現代チートで武器商人!! 〜世界征服目指していざ旅生活!!〜 作:デルタイオン
「疲れたなぁ……」
同僚はそう言って隣で死んだ。
自殺。眼の前でスロー映像のように死んでいった。
それからまもなく。俺も自殺した。
理由は単純。普通に疲れた。
だが、俺が自殺したのはそれほど問題ではない。
問題なのは子供までもが自殺していたこの世界だ。
力があれば。力さえあれば。子供の頃の夢が果たせた……
だが、大手企業の課長にまで上がったというのに俺は疲れ果ててしまった。
いや、理解してしまったのだろう。
ただの会社では夢は果たせない。
大臣でも無理だ。
ではどうすれば良いのか。
俺はそれを現実に書き記して自殺した。
もし、その遺書で子供がそれに憧れてくれれば俺の役目はそこまでだ。
「それで良いのか?」
ッ!?なんだ!ここは!?
「貴様が果たさずして夢なのだろうか?」
………確かにそうだ。しかし、子供の純粋とはその程度なのだ。
だから不可能。法律でも裁けないのだから。
「では貴様が裁け」
なに?
「お前が求めているのは世界征服なのだろう?」
世界征服……
そうだ。それが俺の夢。全人類の平和。
「では貴様に武器を授ける。その武器をどう使うかは貴様次第。我が野望。貴様に託す」
なんだ?神様のように言うな。お前は………――――
―??? PM 11:43―
「………ん……」
寝ていた俺は目を覚ました。
ああ、そうだった。もうここは前世ではない。
「魔法と剣……蔓延る独裁国家か」
それでは駄目なのだよ。
今から……それを根本から覆す。
「………とは言ってもまずは操作方法を理解しなければな……」
持っているのはなんかのタブレットだ。多分米軍のタブレット。外部の配線がそんな見た目だ。しかも普通のタブレットより画面が分厚い。
ただ、中身は別物だ。
映画とかで見ていたUIとは違い、大きめの様々なアプリが入っているみたいだ。
文字は英語日本語の混合。英語はまったくダメダメな俺からするといちいち調べないといけなかった。
そして、メモなど無いので頭に打ち込んで興味があったら開いて調べる。そうしていると俺は無敵ではない事に気が付いた。
「………やはり金か」
金。しかし現実よりは安く売られている。
何故だ?この世界から見れば性能からして価格設定は高いはずだ。しかし何故このような骨董品並の値段に……
ん?……そうか、性能が理解できていないからこその値段設定か。
商品の扱い方がわからない奴からしたらこれはただの光る板だもんな。
なるほど………しかし輸送方法が空輸しかないのは不便だな。
もし戦場で発注するもんなら位置がバレる。
いや、それだけではない。
もしドラゴン等居たらそりゃもう撃墜し放題だ。
まあ、試しに一度発注してみるか。
金になりそうな物は……
「………よくよく考えてみたら変換手続きってどうするんだ?」
そう。それだ。
変換手続きをどうすれば良いのかわからない。
まさか吸収するとでも?まさか!HA!HA!HA!
「しちゃったよ」
しちゃった……吸収しちゃった……しかも1円……
そのへんの雑草をふざけてタブレットに触れさせたら消えた。料金は1円。
顔面真顔になったぞ俺。
一体どうしてこうなったのやら……
「ハァ……そういや、こういったのってありきたりな設定だな」
そういえばと考えてみる。
現代チート漫画でよくある魔力やお金。これって共通性があるのかと思った。
しかし魔力だなんてどうやって……気とかか?
感覚的なものか?
それとも共通性皆無?
いや、やってみるか!!
「ほい……オオオオオォォ!?」
金がどんどん増えてく!!すげぇ!!これが不労所得か!!ヤベェ!!死――
―??? AM 06:34―
気絶したのか……
頭痛い……二日酔いみたいだ……
「うぅ……」
「ん!?起きたかい!!」
なんだ……誰だ?
「道端で倒れてたからビックリしたよ!!この時間帯まで寝てる旅人なんて居ないからなにかあったのかい!?」
「ング………頭痛い……」
「頭……そうか!!君野盗に襲われたんだね!!大丈夫かい!!持ち物少ないからそうじゃないのかなと思ってたんだよ!!その光る板しか無かったからね」
なんだ?野盗?そうか、彼女野盗に襲われたと勘違いしてるのか。
それは丁度いい。このまま乗せて貰おう。
「ああ……そうだった。俺は……野盗に襲われたんだった……馬車に乗せてくれたのか?」
「まあ軽かったしねぇ。ガリガリに痩せていたから心配したよ。私が向かっているのはジェリノ王国なんだけど大丈夫かい?」
ジェリノ?なんだそれ。まあ良いや。国に入れるのなら。
「ああ。大丈夫だ。ありがとう。このお礼は必ず返す」
「ああ!貸し、覚えておいてくれよ!!」
優しいな……
さて、タブレットを見るか………一十百千万………34万!?
「ウッソだろ!?」
「ど、どうしたのかい!?なにか問題でもあったのかい!?」
「い、いや。なんでもない」
いや………まさかこんなにとは……
しかしこれでアプリ購入と発注が出来るようになった!!
アプリは【攻撃魔法:基礎】と【アップデート:車両発注】だ!!
これだけであんなにあった金が今や見る陰も無く……なりはしないんだよなぁこれがぁ!!
まだ30万あるのだよ!!なんか安いんでね!!フハハハ!!
「内課金式かよ……」
「?」
そり安いわけだ。まあ発注はある程度わかっていた。魔法のほうもそうじゃないかと思ったが……
ま、まあ大丈夫だ。そこまで高くはない。やはり車両も安い。しかし、高いな。ジープ・ラングラーが100万程度。だが、コイツを基礎とすれば90%安くなっているのだ。
高い、が安い。まあ今週には買えると考えれば………安くね!?
え、マジで!?ジープ・ラングラーをゲーム感覚で買えるのってヤバッ!!
え、まじがよ!?まじか……まじだわ。
こうして見ると騙されてる感覚が凄いな……
そりゃ高いと感じるかもな。騙されるにしちゃ高い。だが本物の場合安い。
さて、恩人と話をしていくうちにこの人(?)の事がわかった。
メル・リカッタフォード。メリと呼ばれている彼女は獣人族の女で旅商人と言う。しかも、結構売れてそうな。
年齢にして28歳の彼女はまだまだ若く見える。
尻尾は襲撃の際に切られ落ちたらしく。今も大切そうに魔術品に入れて保管しているらしい。
彼女は腕の一部を見せてくれた。いくつもの激戦を乗り越えた傷跡。戦士としても優秀だったそうだが、21に戦士引退。商人を初めて数々の国、海を渡ったのだと言う。
そのたびに人助けしていていつしか【慈愛の商人】と名が売れたみたいだ。今回彼女はジェリノ王国へと商品を運ぶのだそうだ。
そうか……商人……
「商人か………」
「お、まさかなりたくなったかい?」
「ああ。なりたくなった」
「やめときな」
その時の言葉は冷徹で鋭かった。
「商人なんてちっぽけな存在さ。一個人でできる事は限られ、貴族達の問題にも首を突っ込まなければいけない。それに……生きてはいけない」
「………そうか」
だが、俺はそれが魅力的に見えた。
商人……武器商人……
良い。とても良い。
素晴らしいではないか!!私なら出来る!!このタブレットさえあれば………いや、人。人が足りない。
「なあ。良い奴隷商は居ないか?品質が良く、面倒ではない奴隷商」
「………………まさかあんたのように人生を決める人は初めて見たよ。最低限手助けはしてやる!その代わり、あんたの商品はなんだい?」
「死ですよ。私の商品は死神。ペイルライダーのような死の騎士。それの装備ですよ」
「ペイルライダー?それに死?アハハ!!あんた面白い事を言うね!!それなら、あの野盗わどうにかしてもらおうか?」
「仰せの通りに。では、貴女にはこれを」
そう言いいつの間にか発注していた拳銃を手渡す。
【S&W M19 2.5インチ】*1を手渡す。
「扱い方は簡単。サイトをこのように合わせて、トリガーを引くだけ。そうすれば……」
バン!
銃声のお手本のような音が出ると敵は崩れ落ちた。
「敵さんに襲撃のお代を払わせれる」
すると
「……び、びっくりしたよ!!急に大きな音が鳴って!!しかも光と煙まで吐き出してるじゃないか!!こんな不良品をどう売るって――」
不良品?何故?
いや、そうか。そうだった。
「不良品?残念だ。火薬について知らないとはね……」
「か、火薬?あの爆発する火薬かい!?それを使ってるってどいう――」
そうしていると影の薄かった奴が来た。
「クソアマァ〜!!」
「ウワ!来たよ!!」
「今さっきの覚えてるか!?あの通りに撃て!!」
「ああもう!商人ならもっとわかりやすくやるんだよ!!ッ!!」
バン!
当たった。まさか当たるとは……これなら俺の出番は無いな。
相手の数は5人。弾数は6発。一発外しても対処はできる。
バン!
バン!!
バン!!!!
「……全弾命中とは……」
唖然とした。
彼女も唖然としている。先に声を出したのは彼女の方だった。
「……こんなに簡単に倒せるとは………原理はわからないが、素晴らしい物だとわかったよ」
「それは良かった。それは助けてくれたお礼として無料で差し上げます。しかし、武器についての知識が足りない。そうではないですか?」
「………知識も商品かい?」
「ええ。私は元々そちらでしたから」
事実IT企業の課長だ。嘘ではない。
「………………そうだったのかい……。ま、何も聞かないよ。それで、いくらなんだい?」
「言い値で」
「ッ!?なんでさ!?」
「忘れていませんか?私は売る事に関しては初めてなんですよ」
こっちの世界ではね。
「なので、無条件で売ります。言い値で」
「………………………」
こりゃ長くなりそうだ。
そういや銃声にビクともしないこの馬。気になるな……こっちを心配そうに見てはいるが。
「わかった。金貨3枚。状況証拠からしてこの武器は素晴らしい」
「お買い上げありがとうございます!!では、知識についての授業料として受け取りますね!」
さて……私はタブレットに吸い取らせて確かめないとな。
―PM 2:34―
俺達は少し休憩がてら練習していた。
目標は缶詰。スチールを貫いた弾丸を装填する為に弾倉を横へ。そして排莢してスピードローダーをはめ込み戻す。
「パーフェクト!!素晴らしいですね」
そう言い彼女を褒める。しかし、百発百中。熱で銃身が曲がるので保証期間も設けた。払ってくれたよ保証金も。
「私も少し理解してきたよ。さて、もう一度商談だ。この
「10ダースも!?ではオマケとして2ダースお付けして金額1枚とはどうですか?」
「銀貨50枚」
「銀貨65枚」
「よし、交渉成立だ」
「ええ、素晴らしい条件です。元値が取れますよ」
「講習分もか?」
「それは言いませんよ」
実を言うとそうだ。
金貨を2枚タブレットに入れてみたが、20万程度だった。
そして、とある推測の為にちょっと大きく出た。
そして、わかったのは銀貨という存在と銀貨65枚で325万円だったということ。
さて、発注の時間だ。
実は車両アップデートの内容に輸送【小型品テレポート】があった。
それで今さっきM19を出したわけだが、これどこまでが小型なのだろうか?
とりあえず.357マグナム弾(スピードローダー)を12ダース取り寄せる。可能。
つまり144発分の取り寄せが可能という事が証明された。
「品をお確かめください」
「わかった」
ちなみに今更だがメリさんにはもうタブレットについて教えいる。
輸送も自分の魔法だと言えば納得してくれた。
「うん!ちゃんと12ダース。スピードローダーとやらもあるし、OKだ!!良い商談になったよ!」
「ええ。しかし、あくまでも自衛用としてのご使用をオススメします」
「わかってるって。いくら死を届ける武器でも『無敵』ではない。だろ?」
そう。無敵ではない。リロードに隙はあるし熱で銃身は曲がる。熱膨張して裂ける事もある。そして弾かれる事もある。
今さっきスチール缶を見てきたが、側面で弾いたと思われる箇所があった。
つまり、抜けなかった。
理由はいくつかあるが、端っこだった事とスチールだったからだろう。
あと中身が無かったから凹んだだけで済んだとか?
まあ、いずれにせよ無敵ではない。
これは、商談において必ず言う必要があるだろう。
「よし!行くか!!」
「ええ」
馬車はまた進み始めた。
明日、ジェリノ王国へ着く。
このリボルバーは「スナブノーズ」と呼ばれており、4インチバージョンのM19はルパン三世の相棒。次元が使っているのと同じだ。
しかし2.5インチ。されども2.5インチ。
小型で取り回しが良く。短い銃身は軽量で慣れるまでが早い。
ただ、レーザーサイトなんて物は残念ながら無いので命中精度は低い。
こんなに書いたのは久し振りですわ!!