ダンジョン大好きダンジョンマスターが理想のダンジョンを作るまで 作:一一生寝てたい一
第662番ダンジョンコアとして生を受け、およそ五年が経った。その間のほとんどのDPをため込み、今日はじめてダンジョンを作る。
たまったDPは15万にまでいたり、最初のダンジョンとしては十二分な規模のものが出来るのは間違いない。
今、私ははじめて心臓の高鳴りというのを感じている。メニューを開き、目をつけていた項目を開く。最初の1万はガチャに使うことに決めていた。初めてのダンジョン作りなのだ。せっかくなら楽しんで作りたいというのがダンジョンコアの心というもの。
出てきたモンスターに合わせたダンジョン作りというのもいいだろう。罠やアイテムが出てきたらそれらを軸にしてもいいかもしれない。
もしドラゴンなんかが出てきたらどうしようか?誰も突破できないようなダンジョンが作れるかもしれない。ダンジョンボスがドラゴンとなれば、そうそうやられることはないはずだ。
ヴァンパイアでもいい。眷属をうみだす力を持つ彼らは、単体で国を亡ぼせる存在すらいると聞く。そこまでのものでなくとも一体でもダンジョンに抱え込めればダンジョンに箔がつくのは間違いない。
それ以外だとウンディーネやシルフ、サラマンダーなんぞの上位精霊なんかでもいい。
・・・ええい、とにかく強力なモンスターに来てほしい。
「さて『ガチャ』を押して・・・。何がくるだろうか」
目の前で魔法陣が広がり、あっという間に収縮していく。そのあとにポンっというコミカルな音がなり何かが出てくる。これはーー
「なんでニンゲンが・・・?そういうこともあり得るのか・・・?」
ニンゲンだった。ニンゲンはモンスターではないように思っていたが、もしかしてモンスターの一種なのだろうか?どちらにせよ、他のモンスターに比べれば大外れなのは間違いない。
「・・・まぁいいか。考えるのは後にしてとりあえず殺してしまおう」
そう呟いて愛剣を振り上げる。ニンゲンはダンジョンに敵対する存在だ。となれば殺してしまった方がいい。
「1000DPも無駄にしてしまった。次に期待するか」
「待っ、待ち・・・!」
「・・・喋った。ニンゲンなら当然なのか?」
まさか喋るとは。よく見れば服も見たことの無いものを着ている。モンスターがどこから呼ばれるのかなど考えたこともなかったが、もしや高度な文化を持った街から呼ばれたのだろうか?まぁそんなことは関係ないのだが。
「おっ」
「?」
「俺はただダンジョンが作りたかっただけなのにぃいぃぃぃぃー!!!」
その言葉を聞いて、思わず手が止まる。ニンゲンに同情したわけではない。ふと使えるかもしれないと思ったからだ。
そもそも、ダンジョンの機能であるメニューから出したもので、ダンジョンを害するものなど出るのだろうか。可能性としては低いように思える。それにダンジョンのモンスターだけでダンジョンを作ればどこかしら偏ってしまうかもしれない。ニンゲン側の意見が安全に手に入る可能性というのは、ダンジョンを作るにあたって魅力的かもしれない。
そんな打算的な考えにふと手が止まる。
「・・・」
「すんません。せめてなにか一言ください・・・」
ニンゲンを生かすか否か。しばらく思考していると、そんなことをニンゲンが言い始めた。少しの間だが固まってしまっていたらしい。
「今なんと言った?」
「はい?」
「今なんと言った?」
「ダンジョンが作りたかったといいました・・・」
聞き間違いでもない。このニンゲンがダンジョン側の存在として呼ばれていると仮定するならば、生かして助けになる可能性は高い。
「ダンジョンについてどこまで知ってる?」
「・・・ダンジョンとは漢共が己が夢をかけて挑む墓場です」
「それだけか?」
返事は無い。なにか隠しているのでもなければ、本当になにも知らないらしい。・・・このまま抱き込めるようなら抱き込んでしまえば良し、できなさそうならその時殺してしまえばいいか。
「・・・ふむ。ニンゲン。お前にはダンジョン作りを手伝ってもらう」
「えっ!?」
「ダンジョン作りを手伝ってもらう。差し当ってはお前に名前を与える」
「いや名前ならもうあります」
「・・・そうなのか」
ダンジョンのモンスターとして扱うため名前を与えようしたら断わられた。どうやらもう名前があったらしい。初めてのモンスターなのに自分で名前を決められないというのは少し悲しい。
「まず、お前にはこの世界のダンジョンについて学ばせる」
ニンゲンが知らないだろう、ダンジョン側の情報を与える。その間の反応からはダンジョンに対する純粋な好奇心と探求心、それから憧れのようなものしか見えない。
(敵意があるようには見えない)
ニンゲン側の意見が手に入る可能性と、目の前のニンゲンの危険性を天秤にかける。体は筋肉質なようには見えず、服も鉄や鋼鉄といったもので作られてるようには見えない。というか材質がわからない。言動は単純そうに見え嘘をつくことを考えているようには見えず、とりあえず害はなさそうだ。
「へへへ・・・お嬢様・・・」
「私の事か?なんだ?」
「なんでもしますんで、どうかこの卑しい俺にもダンジョン作りの方を手伝わせてくだせぇ・・・。」
「・・・そこまでして仲間になりたいのか?」
「えぇ、ほんとなんでもしますんで・・・。靴とかお舐めしましょうか?」
「いやそれはいい」
なにやら気持ち悪いことを言い出したので止めておく。なんだろうか、人間というのは皆こういうものなのだろうか?だとしたら今後人間とのかかわりは精神衛生上避けた方がいいかもしれない。
本編と違いが多々あると思いますが、二次創作ってそういうモノですよねの精神で押していきます。