No Orphan's Sky ~異世界オルガ外伝~ 作:Easatoshi
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慌てて通信を送ってみたものの、USG石村からの返信は無かった。 その代わりに返ってきたのは、先程のアトラスステーションにて繰り返されたノイズ塗れの謎の通信だった。
(お前じゃねぇ!!)
オルガは毒づく。 こちらは撃墜されるかどうかの瀬戸際で、こんな奇妙な通信に今は構っている暇は無い。 目前で佇む石村の巨大な船体の周りを飛び回りながら、敵の砲撃を躱しつつめげずに通信を繰り返す。
「USG石村! 応答願う! こちらの船体はもう持たねぇ!!」
敵機体からのビームやミサイル等の攻撃が飛び交う中、オルガはUSG石村へと通信を続ける。 しかし、USG石村は応答する様子を見せず、ただただレーダーのマーカーが移動するのみであった。
機体の損傷と共に警告インジケーターの表示が増していくケリオンを後目に、海賊船2隻は依然と攻撃の手を緩める気配はない。 やむなくオルガは決断した。
(クソッタレ!! もう考えている暇はねぇ!!)
オルガはケリオンのブーストペダルを蹴っ飛ばし、石村に向かって急加速する。 強引だが緊急避難させて貰う決断を下した。 距離を縮める石村とケリオン、オルガは石村の巨体に威圧感と共に、初めて目にした瞬間から密かに感じていた、漠然とした不安が増していくのを実感していた。
石村が放つ異様な存在感に、オルガはただただ目を離せなかった。
(なんとなく嫌な予感はするが――――今撃墜されるよりはマシだッ!!)
そんな中でも、海賊船の砲門は依然として火を噴き続け、慌てて回避行動を取るも避けきれずに被弾してしまう。
幸いにも直撃は免れたが、スラスターを掠めたことで機体の姿勢が大きく乱れてしまう。
民間の物と思わしき船を巻き添えにすることは憚られたが、もう手段を選んでいる場合ではなかった。 先方からの返答を待たず。 オルガは無許可で強引に船内への着陸を試みた!
「USG石村!! もう返事は待てねぇ!! 緊急避難させて貰う――――」
その瞬間、キャノピー左右にもうけられた自動操縦で機体を牽引する為の重力テザーが吹き飛んだ!
「何ぃ!?」
機体はあるべき誘導を失ったばかりか、機体の安定を保つスタビライザーにも異常が生じていた。 そこら中に機体をぶつけながら、オルガのケリオンは制御不能に陥ってしまったのだ。
スラスターを全開にして、どうにかして機体を立て直そうとするも上手く行かない。
「クソッタレ!! 言うことを聞かねぇのに向こうから強引に機体が引っ張られていやがる!!」
言うならば暴れる犬をリードで強引に引きずっているかのようなムチャクチャな軌道に、中のオルガは身体を左右に振り回されて姿勢をまっすぐに保てずにいる。
慌ててコンソールを叩き、向こう側の誘導システムをオーバーライドしてみるが反応はない。
(こういう時は――――!!)
こちらで制御できないなら、向こう側の緊急スタビライザーを起動させるしかない。 こう言った着艦時のプロセスにおけるトラブルの緊急回避対策に、機体を強引に制御する為のエネルギー波を送るスタビライザーが、カバーに覆われた火災報知器のスイッチのごとくハッチ付近に設けられている。 オルガは揺れる機体の中で、青白く光っているそれを発見。 素早くケリオンに標準装備されているフォトンキャノンの青いエネルギー弾を叩き込み、破壊。
機体は何とか安定性を取り戻すが、時既に遅く高速で機体は艦内に突入。 やむなくオルガは前面キャノピーに小惑星破砕時の破片を防ぐ為のブラストシールドを展開! 前面が隔壁により遮断された後は目の前のコンソールにカメラによる映像が投影され、機体は宇宙船ドックに突入する瞬間が映し出された。
オルガは瞬時に両足を踏ん張って身構え、来たるべき衝撃に備えた。
背中や腰を突き回すような衝撃が襲い、歯の奥が幾度となく噛み合わされては噛み締めるに至らない。 激しい激突音が機内に耳障りな金属音を響かせながら、オルガは船を漕ぐように小刻みに頭を振りながら耐えた。
「ーーーーーーッ!!!!」
そして、機体が一瞬バウンドして重力感が無くなった瞬間に、敢えて操縦桿から手を離した。
――――瞬間、束の間を置いてシートごとオルガを突き上げるような激しい衝突と共に、操縦桿が激しく一回転! しばし重い金属を引きずる音と共に、ようやく機体は減速したようだった。
<生命維持システムの酸素供給機能、エラー。 サブタンクによる供給に切り替えます>
<スーツのファブリケーター破損、修理が必要です>
「――――や、やっとおさまった、か……!!」
オルガは荒く息を吐き、汗で張り付いた髪を振りほどくように首を横に振り、正面のモニターを確認する。
機内の至る所から火花が散る無残な状態だが、どうやらケリオンは不時着に成功したようだ。 激突の瞬間、派手に一回転した操縦桿から手を離したのは我ながら良い判断だったらしい。
(下手すりゃ腕を持って行かれてたかもしれねぇからな……機体はどうだ?)
オルガはケリオンのダイアグノーシスを起動すると、スタビライザーにブースターの破損。 そしてハイパードライブの構成部品である『シンギュラリティコア』のショートを確認。 外装もキャノピー周りはブラストシールドで保護されたから良かったようなものの、恐らくは見るも無惨な状態になっているであろう。
「ったく、あのクソッタレ海賊め……」
そしてスーツも例によって機能の一部にトラブルが発生している。 補修用の機材や物資など持ち合わせもない。
オルガはため息をつきながら、自分を追い込んだ憎き海賊連中に内心毒づいた。 その上このUSG石村が抵抗を試みないのであれば、いずれは中に乗り込んでこちらを追撃することは想像に難くない。
オルガはケリオンのサイドハッチに向かい、恐る恐る開いて外の様子を探る。 ケリオンの頑丈なハッチは、幸いにも歪んで開かないと言った致命的な損傷は受けておらず、難なく開けることが出来た。
そのまま外に出て辺りを見渡すと、オルガを出迎えたのは広々とした宇宙船ドックと手すりのついた通路、別の発着スペースに止められている幾ばくかの宇宙船。 そして今し方不時着が行われた物々しい雰囲気にそぐわない、USG石村への着艦を歓迎する館内の放送だった。
「……先客がいるらしいな」
目についた宇宙船は、ざっと見ていずれも酷く破損しているようだった。 オルガは振り返り乗ってきたケリオンを一瞥すると、やはりというかほぼスクラップ寸前の状態で、戦闘と強行突入の苛烈さを物語っていた。
(この宇宙船の墓場みたいなドックに仲間入りしちまって……いや、使える部品は辛うじて残っているか?)
物によってはケリオン以上に破損した宇宙船の数々。 オルガはいざとなれば物色して生きている部品をかっぱぐことも考えたが、今は追っ手がいる身。 軽く流し身をして状態を検めるが――――
「……!? なんてこった、ご丁寧にギャラルホルンのマークがついていやがる」
するとその内の一つ、白塗りの宇宙船によく見慣れたギャラルホルンのマークがあった。 あの『自由の声』入りしたいつもの面々の内の誰かが、この採掘船に迷い込んだのかとオルガは内心狼狽しながら、他の宇宙船も見てみようと試みるも束の間、それらは背後で聞こえた宇宙船のブースターと思わしき音がドック内に響き渡ったことで慌てて中止した。
振り返るまでも無い、さっきの海賊がこちらの不時着を見越してオルガを追ってきたのだろう。 即座に打ち切って入口である石村へのフライトデッキへ続く道を駆けつつ、マルチツールを取り出して万一の際の抵抗が出来るよう備えておこうとしたが――――
「クソッタレ……さっき突っ込んだ衝撃でイカレてやがる」
一時的な不調なのか、オルガのマルチツールは機能不全を起こしているようだった。悪態をつきながらも、オルガはフライトデッキへ続くエントランスへ到着。 両開きの大きな自動ドアの前に浮かぶ円形のホログラフに触れてみるが、エラーが出て開閉シーケンスは開始されなかった。
「おい何だよこんな時に――――」
毒づきそうになるオルガだが、扉の上に備え付けられている小さな照明のような機械がオルガの頭に光を当てる。 反射的に身構えるオルガだが、機械はそれを無視して黙々と身体から脚のつま先へと、その横に長い光を下にスライドさせる。
<イテレーションID:2394829084924924924G トラベラー『オルガ・イツカ』、USG石村へようこそ>
<テクノロジーをインストールしました>
やがて光の動きは停止するが、それと同時にオルガのスーツ内に『Resource Integration Gear』なるテクノロジーが導入された通知がなされた。
それは装着者の体力や武器の残弾など、様々なパーソナルデータを可視化できるプログラムらしく、バックパックのある背面にもホログラフという形で投影されていることが、スーツ内に映し出された説明欄に記載されていた。
(何だかよくわからねえが……役に立つなら構うことはねぇか)
<エクソスーツへのRIGのインストールと同期完了。 ドアロックを解除します>
早くドアを開けてくれと内心落ち着かないながらも、ようやく待ち望んでいたフライトデッキへの扉が開かれるなり、オルガは一目散へとそこに駆け込んだ。
「畜生! 結局中に入っちまった!!」
一夏は地団駄を踏みそうになりながらも、強く奥歯を噛み締めてそれを堪えるしかなかった。 直接呼びかけても声は届かず、アトラスデバイスとの接続で設定が書き換わったであろう通信機を、試しに用いる等してやりとりを試みてみたものの、オルガの元へは通信が全てノイズで埋め尽くされてしまい、一切通じることはなかった。
目前で繰り広げられたSF映画さながらの機械塗れな宇宙が広がる光景に息を呑み、その直後に現れた巨大な宇宙船に言いようのない不安を姉と共に感じ取った一夏。 同じような感覚をオルガ自身も感じてはいたようだが、結局は敵と思わしき存在に追われて不時着に至らざるを得なくなり、結果として自身の乗ってきた宇宙船らしき代物を大破させてしまった。
それをモニター越しにただ見ているしか出来なかった一夏達は、諦めずに通信用の端末を操作し続けていたが、コンソールをいくら弄ろうがオルガにまともな通信が行き届くことはただの一度も無い。
「クソッ!! なんで繋がんねぇんだよ!?」
「落ち着け一夏! 我々が慌ててもどうにもならない! 第一お前がその機械を扱えるのか!?」
見かねた千冬が一夏を静止する。 一夏は一瞬身を震わせて、渋々コンソールを弄る手を止めた。 姉の言う通り、それほど機械に精通している訳ではない一夏が設定を弄ろうとしたところで、どんな不具合が引き起こされるかわかったものではない。
一夏は再度コンソールを殴りつけたくなる衝動を抑えながら、おとなしく身を退いた。 その様子を見ていた箒達も一夏をたしなめる。
「……織斑先生の言う通りだ。 慌てても今はどうにもならない」
「嫌な予感がするって言うのも気のせいかもしれない……じゃない。 いきなりあんなことになったけど」
「そうですわ。 今は落ち着いて様子をうかがいましょう……じきに接続も安定するかもしれませんし」
とは言え、先程オルガが巨大船内に突入し、恐らくは他のパイロットも同様の運命をたどったであろう痕跡の残骸を見せつけられては、いささか歯切れが悪いのは致し方の無いことであろうが。
オルガの起きた出来事に不安の色を隠しきれない中、部屋の出入り口の自動扉が開く。
一斉に振り返ると、そこには遅れてやってくると言われていた二人の水色のミディアムヘアの少女達。 更識姉妹の姿があった。
「生徒会の要件を片付けるのに少し時間が――――これは!?」
「ま、まさかオルガ君!?」
おちゃらけた様子で知られる姉の楯無がいつになく真面目な様子で口を開くも、彼女の隣にいる妹の簪共々、部屋の中心で展開されるオルガのいる異世界でのやりとりを目にするなり、驚愕の声を上げた。
「話には聞いていましたが……本当に行方不明のオルガが見つかるなんて」
「……ノータイムでよく分かったな」
赤のヘルメットと胴体に、恐らく獅電の物と思わしき白い装甲があしらわれた手足とバックパックを持つオルガの宇宙服。 特徴的で鉄華団のマークがあしらわれているから知る人が見ればすぐ分かるだろうが、それにしてもあまりにもあっさり見抜いた楯無に、千冬もある意味で感心する。
「まあ、何はともあれ……オルガ君。 無事そう、なのかなこれ?」
「正直半信半疑でしたけど……先生、これって事前の話通り異世界の光景を映し出しているんでしょうか?」
「正確には空間そのものを繋いでるらしい……だが設計した束曰く、これでも不完全な代物だ」
更識姉妹にも事前にある程度の情報は共有していた。 だがそれでも、行方不明のオルガは実は異世界にいると突拍子もない話を聞かされ、その上で目の前で当の本人が獅電をまぜこぜにしたような宇宙服を着せられ、機械仕掛けな得体の知れない空間を忙しなく走り回っている映像を見せられては、流石に半信半疑にもなろう。
そうしている内によく分からない光景が映し出されている中、オルガの方で動きがあったようだ。 彼の背後に縦長のゲージと思わしきホログラフが投影されたと思うと、閉ざされていた自動扉が開きオルガが躊躇無く脚を踏み入れようとしていた。
「! 動いたぞ……!」
フライトデッキと表示された部屋に入っていくオルガの姿を見て、一同は固唾を呑んで成り行きを注視する事とした。
「何だこりゃあ……」
解体場と見間違うような宇宙船ドックの惨状の後に飛び込んできたフライトデッキの状態もまた、オルガを驚愕させるのに十分な光景であった。
書類やバッグにトランクなどの手荷物と思わしき物の数々は散乱し踏み荒らされ、人の気配などは全く見受けられない。 ロッカーも開けっぱなしでタブレットも電源がついたまま放置され、かといって貴重品と思わしき代物を盗み出されたような痕跡もない。 まるで慌ててこのフロアを出て行ったような有様に、オルガは首を傾げた。
「兎に角今はどこかに隠れねぇと……お」
ひとまず疑問はさておき、オルガは部屋を見渡すとガラスで仕切られた奥の通路とそこに繋がる扉を発見した。 もう1つ大きな扉があるがそちらはロックがかかっているようで、実質選択の余地はない状態だった。 ここでじっとしていても追っ手に捕まってしまうだけだ。 そう判断したオルガは部屋の奥にあるその入口に小走りに向かい、同様に扉の前に浮かぶホログラムに手をかざし扉を開放する。 通路はやはり照明が弱く薄暗い。 機能不全を起こしているマルチツールの中で辛うじて使えるフラッシュライトで地面を照らし――――
扉を開けた先の地面に赤黒い液体が。
「マジかよ……」
オルガは目を見開いて息を呑んだ。 スキャナで分析した訳ではないが、背中に走った悪寒と共に直感が告げている。 これは恐らく……
一瞬意識がそちらに向きそうになった瞬間、先程のフライトデッキの扉の外から、自身と同じように何者かがスキャンを受けている音とそのアナウンスが聞こえてきた。 連中が追いついたようだ。
この通路の奥も袋小路。 やむなくオルガは通路の入口に時間稼ぎの為簡単なロックをかけ、その奥へと駆け寄った。 その際に外からのぞき込んだ時には死角で見えづらかったものの、もう1つ扉があった事も確認するも、何らかの理由でこちらも扉にロックがかかっている様子で、オルガは舌打ちをしつつ窓のすぐ側にかがみ込んで様子を窺うことにした。
直後、自分をこのような奇妙な採掘船へ追い込んだ憎き連中が姿を見せる。 ヴァイキーンが2人、ゲックとコーバックスが1人ずつだ。
「ゲコゲコ、この部屋の様子は……皆、急いで逃げたようですネェ」
「……我々が言うのも何だが、警備部隊はどこに? 何故誰もいない?」
「jgio9093psalx,.cb;.;z.。j9fwerjk9wefdok。akdoklp;lal;apaas23」
「あのドックを見るに、我々に恐れをなしてと言う訳でもなさそうだな」
4人はいずれも怪訝な様子で、辺りを捜索しながら話し合っている。
コーバックス語以外の言葉を理解できるようになっただけに、少なくともこちらの存在が感づかれていない事が明確に理解できただけオルガは内心安堵する。
(今の内にマルチツールの応急修理をするか)
これ幸いとオルガは不調を起こしているツールの機材を取り外し、大まかな部品がツールフリーで分解できる設計なのを生かしテキパキと分解整備を施していく。
(スーツのファブリケーターが生きていりゃ修理の手間もかからねぇ……クソッ、部品が噛んで分解できねぇ!)
分解の最中、パーツ同士の隙間に異物が噛んでいる事に気づいたオルガ。
それを力を込めて強引に引っ張り出そうとすると、部品自体は外れたが――――勢い余ってすぐ側のコンソールに手をぶつけてしまった。
(やべっ!)
慌てるも時既に遅し、コンソールは手の衝撃で入力を受け付けてしまい、頼んでもいないのに石村艦内の故障診断と、停止していたであろう空調の電源入力を実行してしまう。
部屋の隅や天井に配置された通風口のファンが回り始め、海賊4人がその音に気づいた。
慌ててオルガが低く身をかがめようとするも、4人の視線がこちらへと向けられる。
「gioedwoikfi?」
「……誰か隠れているな。 さっき逃げ込んだ奴だな?」
(くそ! とんでもねぇ凡ミスだ!!)
心中で悪態をつくオルガだったが、もはや後の祭りである。
「ウガァッ! そこを動くな! もう逃げ場は無いぞ、おとなしく観念しろ!」
ヴァイキーンの1人が勝ち誇った様子でこちらに銃を向ける。 恐らくは海賊達のリーダーと思わしき者が、ライフル型のマルチツールを手にしながらこちらににじり寄ってくる。 武器は持っていないが、見るからに荒くれ者といった風貌だ。
「……オェッ、しかし一体何だこの臭いは……」
そんな中で、連中の仲間であるゲックが露骨に顔をしかめながら、鼻をつまみつつ辺りをキョロキョロと見回す。 それと同時に、近くに放置されていたタブレット端末を拾い上げるはコーバックス。 彼、あるいは彼女か性別は分からないが、リーダー格のヴァイキーンに何かを話しかけていた。
「フシューッ! kfokefw0klkdplp。 jd09okdwea0dqwk、hkplrfe-0lf-e、USG石村kfadklplapasl;@;[@」
タブレット端末を指差しながら、コーバックスは何かを説明している。
リーダー格のヴァイキーンもタブレットを一目見て、何かを理解したかのようにうなずいた。その間ゲックが鼻を押さえながら悪態をつくように喚く中、連中の注意は完全にコーバックスの方に向いていた。
(何の話をしてやがる……?)
「エンジンも船体もトラムもダメ……こんなプラネットクラッカー船にこれほどの損傷を与えられるのは一体――――――」
4人のやりとりに不審なものを感じ取ったその瞬間だった。
けたたましい警告音と共に部屋が赤色灯に切り替わり、窓にシャッターが降りて部屋が完全にロックダウンしたのは。
この間、一夏達はオルガらのやりとりをこじ開けつつある異世界の壁穴を通してじっと見ている状態です。
無論、この後のやりとりも。