ソードアート・ディファレント   作:ルイ/Lui

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ログ 703

チャプター7.5 –蒼き剣士–

 

ここは何処だろう

目が覚めると、よく分からない、不思議な世界にいた。

不思議な世界といっても、周りは何もない真っ白な空間。何度も辺りを見渡しても、本当に何も無い

僕はなんでここにいるのか、本当によく分からない。どういう経緯でこうなったのかも。

頭を回転させても何も思い出せない──

 

『──あっ』

 

なぜか一瞬だけ記憶が脳裏に過る

忘れないように掴まえて、"それ"を僕のモノにする。

これは...なんだろう?誰かがいて、何かの──なんだ、この...怪物は...。

 

『うぐっ...!』

 

すると突然頭痛が起こり、立っていられない程痛んでいく。何なんだ、ここは。

そしてまた突然、痛みが消え、また目の前に記憶が飛んでいた。

 

『──また取ったら、痛むのかな』

 

僕は、恐れている。

普通そうだよね。自ら痛みを求めていくことはしないんだよ。でも、なぜか取らなきゃいけない気がしたんだ。

これも誰かの影響なのかな──

 

『...誰の影響?』

 

おかしい。

僕は今誰とも会ってないはず。それなのに何故か"誰か"の記憶が流れ込んでくる。

黒い髪に、黒い格好、黒い剣。まるで《暗黒騎士》だ。この人は、さっきの怪物と一緒にいた誰かに似ている気がする。

でも、瞳だけが見えない。黒い何かに覆われていて何も見えない。あと眼だけ見えたなら、この人が誰なのかがわかるのかもしれないのに。

 

『──取らなきゃ』

 

目の前に写る記憶。

それさえ取れれば、何か分かるかもしれない。だからこそ僕は手を伸ばし、また触れて僕のモノにしていく。

 

次に映ったのは緑が広がる世界。緑地だ。

そこに、先程見えた人物がいる。

どうやらこの時はまだ黒い剣を持っていないみたい。それでも、黒い格好と、黒髪。武器は...

 

『──アニール・ブレード+6...?』

 

知らないはずの武器。でも何故かわかる。この場所も、わかる。でも、肝心の名前が思い出せない。この人は誰だ?僕の目の前にいる人は誰なんだ?

──そして、また目の前に記憶が現れる。取るとまた記憶が甦る。

 

映ったのは、空中、いや天板。

 

『...落ちてる?!』

 

なぜか僕は落ちていた。このままでは死んでしまう。どうにか足掻こうにも動かない。どうやらこの時の僕は気絶しているようだ。

 

『...不味い...っ!』

 

目をギュッと閉じ、覚悟を決めた瞬間──

 

『(──痛くない?)』

 

痛みを感じず、恐る恐る眼を開く。

すると──

 

「──大丈夫か?!」

 

と声をかけられ、抱き上げながら安否確認をしている少年がいた。僕より幼くて、けれど、どこか懐かしくて。

──あと、もうひと踏ん張りで思い出させそうな気がする。

 

『...?』

 

しかし、いつになってもさっきの記憶のような物は現れない。あと、もうひと踏ん張りで思い出せるのに。何とももどかしい。

けれど、やはり現れない。もう、諦めてしまおうかと考えた時──

 

『!?』

 

急に景色が、真っ白な空間が、どこか見たことがある情景に変わっていく。

ここは──

 

『ルーリッド村...?』

 

──ここは僕が昔住んでいた村【ルーリッド】。

そして後ろにある大きな木は──

 

『──ギガスシダー...』

 

──あぁ、そうだ。思い出した。僕はここから全てが始まったんだ。

僕は、ここで急な頭痛に襲われて、気付いたらあの少年に助けられていた。ここは、僕の物語が始まる前の世界。そして、僕がいた元の世界。

 

『...今の僕なら、扱えるかな』

 

僕が向かったのは、森の中にある小さな小屋。ここに、あるものがある。それが──

 

『...あった』

 

『ベルクーリと北の白い竜』という、ルーリッド村のおとぎ話に出てきた、不思議な武器

本の中にはこう記されていた

 

【《青薔薇の剣》】

 

何日もかけて、この小屋に運び込んできた武器。あの頃の僕は、どうやっても引きずらなければ運べなかった。でも、今の僕なら──

 

『──少し重いけど...いける...っ!』

 

..."軽い"とまでは行かないけれど、何とか持てるくらいには扱える...振るえるかどうかは分からないけど。

でも、この武器なら。あいつを助けられる。待ってて。今から行くから。

例え世界が違くても、必ず向かうから。だから...

 

『死なないでよね、僕の──親友。僕の──英雄...!』

 

剣を両手に持ち、呼吸を整えてある構えを行う

手に持った剣を頭の上に止めて、右足を2歩分横に広げ、そして集中していく。

すると、剣が赤く光り出し、僕は教えてもらった技名を唱える。

 

『──アインクラッド流。奥義...!』

『《アバランシュ》!』

 

ズギャァン!と何も無い空間が派手な音と共に裂けていく。

──ここは、僕の深層世界。奥深く眠る、精神世界。僕が何故ここにいるのかまでは分からないけど、他に分かることがひとつある。

"相棒"が、ピンチってことがね。

だからこそ僕は向かう。あいつの心も、あの世界も。共に救ってやる。それが、"親友"だろ?──

 

『──キリト...!』

 

チャプター 7.5 End

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