No Orphan's Sky ~異世界オルガ外伝~   作:Easatoshi

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第19話

 貨物船『イサリビ』が船長室。 部屋の中央に燈色に輝くホログラフを中心に、計器類に囲まれる無機質な一室……正面の頑丈なガラスの向こうに見えるはイサリビの船首と、大きな貨物船を包み込む亜空間。 現在オルガ達の拠点である『フリージア星系』を目指すべくハイパードライブで空間跳躍を行っている中、オルガとビスケットは2人、窓の景色を見ながら語り合っていた。

「この船がまさか本格的に貨物船になるとはな……テイワズの依頼で、ドルトコロニーに貨物を運んだ時のことを思い出すな」

「とんでもない代物だったけどね。 全く、思い返してみると散々だったよ……もう随分と、昔の話になった気がするけど」

 苦笑するビスケット。

「……オルガは言ったね。 死んでしまっても、いつかまた向こうで逢えるって」

「ああ……とは言っても、辛い人生を割り切る為の方便みたいなのだったんだが……まさかこうして文字通りになっちまうと、何だかな」

 オルガは苦笑して頭を掻くが、ビスケットはそれを笑顔で受け止めて続ける。

「……ビスケット、改めて言わせて貰う。 鉄の華をもう一度咲かせてくれてありがとうな。 俺は一度、あれだけ大事だと言ってた筈の鉄華団を、色んな奴の返り血で錆び付かせてボロボロにしちまったからよ……」

「こうして再開出来たからいいんだよ。 それにあれは、落ち度以上に運が無かったんだから……」

「それでもよ。 もっと早く仲間に打ち明ける事の大切さに気付いてたら、一人で焦ってもがいた挙げ句に多くを失う事も無かったんだって……軽蔑されても仕方がねえって思うと怖くなっちまう事があるんだ……」

「オルガ」

 一人こみ上げる感情に打ちひしがれそうになるオルガの肩に、ビスケットが優しく、しかし力強く手を置いてやる。

「……あの砂漠の大地での夜明けの時、言ったよね? 僕達はオルガを信じているからこそ一緒に居るんだって」

 オルガはその言葉にはっと顔を上げる。 その瞳を見つめ返しながら、ビスケットは言葉を紡ぐ。

 

 そう、それは遠い日のここでは無い別の世界での出来事。

 どこの星かも分からない、文明の残滓が隙間から顔を覗かせる荒野の果て。 地平線の彼方より昇り来る朝日の光の中、オルガはビスケットに今し方告げたような弱さを打ち明けたことがあった。

 生き急ぎすぎるあまりに周りが見えなくなって、ビスケットがかつての一度目の死の前に告げた予言めいた言葉が現実の物になり、鉄華団を台無しにしてしまった。

 その時の後悔と無碍に死なせた仲間達に合わせる顔が無いと打ち明けた弱さを、ビスケットは受け止めてくれたのだ。

「同じ間違いを繰り返さなければ良いんだ。 例え違う間違いがあっても僕達は話し合っていける。 一度死んでから言うのも変な気分だけど、やっと僕達は本当の家族になれたんだから……もう一度命をもらえたのだから、今度は失わないようにしよう。 僕もオルガと一緒に鉄華団を守るよ。 君が何と言おうともね」

 その言葉は、オルガの心を蝕む暗闇を払う灯火だった。 ああそうだ、前にも同じ事を言っていたじゃねぇか。 不安に駆られても、何度異世界への旅を繰り返しても、出会う度にビスケット達は見捨てずに共にいてくれた。 今更何を迷う必要がある? オルガは拳を握りしめ、覚悟を決める。

「サンキューな。 何度も確かめるような言い方になっちまってすまねぇ」

「良いんだよ。 これから皆で支え合っていこう?」

 ビスケットの言葉に、オルガは力強くうなずく。

 

 それから、ふと何かを思いだしたのかビスケットは表情を暗くして言う。

「ねえオルガ、三日月はどうしたんだい……?」

 オルガは一瞬言葉を詰まらせるが、やがてゆっくりと息を吐いてから言った。

「見つからねぇんだ……この世界に来た時には俺一人だったんだよ。 行く先で聞いて回ろうにもまだ他の星系もロクにまわってねぇ」

「……そっか」

 ビスケットはその答えを聞くと寂しげに目を伏せる。

 オルガもビスケットも知っている。 三日月は強いが、同時に脆くもあることを。

 戦いの中で何度も傷つき倒れても立ち上がるのは、ただ自分も見捨てられたくない。 居場所を失いたくないあまりに無理をすることを。 そんな彼が自分達鉄華団という居場所から突き放され、ただ一人この宇宙のどこかを彷徨っているだろう事実を考えると胸が痛む。

 今オルガ達に出来ることは彼を探しながら再会するその時まで、三日月もまた自分達を見つける為に懸命に生きていると信じる他無いのだ。

「引き続き、他の仲間達も含めて僕も捜索に協力するよ。 ひょっとしたらタカキみたいに、前の世界で死んでいないはずの仲間も居るかも知れないし」

「……ああ、改めてよろしく頼むぜ」

 もう一度、共に歩んでいこう……決意を新たにするようにオルガとビスケットは互いの手を握った。

 

 

 その時船内の居住区画に繋がる自動扉が開き、テイオーとキャルがみほ達に引き連れられる形で戻ってきた。

「おう、そろったかお前ら。 そろそろフリージア星系に着くだろうから「ダンチョー」「オルガさん」

 無の面持ちで光彩の消えた眼差し(ハイライトオフ)を一斉にオルガに向けながら。

「お前等……?」

「ど、どうしたの皆? そんな怖い顔しちゃって」

 得も知れぬ圧を向ける彼女達にたじろくオルガとビスケット。 オルガは引きつった笑みを浮かべるビスケット共々、何故そんな怖い顔を向けるのか恐る恐る尋ねてみた。

「どうしたんだよみほ。 その、アレだ……しほさんが娘のお前を差し置いて薄い本に「オルガさん」

 全てを言い終わる前に、みほの両の手によってオルガの頬は捉え引き寄せられる。 無の表情と光彩の無い澱んだ瞳がオルガに有無を言わさない。

「……オルガさんにとって、私って何?」

「な、何の話だ?「いいから」

 質問の意味が分からず戸惑うオルガだったが、みほは容赦なく彼の両の頬を抑えたまま詰め寄るように迫る。

 答えなければ逃さぬとばかりの剣幕にオルガは思わず仰け反るが、背後には艦首のガラスがあり、隣のビスケットも頼りなくどもるばかり。 戦車道の面々も口々に「これって修羅場よね?」「西住殿から逃げることは許されないであります」と呟いて逃げ場はない。

 オルガはテイオーやキャルにも目線をやるが、彼女達も同様だ。 オルガの言葉を待っている。

 

「答えて」

 

 その言葉にどれほどの意味を込めているのであろうか。 オルガにとっては意味の分からない詰問であったが、それでも何かしらの(重そうな)想いを込めた問いであることは間違いない。

 オルガは考える。目の前にいる少女は、自分にとってなんなのかと。

 義理とはいえ家族同然の付き合いだった。 学生時代の青春を共にして、妹分であり戦友にして親友でもある。 みほの事を信頼している。 共に戦い、背中を預けてきた。

(けど、それだけじゃねえ)

 正直、家族以上の何かを感じ取っていたのも事実だった。それをはっきり自覚したのはいつの事か、今となっては思い出せない。 だけど、これだけは言える。

(俺の中で、こいつはもう……ただの家族以上に大事な存在になってる)

 男女の関係なのかは分からないし、そうとしてもシャルロットの存在を忘れたことは一度も無い。 ただ、今はそれとは別の問題として、この関係に白黒ケリを付けなければならない。そんな気がした。

オルガは一度大きく深呼吸すると、意を決してみほを見据えた。

 見つめ合う二人。やがて……。

 

 

「……なんてね」

 ふっ……と。 みほの顔が綻んだ。先ほどまでの真剣な雰囲気はどこへやら。 悪戯っ子のような笑みを浮かべると、彼女はオルガに向き直った。

「テイオーちゃんから聞いたよ? シャルロットさんって言う人居るんだって?」

 小指を立てて言うみほ。 どうやら彼女はオルガをからかいついでに問いただしたかっただけのようだ。

 オルガはため息を吐くと肩をすくめた。

「……なんだよ、勘弁してくれよ」

「ちぇーっ、ダンチョーのドロドロした修羅場って奴見たかったんだけどなー」

「やめなさいよ……」

 悪びれた様子も無く残念そうに告げるテイオーをキャルが窘める。

「顔を見るだけでも大事にされてるって言うのは十分伝わったよ? 私達はなんて言ったって()()だもの!

 朗らかに告げるみほの言葉を受けて、戦車道の皆からも剣呑とした雰囲気から解放された。

「なーんだ、イツカ君とそう言う関係かと思ってたのに」

「思わせぶりな発言ですなぁ西住殿」

「こりゃスペちゃんも大変だねぇ。 ダンチョーのガードは固いみたいだし!

「それこそ家族同士の関係じゃないの?」

 そんな感じでオルガ達を差し置きガールズトークが始まったようだ。 どうやら危機は脱したらしい。

「恋人、いたんだオルガ」

 言葉を発したのはビスケットだった。 オルガはビスケットに向き合うと、彼からの問い掛けに答えた。

「まあ、色々あってな……それにしてもみほにまで迫られた時、まさかって思ったが……俺の自意識過剰だったな」

「オルガも隅に置けないね。 この分じゃ、他に関係の進んだ子も居たんじゃ無いの?」

 ビスケットは肩をすくめて言った。 オルガは「まさか」と言わんばかりに否定しようとした、が。

 

 

(……?)

 ふと得も知れない違和感にオルガ自身が気付いた。

 初心でワーカーホリック気味なオルガに、自分から率先して多数の女性を囲い込む度量は持ち合わせていない。 彼自身もそう認識していた……筈だ。

(何で俺、次々に――――)

 そう考えた所で、館内放送を通じて少年の声が響き渡る。 この声はタカキだ。

<団長、ビスケットさん。 それに皆さん、もうすぐでフリージア星系に到着します>

 オルガ達は外の景色に目をやると、その瞬間に異空間からワープアウトを完了。 見慣れた星系が姿を現した。 目前にすぐさま現れたのは、青い大気に包まれた緑の大地とエメラルドグリーンの海が窺える我らが拠点『プロミス/48』の姿だった。 皆が一斉に驚嘆の声を上げた。

「凄い! 本当に楽園の星なんだ!」

「毒と菌類だらけの星じゃ無いんだよね!?」

「フフン! 地球みたいな自然豊かな星だよ! 基地は作ってあるから、これからは皆で住めるように敷地を広げていっちゃうもんね!」

 皆が一斉に感嘆の声を上げる。 それもその筈だ。

 何故ならビスケットやタカキ、それにみほ達はこの世界に召喚されて以来、訪れる先でやれ砂漠や灼熱地獄、先程までいた極寒の『EDN-3RD』など、過酷な環境の星ばかりを転々として定住出来ず、この最初からビスケットとタカキが所有していたイサリビ内の居住スペースを実質の我が家としていたのだから。

 みほ達にとってスケールや居住区域の構造は異なれども、オルガ達と過ごしていたこの船が決して悪かったわけではないが、それでも自然に満ちあふれた星で地に足着いた生活に憧れを抱くのは当然なことであった。

「……言いにくいことはあるかも知れないけど、落ち着いたらまた話してよ。 オルガ」

「そうだな、よしじゃあお前等。 そろそろ星に降下する準備するぞ!」

 一斉に『おー!』と叫んで皆の腕が一斉に天井を突くと、和気藹々とした様子でブリッジを後にする。 オルガとビスケットも一歩遅れて後に続こうとするが、ふとみほ一人が踵を返してオルガの元に戻ってくる。

 どうかしたのだろうか? オルガは首を傾げてカノジョに問い掛けようとする。

「オルガさん」

 先にみほが切り出した。

「……私、頑張るから」

「――――は?」

 いたずらっ子のような笑みを浮かべながら、そこで一言切り上げ皆の後を追っていった。 オルガとビスケットは呆然と立ち尽くす。

「本当に、隅に置けないと言うか……」

 呆れたようなビスケットのつぶやきに、オルガは何も言えなかった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 暫くして、降下用の宇宙船に荷物を積み込み久々の我が家に帰還したオルガを待ち受けたのは、閑古鳥の鳴く無人の基地だった。

 日の沈みかけた赤々とした空に照らされ、木々の陰に黄昏れていく木製の基地に一切の活気は見当たらない。静寂と薄闇に包まれる空間の中で、オルガは思わず困惑する。

 どうして誰も居ないのか、何が起きたのか理解できずにいると、気まずそうにビスケットが尋ねてくる。

「その、なんて言うか……寂れてない?」

「あー……俺にも分からねぇ。 留守は頼むって言っておいたんだが」

 一応、基地が無人にならないようにスペシャルウィークとペコリーヌが基地の近くを。 彼女達が仮に遠出をする場合は、本来の遠征組であるシャルロットとラウラが基地近辺に留まるよう、事前に段取りを組んでいたはずだ。

「心配になって、ボク達の後を追いかけたってことは?」

「言ってもアタシ達長い間あの星系に居たわけじゃなかったでしょ? 異変を感じ取るには早すぎるわよ」

「ダヨネー……」

 テイオーの憶測をキャルが一蹴する。 がくりと項垂れてみるテイオーだが、だとしたら彼女達は何故いなくなったというのだろうか。 何かメッセージのような物を残していないか……オルガは彼女達にここで待つように言うと施設内に入り、中にしまい込んだ『基地のコンピューター』にログが残っていないかをチェックしてみる。

 

 

<エントリー#4801Mが残っています...>

 

 

「ビンゴ」

 オルガはログの記録主に『シャルロット・デュノア』の名が書かれているデータを発見した。 記録した時刻はほんの数時間前。 どうやら入れ違いになったらしい。

(あんなデカい貨物船が空に浮かんでて異変に気付かないわけがねぇ。 ……こりゃ惑星の反対側にでも行ったか?)

 乗ってきたイサリビの姿はこの星の重力圏外ギリギリで停留している。 その姿はこの星の空にハッキリと姿が浮かんでいるほどだ。 その上貨物船が基地上空に接近するとあらかじめメッセージも送ってある。 なんなら気がつけばこちらにやって来てもおかしくは無いはずだ。 だとすれば、あの船が見えない程の離れた位置に居ると考えた方がおかしくない。 約束を忘れていたことに頭を抱えるオルガだが、一先ずはメッセージを再生することにした。

 

<もし万が一僕達のいない間にオルガ達が戻ってきた時の為に……>

 

(始まったな)

 オルガが操作すると同時にシャルロットの声が流れ出す。

 

<オルガ。 僕達はここから少し……とは言っても惑星規模で離れた場所なんだけど、訳あって基地を留守にして行かなきゃいけなくなったんだ>

 

 シャルロットの声色が優れない。 何かあったようだ。

 

<……数時間前、指し示したこのポイントを最後にスペとペコリーヌの通信が途絶えたんだ>

 

「!!」

 内心動揺するオルガ。 しかし声は上げず冷静に努めながらメッセージの続きを聞く。

 

<正確には通信自体の電波は来てるんだけど、酷いノイズで正確に聞き取れない。 あの二人思った以上に食料食べちゃうから、きっと今頃はお腹空かせて動けないかも知れない。 微弱な反応は続いてるから恐らくは大丈夫かも知れないけど、万が一の為にメッセージだけは残しておくよ……でも、もしこのメッセージを再生していたら、迎えに来てくれると、嬉しいな>

 そう残したメッセージと共に位置座標のデータがダウンロードされ、以後の音声は途切れた。

 ……これは一体どうしたことだ?  通信が通じない? オルガは混乱しながらも、とにかくシャルロットへと連絡を取ることにした。

「シャル、俺だ! 今基地に帰ってきたんだ、応答してくれ!」

-kkzztzk- -kkkzt-

 ノイズが酷く、繋がっているのかそうでないのかは分からない。

「クソッ……変な電波はキャッチしやがるのに何で繋がらねぇんだよ」

 勘弁してくれと言わんばかりにぼやきながら、オルガは基地の外へ出る。 周りには心配そうにこちらを見る皆がいた。

 

「……オルガ、ペコリーヌ達は?」

「スペちゃん達はどうなったの? シャルロットは、ラウラは?」

 訴えるような眼差しを送るキャルとテイオーに、オルガはため息をついて先程のメッセージで聞いたままの内容を告げた。 その言葉に一同はどよめいた。

「そんな……」

「じゃあ四人とも居なくなったって事!?」

「落ち着けってお前等。 ……とりあえず、位置は分かってるんだ。 今から迎えに行こうと思う。 皆はここの基地に残って休んでてくれ。 すぐに帰ってくる」

 自分一人で行こうとオルガはそう指示するが、しかし残りのメンバーは首を縦に振らなかった。

「水臭いこと言わないでよ、オルガ」

「要人の捜索こそ、私達『あんこうチーム』の出番だよね?」

「!」

 ビスケットとみほの二人が、自分達もオルガに付いていくと言い出したのだ。

 オルガは驚きつつも、彼女らを宥めるように説得に入ろうとするが、畳みかけるようにここでタカキが言葉を続けた。

「一緒に行ってあげてください団長。 少しでも人員が多い方が良いでしょう? ……まあ、流石にEDN-3RDのような過酷な星じゃないから、救助班1つが居れば事足りると思いますけど」

「ボクも行くよ! スペちゃん達に顔を見せて安心させたいしね♪」

「じゃあ、アタシはここに残るわ。 一人でも基地の勝手を知ってる人員が居なきゃ、皆も設営に困るでしょうから……ここで皆と一緒にあんこうチームのサポートをするわ」

 テイオーが同行し、キャルは他の面々と共に基地に残る方針を決めた。 どうやら一人で行くという選択肢は無いらしい。

「……良いのか? 随分働かせちまってるが」

「気にしないで。 第一オルガの宇宙船壊れちゃったんだから、あんまり勝手の分からない機体に乗り続けたくは無いでしょ?」

「……あー」

 オルガは思い出した。 あの時イサリビにぶつかって不時着した際に、ラディアントピラーは完全に壊れてしまったのだ。 生きているのは『阿頼耶識』対応のコックピットブロックのみ、イサリビに乗り込むのも船めがけてまっすぐ飛ぶだけという単純動作だけだったし、この星への大気圏突入は他の仲間達に任せっきりだった。

「それに、私達が居れば『エクソクラフト』も使えるし……一緒に探そう?」

 ビスケットに事実を突きつけられた上にみほの提案。 オルガは観念したようにため息を吐いた。

 だがこれはこれで悪くないと思い直して、オルガは二人に言った。

「……サンキュ」

 オルガはそれだけ言って、みほ率いるあんこうチームの操縦する数々の宇宙船に便乗する。

 向かう先は当然、シャルロット達のいるであろう座標だ。

<オルガ。 シャルロットさん……だっけ。 彼女達の居た所は何故か無線が使えなかったんだ。 多分何かの干渉が起きてるかも……離れた所に機体を降ろした方が良いかもしれないね>

「そうだな。 万が一があるからそうしてくれると助かる」

「了解……それじゃああんこうチーム、出動します!」

 

 

黄昏時に、再び宇宙船が空を舞った。

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