魔法科高校の劣等生-嘘吐きの百合-   作:ぼいら~ちん

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第二射 魔法科高校には美人が多い

「いや~まさかこんなとこでアンタに会えるなんて思ってもみなかったわ」

 

「そりゃあこっちの台詞だよ」

 

入学式が終わってからクラスを確認するためにIDカードを発行するための端末の列に並んだ。

講堂で会った5人の内で最後尾に並んだ俺の番はやっとこさ終わり、今は来賓と生徒の波の中だ。

俺が来たときにはすでに美月とエリカ以外の女子はどこかへ消えてしまっていた。

 

「ま、久々に会えたんでいいか。

紹介するぜ達也、こいつは俺の幼なじみの千葉エリカ。

ガサツだけど根は良い奴だ、剣道も強いんだぜ」

 

「誰がガサツよバカ!!

……っと、千葉エリカよ。

よろしくね」

 

「で、エリカ、こっちの頭良さそうなのが司波達也。

良さそうじゃなくて実際に超頭良いんだけどな」

 

「司波達也だ。

よろしく」

 

お互いに挨拶を交わしたあと話題は移る。

 

「そう言えば百合って何組なの?」

 

「ん?

俺はAだ」

 

「え?

十六夜くんって一科生なんですか?」

 

「うそ?!

あたし百合なんかに負けたの?!

いーや嘘だね!!百合はすぐ嘘吐つもん!!」

 

「なあお前らさ、マーク見てないからってその反応は酷くない?

良く見ろここのマーク」

 

俺は右肩のマークを指差しエリカと美月に見せ付ける。

二人は若干驚いたような素振りを見せるがすぐに平常心を取り戻したようだ。

 

「ほんとだ。

ちゃんとマークある」

 

「嘘じゃなかったんですね」

 

「そうだぞ美月くん。

俺は産まれてこの方一度たりとも嘘なんてものは吐いたことは無いぞ」

 

「「それこそ嘘だ」」

 

「くそぅ…バレてやがる」

 

と言うよりも俺……そこはかとなく美月に馬鹿にされてる?

 

「ところでどうする?

あたしらもホームルーム行ってみる?」

 

「おい、ナチュラルに俺をハブろうとするな」

 

「あら~バレちゃったかしら?」

 

「くそぅ……嘗めやがって……!!」

 

「なに、やる気?」

 

「お、落ち着いてください二人とも!!」

 

「「あ、ごめん」」

 

俺とエリカのプチ喧嘩は空前絶後の眼鏡美少女、柴田美月に止められた。

自然に謝ってしまうところからして俺はこの子には何時になっても敵わないんだろうなぁ……

 

「どちらにせよ俺と百合は俺の妹を待たなくてはならないんだ」

 

「司波くんの妹?

さぞかし可愛いんだろうね」

 

「少なくとも否定はしない」

 

達也の妹は兄同様に顔の形が整った所謂美少女と言う奴である。

エリカが陽性の美少女、美月が癒し系美少女というならば、達也の妹は神秘的な美少女と言えよう。

 

「妹さんって新入生総代の司波深雪さんですか?」

 

「ああ」

 

「それじゃあ二人って双子?」

 

「よく訊かれるけど違うんだ。

俺は4月で妹は3月、どっちかが1月ずれたら学年が変わってる」

 

「要は11ヶ月違いの年子って奴だな」

 

「ふーん。

結構複雑なんだね。

所でなんで百合はそんなに---」

 

「お兄様、百合兄様!!」

 

「おお、噂をすれば影、だな」

 

人混みの中から容姿端麗な黒髪美少女が現れる。

彼女が司波深雪、名字から察する通り達也の妹である。

まあ、深雪の性格からしてそろそろ俺達に会いに来るかなぁとは思っていた。

お世辞とか愛想笑いってのが嫌いな彼女だ、そういうのに関係なく腹を割って話せる相手探しってのが彼女が学園生活を楽しむポイントになってくるのだろう。

幸い、俺も深雪と同じ一科生なので今後そう言うところのフォローはしていこうと思ってはいる。

 

「遅くなってすみません」

 

「ま、こっちも大して待ってないしな」

 

「こんにちは司波くん、また会いましたね」

 

深雪の後ろから深雪よりも少し小さい少女が現れた。

左の胸には8枚花弁、一科生の生徒である。

達也の名前を呼んでいたことからきっと知り合いなのだろうが、一科生の人が二科生の達也に話しかけてくるのってこの学校の風潮からして珍しいよな。

にしてもどっかで見たことある気がすんだよな…

 

「自己紹介がまだでしたね。

私はこの学校の生徒会長を務めている七草真由美(さえぐさまゆみ)と申します。

七草と書いてさえぐさと読みます」

 

その少女をまじまじと見ていると視線に気がついたのか俺の方へと体の向きを変えた。

 

「どっかで見たことあると思ったらパンフに載ってた生徒会長さんか!!

姉上も含めてこの学校の偉い役職の人ってみんな美人だよな~」

 

「まあ、美人なんて……」

 

「あ、俺は1年A組の十六夜百合といいます。

よろしくお願いします、生徒会長殿」

 

入学式前に姉上にしたときと同じようにお辞儀をする。

 

「百合兄様もA組なのですね!!」

 

「ってことは深雪も一緒か。

良かったぜ、知り合いが居ると心強い」

 

「あら、十六夜くんって言ったら司波くんと一緒に職員室で噂になってたわよ。

「魔法実技は学年トップ、国語も満点、魔法理論と魔法工学は1問ミスで98点、でも他の英数理社の平均が40点台」って先生方がっかりしてたわよ」

 

「悪い方の噂かよ!!」

 

「百合らしいと言えば百合らしいな」

 

「あんたってほんっとに一長一短な良バランス野郎よね」

 

「なんでそこまでバランスが良くなるんでしょうか……」

 

「俺にとっても一生の謎だよ……」

 

これでも試験勉強は滅茶苦茶頑張ったんだぞ!!

達也にも深雪にも苦手なところは日が変わるまで教えてもらったりしたのにぃ…無念なり。

 

「そ、そんなに落ち込まないでください百合兄様」

 

あぁ……この妹は……良いものだ……

 

「所でお兄様、その方達は?」

 

「クラスメートの柴田美月さんと千葉エリカさんだ」

 

「そうですか……」

 

深雪が達也の答えににっこりと微笑む。

あれ……目が笑ってないよ?

 

「早速クラスメートとデートですか?」

 

可愛らしく小首を傾げ再び達也に問いかける。

どうやら四方八方からのお世辞のゲリラ豪雨に晒されて相当量のストレスが溜まっているようだ。

しかし、だ。

いくらストレスが溜まっていようが、相手がエリカだろうがそういう言い方は良くない。

 

「えいっ」

 

「いたっ!!」

 

俺は深雪の頭に軽くチョップする。

 

「深雪、初対面の相手への第一声がそれは失礼だぞ。

それに百歩譲ってそうだったとしても何も言わないのが大人の対応だ」

 

「おい、百合。

その言い方は語弊を生むから止めろ」

 

俺の言葉に達也が非難めいた言葉を口にすると自分の無礼を詫びる表情をするとお姫様らしいお淑やかな笑みを浮かべた。

 

「はじめまして。

柴田さん、千葉さん、司波深雪です。

私も新入生ですのでお兄様と百合兄様同様によろしくお願いします」

 

「柴田美月です、こちらこそよろしくお願いします」

 

「よろしくね。

あたしのことはエリカでいいよ。

ねえねえ、あなたのこと、深雪って呼んでもいい?」

 

「もちろん。

よろしくお願いします、エリカ」

 

「あはっ、深雪って見かけによらず結構気さくな人?」

 

「そういうエリカも見た目通りの開放的な性格の方なのね」

 

いい意味でも悪い意味でもフレンドリーなエリカはどうやら深雪の気質と合ったらしい。

彼女の大雑把な性格が世辞と愛想の十字砲火にうんざりしていた深雪にどストライクだったのだろう。

にしても初対面の奴と二言程度で下の名前で呼び合う仲って……ほんとコミュ力高いよなぁ。

 

「それよりも深雪、生徒会の方々の用事はもういいのか?」

 

「そうだぞ、こんな美男美女をほっといて俺達なんかと話してちゃいけないぞ?」

 

「大丈夫ですよ。

今日はちょっとしたご挨拶をしに来ただけですから。

あと……深雪さん、そう呼ばせて貰ってもいいかしら」

 

「あっ、はい」

 

折角気の合う友達を見つけてご満悦だった深雪の表情は再び神妙な面持ちへと戻って行った。

そんな深雪の頭に俺はぽんと手を乗せる。

 

「百合兄様?」

 

「そう警戒すんなって。

この人はいい人だ。

俺の第六感がそう言ってる」

 

「それでは深雪さん、また日を改めて。

あ、そうそう十六夜くん」

 

「なんでしょう?」

 

「摩利があなたのことを探していたわよ。

見つけたら風紀委員会本部に来てくれだって」

 

「わかりました。

ありがとうございます」

 

姉上ェ……会長さんにそんなこと頼むもんじゃないだろ…

七草先輩は俺に伝えたいことを告げると講堂を後にする。

会長のお付きのイケメンが若干達也のことを睨んでいるような気がしたがきっと気のせいではないだろう。

 

「というわけだ。

みんなは先に帰っててくれ」

 

「わかった」

 

「失礼します、百合兄様」

 

「積もる話もあったんだけどね…ま、明日でもできるか。

じゃーねー百合ー」

 

「また明日会いましょうね百合くん」

 

そう言って他のみんなも講堂の外へと歩き出していった。

 

「さて……俺も行こうかな」

 

俺も講堂を出て校舎へと向かう。

にしてもここってホントに広いよなぁ……大学って言われても正直驚かない自信がある。

 

「あだっ」

 

「あ!!

わりぃ!!」

 

ガシャン

 

その道中で俺はまた誰かにぶつかってしまった。

そして俺の制服の袖口からなにかが落ちた。

その俺にぶつかった男はその袖口からこぼれおちた拳銃型の機械を拾い上げる。

 

「これって……CADか?」

 

「ああ、しかも武装一体型のな」

 

Casting Assistant Device---法機(ホウキ)とも呼ばれるそれは現代魔法士の必須ツールともいえる。

元々は起動式を記憶するためのデバイスだったのだが時代が進むにつれ魔法を高速発動するデバイスとして開発はシフトしていった。

そして俺の持っている武装一体型CADというのは単純に言えば「武器とCAD一つにしちゃったZE☆」だ。

俺の場合は拳銃にCADをくっつけたもので銃による遠距離攻撃と魔法による各種サポートが売りだ。

 

「一体型……ってことはこれモノホンの拳銃?!

ご、ごめん、すぐ返すから!!」

 

「いいっていいって。

どうせ突っ込んであるのはゴム弾だから。

あ、俺は十六夜百合ってもんだ。

百合って呼んでくれ」

 

「よろしく百合。

俺は西城レオンハルト、レオでいいぜ」

 

「OKだレオ、よろしく頼むぜ。

ところでクラスは?

俺はAだ」

 

「あ、俺E組……」

 

俺が一科生であることを知って少々気が引けているのか声が小さくなるレオ。

 

「おお、E組か!!

俺の友達もE組なんだよ、司波達也ってのと千葉エリカってんだ。

仲良くしてやってくれ」

 

「あれ?

やじったり退け者扱いしたりしないの?」

 

「んなことねえだろ。

それは一部の調子乗ってるやつら、俺みたいに身の丈がわかってる奴はそういうことしないんだよ」

 

「そういうもんか?」

 

「ああ、もちろん。

それでレオ---」

 

ピーンポーンパーンポーン

 

『1年A組十六夜百合、直ちに風紀委員会本部に来てください』

 

俺がレオに風紀委員会本部の場所を聞こうと思った途端に姉上の声がスピーカーから響き渡った。

 

「呼ばれてるぞ百合」

 

「一緒に来てくれレオ!!」

 

「ん?

なんでだ?」

 

「姉上がこういう強硬手段に出るときは大抵怒ってるときなんだ!!

あの人他人が居る時は身内を怒ろうにも本気で怒らない性質だから、あとでなんか奢ってやるからさ、たのむ!!」

 

「……ハンバーガー三個」

 

「うっし交渉成立だ!!」




最後まで読んでいただきありがとうございます!!
次回もお楽しみに!!
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