ダンジョン大好きダンジョンマスターが理想のダンジョンを作るまで   作:一一生寝てたい一

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俺と第三のネームドと

ランさんがさっくりと襲い掛かってきた人間三人を殺すのを、俺とロムニ様はばっちりとメニューのカメラ機能で見ていた。

 

「・・・」

「やはりこうなったか」

「いやー・・・あっさり殺しましたねぇ」

「同じニンゲンが死ぬのを見るのはきついか?」

「え?」

 

どうやらロムニ様、少し心配してくれているらしい。思いがけない上司の優しさに心の中でほろりと涙を流しつつ、手を振って平気な意を示す。

 

「いやいや、こちら側についた時点でいつか人殺しに加担するってわかってましたから。平気ですよ」

「そうか。ならいいんだが」

 

そういってこちらから目をそらし、再びメニューの方を見るロムニ様。そう、別に俺は平気なのだ。スクラッタ的なキツさはあっても今更人殺しでどうこうなる訳ではない。そもそもこの話における問題点はそこではなく。

 

「ロムニ様、ちょっといいですか?」

「どうした?」

「今回人殺しましたから、来ますよ。調査員が」

「ああ、そうだな」

 

そう。今回このダンジョンで初の殺しが行われた。このダンジョンが人間側に認知されてなければどうでもいいのだが、このダンジョンはすでに何度も・・・それも同じ奴が訪れてきている。前に調査員らしき人物(会話の最中でそれらしきことを言っていた)三人組も来ていたし、このダンジョンの位置も内容もバレていると考えるべきだろう。

そうなるとなにが困るのか。それはこのダンジョンを訪れると、今しがた死んでいった三人組が事前に周りに言っていた可能性が存在することだ。そしてその可能性は高い。なぜなら俺が逆の立場なら間違いなく周囲に一言通してからダンジョンに行くからだ。なにかあったとき確実に助けが来るのか来ないのかでは大きな違いがある。

 

「困りましたね・・・。どう対処しましょうか」

「まぁとりあえずは死体の処理だな・・・?」

「どうしました?」

 

動き出そうとしたロムニ様がなにかに気づいて動きを止めたのを見て、なんとなしに声をかける。

 

「いやなに。DPが増えているだけだ」

「DPが?どれくらいです?」

「300DPだ。これは・・・」

「あの人間達が死んだ分でしょうね」

 

なにかと思ったらDPが増えたということらしい。一人当たり10DPの人間が三人死んで300DPということは、人間が死亡した際のDP増加量は生前のDPの量の十倍といったところだろうか?

 

「あんまり割に合う気はしませんね。これで人間側にも危険なダンジョンって認識されるわけですから」

「そうだな。これだけで稼ぐには相当な技術と、運よく目を付けられない幸運がいりそうだ」

「死体の処理はどうするんです?」

「普段、余計なものを消してる時と同じで消せるだろう。ダンジョンコアの機能の一つである吸収で回収する」

「消せるんです?」

「たぶんできると思うが・・・どれ」

 

そういってメニューを操作するロムニ様。なにかに手間取る様子はあったが、少ししてカメラの中の死体は消えていった。

 

「これでよし。死体を吸収したことで少しだがDPも増えたようだ」

「お。思わぬ収穫ですね」

「あの男たちが装備していた装備分も含めても大したDPにはならなかったがな」

「ランさんが手を振ってます。回収しましょう」

「ん。わかった」

 

今更だがここ、ダンジョンコア内部のマスタールームという場所は外界から完全に隔絶しており、来るにはダンジョンコアの機能による回収が必要不可欠だ。

戻ってきたランさんを含めた三人で会話を続ける。

 

「さて、思わぬハプニングがあったが、とりあえず一旦は先程の話を続けよう。ウィッチとフェアリーを召喚するという話だが」

「ああっとそれなんですけど」

「どうした?」

 

さっきの出来事のおかげで一つ、とある可能性に思い至ったのだ。それは、

 

「このままいくと、このダンジョンに常に冒険者が在住する、ということにならないでしょうか?」

「・・・ふむ?」

「というのも今このダンジョンには三つの薬草畑がありますよね。今のところはそのうちの一つを利用するいつもの二人組の侵入者、確かナリタとクウコウとかいう二人組の冒険者がちまちま来るくらいですけど、このまま知名度が上がれば薬草を取りに来る侵入者も増えるでしょう。すると―――」

「―――結果的に長い時間侵入者がこのダンジョンに留まることになる。それはよくない、という話か」

「ええっと、そうです」

「なるほど・・・」

 

俺の発言を聞いてロムニ様が考え込みだす。ランさんもなにか思うところがあるのか頬に手を当てて考え込んでいる様子だ。

少しして、ロムニ様が話し出す。

 

「確かにそれは由々しき事態だ。というのもだな、実は前に二人組に侵入されたとき、こっそりダンジョンをいじって罠を配置できないかと試したんだが―――」

「できなかったんですね?」

「そう、その通りだ」

「うーむ・・・」

 

やはりこれは由々しき事態のようだ。侵入者に在住されることに関して俺が最初に恐れたのは、ダンジョンを拡張してもすぐさま攻略されるほどダンジョンが管理下に置かれてしまうことだったが、そもそもダンジョンをいじれなくなるらしい。さっきランさんが戦ってるときにダンジョンに設置してあるダンジョンコアからスケルトンウォリアーを出すことはできたため、モンスターを出すことはできるらしいが・・・。

 

「一応、これは『フロア』というものを広間毎や部屋毎に設定することで、侵入者がいないフロアではダンジョンをいじれるようにはできるようだ」

「対策がまったくないわけではないんですね・・・」

 

とはいえここまで話した限り、やはりすぐに対策を講じるべきなような気はする。ここからできる対策とすると―――。

 

「ラン?さっきから黙ってこっちを見てどうした?」

「ん?」

 

言われてランさんを見てみると、微笑ましいものを見るような目でこちらを見つめるランさんがいた。いったいどうしたんだろう?

 

「ああいえ、お二方って、ものすごく仲がいいんだな~と思いまして」

 

そう言われて思わずロムニ様と顔を見合わせてしまう。

 

「そうか?」「そうでしょうか?」

「そういうところですわ~」

 

お邪魔しましたわ~。続けましょうと言われて話の流れを戻されるが、ロムニ様と一緒に首をひねる。そんなに仲良く見えるのだろうか?

まぁさっきまでの話が重要だったのはそうなので、話を戻して続けることにする。

 

「ここからすぐにできる対策なんですけど」

「なにか案があるのか?」

「ええ、こうなったらウィッチを召喚するのは後回しにして、第二層を作りませんか?」

 

改めて、俺が考えた今後の未来予測図を含めた案を話す。

 

「このままいくと、侵入者たちが長く滞在することになるかもしれないので、それを防ぐために第二層をつくりませんか?」

「二層を?なぜだ?」

「この本に載っている『転換期』と誤認させるためです。まぁ実際は常に変化しているのが我らがダンジョンですが」

 

そういってダンジョン入門学を見せる。転換期とはダンジョンに時折見られるもので、大きく内装が変わるため、一時的にダンジョンへの侵入を禁止したりといったことが起こる。進入禁止までとはいかなくても、入ってくる人数が減るくらいはするだろう。

 

「転換期と誤認させれば少なくともしばらくは侵入者の滞在は防げるはずです」

「ふむ・・・」

「どうですかね?そもそも、第一層は火に弱すぎます。燃やされたら終わりの時点でどうしようもないです」

「まぁ、確かにそれはそうか」

「ダンジョン全体が木で覆われていますものね~」

「ですから、第二層は火に強い構成にしましょう。せめて燃やされたら終わりではないように」

「・・・」

 

ウィッチの分を丸々ダンジョン作成に使うとなると最初にダンジョンを作った時以来の大改造だ。ロムニ様も問題が無いかいつも以上に考え込んでいるようだ。

 

「どうします?」

「・・・三日くれ。そのかんじっくりと考えて他の案が無いか考えてみる」

「そうですか。わかりました」

「少しいいですか?」

 

まぁ慎重にもなるよな。それは仕方ない。

と、ここまで口をはさんでこなかったランさんがここで口をはさんでくる。

 

「フェアリーの召喚だけでもしておくのはどうでしょう?こちらの戦力の誇示をしておけばダンジョンを占拠しようという考えは持たれにくくなるかと」

「まぁ、それはそうだな。フェアリーの召喚だけはしておこう」

 

そういうことで、フェアリーの召喚だけはやっておくことになった。

 

 

 

今俺たち、ロムニ様、ランさん、俺は三角形の形に立っていた。この真ん中にフェアリーが来るはずなのでこの陣形なのだ。別に驚かせたいとかではなく、召喚されて正面に絡まっていたら怖いのではないかという配慮の元こうなった。こっちの方が余計怖いと言われたら否定はできない。

 

「さて、呼ぶぞ」

「いつでもどうぞ」

「こちらも準備完了してますわ」

 

ロムニ様が最後の確認を行う。俺とランさんが頷いたのを確認したロムニ様が手元に視線を落とし、操作を行う。

次の瞬間、目の前に魔法陣が現れる。ランさんの時よりも小さいそれが収まると、そこには緑の服に緑の髪。それに羽を持った、全長1mくらいの小さな女の子がいた

 

「おお、ランさんと比べて人間っぽいですね」

「肌の色からして違うからな」

「お二人とも。フェアリーがなにか喋りたそうですわ」

「えぇと~・・・(‘_’)」

 

ロムニ様と観察に夢中になっていて気づかなかったが、フェアリーがこちらを見てなにか言いたそうにしていた。考えてみればロムニ様はフェアリーの直属の上司のさらに上の人物になるわけだ。その辺の話もしとかないといけない。

 

「すまない、話に夢中になっていた。私がお前を召喚したロムニだ。」

「ロムニ様・・・ですかいい名前ですね(^^)/。今回召喚されましたフェアリーです(^_-)-☆」

「うむ。よろしく頼む」

「こちらこそよろしくお願いします!(^^♪)

「こっちがお前の直属の上司に当たるランだ。指示等は彼女から聞いてほしい」

「ご紹介にあずかりました、ランですわ。以後お見知りおきを」

「ランさん、よろしくお願いします!(^^)/」

 

なんだろう。見た目も会話の内容もなにも問題はないんだけど。このフェアリーものすごくキャラが濃い気がする。

 

「うーん・・・?」

「ロムニ様、そちらの方は?(;・∀・)」

「ああ、こいつはユーマと言ってな。ニンゲンだが私たちの一員として活動している。おい」

「・・・は!」

 

しまった、違和感を突き止めようとするあまりぼーっとしていた。挨拶せねば。

 

「悠馬と言います。人間だけどダンジョン作成に協力させてもらってます。よろしくお願いします」

「よ、よろしくお願いします~(*^^*)。・・・あのロムニ様」

「安全か、だろう?ランの時も聞かれたが平気だ。少なくとも今のところはな」

「そうですか~・・・。まぁロムニ様がそういうなら大丈夫、ですよね( ゚Д゚)」

「大丈夫だ。それとお前の名付け親になる人物だからな」

「・・・え?(;^ω^)」

「え?」

 

マジかロムニ様。また俺に名づけをぶん投げられるおつもりか。まぁ別にいいんだけども・・・。俺よりもフェアリーさんの方が不満そうに見えるのは大丈夫なんだろうか?

 

「あの・・・ロムニ様は名付けられないんですか( ;∀;)」

「うん?・・・ああ、私は別に名付けるつもりはないぞ。最初の一体以外はユーマに任せるつもりだ」

「そうなんですか・・・。あの、できればロムニ様に名前を付けてほしいなーって(^_-)-☆」

「そうは言うが私の名前もユーマが付けたものだからな」

「そうなんですか?ということは、ユーマさんに名前を付けてもらえば兄弟みたいなものに・・・むむう・・・(‘_’)」

 

そこで悩むのか。感性が独特なような気がするけど、モンスター特有のあれなんだろうか?

 

「わかりました!(^^♪ぱぱっとつけちゃってくださいな!」

「だそうだ。頼めるか?」

「ええ、それはもちろんやらせていただきます」

 

まぁフェアリーさんがいいって言うなら名づけに関してはやらせてもらう。それに。

 

(こうなるかもって思って温めていた名前もあってよかった)

 

前回ランさんの名づけがこっちにとんできた一件があるため、実は名付けしろと言われたらこの名前にしようと思っていた名前がある。とあるゲームから持ってきたとあるフェアリーの名前だ。

 

「そうですね。エアリーなんてどうでしょう。自分の知るとある妖精の名前なんですけど」

「ふむ?フェアリーはどうだ?」

「名前の意味はわかりませんが、響きは気に入りました!(^^)/それにしましょう!」

「よし。ならお前は今からエアリーだ。よろしく頼むぞ」

「はい!!(^^)!」

「よし。なら次は第二層の構成だな」

 

こうして新たな仲間であるエアリーを仲間に加え、話し合いは進んでいく。

 




お久しぶりです(土下寝)いやほんとに申し訳ない。理由として最近他の二次創作にも手を出し始めたため今後はこのくらいのペースが基本になると思います。
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