無職さんのデンドロ履歴書   作:リリアーナを照れさせ隊

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あなたは誰かのヒーロー

 ■とある無職の行動記録

 

 無職の犯行声明から時は少し遡る。

 

 愛闘祭二日目、午後。

 フィガロのプロポーズ及びハンニャのログアウト後、被害を残しつつも祭りは再開した。

 事件だろうが解決したならお祭り騒ぎ、というギデオン住民の屈強なメンタリティが伺える。緊急事態の頻発で正常な感覚が麻痺しているのかもしれない。

 

 街に浮ついた雰囲気が戻るなか。

 街角で一人、落ち着かない様子で窓ガラスを覗き、身だしなみを整える女性がいた。

 アルター王国近衞騎士団副団長、リリアーナ・グランドリアその人である。

 だがその肩書きに反して、今日の彼女は近衞騎士の鎧を脱いだ私服姿。プライベートであった。

 

「おかしくないかしら」

 

 前髪をいじり、服装を確認する。

 待ち合わせまでまだ時間があった。

 少し早く着きすぎたかしら、と思案する。

 

 本来ならば事件の後始末にてんやわんやとなり、休暇返上で対処に当たるはずだった彼女。

 しかし奇妙な事に今回の被害届作成と復旧作業、ついでに向こう一週間分の雑務がどこぞの何者かによって片付けられており、リリアーナほか騎士団は通常シフトで仕事を回すことができた。休日出勤は失われたのだ。

 

 お仕事に敬意を払い、尊重する事は大切だ。

 しかし労働は人生を縛りつけるものではない。

 ワークライフバランスは人それぞれである。

 要するに、余暇を楽しんでこそお仕事は輝く。

 どこぞの無職がしたり顔で宣った戯言である。

 余暇に仕事するワーカーホリックが何を……。

 

 なお、受理した書類の最終確認を行うギデオン伯爵はオーバーワークでぶっ倒れた。後日、元凶は素知らぬ顔でフォローに入る事でしょう。

 

 ともあれ、リリアーナはお出かけを午前から午後にリスケしたのであった。

 

「二人で愛闘祭、なんて。私は何を……いいえ、別におかしい事じゃないわ。休日に友人と祭りを楽しむだけで他意はないもの」

 

 誰も問い詰めていないのに言い訳がましい口調で己に言い聞かせるリリアーナだったが、不意にぴたりと動きが止まる。

 

(というか、あの人はどう思っているのかしら?)

 

 うすらとんかちクソボケ野郎コンテスト永世チャンピオンの称号を欲しいままにする例の無職がいつも何を考えているのか、リリアーナは未だ理解できていない。

 普通に考えたらデートじゃんね。常識である。

 リリアーナは内心がどうあれ体面では否定する(している)し、無職を相手に『今日のお出かけは逢瀬ですよ』と明言するほど、彼女の心臓は毛深くない。

 

(……まるで意識されていなかったら、それはそれで癪に障るわね)

 

 可能性は十分にあり得た。

 相手はあの無職である。

 

 リリアーナは脱力してため息を吐いた。

 自分だけ緊張するなんて馬鹿らしい。いや別に緊張してないですけど。何も意識とかしてませんけど?

 気負わず、自然体で、いつも通りでいい。

 どうせあの無職の事だ。血塗れか半裸の水着姿で待ち合わせ場所に現れてもおかしくはない……というかそれにしても遅い、まだ来ないの? 結構待ってるんですけど、と彼女は少しばかり憤慨する。

 

 待ち合わせ時刻の三十分前である。

 

 ちなみに無職はリリアーナの隣にいた。

 なんなら百面相をして思考に没頭する彼女を、興味深そうに観察して楽しんでいる。

 

 視線に気付いて顔を上げたリリアーナは、無職の存在に頭が真っ白になった。いつからそこに?

 というか何より先に、まず。

 

「声をかけたらいいじゃないですかっ!?」

 

 見られていた羞恥でリリアーナは沸騰した。

 

 対して、無職は遺憾の意を表明する。

 何度か呼びかけたのだが、と。

 今回は音声が耳に入らないほど思考に入り込んでいたリリアーナの失態である。

 没頭していた原因を本人に知られるのは気恥ずかしい。目の前の人物からの追求をかわして、リリアーナは無職の風貌に改めて目を向ける。

 

「……まともですね」

 

 無職は真っ当な私服を着こなしていた。

 意外と言えば意外である。

 心なしか奇行の気配が抑えめで、人の良い笑顔を浮かべていると、真人間に見えるような気さえする。

 

 いや騙されるな。こいつは無職だ。

 今に化けの皮が剥がれる……。

 

「え? 私服が似合っている、ですか? 前のもいいが今日は格別……はぁ、それはどうも……」

 

 褒め言葉も普段と少し趣が異なる。

 勢い任せに垂れ流すのではない、じんわりと心に染み入るような、背筋がむずがゆくなるような、おもはゆい感覚がリリアーナを襲った。

 

 待て待て。こいつは無職だぞ。

 たしかに気合いを入れた服装を褒められて悪い気はしないが、それは非礼にならないようしたことだ。

 言うなれば最低限のマナー。無職もそれを分かっていて口にしたに違いないのだから。

 

「ところで今日はどちらに?」

 

 予定を尋ねると無職は少し沈黙した。

 

 三秒で、名案が浮かんだと手を叩き。

 

 ――闘技場での決闘を提案された。

 

「…………」

 

 この時のリリアーナの気持ちを述べなさい。

 

 ああ、この人やっぱり無職だわ。

 愛闘祭で決闘とか頭おかしいのかしら。おかしいから言ってるのよね。あの【超闘士】じゃあるまいし。

 私の緊張と驚きを返してください。

 

 所詮、無職は無職であった。

 

 

 ◆

 

 

 あなたは落胆するリリアーナをどうにかこうにか褒めちぎり、おだて、なだめすかすことに成功した。

 マーベラス、実にマーベラスだ。

 あなたのコミュ力は世界一。急降下した好感度を巻き戻すことだって容易なのである。

 

 愛闘祭の由来にちなんだ小粋でハイコンテクストなお誘いは無下に一蹴されたので、あなた達は当てもなく祭りを見て回ることになった。

 

 催しや屋台を楽しんでいると、あなたはメモ帳片手にやかましい一人の<マスター>に絡まれた。

 

「こんにちは! わたくし<DIN>所属の【記者】トクダと申します! ただいま愛闘祭特集ということでカップルの皆様にインタビューをしておりまして! お時間ございましたら是非!」

 

「か、カップル!?」

 

 隣のリリアーナが悲鳴をあげた。

 嗚呼、なんということでしょう。

 あなたの恋人扱いされるのはリリアーナも甚だ不本意であろうが。それにしたってもう少しこう手心を。あなたの硝子のハートは粉微塵に砕け散る寸前である。

 

 とはいえ。

 あなたは気遣いのできる遊戯派だ。

 リリアーナの不名誉な噂を払拭すべく、あなたは記者の誤解を解こうと試みる。

 

 あなたとリリアーナはカップルではない、と。

 

「…………」

 

 なぜか隣でリリアーナが複雑な顔をしている。

 まるで言いたい事があるのに、喉に小骨が刺さって言葉が出てこないといった様子である。

 もしや屋台の焼き魚が原因だろうか。あなたはアイテムボックスからおむすびと水筒を取り出した。

 

「いりません。なんですかこれ」

 

 解せぬ。あなたの気遣いは伝わらない。

 

「では、どのようなご関係で?」

 

 記者の質問にあなたは答えた。

 

 リリアーナはあなたにとって(就職条件的にも)大切な人であり、()()()()()でもあるのだと。

 

「往来で何を言ってるんですかあなたはぁ!?」

 

「特ダネの匂い……! ぜひ詳しいお話を!」

 

 あなたは首を横に振った。

 他人に公開するような話ではない。

 先日メイヘムで起きた出来事は、あなたの胸の内にしまっておくべき大事な宝物であるから。

 

 

 ◆

 

 

『あなたはあなただと思いますけど』

 

 初めてだった。

 

 他者のように才能があるわけでもない。

 何か素晴らしい功績を残したわけでもない。

 

 自分の可能性を探して、仕事を求めて。

 それでも【勇者】のようになれなかった。

 誇りを抱いて働く人々のようにもなれなかった。

 間違って、失敗して、救えずに、疎まれて。

 

 嗚呼、それでも。

 

 彼女はあなたを見てくれた。

 何者でもないあなたを認めてくれた。

 たとえそれが、なんて事のない言葉だとしても。

 深い思慮によって紡がれたのではない、あなたの事情を知らずに発された一言なのだとしても。

 

 あなたにとっては、()()()()()

 

【進化トリガー:作動――――確認】

 引き金――他者の容認から生じる『自尊心』。

 

【必要リソース:閾値――――到達済】

 到達に必要な力――仕事で得た数多の経験値。

 

 

 それらが揃った先に起きることは――。

 

 

【――――超級進化シークエンスを開始します】

 

 

 ◆

 

 

 黙秘権を行使したあなたは、それはそれとして真摯にインタビューに付き合うことにした。

 

「では、今のお気持ちなどいただければ!」

 

 好きなキャラクター()と過ごす愛闘祭は、特別な気分に浸れてとても良いものである。

 

「お、おお……!! 素晴らしいコメントありがとうございます! さっそく記事にさせていただきます!」

 

 興奮して立ち去る記者を見送った後。

 あなたは顔を覆ってフリーズするリリアーナに、体調が悪いなら無理をしない方がいいと忠告した。

 しかし返事がない。ただの女騎士のようだ。

 

 あなたは多少力づくで彼女の手をどけた。

 

「ふぇ……?」

 

 真っ赤な林檎のように染まった耳と頬。

 当惑して右往左往する目線は色濃い感情を帯びて。

 桜色の唇から微かな吐息が漏れる。

 

 絵画のような美貌にあなたは目を奪われた。

 流れる金髪に手をやり、耳、首、顎と輪郭をなぞる。

 

「ぁ……」

 

 無抵抗で身を委ねるリリアーナ。

 あなたは自らの意思を制御することができず、仮初の肉体をゆっくりと近づけて……。

 

「いけ、やれー! そこじゃー!」

 

 物陰からの野次で我に帰った。

 あなたとリリアーナはお互いに飛び退いて、警戒する野生モンスターのように距離を取る。

 

「むぅ、もうすこしだったのじゃが」

 

 あなた達の様子を残念がるのは第二王女エリザベートである。殿下はまた抜け出してるんですか。技能を活用しているようで、あなたは大変鼻が高い。

 

「で、殿下? ……いつからそこに?」

 

「うむ、リリアーナがまちあわせにいちじかんはやくやってきたところからじゃな!」

 

「ほぼ最初からじゃないですかぁ!?」

 

 然り。あなたはエリザベート、ついでに護衛のギデオン忍軍とエリファンが尾行している事に気付いていた。だというのに先程のアレは失態であった。

 

 ちなみにリリファン精鋭はデスペナルティにこそなっていないが、リリアーナファンクラブのトップかつ<AETL連合> サブオーナーの一人に教育的指導を受けているため不参加であったりする。

 オルランド麾下の精鋭が過激派なだけで、一般リリファンはあなたに危害を加える事はない。……それでも歓迎はされず敵意マシマシではあるが、夜道でPKしてこないだけ理性的といえる*1

 

 ということをあなたは説明した。

 

「い、いい加減にしてください――!!」

 

 衆目に監視されていた事実に、リリアーナは羞恥で悶え死ぬのであった。南無三。

 

 

 ◇◆◇

 

 

 □■決闘都市ギデオン

 

 閑話休題。

 

 あなたは意図しない<超級>バレに困り果てた。

 誠に遺憾である。あなたは常識人だというのに。

 今後<超級>のような頭のおかしい連中と一緒くたにされる事を考えると勘弁してほしい気分だ。

 

 それはさておき、お仕事の時間である。

 

 あなたは大闘技場の舞台で寝転がり、先程レイ達と交わしたやり取りを思い返す。

 

 今日のお仕事はレイ・スターリングの討伐。

 ゆえに身勝手ながら、闘技場の放送設備を借りて、最大音量でギデオン中に放送を垂れ流した。

 

 当然ながら、あなたは今回の一件がお咎めなしになるとは考えていない。

 ギデオンの街で騒ぎを起こせば、必ず王国の戦力、特に頭のおかしい<超級>が出張ってくる。

 ゆえにあなたは制限時間を十分と定めた。

 これは事態解決に動いた<超級>を相手にあなたが耐久できると見込んだ時間である。

 現在はフィガロとレイレイが不在、扶桑月夜とは契約を交わしており相互不可侵。ゆえにやって来るとすればシュウか、大穴で助っ人の迅羽となる。

 

 十分以上経てば他の<マスター>も増援に来るだろう。ゆえに、()()()()()()()()()()()()()()()

 

 あわせて。あなたはレイを討伐するというお仕事を受け、綿密な計画を建てて犯行に及んでいる。

 しかし、何らかのトラブルが起きて失敗した場合、今後レイに警戒されて二度目の機会は訪れない。

 

 だからこそ便乗で騒ぎを起こす連中がいたら、即座にとっちめて官憲に突き出す算段だった。

 それも十分を過ぎれば、王国戦力のヘイトがあなたに集中して対処不可能になるだろうが。

 

 ゆえに、あなたはレイが現れるまでの十分間ギデオンを守護するガーディアンとして君臨。

 以降は責任の追及を避けるため、()()()()()()()()()()()()()とあらかじめ明言した。

 やはり説明責任って大事ですからね。

 

 あなたは彼らに目的と、仕事が果たせるならばそれ以外……ギデオンの街やティアンに危害は加えないと言い残し、ひと足先に大闘技場に待機している。

 レイは準備をしている最中だろう。あなたはいきなりボス戦を始める不親切なゲーム製作者とは違うのだ。

 

「来たぞ」

 

 舞台に姿を現した標的にあなたは挨拶した。

 おっす、レイ・スターリング。

 

 体を起こして、あなたは大きく伸びをする。

 視界の端で上昇を続ける合計レベル。

 程よい塩梅で着ぐるみ――【なまけろん】を装備解除。心の中のもったいないオバケに従って、蓄積した残りの経験値はへそくり代わりにしまっておく。

 

「なあ……俺と戦うだけでここまでするか?」

 

 やるからには徹底的に、だ。

 PKの誹りを受けないよう大闘技場を借り(でも結界は使わない。PKできないので)。

 被害が出ないようティアンを避難させた。

 

 これは訓練ではない。

 遊び半分でかかってこられては困るのだ。

 

「もう一度確認なんだが。あんたは本当に()()()()()()()()()()?」

 

 回答としては、先程の説明を繰り返す事になる。

 あなたは単なる遊戯派の<マスター>だ。

 戦争だのお政治だのとは無関係である。

 

「しかし皇国決闘一位のソナタはお主なのだろう?」

 

 肯定。あなたはネメシスの問いに頷いた。

 ソナタはあなたの別名義である。

 だが、今はもう無所属に戻っている。

 

「一時的な所属に過ぎないと……? いったい何がしたかったのだ?」

 

 とある目的で決闘に参加したが、その際、手早くランキング入りを目指せる環境が皇国だった。

 あなたは皇国のお偉いさんに頼んで国家所属の手続きを進めてもらった。代わりにお仕事を一つ頼まれたが安いものだ。

 

 一番大変だったのはローガンだ。

 ゼタとの公式戦でノルマを達成しており、一ヶ月間昇格戦の挑戦を拒否できる状態の彼を、どうにか試合に引き摺り出すのは骨が折れた。

 あなたの類稀なるコミュニケーション能力でローガンを挑発したのが功を奏したといえる。

 

 そして何がしたいかと言えば、答えは単純。

 

 あなたはグリゴリの頁を破った。

 

 あなたは【超闘士】になった!

 

「リリアーナが言っていた、超級職に就職するスキル……【超闘士】の条件を達成する、たったそれだけのために皇国の決闘ランカーになったのか」

 

 レイの理解は概ね正しい。

 《スペリオル・インターン》はあなたの<超級エンブリオ>、【天職才人 グリゴリ】の最終スキル。

 就職条件を満たした超級職にお試しで就職できる。

 そして【超闘士】は決闘ランキング一位になることが就職条件の一つにあった。あとはお察しである。

 

「最後にひとつ教えてくれ。依頼主は誰だ?」

 

「命を狙われる心当たりが多すぎてまるで検討がつかぬ。フランクリンあたりか?」

 

 あなたは基本的にPKの依頼では、依頼主の情報をコンプライアンスの観点から開示しない。復讐で仇討ちPKが勃発するからである。争いは止まらない。

 だが、今回のようなケースで相手がレイならば問題ないだろうと判断した。

 

 あなたの依頼主は王国のティアン。

 市井に暮らす子供達である。

 

「「…………は?」」

 

 以下、依頼文を抜粋する。

 

『お母さんから悪い子のところには悪魔喰らいがやってくると言われて夜も眠れない』

 

『ギデオンに悪いやつらが棲みついたから親玉をやっつけてほしい』

 

 エトセトラ、エトセトラ。

 

 あなたは騒がしいガキンチョどもに世の理を教え込もうとしたが、まるで話を聞かないクソガキだったので教育を断念した。それはそれとしてお仕事はこなさねばならぬ。

 

 あなたは依頼主を尊重する有能な<マスター>だ。

 

「今まで色々あったけど、子供の依頼で<超級>に狙われるのは初めての経験だな!?」

 

 やーん、レイのはじめてもらっちった。

 

 ……ちなみに。

 あえて、あなたが開示しなかった依頼がある。

 

『俺は無職が最強だって言ってるのに、友達はみんな“不屈”が一番だって……ねえ頼むからさ。すごいところ見せてよ。あいつらをびっくりさせてやりたいんだ』

 

 今日のあなたはヒーローあなた。

 噂の“不屈”に負けないところを披露して、依頼主にお届けするのがあなたのお仕事だ。

 協賛は【光王】エフ。今頃は全米が泣いた超大作を執筆してくれている事だろう。

 

 説明を終えたあなたは殺意を漲らせた。

 嗚呼、懐かしき修羅の香り。

 いつまで経っても心は天地に囚われている。

 

「本当にやるしかないのか……」

 

『っ、来るぞレイ!』

 

 開幕初手。

 接近したあなたに、レイは左手を突き出す。

 

「《地獄瘴気》!」

 

 鬼の手甲から吹き出した毒霧は【猛毒】【酩酊】【衰弱】と三種の致命状態異常をもたらす。

 あらかじめティアンの避難が済んでおり、闘技場内に他の人がいないから取れる卑劣極まりない戦法。躊躇いない毒ガス噴射には、修羅の国で死に続けたあなたも中指上向きでスタンディングオベーションだ。施設内とはいえ街中で毒を散布するとかイカれてんのか?

 

 しかし、そのスキルはレイの十八番として有名であり、当然ながらあなたとしても既知である。

 

 あなたは鼻歌混じりで毒霧を突破した。

 ステータスに異常はない。

 ガスマスクを装備したレイは、あなたが毒を受けて平然としている様子に苦々しげな舌打ちをする。

 

「こっちの手札は対策済みだよな」

 

 今のあなたに毒は通用しない。

 【猛毒王】の《病毒耐性》レベルEXにより、病毒系状態異常を完全に無効化しているためだ。

 

 お返しに奥義の《フェイタル・ミスト》を使用。

 マスク着用のレイに効果を及ぼすため、皮膚接触でも効果を及ぼすタイプの毒物を十種、《地獄瘴気》のグレードアップ版を噴霧した。

 

「毒ガスに倍返し、二重の意味でやられる側に回ると厄介だ……けど、第二形態で対抗できる」

 

『出力で押し負けてもおらぬぞ。毒自体は普遍的なものだからであろう』

 

 状態異常反転の《逆転は翻る旗の如く》で、レイは各種ステータスの強化と継続回復を獲得する。

 

 ネメシスが斧槍に変じた事を確認してあなたは跳ぶ。

 ステータスに任せた超音速機動。

 構えるは愛刀と、《装備枠拡張》レベルEXで増やした武器スロットに装備する数打ちの妖刀。

 都合三本の刀がレイの首元に迫り……うち二本の数打ちは内部の怨念を瞬時に膨張、爆散して砕けた刃の破片ごと呪いを撒き散らす。

 

「っ!」

 

 妖刀爆破を耐えた先にレイは斧槍を振っている。

 格上との戦闘経験ゆえか、彼は的確に首元……首狩りを狙う愛刀の軌道にネメシスを割り込ませた。

 防御成功の判定。レイは押し負けて後方に吹き飛ぶが、致命傷を受けずに一合目を凌いだ。

 

 そして追撃の《ポイズン・バレット》。

 片手を銃に見立てたあなたは毒弾を乱れ撃つ。

 装備破壊に特化した強酸を、レイは強化バフ込みの身体機能に任せたステップで回避した。

 

 外れた毒弾は足元に飛び散って泡立つ。

 地面を溶かして毒の水溜りとなる。

 

 続けて(トラップ)カード発動。

 毒沼に転移した触手の群れは【ジェム】を投擲。

 全方位から《グリント・パイル》が炸裂した。

 

「ちぃ、モノクローム!」

 

 レイはこれも耐え切った。

 漆黒の外套がビームを吸収して本体まで届かない。

 クラーゲンとアイテムのコンボだが、上級職奥義の【ジェム】をあなたはいくらでも生産できるので消費は痛くも痒くもなかったりする。

 

 マーベラスだ。そうでなくては面白くない。

 期待通り、あるいは想定以上である。

 簡単に倒れてもらっては困るのでな。

 

「……妙だ」

 

『何?』

 

「戦いになっていることがおかしい。聞いた話だと、俺とやつのステータスには相当な開きがあるはずだ。なのに《逆転》有りとはいえ打ち合えている」

 

 レイはここまでの攻防を思案している。

 隙だらけの首筋に愛刀を叩き込むこともできたが、あなたは正々堂々の不意打ちをしなかった。

 

「状態異常。呪いの怨念。光属性。どれも()()()()()()()()()()。他の攻撃手段をいくらでも持つ相手が、わざわざこっちを利するのは」

 

『……こちらを試している?』

 

「おまけに《看破》で見えたやつのステータスは平均して一万前後。難易度調整のつもりか、舐めているのか」

 

 いやいや心外じゃんね。

 あなたは肩をすくめてレイの言を否定する。

 弱い者いじめでは、あなたの凄さが伝わらない。

 

 ゆえにあなたは【龍帝】をリセットする際、無職相当、すなわちステータス加算値ゼロの状態まで【なまけろん】の経験値ドレインでレベルを下げてからジョブを削除している。

 グリゴリの必殺スキルはジョブリセット時点のステータスを参照して保持するので、能力を調整するにはこの方法が手っ取り早い。

 

 ダメージカウンターも蓄積した頃合いと思われる。

 喜べ少年、ここからが死合本番です。

 彼には全力を出してもらわねば困るのだ。

 

「…………!」

 

『ひぃっ、怖気が!?』

 

 黒髪乙女の気配に愛刀は絶好調である。

 このロリコン毛フェチ長虫野郎め。

 

 あなたは軽蔑を込めて愛刀を振るう。

 雷雨纏う嵐の斬撃。権能を駆使した一刀だ。

 

 首狩り狙いの攻撃を予測した彼らは、

 

『《カウンター・アブソープション》』

 

 一枚目。光の壁で攻撃を無効化する。

 斧槍から大剣に変形したネメシスのアシストで、状態異常に苛まれながらもレイは刃を突きつける。

 攻撃を受けた直後の流れるような反撃、インパクト・カウンターがあなたに迫り。

 

「《復讐するは我にあり(ヴェンジェンス・イズ・マイン)》!」

 

 あなたは弾け飛んだ。

 倍返しの固定ダメージは強力無比。

 当たりどころがよかったのだろう。

 装備した【ブローチ】は破損していないが、かろうじて皮一枚で胴体の上下が繋がっている状態だ。

 

 大剣を再び斧槍に切り替えたレイの追い討ち。

 当然ながら負傷したあなたの動きは鈍い。

 現在、あなたのステータスは人並みである。

 追撃を回避する事は困難だ。

 

 あなたはたまらず仲間を呼んだ。

 

 しかし誰もこなかった!

 

 仕方がないので影分身を呼び出した!

 

 正確には、あらかじめ潜ませた影分身三体の隠形を解いて油断したレイを包囲。不意打ちにかかる。

 

「だろうなッ」

 

 知ってた、とレイは襲撃に反応した。

 嗚呼、なんということでしょう。あなたのステータス低下から能力を均等割する影分身の存在を悟っていたのだ。仲間に隠密系統の不審者がいるとは言え、流石の洞察力に拍手喝采である。

 

「くそ、ご丁寧に【あなたA】とか【あなたB】とか頭上に表示しやがって……!」

 

 些細な工夫に目を配ってもらえると、あなたとしても大変やりがいを感じる。様式美は大切だ。

 

 ちなみに《職務経歴》の条件を満たさず影分身を扱えている理由は【絶影】を取得しているから。

 影のMVPはあなたをPKしようとして失敗し、闘技場で白黒をつけたマリー・アドラーである。一度殺された甲斐あって就職条件は把握済みだ。

 

(PKす)るならちゃんと殺しとけよマリー!?」

 

『殺した結果がこれであろう? 王国のセーブポイントが使えるから“監獄”行きにもならぬしのう』

 

「いやそうなんだけどさ! こう、心情的に……完膚なきまでに倒してほしかった!」

 

 屈服のデスペナルティを望まれるとは。

 誠に遺憾である。あなたは平和主義者だというのに。

 

 ほな、この隙に回復しますわね。

 

 あなたは《聖者の慈悲》を唱えた。

 

 あなたの傷は全回復した。

 華麗な反復横跳びで刺突を避ける。

 

「おい待て今の【女教皇】の回復魔法だろ!」

 

 最近あなたは【教皇】の就職条件を達成した。

 条件のひとつに、【司祭】のレベルを50まで上げた1000人から、自身の名と共に「【教皇】に推挙する」という署名の回収を求められるジョブだ。

 

 あなたは<月世の会>本拠地の工事を進める際、納品書にサインをもらうついでに、前述した署名の記入をお願いしている。先人の知恵は見習うべきである。

 

「何してんだ女化生先輩ぃぃぃぃぃ!?」

 

 こんなのに回復系超級職を渡すなよ、と。

 レイは絶叫して天を仰いだ。

 青空に『うちも聞いてへんのやけどー?』と小首を傾げる扶桑月夜の幻覚が見える。

 

「はぁ、はぁ……決闘ランカーや兄貴達とは別ベクトルでやりづらいな……」

 

 どうやらレイはやる気が出ない様子だ。

 実質PKなのでむべなるかな。

 であれば、無理矢理にでもやる気と調子を出してもらわねばあなたが困る。

 

 あなたはレイの性質を多少理解している。

 彼は、悲劇を前に最大の力を発揮する。

 であるならば答えはシンプルだ。

 

 ――悲劇を用意するしかあるまい。

 

「……何?」

 

 あなたは悲劇より喜劇派である。

 だからこそ甚だ不本意ではあるのだが。

 レイが敗れた場合のペナルティ……たとえば、あなたは一度でいいから国王になってみたいと思っている。

 しかし王になるには国と民が必要だ。ついでに王権を象徴する宝物などあると素晴らしい。

 

 はてさて、そういえば。

 王国には【聖剣】があったと記憶している。

 

「――――」

 

 ――直後、レイの雰囲気が切り替わった。

 

 天地で一身に浴びたものと遜色ない敵意。

 あなたは彼の地雷を踏み抜いた事を知る。

 

「それは、アズライトに手を出すつもりか?」

 

 あなたが直接危害を加える意味はない。

 無理やり王位(おしごと)を簒奪する気もない。

 ただ最近の王国上層部は過労が目に余る。

 ほんの少しばかり、王女殿下には納得のうえでお休みいただき、余暇を楽しんでもらうまで。

 その間の代理はあなたが努めて差し上げよう。

 

 あなたが掲げるマニフェストは労働改革。

 一日八時間勤務。完全週休三日制。

 福利厚生の充実。三食昼寝におやつ付きだ。

 

 不足する労働はあなたが賄うことにする。

 国民の生活は豊かに、あなたはお仕事が増える。

 まさにウィン・ウィンの関係である。

 

「そういえば変身の特典武具があったの。入れ替わりは容易であろうが、こやつに政治を任せたらきっとろくな事にならぬ!」

 

「ああ。発言自体はふざけているし、わりと善意で言ってるのは分かる……いや、自分でも悲劇と認識してるくらいだから悪意混じりか? どちらにせよ、この国をめちゃくちゃにされてたまるかよ」

 

 

 

「――お前は、ここで俺達が倒すぞ。<超級(スペリオル)>ッ!」

 

 ――よろしい。やってみせろ、“不屈(アンブレイカブル)”。

 

 

 

 あなたは影分身で波状攻撃を仕掛けた。

 さあ、どう切り抜ける。

 残りの《カウンター・アブソープション》を使うか、《逆転》を再発動して回避の可能性にかけるか。

 

「ネメシス!」

 

『任せよ! 《カウンター・アブソープション》!』

 

 二枚目。あなたAの攻撃が防がれる。

 

 光の壁を回り込み、あなたBが同時攻撃。

 アブソ三枚目の展開は間に合わない。

 

 が、レイは大剣を盾にするように構えた。

 

「《復讐するは我にあり》――」

 

 あなたBの攻撃を刀身で受け止めて、すかさずカウンターを発動。固定ダメージが接触した武器を伝って肉体を破壊する。まさしく攻防一体の姿勢。

 

 振り返りざまにレイは砲口を向ける。

 漆黒の外套が巻きついた左腕はあなたAを狙い。

 

「――《シャイニング・ディスペアー》!」

 

 眩い光線を受けた分身は蒸発した。

 

 ここまでの攻防でレイは体勢が崩れている。

 あなたCの攻撃に対応できない。

 

 ゆえに……

 

「《瘴焔姫(ガルドランダ)》、五秒」

 

 死霊の脚甲に蓄積した怨念を対価に捧げ、現世に招来するは鬼の姫。

 あなたが提供したコストでは鬼ちゃんを食わせるのに不足で、わずかな時間しか顕現できないようだが。

 

 拳に炎を集めた鬼はあなたCをぶっ飛ばす。

 

 影分身の全滅。残る標的にヘイトを移した召喚モンスターが、あなたDこと本体に突進した。

 

「《零式・煉獄火炎》」

 

 じゃんけんパー。あなたの勝ち。

 次回もお楽しみに。うふふふふ。

 

 レイは国民的アニメのモノマネに無反応。

 細かすぎて伝わらなかったようだ。

 あるいは、既に()()を超えて極まっているのか。

 

 火拳が直撃して今度こそ【ブローチ】が壊れる。

 炎熱の余波が迫り、たまらずガード。

 あなたは水の羽衣を纏った。ここは嵐を呼ぶ愛刀の面目躍如といったところだ。

 それでも急所を庇った左腕が【炭化】、おまけに熱量で水が蒸気に変わり、あなたは火傷を負う。

 

 五秒の活動時間を終えた鬼は姿を消し、置き土産でレイの全身が炎に包まれた。

 ガルドランダ召喚のデメリットを、レイは再発動した《逆転》の反転バフで相殺する。

 痛々しいほどに傷を作る戦闘スタイルである。やはりレイは頭のネジが飛んでいるのではなかろうか。

 

 燃焼する覆面黒外套の暗黒騎士、日の下をさまようアンデッドさながらの風貌でレイは斧槍を突き出す。

 

 先程までと同じ、否、鋭さを増す刺突。

 切り結ぶ度にレイのパフォーマンスは上昇する。

 明らかに彼の限界を超越した動きである。

 

 あなたは無意識に笑っていた。

 人間は気迫だけでここまで変わるのか、と。

 似通った手合いは天地に蔓延っているが、それでも素の力量差を覆せる者は片手の指で数えられる程度だ。

 

 誰かの為に死力を尽くせる人間。

 まさしく英雄、ヒーローの器。

 

 彼もまた――輝きを放つ者。

 あなたが持ち合わせない可能性の塊だ。

 

 あなたのテンションは爆上がりした。

 本気のレイ・スターリング、まじパネエ。

 俗物的な表現を用いるとそんな感じである。

 

 興奮に任せて、あなたは懐から【土蔵魔偶 ドグラ・マグウ】を取り出すと、足元に叩きつける。

 土壌を撹拌して良質な粘土を生み出すシンプルな特典武具であるが、汎用性はピカイチである。

 

 ガルドランダに対抗して創造した巨大埴輪ゴーレムは、己を大筒と見立ててレイを狙う。

 

 エネルギー充填一二〇%。

 魔力砲発射準備よし。光よ――!

 

 選ばれし勇者が振るう光の剣のように。

 凝縮したMPを破壊力に変えて放射する。

 

 ビームを前に、レイは【黒纏套】を翻した。

 見た目で光属性と見誤った彼に勝機はない。

 たとえ直前で気付いて防御しようとも。

 

『っ、《カウンター・アブソープション》』

 

 三枚目。光の壁をあなたは回り込む。

 影分身が倒された事で、実質ステータスは戦闘開始時の四倍、普段通りの数値に近づいている。

 とどめは【剣王】の《ソード・アヴァランチ》でおしまいだ。超々音速の連続剣は残る一枚のアブソと【ブローチ】に対処してお釣りが来る。

 

 あなたは愛刀を閃かせて、

 

『《カウンター・アブソープション》――』

 

 最後の防壁を打ち破り、

 

「間に、合え――」

 

 レイの【ブローチ】を破壊し、

 

 

 

 

 

「『――《追撃者は(チェイサー・フロム)水鏡より来たる(・ミラーリング)》!』」

 

 

 

 

 

 それでも、【()()()()()()

 

 

 

 

 あなたが《ラスト・コマンド》と、もう一つのスキルの発動を悟った時には既に遅い。

 

 外套の陰から現れたレイは背後に鏡を浮かべて。

 足元に転がる空き瓶を蹴飛ばした。

 

 あなたは心のどこかで思い込んでいた。

 彼はネメシスの第二形態をメインに闘うと。

 カウンター時は大剣に切り替えるとして、状態異常を受けたまま、戦闘は継続しないだろうと。

 

 だが、病毒系状態異常は対策できる。

 あなたが【猛毒王】のスキルでしたように。

 レイは【快癒万能霊薬】を服用した。

 逆にジョブで対策できてしまうあなただから、思考の陥穽に嵌り、うっかりアイテムを失念した。

 

 そも瀕死で……否、死後に毒で苛まれようと気にする馬鹿はそういないのだ。

 

 だから首を刎ねろとあれほど。

 あなたは南朱門家から何も学んでいない。

 

「『《復讐するは我にあり》ッ!』」

 

 レイは超音速で双剣を操り、意表を突かれたあなたの右腕を愛刀ごと切り飛ばす。

 残る双剣の片割れが続け様に迫った。

 あなたは以前に耳にした《復讐》は単発限りという情報と、双剣という武器種、諦めていないレイの攻勢を踏まえて、まだ窮地は続いていると直感した。

 

「これで!」

 

『終わりだ!』

 

 いいや、終わらないね。

 

 あなたは切り札の《消ノ術》を使用。

 世界から自分という存在を消し去る【絶影】の奥義は、使用中に限り、あらゆる攻撃が通用しない。あなたは二発目の《復讐》を無駄打ちさせる事に成功する。

 

 あなたの予測だとステータス同期スキルはダメカンを継続消費する。左右の《復讐》を使い切ったと思われる今、彼に打つ手は残されていない。

 ガルドランダ、モノクロームは使用済み。

 ゴゥズメイズは単体で意味をなさず、煌玉馬の風程度であなたは倒れない。

 

 グッドゲーム。グッドジョブ。

 実にマーベラス。素晴らしい戦いだった。

 どうして負けたか、次までに考えておいてください。

 

 あなたは《消ノ術》を解除して賞賛の首狩りを、

 

「――《シャイニング・ディスペアー》」

 

 ――は?

 

 直後、あなたの視界が光に染まった。

 スキル解除を見計らった早撃ち。

 しかし、あり得ない。レイの特典武具は情報が出回っている。ネメシスのように二度打ちができる仕組みでもないはずなのに。

 流石のあなたも勝利した気でいたので、《危険察知》のアラートより早い光速のレーザーに目を瞬く。

 

 鈍化した思考は走馬灯のように。

 レイの外套に付着する黒い玉を見やる。

 あなたも知るドローンの<エンブリオ>。

 蓄積した光を【黒纏套】に与えたのだと理解し。

 

 おのれ【光王】。あなたは殺意が漲った。

 

 でもまあレイは殺して(死んで)るからいいか、と。

 

 少し腑抜けて凝り固まった己を戒めつつ。

 あなたはデスペナルティに甘んじるのだった。

 

 ……レイの足元で埴輪を起爆させ、自分より先に彼を木っ端微塵に殺害してから。

 お仕事の手前、先に死ぬわけにはいかぬ。

 

 

 ◇◆◇

 

 

 後日。

 

 あなたとレイの戦闘映像は、何でもできる有能な誰かの手で、王国の子供達に届けられた。

 依頼主には大層ご満悦いただけたようである。

 わざわざ【ミスティコ】や透明化など正体を隠す小技を使わなかった、あなたの気配りは大正解。

 

 おかげで今回の責任をリリアーナに詰められるのだが、それはまた別の話。

*1
だが後日レイが原因で<AETL連合>を脱退する




・主人公
一応レイ君が講和会議に間に合うスケジュールで犯行に及んでいる。
今回の件で王国に誠意を示す事になる。

・リリアーナ
魔性の女()。
主人公を縄付きにできるのは彼女だけ。女騎士のヒモってやつでござるな。


・《統一王者》
【超闘士】の奥義。
サブジョブに置いた超級職の全てのスキルを使用できる。

・《スロウス・ドレイン》
【なまけろん】のスキル。
周囲の自分よりレベルが高い存在からリソースを吸収する。セーフティがないため自分のリソースも吸われる。

・《寝る子は育つ》
【なまけろん】のスキル。
睡眠時、吸収したリソースを自分のレベルに配分できる。

・《ラスト・コマンド》
【死兵】のスキル。
HPが0になっても動けるようになる。
「頭が繋がってる場所しか動かせない」「下級職の最大スキルレベルの5でも1分も動くことができない」などの制限がある。

・トクダ・ネダネ
【記者】の<マスター>。
親戚にトクダ・ネヨネ、トクダ・ネカナなどがいる。
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