ダンジョン大好きダンジョンマスターが理想のダンジョンを作るまで   作:一一生寝てたい一

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俺と俺たちと調査と

あの後エアリーさんに仕事内容を説明することになったが、おおよその内容を説明しての反応が。

 

「え!?ニンゲン相手に商売を!?(;’∀’)」

「そうだ。今のところうまくいっている」

「まぁ・・・ロムニ様がいいなら反対する理由もないんですけど・・・( ;∀;)それで私は道を封鎖して通行料を取ればいいんですね?」

「そうだ。頼めるか?」

「わっかりました!任せてください!(^^)!尻の毛までむしり取ってやりますよ!」

「そこまでやると余計な恨みを買いそうだが・・・まぁよろしく頼む」

「はい!(*^^*)」

 

これである。エアリーさんにとっては上が納得するかどうかが大きな行動方針としてあるらしい。なんかちょっと親近感湧く。

それから二日間、俺たちは特別なこともなく、いつも通りポーション作りに精を出していた。エアリーさんもこれに参加するため、一日当たりの収支はおよそ8,000DPになった。一カ月でおよそ240,000DPもの計算である。大金だ。

 

さて、次に何事があったのが二日目の夜のこと。最初はロムニ様がこんなことを言い出した。

 

「・・・とりあえず、第一層の広間三つはフロアで区切るか」

「広間をですか?第二層を作ってそこをではなく?」

「考えてみろ。侵入者が滞在するのは薬草採取のためだ。となると薬草畑があるところに滞在することになる。そこだけフロアで分ければ他は常にいじれることになる」

「・・・あ、そうか」

 

これはロムニ様なかなかの名案である。層全体をフロアで区切るとどうしても費用がかかるが、これなら広間三つ分で済む。

 

「いいですねそれ。早速やりましょう」

「うむ。メニュー・・・」

 

メニューを開いてなにやらやりだすロムニ様、おそらくフロアの指定をしているのだろう。

 

「ふむ・・・フロアは三つで15000DP・・・フロアの値段は大きさには寄らないようだ」

「なるほど」

 

そうなってくると今みたいなまだ資金に余裕がないときの方が圧迫してきそうだ。いや、ダンジョンが大きくなったらたくさん分ける羽目になるから余計圧迫してくるようになるのか?・・・まぁその時になったらわかるか。

 

「さて、これで残りはここ二日分の収入と元を合わせて―――約169,100DPだな」

「まだまだありますね。他の案なにか思いつきましたか?」

「いや。だが安易にDPを使うのも・・・ん?」

「どうしました?」

 

フロア分けを終えたらしいロムニ様と話していると、メニューを見ていたロムニ様がなにかに気づいたらしい。なんだろうか?

 

「侵入者だ。これは・・・いつも来る二人組だが・・・」

「あら?前に侵入してきた時からまだそんなに経ってませんわ?」

「そうだな。調査に来たんだろう」

「あー・・・」

 

そうか。考えてみたら、ダンジョン調査にはそりゃ何度も生還してる面々を使うよね。けっこう前に来た三人組の調査員とかが来たら少し厳しかったかもしれないけど、これなら戦闘になってもなんとかなりそうだ。

 

「どう対応します?正直ここまで早いとは思ってなくて俺なにも考えてなかったんですけど」

「ふむ。ラン」

「はいロムニ様」

「この一件について全部話してこい。包み隠さずにだ」

「・・・いいんですの?危険と思われるのはまだ避けたいのでは?」

「構わん。隠しても真っ先に疑われる。それなら先に襲ってきたことを盾に正当防衛を主張した方がいい」

「わかりましたわ。行ってきます」

「大丈夫ですかね・・・」

 

ロムニ様の方針は間違っていない。このまま隠していても今度また人を殺した時のリスクを強めるだけだ。ならダンジョンらしく、わかりやすい危険性を主張した方がいい。

ロムニ様がメニューで表示した画面では、ランさんと侵入者たちがちょうど出会ったところだった。

 

 

 

俺の名前はナリタ。ここティターヤ村の冒険者をやっている。最近新たなダンジョンを発見し、その調査を行った功績を認められDランクに上がった。で、今なにしてるかと言うと。

 

「もう私心配で心配で・・・夜も眠れないんです」

「落ち着いてください。大丈夫です、詳しく聞かせて頂ければすぐにでもギルドから探索隊が出ますよ」

「本当ですか?」

「ええ。なのでまずはお話を聞かせてください」

 

冒険者ギルドに突如として入り込んできたご婦人方の対処を任されていた所だ。聞けばなんでもこの方々の息子さんがここ二日帰ってきていないとか。今は代表者として一番冷静な人に詳しい話を聞いている。

 

「再度の確認になりますが、彼らは『ダンジョンに行く』と言い残して出かけたんですね?」

「はい・・・。どこに行くとまでは言ってませんでしたが・・・」

「なるほど」

 

聞き出した内容を確認し、その内容を紙に書きだしていく。とはいえこれはよくある例だ。他に聞けそうなこともないし、とりあえずここまででいいだろう。

 

「わかりました。お話ありがとうございます。私は上に報告してきますので、これで」

「息子は・・・?調査隊はどうなるんです・・・?」

「再三になりますが、大丈夫です。この内容なら調査隊もすぐ結成されますよ」

「そうですか・・・!息子をお願いします!」

「ええ。では」

 

頭を下げて頼み込むご婦人を半ば無理やり帰す。そうして俺も部屋から出て、紙片手にため息をつく。

 

「お疲れさん。どうだったのよ?」

「ああ、クウコウ」

 

と、そこに相棒のクウコウがやってきた。これはたまたまというより、俺が出てくるころを見計らって待ってたんだろう。

 

「どうもこうも。息子さんの調査隊が組まれるだろうな」

「あそこの息子、問題ばっか引き起こしてたからなぁ。助かって喜ぶ奴の方が少ないんじゃねぇか?」

「そういうことを言うなよ。気が滅入る・・・」

「ああ、悪い」

 

ギルドに来て受付で騒いでいたので、どこどこの息子がいなくなったという話はもう大体全員知っている。ここティターヤ村はそこまで広い村でもないので、問題を引き起こす奴はすぐに知れ渡る。そういう意味でいなくなった奴はよく知られていた。名前だけでああ、あいつかと言われる程度には。

 

「相棒、準備しとけ」

「え?」

「調査隊、ほぼ間違いなく俺たちに回ってくる」

「なるほど。了解!」

 

村が広くないということは、ギルドもそこまで大きくないということだ。最近は『緑の楽園』のおかげで人員を増やそうという話も出ているが、それもまだ先の話。調査隊などと言っても一組のチームに任せるのが限界だ。このあたりで、新米が向かうダンジョンと言うと、おそらく危険性の低い『緑の楽園』だ。んで、そうなってくるとまず間違いなく『緑の楽園』の先駆者である俺たちに出番が来る。

つまり何が言いたいかというと、気が乗らないという話だ。まぁ仕事である以上やらざるを得ないのだが。

 

「はぁ・・・」

「どうしたよ?ため息なんぞお前らしくない」

「いやな。息子さん、十中八九死んでるだろうと思ってな」

「ああー・・・まぁな・・・」

 

すでに死んでいるだろう嫌われ気味の人物の調査。ああまったく気が乗らない・・・。

 

 

 

さて、場所と時刻は変わり、夜。『緑の楽園』前。あの後順当に俺たちにお鉢が回ってきて、急いで調査するようにとのことで。その結果の夜の調査である。

 

「スケルトンが出るダンジョンに夜入るのかぁ・・・」

「スケルトンは昼と夜とで強さは変わらないとはいえ、なぁ」

「不気味なもんは不気味だよなぁ」

 

相棒とブツブツ文句を言いながら入口の罠の調査をさくっと済ませる。何度も来ているためもはや慣れたものである。そのまま階段を降り、中に入る。

 

「いつ見てもきれいな景色だよな」

「ここが洞窟ということを忘れそうになるよな」

 

相変わらず、内部には月の光がさんさんと降り注ぎ、夜空には月と星々がキラキラと輝いている。ここで死人が出たかどうかなど関係ないかのようだ。

 

「さて、相棒。調査と言ってもどうすんだ?ダンジョンだと死体が消えることもあるらしいが」

「それなんだが、ランさんっているだろ?」

「おう。いるな」

「あのモンスターに聞いてみるってのはどうだ?ダンジョンを任されてるつってたし、なにか知ってると思うんだが」

「ああー・・・なるほど・・・。素直に話してくれるかね?」

「さぁなぁ。それは話してみないことにはわからないが・・・」

「あら?今どなたか私のことを呼びましたか?」

「!?」

 

気づけばランさんがニコニコといつもの笑顔でこちらを見ていた。いつも思うのだが、音もさせずに忍び寄ってくるのは心臓に悪いのでやめてほしい。

 

「あら。これはいつものお二方。今日もポーションを買いに来ましたの?」

「ランさん。丁度良かった。貴方にお聞きしたいことがあったんだ」

「? なんでしょう?」

「最近ここにええっと・・・こんな姿の人間が来なかったか?」

 

そういって相棒がぱぱっとおおよその容姿を口頭で伝える。当時の服装なども母親から聞き出していたので、それも一緒だ。

説明を聞き終わったランさんはしばらく唇に指を当て、考え込むようなしぐさを見せたのち、なにか思い出したのかポンと手を叩いた。

 

「ああ!あの方たちでしょうか?二日ほど前に来た覚えがありますわ」

「おそらくそいつらです。今どうしてます?」

「どうしているもなにも、皆さん死なれましたわ?」

 

その言葉を聞いて、ああやっぱりかと思う。ぶっちゃけダンジョンに向かって二日帰ってこない時点でわかり切っていたことなので、たいして驚くこともない。それより今大事なのは、なぜ死んだかだ。

 

「ああー・・・どうして死んだかお聞きしても?」

「ええ。いつも通り、ポーションを買わないかと私持ち掛けましたの。そうしたらあの方々、無理矢理に奪い取ろうとしてきたものですから、お返しに殺しましたの」

「ということは、ランさんが?」

「ええ、私が殺しましたわ?」

 

なにか?と首をかしげるランさんを見ながら、改めて彼女はモンスターだったなぁと思い直す。同じ種族でもないのだから、彼女にとって人間の命など考慮するものでもないのだろう。

さて、これで調査は終了した。死亡した原因も、死んだこともわかったのだから、後は上にこれを報告するだけだ。

 

(おい、相棒)

(ん?なんだ相棒?)

 

くいくいと相棒が袖を引っ張ってランさんに聞こえないようこっそりと話しかけてきた。

 

(あいつの言うこと信じるのか?モンスターだぞ?)

(ああ、おそらく嘘は言っていない)

(なんでだ?)

(まず、二日経っていることから事実としてすでに死んでいる可能性が高いこと。次にここを訪れていないなら、俺たちと商売しているランさんがわざわざ嘘をつく理由がないこと。最後に、ランさんが直接手にかけたと言ったことから、これが嘘だったら意味なく警戒させるだけだからだ)

(・・・なるほど)

 

断定はできないが、俺にはランさんが嘘をつく理由は見当たらなかった。おそらくすべて本当の事を彼女は言っている。

後他に報告することとしては、三人組の男くらいなら殺せる実力を目の前のモンスターが持っていることくらいだろうか。

 

「ところで、ポーションはどうしますの?」

「ああ、えっと、いつも通り三本ください」

「はい。毎度あり、ですわ~」

 

このポーションもギルドの調査で安全なものとわかっている・・・どころが市販のものよりいい性能をしている物もあるくらいだ。ゆえにギルドでは銀貨1枚と銅貨50枚で買い取りを行っている。

では~と間延びした挨拶を残し、ダンジョンの奥へと姿を消すランさんの姿を見送り、調査用に持ってきていた紙に調査結果を書き込む。

 

「よし、っと。んじゃ帰るか相棒」

「そうだな相棒。・・・ああ嫌な仕事だったなぁ・・・」

「だな・・・。帰ったらとりあえず寝るか・・・」

 

ほんとに、気が滅入るだけの嫌な仕事だった。臨時報酬も出るとはいえ、大した額じゃない。今回は薬草用の籠も念のため持ってきていないから、その収入もない。ただ疲れただけだ。さっさと帰って、丸一日はぐっすり寝るとしよう。

 




なんかナリタ初登場時より賢くなってる・・・?
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