「輪廻、少し手伝って欲しいのだけど」
そんな言葉を羽丘で言われて俺は今Roseliaボーカル。
青葉と似た髪色だが、姉さんと同じクール属性で、歌に関しては強靭・無敵・最強である。友希那さんは姉の燐子を経由して知り合い、燐子姉さんについて話したりしてたら仲良くなった。
姉さんあまり自分の事語らないから、俺が友希那さんに姉さんの事を話しているのだ。
「わざわざ自分のプライベートの部屋に呼び出して何をする気ですか?」
「私と輪廻が二人きりで部屋にいるなら。やる事はひとつよね?」
「「子づくりとか言ったらその銀髪一本貰いますよ(曲のアイデアを考えて欲しいの)……え?」」
し、しまった!? 罠だ、これは罠だ! 雰囲気が似てるからうちの
やべぇ、友希那さん幻滅したよな……
「す、すみません。友希那さん軽率でした」
「……ごめんなさい。輪廻」
「……へ?
「貴方がそこまで溜まっていたなんて。バンドメンバーの弟であっても私達の仲だから気づくべきだったわ。とりあえずズボン脱いでもらっていいかしら」
「すみません俺が姉と間違えてフライングワードしただけなんです。許してください、おい待てズボンに手をかけるな脱いでくれって言ったのに脱がせようとするな!」
「ごっくんしてからキスとかしてもいいかしら?」
「まぁ、気にしないですけど……って違う! これ以上はマジでいけない!」
「確かに初めてだから貴方をイかせる事は難しいかもしれないけど……あ、なら下の口なら痛くても耐えればなんとか」
「もう黙って!?」
俺が友希那さんの家に来て最初にする事は友希那さんの暴走を止める事である。ってか、友希那さん。お前もそっち側かよ。
「まぁ、冗談はさておいてよ」
「冗談だったんですか?」
「彼氏いるのにそんなことできるわけないでしょう。あの人の為の演技よ」
「確かにというか当たり前ですけど……って、え?」
「え?」
なんかとんでもないこと言わなかったかこの人。
「大丈夫よ、ちゃんと許可を得たから」
「友希那さん彼氏いたんですか?」
「……彼氏の予定よ。これから私のものにするの」
「なんかやべぇサイドの人間のセリフですけど」
「玉の輿に乗って競馬するのよ」
「ヤベェサイドだった」
「……冗談よ?」
「……競馬で3連単は?」
「基本中の基本ね。100円が10万になるもの」
「最近の願いは?」
「競馬当たれ」
「どなたか分かりませんけど貴方の彼女さんお金目的ですよー!」
「冗談よ。ちゃんと
「鏡さんって言うんですね」
「そんなことより歌詞作るわよ」
「……それで、俺に曲のアイデアとか言われても困るんですけど」
「別にそんな難しい事は求めないわよ。ただ、貴方国語得意でしょう? 歌詞を考えて欲しいのよ」
「俺は0から1にするのは苦手ですよ。後、貴方テスト大丈夫ですか?」
「それなら文章の添削でもいいわ。今から歌詞を書くから文章的におかしなところとか指摘してくれるだけでも嬉しいのよ」
「おいこら清々しいくらい無視すんな。というか紗夜さんとかでも良かったんじゃ?」
「ダメよ! 輪廻じゃないと嫌なの。確かにRoseliaのみんなに頼ればいいと思うけど、私は輪廻の方がいいと思ったのよ」
「彼氏(仮)は?」
「あの人はボーカル技術専門なのよ。
「……弦巻ってあの弦巻ですよね? え? その人何者?」
「弦巻さんの兄よ。とにかく、今は輪廻と考えたいのよ」
「道理で玉の輿とか言ってる訳だ……とにかく分かりましたよ。あ、そうだ(唐突)さっきミスして買った炭酸水飲みます? 俺炭酸苦手なので、家に呼んでくれたお土産……まぁ粗品です」
「あら、そうなの? ありがとう。頂くわ」
そう言って俺の手渡した炭酸水を飲んだ。その瞬間友希那さんの目が見開き……
「……輪廻、いい歌詞が浮かんだわ」
「……本当ですか? この炭酸水で頭スッキリしたからかな?」
「ええ、最高のサビの冒頭が出来そうなの」
「因みにどんなワードですか?」
「しゅわしゅわ」
「友希那さんそれはまずいです」
「それならばRoseliaの絆を見せつけるような歌詞を……キーズーナミュー」
「アンタ今日はもう寝ろ。疲れてんだきっと」
止めますよ、全力で。
♪♪♪
「あらかた出来たわね」
「まさか五時間添削させられるとは思いませんでしたけどね」
疲れた。マジで疲れた。何度も書いては消して書いては消してを繰り返して、やっと出来た。曲作りってこんなかかるんだ。
「まぁ、そこから曲の音に合うかを考えてまた推敲するけどね」
「頑張ってください(丸投げ)」
「まぁ、今日はこれで完成形態よ」
「え? 曲と合わせるんじゃなかったんですか? 曲ってこれから作るんじゃ……」
「曲はもうあるのよ。これを聞いてくれるかしら?」
そう言って友希那さんは俺にベッドホンをかぶせた……そこで流れたのは
「……これこの前友希那さんに弾いたやつじゃないですか」
「ええ、二次創作で色んなアレンジがあるって聞いたから歌詞を入れてみたわ」
俺がよくやっているTHプロジェクトに出てくる吸血鬼の姉キャラの曲であった。
「……覚えてる? 私がたまたま調子悪くて、イライラして燐子達にあたってしまった時、貴方殴り込んできたわよね」
「ライブハウスまで迎えに行ったら姉さんが涙流して出てきたから追いかける前に事情を聞こうとしてRoseliaの部屋に行っただけです。殴り込みとか言わないでください」
「その時の貴方眼が血走ってたわよ」
「そりゃ、姉さんを泣かせたんですから当然です」
「シスコンね。まぁ、鏡にも怒られたけど」
「違います。他より少し姉さんが大好きなだけです」
「……それで、貴方は私が元凶と知って、怒るかと思ったらスタジオで待ってろって言ったわね」
「貴方が怒るのって、Roseliaのみんながバカにされたか、音楽で苛立ってるかのどっちかでしょう?」
「生理もあるわ」
「それは……考慮してないです。でも、音楽で苛立ってるなら、息抜きの音楽もアリかなって。だから俺は友希那さんだけを残しました」
「それで、貴方は私にピアノを一曲弾いたのよね」
「今思えばRoseliaのボーカルに何してんだって話ですよね」
「でも、私は聞いたわ。本来の私なら例え燐子の弟でも、本気の音楽じゃないなら聞かないって言ってたもの」
「それだけ冷静じゃなくて助かりました。それがこの曲でしたよね」
『ピアノ? 弾けるもんなら弾いてみなさい。貴方が燐子の弟でも、燐子の音は出せないわ』
『うるさいです。黙って聴いてください。姉さんに遠く及ばなくても、素人でも、時にはプロが気づかないのを学ばせられるんだ。やってやるよ』
そう煽られたのを覚えている。俺は昔姉が苦手だった。ピアノばっかり弾いて構ってくれなかったから。そんな子供のただこねるみたいな理由でも、やはり苦手意識は残っていたのだ。
だから、俺はあえてピアノをやらないフリをしていた。姉さんを取ったピアノは嫌いだけど、それでも俺だって姉さんの、白金燐子の弟だから、ピアノに憧れはあった。だから、燐子姉さんに内緒で弾いてた。
そのおかげもあって、一曲ノーミスで弾けた。あの時に言った友希那さんの言葉は心に残っている。
『……燐子とはまた別の才能ね……』
それから我に返った俺と友希那さんは二人で謝り倒した(ほとんど俺が一方的に謝ってたけど)そのおかげもあり、今では姉さんの秘密暴露会の二人になっているのだ。
「貴方の音は燐子とは技術が違う。レベルだって燐子には到底及ばない」
「ですよね」
「でも、貴方は燐子とは違う意味で凄いわ。だって貴方」
「楽譜読めないのよね?」
「ええ、まあ」
俺は姉さんみたいに楽譜は読めない。だから、ピアノのキーボードが曲に合わせて光る動画を見てその真似をして弾いた。
「楽譜を見ても音が分からないから文字に頼るしかない。でも、音を聴き続けて弾いてる貴方は、曲の想いが燐子より分かってる。それは貴方の最大の武器よ」
「それでも燐子姉さんには勝てませんよ」
「……頂点を目指すためにRoseliaを組んだ私が言うことではないけど……」
「勝つことが全てじゃないわ。歌を理解し、曲を理解して、それを貴方の音で伝えるのも音楽よ」
「……友希那さん」
友希那さんの言う通りだ。別に俺は姉に勝つために曲を弾いたわけじゃない。思い出す、俺が最初にピアノに手をかけたのは……
『うわ、この吸血鬼姉妹あこちゃんと姉さんに雰囲気似てる。めっちゃ可愛い。弾くか』
あ、ろくでもなかったわ弾いた理由。でも、それが一歩だった。
『よし、もう少しで左は覚える。右手はよく分からん! 根性だ!』
『早いって!? ちょっと遅く再生しよ……げっ、姉さん帰ってきた。隠せ隠せ』
そんな事をして曲を弾いていたのを覚えている。その時はただ
「弾くのが楽しかったんだ」
「なら、燐子に聞かれても気にせず弾きなさい。いつか姉弟で弾いたらるんってするわよ」
「ねぇ、流行ってんのそれ?」
「私はリサとルナがそれをしてるのを見てたから。やっぱり同胞って良いわよね」
「……友希那さん」
「輪廻、私の弟になる覚悟はある? あ、鏡が夫で私が妻ね」
「よし、逃げるか」
何でこの人は大事なとこでしまらねぇんだ。
「締めるのは表情と人と膣で充分よ」
「おいコラ湊おおおおお!」
こんなRoseliaのボーカルだけど、俺はこの人が結構好きである。彼氏いるの聞いてねぇけど。いや、まだ彼氏じゃなかったわ。
♪♪♪
「あこと」
「わたしと」
「「誰が好きなの?」」
「とりあえず恋愛面の話なら姉さんはぶっこぬいておくわ。というか花咲川帰れ」
「いやぁぁぁぁぁぁ!!」
「うるせぇ」
「それじゃあロリコンね。変態だわ。だがそれがいい……あ、3ー2ー全外したわ」
「落ち着け友希那さん後、学校で何してんだ。しかも競馬で3ー2ー全とか強者だろ」
「ねぇ輪廻さん……あこと、気持ちいい事、しよう?」
「誰からそれ言えって言われた?」
「友希那さんとりんりん」
「テメェら土下座だゴラ」
この後めちゃくちゃ説教した。
「……あこ」
「何ですか? 友希那さん?」
「……いつ、覚悟を決めるの?」
「……あこには……無理ですよ」
「……そう、貴方がそう思うなら私は何も言わないわ……でも、後悔しかしないわよ」
「……それでもあこは後悔するしか無いんです」
「……あこ」