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「ちょーへんしん!!」
『あいつ、またやってるよ』
『おまえのやってるライダーわかんねーし』
『なんだよ、くうがって』
『だっせえ!』
僕しか知らない、平成の仮面ライダー。
親戚のおじさんから教えてもらった、最高のヒーロー。
見た目はシンプルすぎて、確かにカッコいいとは言えないかもしれない。
でも、僕は・・・。
「なぁなぁ!ユウくんユウくん。くうがってどんなやつぅ?」
そんな僕に初めて話しかけてくれたのが、
『
『いつも1人でいるみたいですし・・・』
『友達も・・・』
『勉強はできてはいるんですが、授業中も鼻歌を・・・』
『あいつキモーい』
『ムシしよーぜ、あんなヤツ』
『おい、オマエ。何言ってるか聞こえねーよ』
『もっと大きな声でうたえよ!』
「てめーら!ユウをイジメてんじゃねー!」
いつも僕を助けてくれたのは、尾前だった。
『なにアイツ。ホントキモい』
『つーかオタクだろ?』
『おいてめー。便所でメシ食えよ。臭えよ』
『汗キッモ!!』
『なんか絵描いてたよぉ?超ヘタクソw』
『え、ヤダ。ホント勘弁』
『死んじゃえよお前』
ガシャーンッ!
『ひっ!?』
『お、尾前さん・・・』
「おい、誰だ?俺に向かって『死んじゃえ』って言った奴。出てきて直接言えよ、コラ」
『い、いや。尾前さんの事じゃなくて・・・』
「じゃあ誰に言ったんだよ?もしかしてユウじゃねーよなぁ?」
『いや、あの、ホントすんません・・・』
「謝るくれぇなら最初から言ってんじゃねーよ。お前ら、ユウの事なんも知らねーだろがよぉ」
「ユウ!聞けって!めっちゃオモロいゲーム見つけたんだぜ!?」
「あぁ、アレなら言ってくれれば持ってたのに」
「はぁ!?おまっ、早く言えよぉ!買っちまったじゃんよ!」
「ていうか、僕のクウガ全巻を先に返せよ」
「いやいやいや!アレ、やっぱサイコーすぎるわ!この歳になって特撮で泣くとか思わなかったわ」
「まあ、クウガは名作だからな。大きくなってから意味が分かるシーンも多いし、気持ちは分からなくはないな」
「だろ!?だからさぁ、もう少し貸して・・・」
「いや、僕も久しぶりに見たいんだよ。帰り道一緒だし、尾前の家寄ってくわ」
「え!?ユウ、お前、2次元だけでなく、とうとう俺にまで手を出そうとか・・・」
「誰が出すか、ボケぇ!僕の好みは・・・」
「あ、知ってるから言わんでえーよ?」
「とにかく、僕も見たいんだって。いいから返せよ」
『なんで!!?なんでユウくん、止めてくれなかったのォ!??』
『おい、やめないか・・・』
『ねぇ、なんでアナタが生きていて、あの子が死んだのよ!アナタその時、何してたのよッ!?』
「その・・・、尾前から教えてもらったアプリを・・・・・・」
バチィッッ!!
『殺してやる!アンタなんか、殺してやるぅッッ!!』
『やめろ!!』
『すまんな、ユウくん。君は悪くない。わかってはいるんだ・・・。だが、私も妻も、今は無理だ・・・。もう、顔を見せないでくれ。頼む・・・』
『尾前さんの腰巾着がよぉ!!』
ドカッ!
『ワタシ、やだよぉ・・・。尾前さん、なんで死んじゃったのぉ・・・』
『いや、ホントありえねぇよ。なんだよ、ゲームしてたって』
『尾前さんはオメーの友達じゃねえんだぜ!?尾前さんは優しいからオメーを見てくれてただけだから』
『勘違いヤローが』
『上代くん、死んでよ。ねぇ。お願いだから、死んで?ね?』
・・・僕は、どうしたらいいんだろう?
部屋の中で、僕はひとりでずっとスマホを握りしめている。
暑い。
もう、夏になっちゃったんだよ?尾前・・・。
僕、まだfgoやってないんだよ。
尾前が死んでから、やりたくてもやれないんだ。
僕のキャラの名前なんか、なんでもよかったじゃんな。尾前が言ってた通りだよ。
でもさ、ワクワクしてたんだ。
また、尾前と新しいゲームで遊べるってさ。
だったらきっちり、スタートから気合い入れたいじゃん?
なのにさぁ・・・。
『ユウはユウでいいんじゃね?俺、お前の名前がうらやましーよ。「五代雄介」にちょっと似てんじゃん!!』
あんな、笑顔がさぁ・・・。
その顔が、あんなぐちゃぐちゃになっちゃってさぁ・・・。
悲しいわ、マジで。
寂しいよ、マジで。
・・・オマエのアカウント、まだ残ってるんかな?
今からでも、フレンド登録とか、できんのかな。
そしたらさ。
少しは・・・オマエとも一緒に遊べるのかなぁ・・・!
尾前のプレイヤーID、メモしてあるから。
オマエがどんなプレイヤーだったか、最初のサーヴァントはなんだったか。
教えてくれよ、尾前ぇ・・・・・・!
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なんか、青い、光・・・?
その渦に、飲み込まれていく夢を見た気がする。
(僕は、死んだのか・・・)
ああ、それならさっきの夢も納得だわ。
あれが走馬灯っていうやつね。初めて見た。
・・・いやいや、何度も見てたまるか。
僕の人生、あっけなく終〜了〜。
はい。お疲れさんでした。
次のキャラクターはきっとうまくやってくれるでしょう。
「フォウ・・・。フー、フォーウ・・・」
あれ?この鳴き声。僕の顔を叩いてきた時とおんなじ・・・
べしべしべしべしべしべしべしべしべしべしべしべしべしべしべしべしべしべしべしべしべしべしべしべしべしべしべしべしべしべしべしべしべしべしべしべしべしべしべしべしべしべしべしべしべしべしべしべしべしべしべしべしべしべしべしべしべしべしべしべしべしべしべしべしべしべしべしべしべしべしべしべしべし・・・・・・。
いや、多いわ!どんたけ叩くんだよ!!
「先輩。起きてください、先輩」
あれ・・・?マシュの声が聞こえる・・・?
「ここは、正式な敬称で呼びかけて・・・」
んんん??
あれれ?マシュは助かったのか?
「マスター、起きてください。
起きないと、殺しますよ?」
「いや、誰だお前ぇッ!!?」
僕は飛び起きた。
なんだ!?
マシュの声を真似た殺人鬼かナニカか!?
マシュの声のした方を見遣る。
・・・・・・んん???
「良かった。目が覚めましたね先輩。無事で何よりです」
「・・・マシュさんや」
「はい?」
「おへそ、可愛ね」
「ひゃいっ!?」
マシュが丸出しのおへそを両手で隠す。
「ていうか、なに?その格好。コスプレ?」
「え、いや。決してそんなつもりじゃ・・・」
「あと、殺すって言ってなかった?」
「あ、あ、アレは、言い間違えといいますか、何といいますか・・・」
うーん、目の前には絶世の美少女マシュ様。ピッチピチのダークパープル?の鎧を身につけてるんだが、なんか布面積小さくない?
肩丸出し、太もも丸出し、おへそ丸出し。
「ありがとうございます!!!!」
「ええ!?い、いえ。わたしも想定外の事ばかり起きていて、些か混乱してましたが・・・。とりあえず先輩。周りをご覧ください」
「ん?周り?」
僕はぐるっと辺りを見回した。
なんか、街が燃えてますね。
んでもって、僕ら囲まれてますね。
なに、この人たち。ボロを身に纏ってるんだけど、顔が見えない。なんか目っぽいとこだけが青白く光ってるんだが・・・。
「どちら様でしょーか?」
「意志の疎通は不可能です。先輩、どうにかこの状況を脱しないと・・・」
「どーなるの?」
「多分、死にます」
「オッケー、把握した」
なるほど・・・。なるほどねぇ・・・。
どうやら僕とマシュは、いま流行りの、というか若干飽和気味の『異世界転生』とやらを果たしてしまったらしい。
あの炎の中、しかもマシュは下半身を潰されていた状態で、僕たちが生きているハズがない。
となれば、僕らは一度死に、そして、異世界に何かしらのチート能力を手にして転生した、と。
マシュの格好が変わっているのは、それがマシュのチート能力だから、だな。
で、いきなりピンチな状況に放り出された、と。
まあ、よくある展開ではあるな。
ならば、
「マシュ、下がっていろ。ここは僕のチートで何ができるのか試してみる。チュートリアルってやつだ」
「え?え?先輩??」
「ふるえるぞハートッ!」
僕は思いっきり息を吸い込んだ。
「燃えつきるほどヒートッ!!」
たった一歩で1番近い敵に肉薄する僕。
「おおおおおおお!!」
これは僕の勘だが、なんかコイツらグールとかゾンビとかそんなタイプのヤツらだろう?
なら、山吹色の波紋の呼吸を叩きこんでやればいいだけだ!!
「刻むぞ、血液のビートゔぇふう!?」
「先輩!?」
な、なにィィ!?相手の攻撃が見えなかった、だとォ!?
コイツはただ手を振っただけ。いきなり近づいた僕を鬱陶しいって手付きで振り払っただけだ。
なのに、なんだこの威力は!?
僕は5メートルくらい吹っ飛ばされて、地面をバウンドした。めっちゃ痛い!!
「マスター、下がってください!ここはわたしが!!」
痛みに悶える僕の横を、黒い影が通り過ぎる。
マシュが空中に飛び上がる。
そして、手に持っていた大きな鉄板を敵に叩き付けた。
グシャッと嫌な音がする。一撃で相手をミンチに変えたのだろう。
それにしてもスゴイパワーにスピード。
常人にはまず追いつけない。
僕でなきゃ、見逃しちゃうね。
!?
「マシュ!後ろだ!」
「はい、先輩!!」
マシュの背後から飛び掛かってきたボロマント2体を、振り向き様に鉄板で叩き落としたマシュ。
哀れ2体のモンスターは、アスファルトと鉄板に押し潰されて、不味そうな合挽き肉に早変わりした。
「・・・ふう。不安でしたが、なんとかなりました。」
「すっげえ・・・」
「お怪我はありませんか先輩。主にお腹が痛かったり、腹部に重さを感じたり、下腹部の鈍痛などありませんか?」
「全部お腹じゃん」
「あ、すみません。つい・・・」
「いやいや、良いよマシュ。助けてくれてありがとう」
まあね、僕の体型ではやっぱお腹の調子が気になるよね。
「ところで、今のはなんだったんだ?」
「・・・わかりません。この時代はおろか、わたしたちの時代にも存在しないものでした」
マシュも混乱しているみたいだ。僕は殴られた顔(決してお腹ではない)をさすりながら立ち上がる。
「・・・マシュは戦う能力を手に入れた。じゃあ僕は、まさか非戦闘系のチートを授かった、ということか・・・?」
「あ、あの。先輩がさっきから言っているチート、というのは?」
「ん?ああ、それは僕たち転生者が手に入れた能力の事だよ。いわゆる反則技、みたいなもんかな。転生した先で、人生を有利に進められるような能力のことを、この場合はチートと呼ぶんだ」
「そ、そうなんですか・・・」
マシュは困惑しているようだ。意外だな。本とか読みそうなタイプに見えたから、その辺りの知識は一通り備えてるもんだと思ったけど・・・。
「まぁ、僕のチート能力についてはこれから調べていくしかないか」
「はあ・・・。ですが、アレがもしかしたら、特異点の原因、のようなもの、という事なんでしょうか?」
「へ?なに?特異点?」
僕がマシュに特異点とはなんぞ?と聞こうとした時だった。
『ああ、やっと繋がった!もしもし!こちらカルデア管制室だ、聞こえるかい!?』
なんか知らんが、ドクターの声が聞こえてきた。なんだかひと昔前のSF映画みたいな通信映像が空中に浮かび上がる。
「こちら、Aチームメンバー、マシュ・キリエライトです。現在、特異点Fにシフト完了しました」
マシュが平然とドクターと会話を始める。
「同行者は先輩、上代ユウ一名。心身共に問題ありません。若干、腹部に鈍痛を感じているようですが」
「いや無いから」
「レイシフト適応、マスター適応、共に良好。上代ユウを正式な調査員として登録してください」
無視ですか、そうですか。
『待って、マシュ・・・。そこにいるのは上代くんかい?』
「・・・?はい。それが何か・・・?」
『・・・・・・いや。今はそれどころじゃない、か』
ドクターの顔が曇っている。
なんだよ。言いたいことがあるならハッキリ言ってくれよ。
『・・・上代くん。コフィン無しでよく意味消失に耐えてくれた。それは素直に嬉しい』
あなたの表情、セリフとは裏腹にめっちゃ曇ってますけど??
まぁ、今の僕ってば、レフだけでなくドクターから見ても怪しさ満点の胡散臭いヤツだからね。その反応はしょうがないけどさぁ。
『それと、マシュ』
「はい」
『君が無事なのは嬉しいんだけど、その格好はどういう事なんだい!?ハレンチすぎる!ボクはそんな娘に育てた覚えはないぞぅ!』
「ありがとうございました!」
『上代くんは、黙ってて!』
「いえ、Dr.ロマン。アナタがちょっと黙ってください」
『ええ・・・』
「わたしの状態をチェックしてください。それで状況は理解して頂けると思います」
『君の身体状況を?・・・お、おお、おおおぉぉおおお!?』
ドクターが何かをチェックしている。マシュの身体データってやつか。
スリーサイズとかも載ってんのかな?
『身体能力、魔力回路、すべてが向上している!これじゃあ人間と言うよりーーー』
「はい。サーヴァントそのものです」
「サーヴァント!?」
・・・僕って驚き癖でもついてるんだろうか。聞き慣れた言葉を耳にすると咄嗟に反応しちゃうんだけど。
ほら、ま〜たロマンの顔が険しくなってるぅ。
でも、マシュはそんなでもないな。なら良いか。
「はい。経緯は覚えていませんが、わたしはサーヴァントと融合した事で一命を取り留めたようです。今回、特異点Fの調査のために、カルデアでは事前にサーヴァントが用意されていました」
「あ、あのさぁ、マシュ・・・?」
「はい。なんでしょうか先輩?」
「サーヴァントって、アレ?なんかクラス・セイバーとかアーチャーとか、そういう?」
「はい!先輩の仰る通りです!」
「じゃあ、まさか、この事態って聖杯戦争・・・?」
「え?」
『上代くん。すまないが、今は君の話よりマシュの話が重要だ。君の話は後で絶対聞くから、ちょっとマシュの話に集中させてほしい』
「・・・わかりました」
ドクター、目が真剣だ。
そうだよな。僕だってここまで偶然の一致があるなんて、と不思議に思ってはいるけど、ドクターからすれば『フツーの一般人がなんで魔術の秘奥を知ってる?』ってなるよなぁ。
はあ。なんて説明すれば良いんだろう・・・。
『とにかくマシュ。君はその用意されていたサーヴァントのうちの1人と融合した。この認識で合ってるかい?』
「はい」
『カルデアの六つ目の実験、デミサーヴァント。こんなところで成功するとはね・・・。ちなみに、キミの中に英霊の意識はあるのかい?』
「いえ、彼はわたしに戦闘能力を託して消滅しました。最後まで、真名を明かさないまま。ですからわたしは、自分がどの英霊なのか、自分が手にしたこの武器がどのような宝具なのか、現時点ではまるでわかりません」
『そうなのか。だが、まあ、不幸中の幸いだ。召喚したサーヴァントが協力的とは限らないからね。けどマシュがサーヴァントなら話は早い。何より全面的に信頼できる』
ドクターはうんうん、と頷くと、今度は僕に視線を移した。
『問題は上代くん、君だ。ハッキリ言ってボクは君を全く信用していない。一般人のハズの君が、魔術界の大物の名前や、サーヴァント、それに聖杯戦争まで知ってるなんて、普通ならあり得ない。そんな君がカルデアに来てから、あの爆発だ。本音を言えば、レフの言う通り君を外に放り出した方が良かったかもしれないと思っている』
「まぁ・・・当然、そうなりますよね」
『だが、今この事態に対処できるのはマシュと、君しかいない。現在データを解析中だが、これによるとマシュは君の
「・・・マジですか」
『・・・君、今ボクが話した内容が理解できているね?』
「はい。なんとなく、ですけど・・・」
『そろそろ君の話を聞こう。君がなぜそこまで僕ら魔術師について詳しいのか。そこを聞かないと、僕は君を信用できない。最悪、君をマシュに拘束させる必要性も出てくる』
「Dr.ロマン!先輩はそんな人じゃ・・・!」
「いや、いいんだよマシュ。いい加減、僕もこの状況をなんとかしたいって思っていたところなんだ・・・」
そうして、僕は今までの経緯を、洗いざらい、マシュとドクターに話した。
『なんてこった・・・。まさかそんなゲームが売り出されてたなんて・・・』
ドクターが驚愕というか、困惑というか、とにかく頭を抱えている。
『これは確実に魔術関連の力が働いている。でなきゃ、いくらなんでも詳細が詳しく書かれすぎている。実在する儀式や魔術の名家の名前を載せるなんて・・・時計塔はなにをやっていたんだ?』
「あの、先輩」
「ん?なんだい?」
「その、わたしはゲームとかはやった事がないんですが、そのゲームはかなり有名なモノなんでしょうか」
「海外ではどうか知らないけど、少なくとも日本では、やった事はないけど名前は知ってる、って人が多いんじゃないかな」
「そ、そんなに・・・」
『日本の情報が入ってこなかったのは、カルデアが南極だから、か?・・・・・・いや、上代くん。そのゲーム、最初は同人ゲームとして売り出されていたって言ったよね?』
「あ、はい。そうらしいですけど・・・」
『それが段々と広がっていって、ついには大人気のゲームに、か・・・。これは、情報の拡散が早すぎて止められなかった、と見るべきかな?今、無理やりにでも情報を止めようとすれば確実に大きな反発を呼ぶ。そこまで考えての事・・・?だとしたら、製作者の目的はなんだ?』
「あ、あのう。ドクター?」
『ん、なんだい?上代くん』
「とりあえず僕は洗いざらい話しましたけど、ドクター的にはどんな感じでしょうか・・・?」
う〜〜ん、とドクターが首を捻って眉間に皺を寄せて、凄く悩んでいる。
『ごめん、キミの話が全部真実だったとしても、まだキミを信用するわけにはいかない、かな?』
「まあ、そうですよね。反対の立場なら僕も絶対信用できないでしょうし・・・」
『ただね、君が少なくとも悪意のある人間ではない、って事だけはわかったよ』
「え・・・」
「ドクター、通信が乱れています。通信途絶まであと10秒」
『おっとそんなかい!?2人とも、そこから2キロ先に霊脈の強いポイントがあるから、まずはそこまで移ーーー』
ブツっと、ドクターの通信が途切れた。
「えぇ・・・・・・」
なんつー中途半端な切れ方。
「まあ、ドクターのする事ですから。いつもここぞというところで頼りになりません」
ああ・・・やっぱりゆるふわ系なんだなぁ。
「しかたない、移動しよっか」
「そうですね」
「フォウ!キュー!」
あ、あれ。そういえば・・・
「フォウさん、なんでいるの?」
「どうやらフォウさんは、先輩と一緒にレイシフトしてきたようですね。フォウさん、応援ありがとうございます!」
「フォウ!」
「うーん、重要なマスコットキャラってところか?まあなんにせよ、よろしくねフォウさん」
「フォッキュー!」
・・・あれ?
今、すごく汚い言葉で罵られた?
なんか嫌われる事したっけ??
「あ!」
「どうしたのマシュ?」
「いえ、フォウさんのこと、ドクターに報告し忘れていました」
「いや、それくらいなら別にいいんじゃないか?」
「フォッキュー!」
「ほら、こう言ってるし」
「・・・そうですね。では、ドクターの言っていた座標まで行ってみましょう。そこでなら通信もうまく行くハズです」
「オッケー!!」
僕は元気よくサムズアップ!
こうして、僕ら2人と1匹は最初の冒険に繰り出した。
しかし・・・、
(異世界転生、じゃないのか?なっているとしても、僕だけ?いや、ここが僕のいた世界と同じ世界で、本気で魔術とかが実在していた可能性も否定できないし・・・)
僕の心のモヤモヤは、晴れることはなかった。
「ところで先輩。マシュちゃんて呼ばないんですね・・・」
「え?あ、ごめん!つい呼び捨てで・・・」
「ふふっ。いえ、先輩の好きなように読んでいただけたら」
「ほ、ホント?怒ってない?」
「怒ってないですよ、マスター」
ニッコリ微笑む天使さま。
マスターとか呼ばれて、僕ってば、かなり舞い上がっちゃうけど、いいよね??
悪漢に襲われている銀髪吊り目美少女キターーーー!!