シリアスの中にギャグ入れようと思ったらこうなりました。
「……んっ……どうだった? 俺の唇は?」
「……すごく、柔らかいです」
「これで、一つの問題は解決だな……吐きそう」
「何一つ解決してる気がしません。ってかふざけんなテメェ!? 吐きたいのはこっちだよ!?」
屋上で話し合う事になった俺と雷狼さんは屋上の床に座ったのはいいものの、その後、俺は雷狼さんにキスされた。
もう一度言う、
ガ・チ・で・キ・ス・さ・れ・た。
……え? マジどう言う事!? いや、一瞬だったけど吐き気止まらないんですけど!?
「……やっぱり荒治療だよな」
「その前にこの行為をした理由は何ですか? 理由によっては殺しますよ」
「あこが俺とキスして別のやつを好きになった事に悩みを感じてるなら、俺がそいつの唇奪えば解決かなって。後、あこに写真送っちゃった」
「とりあえず死んでくれません? これは冒涜ですよ。悪手中の大悪手です」
「うん。マジでごめん、本気で謝る」
「……マジどうすんだよこれ」
なんて事してくれたんだこの男は……そんな事を考えているとあこからメッセージが来た。絶対怒ってるって……なんならマジで嫌われるんじゃねぇか……
『何これ、りんりんが好きなBL本でも作るの? 後であことオハナシしようね』
「おいコラバカ姉」
「お前の姉さんやばいな。あと、俺も謝るわマジで」
そんなゴミ屑の言葉を聞いて俺はかなり頭を抱えた。
「……なぁ、輪廻だっけ? 俺はさ、リサが好きなんだよ」
「だからなんなんですか」
「勿論あこやましろをフった事に申し訳なさはある。だけど、俺はそれでもリサを本気で愛さないといけない。そうじゃないと、フった奴らに顔向けが出来ないからな」
「でしょうね」
何が言いたいのか、そう思ったが、彼からとんでもない一言が出てきた。
「……俺さ、母さんがレイプされて産まれた子なんだ」
「……え?」
そんな事って実際あるんだな。って思った。そんな人と話しているって実感なんて無いから。
「その話、あこも知ってるから。だからだろうな。惚れたやつから別のやつに乗り換えるのが抵抗あるってあこ自身も最初から思っていたと思う。そこに俺の話を聞いて尚更自分が許せないじゃないかな。ふらふら男を変えてるみたいな自分自身を。俺たちは気にしてなくても、あこは純粋で、優しい子だから」
「……まぁ、仮に、俺もあこが好きって言って、フラれたから友希那さんに乗り換えるなんて仮にあったら自分で少し悩みますね」
そういえばあの人彼氏いたよな。この例えまずかったか?
「そう言う話だな。彼氏いない友希那さんに失礼だけど」
あ、そうか、俺以外友希那さんの彼氏の話知らないから良いのか。
「でもよ、俺はあこにはそうなってもいいって考えてる。むしろ、俺を考えても苦しいだけだろ。中々難しいと思うが、俺の事は考えないで欲しいんだよな」
「そんな他人事見たいな話」
「まかり通るとは思ってないさ。でも、そのままだと誰も幸せにならない」
「……お前、料理するか?」
「え? ええ、多少は」
「あこは、お前の料理食べた時なんて言ってた?」
「最近言われたのは、店の料理より俺の方が美味しいって事ですかね。ずっと食べていたいって笑顔で言われました」
「……じゃあ、お前とあこは結ばれるべきだな。俺もあこに料理を食べさせてたが、リサと付き合ってからは美味しいと言ってくれても、俺の方がとかは言ってくれなかった」
「彼女の中では無意識に俺とリサを認めてくれてるんだろうが、それをあいつはまだ恋心が迷子なんだと思う。まだ高校生上がったばかりの女の子だからな。我儘なんだろうさ……でも、それを言うってことは、自分でも少なからず折り合いついてきてんじゃねぇかな。お前の事好きなんだろ、あいつ」
「……成る程」
「さて、行くか」
「どちらへ?」
「あこに喧嘩売るんだよ。ほら、お前は土下座の準備しろ」
「……そういえばアンタのせいでエグいことになってるんでしたね」
「昨日母さんに飲まされた檸檬寺が抜けてねぇんだな……でも、俺は真剣に考えてこれをしたのは覚えてくれ」
「サラッと犯罪しないでください、後、真剣に俺にキスしたなら貴方の脳味噌は真面目にまずい事は覚えておいてください」
「場酔いしたリサに拘束されて母さんに口無理屋に開けられて飲まされたんで犯罪なのはあの二人です。後、マジでごめん」
「……あの人もボケ側だったか」
「普段はツッコミなんだがな。全く。仕方のない奴らだ」
「アンタがいえた義理かクソ野郎」
「ねぇ俺先輩だよ?」
「少なくとも俺とあこにとっては敵ですよ」
♪♪♪
「……マジでふざけないで」
「「すみませんでした」」
あこ、ガチギレである。だろうな。
「……あこ、済まない。俺のせいでお前を苦しめる事に……」
「ううん。諦めるって言ったのはあこ。でも、キスはマジで殺すよ?」
「すみませんでした」
竜、魔王に敗北である。
「……あこちゃん。あこちゃんが俺と雷狼さんをどう思ってるかは分かったよ。だから悪手かもしれなくても、雷狼さんに相談した方がいいって判断したんだ。責めるなら俺を責めてくれ」
「あこが怒ってるのは二人でキスした事だよ。りんりんは興奮してたけどあこは殺したいよ」
「すみませんでした」
かなりやばい雰囲気である。しばらくすると、あこがため息を一つ。
「……まぁ、あこも優柔不断だったから悪かったけどさぁ……でも、あこが竜兄にキスしたからって、竜兄が輪廻さんにキスしてチャラなんてそんな考え、前代未聞の言語道断だよ」
「「……はい」」
あこって怒ったらIQ高くなるタイプなんだな。いや、ごめんなさいマジで。
「……でも、あこのために色々考えてくれた竜兄には感謝する。ありがとう、竜兄」
「あこ、俺が言うのもアレだけど、俺とリサの事は……その、アレしてくれ。それで、コイツが好きならコイツと幸せになってくれ」
「アレってなにさ」
「忘れてくれとか言いたかったけどそう言うのあこ出来なさそうだから言葉が見つからなかったんだ」
「俺も、あこが好きなのは本気だから」
「……二人ってさ。最低だよね。フリーならともかく、彼女持ちと告白されてる男同士でキスって一番ダメだよ」
「「すみませんでした」」
「竜兄は竜兄であこをフったのはいいとして、キスで色々考えてるあこに今好きな人とのキスショット送ってきて「これで大丈夫か?」ってさ。マジで何考えてるの? あこじゃなかったら本当にシャレにならないよ?」
「その通りです」
「輪廻さんも輪廻さんで、あこのトラウマになってる張本人になんで相談するかなぁ? もっとりんりんとか最悪リサ姉でもいいじゃん。そのせいで今日羽丘で輪廻さんが竜兄に殴り込みに行ったって噂流れてるんだよ? 恥を知れ恥を」
「ごめんなさい……ってそんな話になってんの?」
「一丁やっちまうか?」
「今どういう状況か分かってんの?」
「「分かってます。すみません」」
そうして高校一年生のあこに土下座して真剣に謝っている高校二年の輪廻と高校三年の竜が完成した。
あこは、ゴミを見るような目から少し笑って言う。
「……でも、ありがとう。どうであれ二人はさ、あこの事を心配してくれたんでしょ?」
「「それは勿論」」
「……うん。ダメだねあこ。また二人に迷惑かけてる。だから、もう迷うのやめるよ」
そういったあこは竜を見て、言った。
「竜兄。今までありがとう。ずっと好きだったよ。今度から、友達として、また料理作ってね」
「……彼女いるのに料理なんてお前に作れるかよ。早くどっかいっちまえ」
「ちょっと雷狼さん「いいんだよ輪廻さん」……でも」
「竜兄言ってたよね。好きに種類があるから恋愛以外で竜兄の事を忘れなければいいって」
「……確かに言ったな」
「だからあこは竜兄を最高のお友達として忘れないようにするよ。この竜兄への恋心を糧にして、あこは進むことにする。だから、見てて、竜兄」
「……おう、やってやれあこ!」
そしてあこは輪廻の方を見て言った。
「輪廻さん。ずっとあこの事を考えてくれてありがとうございます。あこはそんな輪廻さんのことが好きです。だからあこと付き合ってください」
「あこちゃん。いや、あこ。俺もあこにに救われたんだ。こちらこそありがとう。良ければ、俺と付き合ってくれ。あこがいれば俺は俺として生きていける気がするから」
「うん!」
「ヨンウォニ──!!」
「「黙れ雷狼(竜兄)」」
「ねぇ、だからなんで俺だけ辛辣なの?」
「元はと言えば竜兄が輪廻さんにキスしたのが原因でしょ? リサ姉に言ったから、後は地獄で悔いて」
「え? マジ「りゅう君! 遊びましょう? 」……リサ様……」
「何をバカなことしてくれたのかな? かな?」
「……俺に救いはないのか。輪廻ええええ!!」
「……あの世で悔いろ」
「覚えてろおおおおおお!!」
こうしてリサに引きずられた雷狼さんはさよならして。俺とあこの二人になった。
「行ってしまったな。円環の理に導かれて」
「……ねぇ輪廻さん。キスしていい?」
「……いいのか?」
「うん。2回目だけど。それでもいいなら貰って欲しいな。もう、二度と離さないけどね」
「奇遇だな。俺も2回目なんだ。俺も、あこちゃん……あこを離したくない」
「呼びやすい方でいいよ、輪廻」
そう呼び捨てしたあことキスをした俺は、あこが普段見せない大人っぽさにドキドキしてしまった。
「さて、お仕置きするから今日スタジオ来てね」
「え? お仕置き?」
「りんりんが待ってるよ。竜輪なのか輪竜なのかって」
「成る程、俺が姉をお仕置きする時間だな」
そう言って、スタジオに手を繋いできた二人にRoselia(リサ不在)が驚きながらも、燐子に説教する輪廻がいたそうな。
「ねぇ輪廻。今度リサの彼氏に前立腺開発してもらっていいかしら? 感想知りたいから」
「友希那さんおいで、お説教の時間だテメェ」
「竜輪っていいよね」
「白金燐子は一週間俺との接触を禁ずる」
「そんな面妖な!」
「黙れ。そして使い方違う」
「友希那さんは輪廻さんに近づかないでください」
「あこ、彼女だからと言って何を言っても許されるわけではないのよ」
「あ? やんのかコラ」
「上等だよかかってこいや」
「はいそこキャラぶっ壊しながら喧嘩すんな」
「湊さんと宇田川さんが喧嘩したらドカーンって感じですよね。るんってしないですけど」
「ねぇこの人まだ日菜ってるの?」
「私には日菜とルナしかないんです」
「ギター持ってこいマジで、もはやアンタギャルじゃないですか」
「はぁ、ルナに会いたい。調教の続きしたい」
「もう多分練習にならないんで勝手にしてください」
俺セリフだけ見たら先輩にめっちゃ失礼だよね。あ、あこと付き合えました。やったね。
「後、練習終わったら輪廻さんの家で個別の説教するのでお願いしますね、ダーリン!」
「……はい」
「お姉ちゃんも……その件に関してはお説教だよ」
「……是非もなし。当然お受けします」
この後ガチ説教でした。姉さんの久しぶりに怒った説教は怖い。いや俺が悪いんだけど。