メーデー   作:3148

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五等分の花嫁の二次創作です。
メインは三玖ちゃんです、理由はなんとなくです。ライブ感です。
なお、推しではありません。
コレをかいている最中でまだ完結まで読んでないからです。

むしろ、誰か俺の推しが誰かを教えてくれ(笑)


メーデー 前編

 「勉強好きって、そんなものだったんだ」

その言葉に、苛ついた。何故、赤点をとるような人間からそんな事を言われなければならないのか。それ以上に自分が好きな物に対して否定された事に憤ったのかも知れない。

「……上等だ!」

図書館や書店で資料を巡り、幾つかの文献を見ている内に、ほんの少しの違和感を感じた。それが何かは、薄ぼんやりと理解はしていた。何故分かったのかと言われれば、きっと同族だからだ。

「驚かせてやる!」

風太郎が質問に答えられなかった時に、少しだけあった沈黙。そこに確かにあったのは、期待。だけど、それを口にしないのは、なかったことにしたがっているのは、きっと自分と同じ。

 

 「別に、俺じゃ無くても良かったんじゃ無いか?」

いつものように勉強会の準備を始めている風太郎が突然呟いた。目の前に居るのは三玖と四葉だけだった。

「いや、風太郎さんじゃないと駄目だと思いますが」

「……調子悪いの?」

ふと思い出した独り言を振り払い気を取り直す。

「それじゃ今日は社会の勉強をしていこうか!」

四葉が三玖を横目に笑う。

「得意分野だね」

「……うん」

なんとも表現しにくい表情で答える三玖、少なくとも歓びではなさそうだ。

「あー!」

驚いて跳び上がった四葉が、用事を忘れていたと部屋を飛び出していった。直ぐに戻ると残していったので、十数分で戻るだろう。

「慌ただしい奴だなぁ。まぁいいや、どこか分からないところはあるか?」

三玖に対して話しかける風太郎。問題に目を落とし、正面を見ること無く三玖が呟く。

「どうして、社会の勉強をするんだろう」

突然の疑問に、風太郎が硬直する。

「……突然だな」

算数なら日常で使う、数学はあまり使う事は無いかも知れないが、それを使う仕事があるのは理解している。英語は勿論、国語も漢字や文章を理解するのに必要だろう。理科は専門職がある、歴史を学んで何の意味があるのだろう。

「好きならそれで良いと思うが、明確な答えじゃ無くても良いなら」

そう前置きをして、息をつく。

「勉強が好きなら、分かるかなって」

好きだからこそ、それが役に立つのか、意味があるのかを知りたい、のだろう。

「逆説的に、歴史を知らなければどうなると思う。何かに取りかかる時に過去を知らないとすると」

その問いに、すんなりと答えがでない三玖。

「そう、同じ間違いを繰り返すんだ。テレビのリモコンを置いた場所を忘れた親父が何度も部屋を探し回る様に」

三玖は不機嫌な表情になる。

「適当?」

「そもそも勉強っていうのは、現実問題に対応するための練習みたいなもんだ。基本を教える物から、プロセスを伝える物まで様々だけど、歴史を学ぶ知識が社会に役に立つケースは想像の通り少ないだろう」

最後の一言には三玖も頷く。

「役に立たない」

ドストレートな一言に頭を掻く風太郎。恐らくはそれがモチベーションにも関わっているのだろう。

『将来の役に立たない努力は不要では無いか』

そんな考えは、誰もが通る道かも知れない。

「まぁ、直接役に立つとすれば、歴史を学ぶ為の方法や理屈だろうな。例えば、一揆が起こる前に飢饉があったとか、戦争が起こる前には何か事件があったとか」

「信長と光秀には軋轢があった、とか?」

その通り、と答える。そうやって特定の事象を推測するのに順序立てることを覚える事は無駄にはならない。

「それと、過去を知るっていうことは、未来の選択肢を増やす、っていうことだな」

三玖が首を傾げる、悩んだ末の答えは。

「進学先?」

風太郎が笑うと、三玖が頬を膨らませる。本人は至って大まじめなのだ、と。

「格言とか諺とか、そう言った類の方だな。問題に直面した時に、どう対応するのかを考える。その時に、過去の事象を引き出して適当な事を検討する。或いは問題解決の為の別案を起こす為には膨大な経験が居るかも知れない」

それこそ、何百年、何千年という膨大な経験を知る必要があるかも知れない。

「……未来を、選べる」

そう呟くと、三玖は微笑んだ。その会話の続きは、四葉の元気な声にかき消される。

「あれ、何か話してた?」

三玖が首を横に振る。

「世間話、だよ」

 

 日が傾きかけ、窓からは赤い光が差し込み始める。

「誰か帰ってきたな」

風太郎が玄関のドアが開いたことに気付く。その雰囲気から四葉と三玖は気付いたらしい。

「二乃ちゃん、おかえりー」

四葉の声が響く、いつも通り挨拶をして風太郎を無視して自分の部屋に戻ろうとする。

「あー、ちょっと聞きたいんだけど」

何かを思い出したように、振り返る。

「あんた、妹を殺そうとしたことあるって、本当?」

 




読了ありがとうございました。
はい、今回は問題提起です、問題文です。

前、中、後編に分かれています。
中編は記述、後編が解答編って感じかな、適当だけど。

原作改変と言ったな?
その為に、風太郎君に暗い過去を付与させて貰ったよ。
女の子に悲しい目に逢わせるのは心苦しいからね、君も五つ子の誰かが傷つくのは嫌だろう?
それでは、次の投稿は明日になります(何も問題が起こられなければ)
暇を持てあまして仕方がないと言う方は、お付き合い下されば、感謝です。
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