ゴポゴポゴポゴポ
目を瞑りながら覚醒した意識の中であたし-千葉エリカの耳は変な音を捉えた。
「---りさ!!
これどうすんのよ!!」
「いや、これであってる」
何かを煮ているような音と共に二つの声が聞こえてきた。
声色の感じから女の子だろうか?
「こ、これゴポゴポ止まらないんだけど!!」
「だからこれであってるんだって。
この実験は「水を沸騰させる魔法」の実験だからな。
沸騰した状態が保たれているから成功だぜ」
「で、でも」
「ああ。
魔法を止めてもゴポゴポが止まらない。
つまり「危ない」ってことなのぜ」
やけに肝の据わった女の子に対してもう一人はかなり慌てていた。
え……今危ないって言ったあの子?
「じゃあどうするのよ!!」
「どうもこうもないのぜ。
早く隣の部屋に逃げるぞ」
そんな声が聞こえてくると次にあたしの居る部屋に二人の少女が入ってきた。
一人は黒と白のワンピース。
綺麗な金髪は大きな黒いとんがり帽子に覆われている。
もう一人は青いワンピース。
こちらも綺麗な金髪で、まるで人形のように綺麗な立ち姿だ。
「お、起きてたのか。
早速で悪いんだけどベッドの中に入れさせて欲しいのぜ」
断りを入れるとすぐさま掛布団を引き剥がしその中に入ってくる二人。
私達三人は布団の中で頭を手で覆い隠す。
ふと疑問が浮かんだ私は隣の黒い服の少女(流石に布団の中はかさばるのか大きなとんがり帽子は被っていない)に問い掛けた。
「ねえ、この中って安全なの?」
「絶対に安全とは言い切れないぜ。
爆発したときの為に先ずは飛んでくる破片から身を守らなきゃな」
ドカーン
彼女が言い終えた瞬間、轟音と共にドアが吹き飛んだ。
パラパラと埃が舞う中布団から顔を出す。
幸い、そこまで大きな爆発ではなく他の二人にも怪我は無いようだ。
ただ、ドアのなくなった部屋の入り口からは衝撃で滅茶苦茶になった部屋が見えていた。
「片付けが大変そうね」
「あはははは……」
◇ ◇ ◇
コポコポコポコポ
再び私の耳に水が沸騰する音が入ってくる。
しかし今度のは魔法による物ではなく、アルコールランプを使った火によるものだ。
この時代になってアルコールランプを使ってお湯を沸かすという光景はあまり見なくはなった。
しかしあたしにとって特に珍しい事ではなかった。
纏は事務所でお湯を沸かすときはアルコールランプを使っているし、百合がコーヒーを入れるときに使うサイフォン、あれでお湯を沸かすときもアルコールランプを使う。
「いやぁ。
手伝って貰って申し訳ない。
本当に助かったぜ」
「別にいいわよお礼なんて。
あたしの事を家で寝かせてくれたんだからこれくらいの恩は返さなきゃね」
とんがり帽子の少女は抱えていた本を本棚に入れながらそう言った。
辺りに散らばっていたガラスの破片を箒で外へと掃き出しながらあたしは他愛もない答えを返した。
外の景色にふと目を向けるとそこに広がっていたのは木、木、木。
所謂森の中だった。
「もう動いて大丈夫?
まだどこか痛むなら休んでいても良いのよ?」
「ダイジョブタイジョブ!!
元気なのがあたしの取り得だからね」
もう一人の人形のような少女も帽子の少女に続いてあたしを心配して声をかけてくれた。
本当に特に痛むところはないことを証明するかのようにあたしは鼻歌混じりに集めたゴミをどんどん掃き出す。
「あ、自己紹介がまだだったな。
私は
魔理沙って呼んでくれ」
「私はこの辺りに住んでいるアリス・マーガトロイドよ。
私もアリスでいいわ。
あなたは?」
「あたしは千葉エリカ。
よろしくね魔理沙、アリス」
「よろしくな!!」
「よろしく」
二人に応える形であたしも簡単な自己紹介をする。
握手を求めると二人とも笑顔で返してくれた。
◇ ◇ ◇
「所でエリカはどこから来たんだ?」
「へ?」
ある程度片付けを終えてアリスが淹れてくれた紅茶を飲んでいた最中、魔理沙がそう問い掛けた。
「どこってそりゃあ……東京よ」
「「東京……」」
二人ともあたしの返答に少し唖然としていた。
文字通り目が点になっていた二人は数秒してから目を輝かせた。
「東京だってーっ?!」
魔理沙はとても大きな声を上げた。
彼女を見ると零した紅茶などお構いなしにテーブルに身を乗り出していた。
当然その瞳はキラキラと輝いている。
もう一人の金髪少女はそんな事に興味はないんだろうなと思って彼女の方を向く。
そこには無邪気な子供のような目をしつつもそっぽを向いているアリスがいた。
結構まんざらでもないようだ。
「う、うん……そうよ東京よ」
確かにここは言っては悪いが「田舎」だと思う。
しかしこんなに過剰に反応する必要はあるのだろうか?
この反応はまるで遠くにありすぎてなかなか行けないテーマパークの話を聞こうとしているような表情だ。
しかし東京から山梨までは今の御時世お金さえあれば一時間で着くため高嶺の花という訳でもない。
ならなぜこんな反応を……
「外の世界から来たんだってよアリス!!
すげえよな!!」
「え、ええそうね。
ま、都会派の私にはそれくらい普通のことよ」
こんな森の奥に住んでて都会派ってなんだよと思いつつも敢えて口に出さないでおく。
「なあ、外の世界ってどんなんだ?!
噂だと光がチカチカして真夜中でも明るい道を歩けるって---」
「ちょっと待って。
外の世界ってどうゆうこと?
結界の中と外って別の世界なの?」
「ああ……ごめん。
説明するの忘れてた」
魔理沙の言っていた「外の世界」という言葉が妙に引っ掛かったあたしは質問される前に逆に問い掛けた。
質問をされた本人は少し面倒くさそうな表情でアリスを見る。
しかし当の本人は虚空を見つめながら目を輝かせていた。
所謂「トリップ状態」ってやつなのだろう。
「アリスがこんなんだから私から説明するのぜ。
この世界の名前は幻想郷。
ここに来る前に『博霊神社』って神社があったのを覚えてるか?」
「ええ」
「そこにいる博霊の巫女ってのと一人の妖怪がこの世界と外の世界を『博霊大結界』ってので隔てているんだ」
「へぇ。
そういう事ね」
「わかったか?」
「全っ然わかんない」
ガタッと魔理沙が椅子から落ちそうになる。
「一つ聞いてもいい?」
「何だ?」
「その神社の見た目がその博霊なんちゃらってのを通り抜けた途端に綺麗になったんだけどどういう事?」
「博霊神社は外の世界と幻想郷の境界にあるんだ。
外の世界では長い間放置されてるだろうがこちら側の神社は今の代の博霊の巫女が手入れをしてるから」
ぼーんぼーんぼーんぼーん
部屋の中に鐘の音が鳴り響いた。
「---りさー!!
霧雨魔理沙ー!!」
バン
勢いよくドアが開かれ女性が家の中に入ってきた。
少女は頭に橙色の髪飾りを付けており、虎柄の腰巻きを巻いていた。
女性は鼠色の服を着た少女を抱えていた。
その少女はぐったりとしており、右腕の辺りからは血が流れていた。
「星とナズーリン?
……ってなんだよその怪我?!
早く治療---」
ぐらぐらぐらぐら
「うわっ?!」
「うぐっ!!」
「キャッ?!」
突如発生した大きな揺れにより魔理沙の言葉は遮られた。
あたしと魔理沙は辛うじて机にしがみつくことで転倒を免れたがアリスと虎柄の女性は尻餅を付いてしまった。
その揺れと同時に大きな想子の動きを知覚した。
つまりこれは自然災害ではなく、魔法による人為的なものである。
「大丈夫か?」
「何とか……ね」
「何なのよこれ!!
明らかに魔法を発動した感じがしたじゃないの!!」
「人間が攻めてきたんです!!
外の世界の人間が!!」
「……詳しく聞かせて」
「話をする前に、あなたは?」
「あたしは千葉エリカ。
外の世界から来た魔法師よ。
大丈夫、あなた達に危害を加えるつもりはないわ」
「そうですか……なら続けましょう」
虎柄の女性-
しかし家の周りに見覚えの無い人間が複数居り、周囲に居た妖怪を必要以上に痛めつけていたと言う。
「その集団に私達は見つかってしまいを外の世界の武器による攻撃を受けたのです。
私は何とか防ぐことが出来たのですがナズーリンは……」
「ちょっと見せて」
そう言ってあたしはそのナズーリンと呼ばれた少女の体を観察する。
傷と言うべき物は右腕の銃に撃たれたであろう傷のみで他にはなく、その傷自体骨に当たって弾が暴れた訳でも無いため傷は大したものではない。
銃弾に体を穿たれたショックと痛みで昏倒しているのだろうと思ったがここまで気配が弱々しいのもおかしい。
「命に別状は無いはずよ。
でも、彼女に撃ち込まれた弾を摘出してもいいかしら?」
「え、ええ。
大丈夫です」
「でもどうやってやるんだ?」
「まあ見てなさいって」
あたしは確かに二科生だがそれは飽くまでも処理速度の遅さや魔法のレパートリーが少ないからであり、一応弾の摘出などの応急処置に関する魔法は父や百合から教えてもらった事はある。
あたしは意識を彼女の体内の弾丸に集中させる。
そして百合の紋の刻印されたCADを操作して弾を引き抜く。
ゆっくりと傷口から出てきた球を手で掴みテーブルへ。
そしてすぐに別の魔法を発動。
傷口を塞いだ。
「誰か傷口を塞いだことのある人居る?」
「私がやるわ。
上海!!」
名乗りを上げたのはアリスだった。
そしてどこからともなくアリスに似たような服装の小さな人形が数体、針を持って飛んできた。
そしてナズーリンの傷口をその針で縫い始めた。
数分も経たないうちにその傷は塞がってしまう。
「凄いわね……
てかアリスも魔法使えるんだ」
「まあね。
これでも一応魔法使いだし」
「私だってそうだぜ!!」
「え~そうは見えないな~」
「なっ?!
エリカだって最初はただの女の子にしか見えなかったんだぜ!!」
「良いですよ~
あたしは魔法が使えなくても剣があれば戦えるもーん」
「ぐぬぬ……」
あたしは魔理沙の事を一通り弄ってからテーブルの上に置いた弾丸を台所へと持って行き、それに付いていた血を洗い流した。
その下から現れたのは幾何学的な模様が描かれた真鍮色の金属塊が現れた。
「これは……」
「差し詰め魔法陣の描かれた弾丸ってところね」
「あ、アリス?!」
集中していたため気配に気付けなかったため背後からアリスに声をかけられ大きな声を出してしまった。
「ど、どうしたの?」
「ナズーリンが目を覚ましたみたいでね。
お水を取りに来たの。
多分ナズーリンが著しく衰弱していたのはそれの所為ね」
「でもどうするんだぜ?
アイツの話だと相手は複数みたいだけど」
「まさか、一人で行く訳じゃあないわよね?」
「ま、まさかそんなわけ無いじゃない」
実の所は一人で行こうとしていた。
自分の力を過信してるわけじゃない。
しかし、この事件とは関係ない二人を巻き込むわけにはいかない。
「まさか関係のない「私達を巻き込みたくない」なんて事思ってる訳じゃないのぜ?」
「ギクッ」
「はぁ~
あのなぁ、ナズーリンが傷付けられた……いや。
お前をこの家に運び込んだ時点で私達はもう事件の当事者だ。
私達だけを除け者にする何てそうは問屋が卸さないってやつだぜ?」
「そうよ。
別にあなた一人で解決しなきゃならないって訳でもないでしょう?」
「……二人とも意外と好戦的なのね」
「「よく言われる」」
◇ ◇ ◇
「本当に三人だけで大丈夫なんですか?」
「まあ、何とかなるでしょ」
あたし達は一通りの準備を済ませると霧雨邸の前の開けた土地に私達四人は居た。
腰のベルトにはCADのホルスターと三つの円筒形の筒が付いている。
警棒は右手に既に握っている。
「星はナズーリンと留守番を頼む」
「わかりました」
しゅんとした表情で星は俯いた。
そりゃあナズーリンを傷付けられて許されない気持ちもわかるが怪我をしている彼女を霧雨邸に置いていく訳にもいかない。
それに魔理沙やアリス曰わく「四人だと少し多い」だそうだ。
敵十数人に対して四人は少し多いと言うことは彼女達はかなり広範囲までカバー出来る攻撃を行えるという事なのだろう。
「ところでどうやって敵の所に行くの?」
「空を飛んで行く」
「え?!
飛ぶの?!」
「ええ。
何か問題でも?」
「いや……あたし飛行魔法使えないんだけど」
「「あははははははは!!」」
「えーエリカちゃんマジで空飛べないの?!」
「キモーイ」
「空飛べないのが許されるのは小学生までだよねー」
「「キャハハハハ」」
あたしがそう言うと二人は打ち合わせでもしていたかの様に息のあった演技で嘲笑った(ただふざけてるだけだと思うが)。
「いや、結構真面目に」
「「え……?」」
「そ、外の世界の魔法使いは飛べないのか?」
「正確に言うと専用の道具がないとその魔法が使えないの。
でもまだそれを持ってないから空を飛べない」
「そうなんだ。
ごめんなさいふざけてしまって」
「私の箒の後ろに乗ると良いぜ。
ま、乗り心地は保証できんがな」
箒に跨がった魔理沙は柄の後ろの方をポンポンと叩く。
あたしは言われた通りに魔理沙の箒に跨がった。
「じゃあ、行くぜ!!」
一瞬浮遊感を感じた直後には箒と共にあたし達は空を飛んでいた。
アリスはと言うと彼女に似た格好をした人形-上海人形達を従えて優雅に宙を舞っていた。
「星の話だと敵は十人程度。
その中で刀を持った黒いツンツン髪の男と赤い髪の女がリーダー格で一際強い力を放っていたらしい」
魔法による地震が起こった時点で一人は察していたがまさかあの人まで敵に回るとは思わなかった。
あたしは心の中で苦虫を噛んだ様な気分になった。
「私が雑魚を蹴散らすわ。
魔理沙とエリカは私の攻撃の後にそのリーダー格を倒して」
「おっけー」
「わかった」
ちょっとした作戦会議をしている内に敵と思しき集団が視認できた。
星の言うとおり大体十人程の武装した人間を確認出来た。
「作戦開始よ。
アリス、お願いね」
「了解」
アリスはそう言うとそこで止まり、目を閉じた。
その回りを上海人形達がくるくると回る。
「スペルカード……
体から発せられた覇気と共に目を見開くと、いつの間にか手に持っていたカードが手の中で硝子の様な音を立てて割れた。
その直後、アリスの回りを回っていた上海人形達が彼女の正面に集まりそれによって出来た三角形から光が放たれた。
「凄い……」
「だろ?
まあ、私の方がもっと凄いんだけどな」
そう言って爆心地の向こうへと魔理沙は進んでいく。
「魔理沙、横!!
ぐっ!!」
「エリカ!!」
突如横合いから浴びせられた斬撃を魔理沙の代わりに防いだあたしは地面へと飛ばされた。
魔理沙も同様で魔法が解けてしまったのか地面へと落ちていった。
魔法で勢いを殺し着地は出来た。
怪我は特にない。
しかし
「待ってよ、敵は十人って言ってなかった?」
着地地点には十人程の武装した人間が居た。
アリスが取り逃した……いや、確実に攻撃は当たっていた。
なら、増援なんだろうか?
絶体絶命の状況下たが非常に頭の回転が早い。
しかし、そんなあたしに取れた行動はただ武器を地面に置き、両手を上げ降参の意を伝えるだけだった。
「まあ、頼んだわよアリス」
すぐそこまで迫った仲間を待ちながら。
「わかったわ。
スペルカード、戦操「ドールズ・ウォー」!!」
武装した上海人形達が瞬く間にあたしを囲んでいた奴らを蹴散らしてくれた。
「にしてもほんとに凄いわね」
「まだまだよ。
それに、幻想郷にはまだ強い子は沢山居るわよ」
その言葉を聞いて少しあたしの心が躍った。
一度手合わせを願いたいと思ったがそれはまた後で考えよう。
「雑魚の掃除は私に任せてこの先に強い魔力を感じるわ。
気をつけてね」
「あなたもね」
「大丈夫よ。
都会派魔法使いの私からしたらこんなの朝飯前よ」
そう答えるとアリスは再び飛んでいった。
地面に置いた警棒を拾い上げ、あたしは走り始める。
「っ?!
殺気!!」
横合いから突如現れた殺気とも思える強い気を感じ取りあたしは前方に向かって加速魔法を発動。
初撃を回避する。
「おぉ、流石は千葉の娘。
なかなかやるじゃねえか」
「刀持ったツンツン頭で何となく予想付いてたけど……」
あたしは警棒を構え、斬りかかってきた男に視線を向けた。
「そんなことしてんの知ったらさーや泣いちゃうよ?
ね、桐原先輩」
◇ ◇ ◇
「ああ言ったは良いものの……敵が見つからないわね」
エリカが桐原と対峙している中、彼女と別れたばかりのアリスは森の中をぶらぶらと歩いていた。
敵がなかなか見つからないため飽きてしまったのだ。
「っ?!」
特にあてもなく歩いていると突如魔力を感じ取った。
そして地面が揺れた。
その場から離れようと地面を蹴るが、彼女の足が地を離れることはなかった。
「足が……埋まってぇ!!」
彼女の足が地面に埋まってしまっていたのだ。
今の地震の一瞬で液状化し、何故かはわからないが足の周りだけが固まっていた。
そして液状化によって地盤が緩んだ所為で真横にある大木が彼女に向けて倒れていった。
それの光景を見たアリスの顔は恐怖に歪んだ。
「なんてね♪
戦符「リトルレギオン」!!」
そんなのも束の間、アリスの声は喜びによって跳ね、それと同時に彼女が操る人形達も踊った。
上海人形達がアリスの周囲に戻ると倒れてきた大木は木っ端微塵に弾け飛んだ。
「そこに居るのはわかってるのよ」
「……」
アリスが上海の助けを借り埋まっていた両脚を地面から抜きながら辺りの茂みへと話し掛ける。
その中から白い服を着た赤髪の少女が現れた。
「あなたが千代田花音さんね?」
「っ……!!
なんでそれを?」
赤い髪の少女-千代田花音の瞳には明らかに動揺の色が見えた。
当然の事ながら「七色の人形遣い」の二つ名を持つアリスは見逃すはずがなかった。
「エリカから聞いたの」
「そうなの。
で、何あなたは?
あたしの事を殺しに来たわけ?」
「いや、あなたを保護しに来た」
「そう。
ならあたしはあなたを殺しにかかるけど構わないわね?」
「いいえ。
あなたには私は殺せない。
そして私もあなたを殺さない」
アリスの澄んだ青い瞳が花音を貫く。
「あなたにだって
協力するわよ?」
「…………っ!!
あなたに何がわかるって言うのよ!!」
花音は手に持っていた端末-CADに指を走らせる。
再び地面が大きく揺れる。
液状化する寸前の所でアリスは後方へと飛び退き、倒れ来る大木へと飛び乗った。
「あなた舐めてるの?
こちら側の人間は空を飛ぶ魔法が使えるのでしょう?
あたしの魔法はそれで無効化出来るじゃない」
「それだと面白く無いじゃない。
掛かってきなさいとアリスは嘯く。
「戦いの前に自己紹介をさせて貰うわ。
私の名前はアリス・マーガトロイド。
もう一度言わせてもらうわ。
掛かってきなさい一校の地雷原」
その言葉によって火蓋が斬られた。
花音は更に大きな地震を巻き起こし、アリスは十数体までに増えていた人形を操り、光の弾を放つ。
地雷原と七色の人形遣いの戦いが始まったのだ。
「It's show time!!」BGM:星の器 feat.らっぷびと/魂音泉
百合(以下百)「今回も始まりました「嘘吐きりりーのホントのプロフ」!!
司会進行役は俺十六夜百合と!!」
エリカ(以下エ)「千葉エリカでお送りしまーす」
百「今回のゲストはこの方!!
完全で瀟洒な従者こと十六夜優輝さん!!」
優輝(以下優)「どうもーどうもー。
初めまして、十六夜優輝です。
紅魔館という館にてメイドをやらせていただいております」
レミリア(以下レ)「咲夜~お茶淹れて~!!」
優「お嬢様、十分前に飲んだばかりでしょう?
少し我慢なさってください」
レ「う~☆」(´・ω・`)ショボーン
エ「い、今の小さい子は?」
優「私の仕えている紅魔館の主、「レミリア・スカーレット」様よ。
あのような幼いお姿をしているけど、実年齢は五百歳よ」
百「五百?!」
優「あの方は吸血鬼ですよ?
五百歳の吸血鬼なんてまだまだ子供らしいわ」
百、エ「ソーナノカー」
百「まあ、そんな事は置いといて。
優輝がレミリアに雇われてからの話ってのはみんな知ってるだろうから今回はその前の話をしようと思う。
まず優輝の生まれだが、俺の父上の弟の十六夜啓治の娘として生まれた。
因みに啓治叔父上の方は十六夜の本家ではなく分家だ。
理由としては啓治叔父上が魔法師一般女性と結婚したから、それと十六夜の教えを破ったからだ。
それでも破門にしなかったのは父上よりも剣士として、魔法師として高い能力を持っていたからだ。
まあ、そんな家に生まれた優輝も俺たちと同じく十六夜流の剣と共に育った」
エ「でも、優輝が十一歳の時に悲劇は起こった」
百「そう。
こいつが小学五年のある夜、何者かに闇討ちをかけられたんだ。
叔父上達の抵抗も虚しく優輝の家族は残らず殺された」
優「でも私は自らの能力と十六夜の剣術を使って襲撃者を皆殺しにした。
その時私はお嬢様にであったの」
百「よし、今回はこんなもんだ。
優輝の能力については追々解説していくぜ」
エ「まあ、大体の人が知ってると思うけどね。
次回予告!!」
優「激化する幻想郷での戦い。
敵の魔の手が今度は百合と優輝に迫る!!
次回、魔法科高校の劣等生~嘘吐きの百合~第二十四射。
「邪魔する奴はとりま無視」」
「お楽しみに~!!」
今回の作業用BGM
華胥の夢/豚乙女
星の器 feat.らっぷびと/魂音泉
ジョジョその血の記憶~end of the world~