっとスパンダムの運命だったのだろう。
スパンダムはその島に行ってから、仕事に対して意欲を見せた。いいや、野心を持つようになった。手始めのグアンハオの子どもたちの件でコネというコネを使い、その処遇に食い込んだ。
スパンダインはスパンダムの行いによって、痛くもない腹を探られたが気にはしなかった。それ以上に、あの日以降、全ての事に対して関心の薄いスパンダムが息を吹き返したように動いていることの方がずっと嬉しかった。
それが幼いとはいえ、男との約束であることを知ったときは面白くはなかったが。
やってきた、天才と名高いロブ・ルッチは非常に生意気だった。仕事が出来ることは認めるが、そうは言っても、過剰な殺戮欲求は扱いづらかった。
が、それはスパンダインに関しては、少しだけ言うことを聞いた。
何故って、簡単だ。
「スパンダムさんの父親と言うことで。」
グアンハオの出身者は、そう言ってスパンダインへの態度を軟化させた。
変なところで、変なコネを作ってしまったなあ、などと考えながら、それでもルッチのことは気に入らなかった。
ルッチは我が物顔で娘にすり寄っているのだ。男であると偽っているとして、あまりにも距離が近くないだろうか?
そんなことを思っても、スパンダインはルッチを娘から引き離そうとはしなかった。
楽しそうだった。
スパンダムは、作り笑いだとか、苦笑ではなくて、ルッチと共にいるとき今まで一番、生きていた。
怒り、喜び、笑い、叫び、まるで生を謳歌するように。止まっていた時間が動き出すように、生きていた。
だから、スパンダインはルッチのことを赦していた。年が離れすぎていて、良くも悪くも弟だとか、悪ければ息子のようにしか思われていないと思ってのこともある。
けれど、人生で一番、スパンダインの側にいたときよりもスパンダムは“生きて”いたから。だから、ルッチとスパンダムの関係を黙認した。
(・・・・長期になりそうな任務を回したのも、あれだ、信頼してるからだし。)
なんて、ことはあっても。それでも、スパンダインは信用していた。
自分が例え死んでも、それに任せていれば、娘のことを守ってくれると信じていた。
その、傲慢で、生意気で、そのくせ甘ったれた猫のことを、スパンダインは信じていた。
スパンダム様が亡くなられました。
ああ、この世はクソだと心底思った。
自分よりも後に死ぬはずの娘。仕事ばかりで、なかなか会えない娘、孫を産む前に黒豹を会わせてきた娘。
愛しい、娘。
スパンダインはまず、事態の収拾に動いた。スパンダインは娘が生きていると信じていたし、今後、スパンダムが帰ってきてもいいように、なんとか責を逃れさせようとしたのだ。
が、それは何故か、大将青雉によって阻まれてしまった。
怒りのあまり、スパンダムの性別について吐露したが、どうでもよかった。
だって、その時にはすでに、スパンダムの生存は絶望的だった。ビブルカードが燃えた、それだけが事実だった。
(・・・守るとそう、いったんだろう?)
事実に押しつぶされそうだった。可愛い娘、守りたかった娘。
幼い少年の姿が浮かんだ。
(安心を?私が守る?笑いぐさだ。)
結局、お前はあの子を守れなかったじゃないか。お前達は、あの子を死なせたじゃないか。
怒りと言うにはあまりにもぬるい感情で、スパンダインはルッチたちに全ての罪を被せて殺そうとした。
その男ならば、約束を違えないという信頼があったのに。それは裏切られたのだ。
だから、殺そうと思った。ただ、メランに関しては生きて連れ帰ろうとした。
元々、時折会っていたし、何よりもそれは娘の可愛がっていた存在だ。養子に迎えようと思っていた。
けれど、少しして、電伝虫が鳴った。
「お久しぶりで、スパンダインさん。」
聞こえてきた声に固まった。
「・・・・何のようだ。」
「俺たちを消そうとしたようで。」
それに対して、スパンダインは怒鳴った。
「守るというそれさえも遂行できないのなら、処分するのは当然だろうが。」
スパンダインは怒鳴った。
「何が守るだ!!」
なぜ、自分はそんなことを信じたのだろうか。CP9、娘が拾い上げた地獄の使者が守る箱庭。そこでならば大丈夫だと、スパンダインは信じた。
彼らならば、政府ではなくて、きっと、娘のことを優先すると思ったからだ。
「長官は生きておられます。」
「戯れ言を!」
「・・・政府に提出されたビブルカードは偽物で、本物はこちらにあります。」
それにスパンダインは目を見開いた、あり得ないと思いつつも、スパンダムの臆病さと慎重さを思い出した。
「・・・メランにでも持たせていたのか。」
沈黙を肯定と思い、スパンダインは納得した。
「俺が迎えに行く。」
「いいえ、今回は俺たちが迎えに行こうと思っています。今、スパンダムさんを政府に連れて行くのはまずい。」
「今回の司法の塔などの責は全て、あの子にかかっている。そうだな。私に願うのは、支援か何かか?」
「ええ、必要時には。ただ、見つけるまでに、今回の収拾に当たってください。」
スパンダインはそれを了承した。そうして、ルッチは早々と電話を切ろうとした。盗聴される可能性を考えてのことだろう。
それにスパンダインは待ったをかけた。
「・・・ロブ・ルッチ。」
「何でしょうか。」
「あの子を、お前は何があっても守ってくれるな?」
「・・・ええ、あなたの元部下ロブ・ルッチ、CP9、その言葉、必ず守ります。」
そこで電伝虫は切れた。
スパンダインは手のひらを堅く握った。
あの日、スパンダインは娘を守れないと思い、少女の夢を否定した。
あれが、正しかったのかはわからない。
ただ、ふがいない父親は、ただ、娘の幸せだけを願っていた。だからこそ、彼女を求める哀れな獣に願いを託すことを決めたのだ。