暴力の果てに   作:サラザール

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ONE PIECEを見てるとなんか描きたくなったので投稿しました。お楽しみください。


百獣の始動

 ある日、おれは死んだ。

 

 前世じゃロクな思い出がない。

 

 家族に捨てられ、同い年の奴らにいじめられた。

 

 周りはおれを馬鹿にし、大人たちは見て見ぬふりをする。どんなに泣いても、助けを求めても変わることはない。

 

 そんな屈辱を味わいながら生き続けてきた。

 

 そして十歳の頃、事故で死んだ。

 

 痛みながら苦しんでいったが、今まで受けてきた忘れられない日々に比べれば少しはマシだ。

 

 楽になることができたおれは、やっと安心できる。

 

 そうして意識はなくなっていった。

 

 そんな時、おれは目覚めた。

 

 何もない場所。辺りは真っ白い景色だけで、何もない。

 

 しばらくして、おれの前に美人の女が現れた。

 

 なんでも女神らしく、おれに異世界へ転生させるとか訳の分からないことをほざいてくる。

 

 ようやく楽になれると思った矢先に面倒ごとを提示してくる女神に怒りが湧いてきた。

 

 最初は断ろうと思ったが、女神がおれに転生特典として幾つか能力をくれると言い出した。

 

 それを聞いたおれは不意に考えた。

 

 実はある漫画に出てくるキャラが好きなおれは、そいつみたいに生きていきたいと思ったからだ。

 

 それが無意識に口から溢れたようで、女神がその力をおれに与える。

 

 複数の力は勿論、武器に服、そして俺が好きな教典(まんが)を貰った。

 

 あとはそれを扱う実力が必要だ。女神にお願いして修行できる場所もくれる。特典の一つとして、異次元空間への行き来を可能にした。

 

 そして女神はおれにどの異世界に行くか聞いてきた。

 

 そこでおれは一つに拘らず、自由にいろんな世界を行きたいと告げる。

 

 すると女神は異次元空間の能力を応用して、異世界への行き来も可能にしてきた。

 

 こうしておれは女神から力をもらい、無数の異世界へと旅立った。

 

 そして最初に到着した世界で、俺は鏡を見つける。

 

 女神から受け取った服が似合うか、身だしなみを確認する。すると俺は自分の姿に硬直した。

 

 そう、似合っていた(・・・・・・)。しかも、容姿を変わっており、おれが憧れたあのキャラと同じ顔になっている。

 

 女神が気を利かせてくれたのだろう。心の中で感謝し、最初の世界を自由に渡り歩く。

 

 まずは強くなるのが必須。あとは部下を集めて最強の組織を創る。実力が全ての強者たちが集うならず者たちの団体。

 

 そして戦場へと引きずりこませて、不平等から平等へと強制させる。

 

 武力で世界を変えようとしたカリスマ性のあるあの(・・)()のように———。

 

ウォロロロロロ(・・・・・・・)!!!」

 

 

 

 

 

◇『』———

 

 

 

 

 

 その男はある日突然として現れた。

 

「に、逃げろ〜!?」

 

「や、やべぇ……強すぎる!」

 

「な、何者なんだ!!」

 

 蹂躙(じゅうりん)していく少年(・・)に、住民たちは逃げ惑う。

 

「や、やめてく……!?」

 

「ガハッ!??」

 

 軍を差し向けても奴は歩みを止めず、蹴散らしていった。

 

 悪虐の限りを尽くす姿はまさに怪物だ。

 

 目の前で暴れる少年を見れば、思わずギョッとする姿をしている。

 

 背丈は二メートル近くあり、金棒を手に振り回していた。表情は(しか)めっ面、そして人間にはあるはずのない二本(・・)()()

 

 まるで地獄の鬼のように人間を薙ぎ倒す彼は、退屈なのか逃げ回る者たちを追いかけない。

 

 ただ近くにあるものを壊していくだけで、それが建造物や人間でも容赦なく踏み躙る。

 

 兵士たちが束に掛かっても返り討ちに遭う。

 

 そして怪物と言われる由来は、攻撃が通用しない様だ。

 

 銃火器や刃物で攻撃しても血が出ない。それどころかかすり傷一つつかないほど頑丈な身体なのだ。

 

 こちらが反撃してもあしらわれ、逆に金棒で強烈な一撃を浴びせてくる。

 

 余りの威力に風圧で兵士たちは吹き飛ばされていき、直撃した人は即死した。

 

 やがて軍隊は全滅し。街は壊滅寸前に破壊尽くし終えたのか、何事もなかったかのように去って行く。

 

 それを聞きつけた国は軍隊や冒険者を差し向けるも、ことごとく返り討ちに遭っていった。

 

 それどころかしばらくして、今度は彼の横にもう一人(・・・・)現れた。

 

 全身黒ずくめで肌は晒していない。

 

 右腰には日本刀を携えた軍服に似ている服を着た謎の人物。そしてその男も怪物と同じように異形の部分が目立っていた。

 

 背中には何故か黒い翼(・・・)()があった。翼は動き飛行する姿はまるで堕天使のようで、彼は手や刀を発火させて攻撃してくる。

 

 しかも件の鬼との動きがピッタリで、コンビネーションが高い。

 

 恐らく鬼の仲間のようで、しばらくは二人が国を襲って行った。

 

 更に今度はブタのように太った男も現れた。腰に曲刀を二本帯刀させ、弁慶のような髪型をしたずんぐりむっくり。

 

 二人に比べて人間であることは見た目からして理解できる。しかし彼も二人に負けないほどの怪物。

 

 角や翼、炎など見ただけで分かる異形ではない。彼が持ち出した銃や兵器にやられた兵士たちは皆疫病(・・)に掛かっていく。

 

 薬で治療しても治らず、調べれば現代の科学では不可能な病で治す手立てもない。

 

 終いには他者へと伝染していき、一時間後には死に至る。

 

 それだけでも脅威なのに、その男は見せ物にして楽しんでいた。

 

 まるでショーダンサーのように見た目とは裏腹にキレッキレのダンスを披露する。

 

 その男はその後、堕天使の男と何か言い争いをしていた。

 

 どうやら仲が悪いようで、普段から喧嘩ばかりしているようだ。しかし戦闘では互いにサポートしあっているようで、そこまで嫌っている様子はない。

 

 ダンサーは科学者だけでなく、腕っぷしでも強く兵士たちを蹴散らしていく。

 

 そうして鬼の男たちは勢力を拡大していき、気付けば大犯罪者集団が築き上げられた。

 

 鬼の男には世界に名だたる犯罪者たちが集っており、皆彼の強さに惹かれて入ったようだ。

 

 最悪なことに、一つの巨大な国家をナワバリにして支配した彼ら。

 

 脅威に感じた国々は白旗を上げるが時すでに遅し。

 

 支配するかのように犯罪者たちはその国へと侵攻する。

 

 暴力で弾圧された国は国民が奴隷になり、被害に遭った国に幾つか武器工場が建設された。

 

 当然そこで強制労働され、国に暮らすのは犯罪者たちだけ。

 

 他の国はなんとか押し留めても時間の問題。

 

 暴力(・・)()世界(・・)へ変わりつつあったのだ。

 

 

 

 

 

「おいジャック(・・・・)。あの国のアガリが悪いな……」

 

 ある一室にて、バイキングのような姿をした巨漢が二人の()()に叱られていた。

 

「新しい取引先が何処か、分かってるよな……!」

 

「すまねぇ、兄御(・・)()

 

 ジャックと呼ばれた叱られる男の後ろには、部下達が控えていた。

 

 (あのジャックさんが怒られるなんて……)

 

 (あのジャックさんが……!)

 

 部下たちは心の中でそう思った。

 

 何故ならジャックは、今怒られている二人(・・)の兄と同じ立場であるからだ。

 

 しかしジャックは弟分のようで全く頭が上がらないのだ。

 

「お荷物はこのクイーン(・・・・)のバカ一人で十分だ」

 

 そう言ってジャックを叱る男は親指でもう一人の男へと指差す。

 

「そうだ。このキング(・・・)のカス一人で十分だぜ」

 

 指された男は何かを組み立てながら、同じく指差した男を名指しで貶した。

 

「「分かったか、ズッコケジャック!!」」

 

「…………」

 

 二人の言葉にジャックは反論できずに叱られる。

 

「てめぇもだ、クイーン。あの国の貴族どもの心の一本や二本へし折るのに、どれだけ時間掛かるんだ? 能無し!!」

 

「黙れ、拷問好きの変態野郎」

 

「あぁ!?」

 

 今度は互いを貶し合う二人。これは日常で起こる日々の一つ。

 

 ある国を拠点として活動する組織はこうして侵略した国々を武器工場へ働かせて奴隷のように扱っていた。

 

 犯罪者たちが暮らす国は実力至上主義。力が全てでそれさえあれば子供でもどんな種族でも関係ない。

 

 それは組織を統括する総督(・・)の掲げる主義に他ならない。

 

 異世界へ侵略していく彼らは、力による支配で秩序を崩壊させた。そして新たに暴力で塗り替えて、世界中を戦争状態へと変える。

 

 戦争こそ人の価値を決める彼らを抑えるには、やはり力が必要だ。

 

 異世界へと転生した少年は後に武力の化身にして、現在は世界最強の生物と呼ばれている。

 

 総督の名は———。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「ウォロロロロ!! 世界最高の戦争を、始めようぜ!!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 ———百獣のカイドウ。

 




いかがですか? 思いつきですので続きは気長にお待ちください。
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