【全40話】英梨々とラブラブ過ごすエッチな夏休み 作:きりぼー
8月24日(水)夏休み32日目
「倫也~、秘密基地つくろ~」
あっ、すみません。俺の彼女なんですけど、時々おつむが緩くなるようです。
夏休みがあと1週間で終わる。えっ?あと1週間・・・嘘だろ。課題がぜんぜん終わっていないどころか、1ページもやってない。そのほかに自分で買ったテキストもあるのに。袋から開けてもいない。
「ほら、早くいくわよ」
「ちょっと待て、英梨々・・・もうすぐ夏休みが終わるぞ」
「それがどうしたのよ?そりゃあ当たり前でしょ。夏休みですもの、冬まであったらおかしいでしょ」
「いやいや、そういう話でなくってだな」
「ほら、支度して」
もはや彼女とは何か?俺は哲学したい。この大切な高校三年の夏を毎日無為に過ごしている。それでいいのだろうか。受験生である。彼女だったら普通は応援するのではなかろうか・・・
とかなんとかいいながらも、俺と英梨々は外に出た。天気は晴れ。残暑の厳しい真夏日である。ただ蝉は鳴かなくなっている。
今日の英梨々は、白いシャツにジーンズを履いて、サスペンダーで留めている。小さな麦わら帽子をかぶっていて、髪は後ろで三つ編みにしていた。冒頭の秘密基地発言から察するに、トムソーヤでもイメージしているのかもしれない。
「で、英梨々。秘密基地ってなんだ?」
「そんなの秘密の基地に決まっているでしょ」
「いや、俺が聞きたいのは、そういうトートロジーじゃなくてだな・・・どこに作るんだ?」
「いろいろ考えたのだけど、うちの庭が無難でしょうけどね。思ったよりもまだまだ暑いし、あたしの部屋に作ろうかな」
「はい?秘密基地をお前部屋に作るの?」
「そうよ。悪い?」
「えっ、英梨々、もしかして暑さで頭おかしくなったじゃねーの?」
「なんでよ」
俺は心配になって英梨々のおでこに手を当てる。別に問題はなさそうだ。英梨々はおでこに触った時に瞳を閉じた。せっかくなので、キスする。チュッと。
「倫也」
「はい」
「あんたね、そんなにいつでもキスできると思わないでくれる?あたし、そんな軽い女じゃないから」
「ごめん。つい。しない方がよかった?」
「べ・・・別にそんなこといってないわよ」
「英梨々がほら・・・」
「ほら、なによ?」
「可愛かったからつい」
「もう、ほんとバカ」
英梨々が立ちどまって、また瞳を閉じたから、英梨々は軽い女じゃないと思ったけど、もう一度キスをした。もう一度怒れるなら、した後に怒られたい。
英梨々がニヤニヤしている。こいつ可愛いな。
俺の家と英梨々の家の間にある小さな公園の前だった。子供たちが遊んでいた。俺たちはところかまわずキスをするバカップルになっているかもしれない。かもじゃない、そうなのだ。もっと自覚をもって行動すべきだろう・・・
「もう、ほんと・・・バカよね」
「どっちもな」
「それでいいわよ」
英梨々も認めた。
※ ※ ※
英梨々の部屋。よく片付けてあった。部屋の片側は何も置いていない。
壁際にはダンボールの束が立てかけてあり、水彩のペンキも用意されている。
「もしかして、秘密基地って、ダンボールハウス?」
「そうよ。将来のあなたのおうち」
「やめてぇ」
「勉強しないで大学なんていってもろくな未来にならないわよ」
「勉強したいのに邪魔してるのって、お前だよねぇ!?」
「そうやって、もういい大人なのに人のせいにするのはよくないわね」
「・・・」
「成人年齢も引き下げられて、倫也はあと数ヶ月で大人でしょ」
「まぁそうだが」
俺の誕生日は、えっと・・・12月18日だ。従姉妹の美智留と同じ誕生日である。
「それでね。これが設計図よ」
「ほう・・・って、けっこう細かいな。つか、これは・・・デフォルトなのか?」
「正解。あたしが設計したものでなくて、最初から組み立てるだけの、簡易ハウスなのよ」
「どこに需要があるんだ?」
「例えば自分の部屋をもてない兄弟なんかは、部屋の中に部屋を作りたいわけね」
「なるほど・・・」
「倫也やあたしみたいに一人っ子で、自分の部屋が持てる人は少ないのよ」
納得いった。そういうわけで、ダンボールハウスを組み立て始める。型抜きみたいになっていて、まずは各パーツをそろえていく、ダンボールと一言にいっても、けっこう硬い。最近ではテーブルやベッドにも使われるらしい。
英梨々は設計図を見ながら、水彩のペンキでダンボールを塗っていく。俺としてはこのダンボールそのままの色の方が雰囲気でていいと思うのだが、英梨々にはこだわりがあるのだろう。
1時間ほどで完成した。時刻は午後の3時を回った。
家のデザインはシンプルだった。英梨々の塗った色は原色に近くて北欧の建物を彷彿とさせた。とんがり屋根なので、そういうイメージなのだろう。
中の広さはちょっと広い押し入れといったところだ。高さはそんなにない。屋根の一番高いところで、1,5mぐらい。大人だと座って入るのがやっとだ。
「あとは、これを敷き詰めてくれるかしら」
「パネル絨毯か」俺は受け取って並べていった。
「考えてみると、外側を塗るよりも、中を塗った方がよかったわね」
「そうかもしれないが、俺はこのダンボールの風合いが好きだよ」
「なら別にいいわね。じゃあ、完成ということで、乾杯しましょうか」
「ジュースないぞ」
「持ってくるから、待ってなさいよ」
英梨々が家から出て、そして部屋から出ていった。
テントに感覚が近いかもしれない。あちこちに窓があり、光が入ってくる。それでも屋内だと薄暗い。スタンドランプを引っ張ってきて灯すと、ちょうどよい明るさになった。狭いところなので妙に落ちつく。
秘密基地か・・・普通は公園の円筒状の遊具の中とか、家と家の狭い路地とか、あるいはどこか人のこない地下室とか・・・
こんな風に部屋の中に作るものではないだろう。
部屋の扉が開いて、英梨々が戻ってきた。ガチャリと部屋の鍵をかける音がした。
秘密基地の入り口をくぐって中へ入ってくる。手にはラムネの瓶を2本持っていた。
「サンキュ」
「やっぱり、秘密基地といったらラムネでしょ」
「そうか?」
「じゃあ、あんたの中の秘密基地ってどんなのよ?」
「そうだなぁ・・・缶にみんなの大事なもの・・・メンコとかベーゴマとかカードなんかが入っているイメージだな」
「発想が昭和よねぇ」
「今も昔も変わらねぇよ。子供でも手に入り、大人にとってガラクタなのが宝物だろ」
「うん。まぁそうね」
英梨々がタオルで抑えながらラムネのビー玉を落とした。俺もラムネを開けて一口飲む。この爽やかな甘さは夏に飲むとうまい。
「やっぱり何か違うわよね?」
「何が?」
「ラムネよ。もっと美味しく飲めると思ったのに」
「外じゃないからだろ」
「そうよねぇ・・・今から庭に運ぶ?」
「いや、もういいだろ。それに俺たちは大きくなり過ぎたんだよ」
「大人になった?」
「まぁ、なりかけているんだな」
ラムネを飲む。英梨々は隣に座って、瓶を揺らしながらビー玉を鳴らしていた。カランコロンと音が鳴る。
秘密基地の中は、大きくなった俺たちにはもう狭い。
「それにね、ドキドキ感も足らないのよ」
「バレようがない秘密基地だからだろうな」
「あたしはもっとこう、わくわくすると思ったのに」
「そりゃー残念だったな」
工作なんてせずに公園の土管の遊具の中でも良かったと思う。その方がもっとノスタルジックな気分になったかもしれない。こんな風に大人になったことを感じたくはなかった。心はずっとガキのままなのに、いつのまにか高校生になって受験を迫られている。誰もが自分のペースで歩めない。右を見て、左を見て、自分がどの位置にいるのかを気にしながら生きているのだろう。俺も。英梨々だってそうだろう。
「ごちそうさん」
「お粗末さま」
ラムネの瓶を端の方に置いた。英梨々も飲み終わって瓶を置いた。ビー玉が瓶の中で揺れていた。
「いいわよ」
「ん?」
「・・・始まっちゃったから。最後までできないけど」
英梨々は隣で体育座りをしながら、物思いに更けているようにダンボールの壁を見ていた。どんなに取り繕っても、俺も英梨々も2人きりになれば、頭のことはエッチなことでいっぱいだ。この秘密基地には他になにもない。アニメも、マンガも、ラノベもなかった。
始まったというのは・・・アレだな。しょうがない。英梨々はこの狭い空間でするつもりだったのだろうか?英梨々の天蓋付きの大きなベッドなく、この狭い場所で。
しかしまぁ、いざ、許可をもらってもどうしていいかわからない。
「英梨々。こっち向いて」
大きなサファイヤブルーの瞳が俺をのぞき込むようにじっと見つめた。よし、まずはキスをしよう、どこまでできるかわからないけど、できるとこまでしよう。せっかく用意してくれた2人だけの空間だ。
「目、閉じてくれよ」
「いやよ。倫也がどんなエッチな顔でキスするのか見てるわ」
どうやってキスしていたっけ?
最近はよくキスするようになって慣れたと思っていたのに・・・
こうして英梨々に見つめられると・・・手が震えた。英梨々の肩に手を当て、俺が目を閉じる。それから英梨々の形のよい唇にキスをした。唇を重ねたまま呼吸を止める。
英梨々から舌をいれてきた。ラムネの匂いがする。目を開けると英梨々はもう目を閉じていた。わざと絡みつく唾液の音をだし、耳を赤くして聴いているようにみえる。
こうやって少しずつエスカレートしていく。ジーパンは英梨々に似合っていても、セクシーにはみえなかったし、今日の英梨々の拒絶の意思表示にも思えた。デニム生地の上に手を這わせても英梨々を感じることはできない。
唇を離すと、英梨々は蕩けるような瞳で俺を見つめている。コクンとうなずく。意味がよくわからないが、ここからの発展となると、どうなのだろう?まず、邪魔なのは・・・
「サスペンダー、外していい?」
「す・・・好きにしなさいよ。そういうことでいちいち許可を得ないでよ」
「じゃあ」
もぞもぞと、両手でサスペンダー外した。英梨々は俺から離れて横になった。両手を胸の前で握っている。顔は横を向いていて紅潮していた。英梨々の足にぶつかってラムネの瓶が倒れた。ビー玉のガラスにぶつかる甲高い音が静かな秘密基地の中に響いた。
自分の息が荒くなるのがわかる。エアコンがもう少し強い方がいい気がした。汗をかいているのがわかった。
じっと横になっている英梨々を見ていると、ゆったりとした白いシャツからみえる胸の膨らみは小さかった。そのシャツの小さなボタンに手をかけて、襟の近くのボタンを外した。英梨々は手を胸の前で祈るような形でギュと握ったままだ。
その手に手を添えて、指を絡めながらほぐすようにはずすと、英梨々は諦めたように腕を上にあげ、赤ちゃんみたいな万歳をする格好をした。その時にもう一つのラムネ瓶が倒れて、またビー玉がカラコロと鳴った
狭いので、俺は英梨々にまたがるように乗り、両手で英梨々のボタンをはずし始めた。何か邪魔が入るのではないかと思っていた。電話がなったり、メイドさんが部屋をノックしたり、あるいは地震が起きたり・・・
でも何も起こらなかった。
一番下のボタンまで全部を外した。英梨々はジーパンの中にシャツをいれていたので、俺はそれを引っ張って外に出した。ジーパンのボタンまで外す勇気はなかったし、まかりなりにも英梨々が「始まった」と言っている以上は、このガードの固い下半身には触れるべきではないのだろう。
・・・シャツがはだけ、英梨々の胸元が見える。ブラジャーは淡いピンク色の柔らかそうな生地で、縁にはレースがあしらわれている。胸の全部を隠さずに下から支えるようにカップがあって、谷間と言えないけど胸の上は露わになっている。英梨々は細いので、あばらが少し浮き出ていた。俺はそれを指でなぞるように触った。英梨々は何もいわず、横を向いたまま息を殺している。そして、少し震えていた。
明るくてバカをいっている英梨々はそこにはいなくて、緊張して固まった少女がいた。その仕草が愛らしい。
興奮している。自分を抑えなければダメなのはわかる。英梨々はまだOKのようだ。とりあえず熱くなった下半身の膨らみが邪魔なので、俺はポジションを直した。いっそ、ズボンを脱いでしまった方が楽かもしれないけど、英梨々の部屋でそれはまずいだろう。誰かが入ってきた時に言い訳ができない。
あっ、鍵はかかっているのか・・・
英梨々だってそのことを知っているのだ。今はいけない遊びをしている。その自覚があって、2人はドキドキとした気分を共有していた。
「英梨々・・・」
「なにかしら?」という声が弱々しい。英梨々は流し目で俺を見ている。まつ毛が長い。
「まだいいのかよ」と質問すると、「もういいのかしら?」と質問に質問を返してきた。
中には時計もないし、スマホもないので時間がどれくらいたったのかわからない。
英梨々の首筋にキスをして、それから舌でいやらしく舐めた。そのまま耳たぶを甘噛みする。
「あんっ」と英梨々の吐息が漏れた。
「いやらしい声だな」と耳元で囁いた。羞恥プレイは英梨々のマンガの十八番だ。嫌いなわけがない。
シャツを横に広げてブラジャーに右手を重ねた。横になっているせいか、そこまで大きなふくらみは感じられなかったが、それでも柔らかい。できるだけ優しく揉むと、
「あんっ」と、英梨々がまた甘えた声を出した。
それはもう、わざとなのか、そういう声が出てしまうものなのか俺にはわからなかったけれど、俺は興奮しているし、もうどっちでも良かった。カワイイ声を聴かせてくれればそれでいい。
胸を触りながら、人差し指でそっとブラの上の部分から侵入した。英梨々の小さな突起を指の先が確認をする。それから、指でめくりあげると、英梨々の可愛い小さな乳首が露わになった。
「英梨々、やばい・・・」
「どうしたのよ?」
「暴発しそう」
「・・・もう、バカ!」
「いや、けっこう切実で、ちょっとズボン脱いでいいか」
「やめときなさいよ・・・」
「だよな・・・」
「もう、とにかく我慢できなくなったら言いなさいよ。楽にしてあげるから」
2人の呼吸が荒い。俺たちはイケナイ遊びをそのまま続けた。もう2人で止めることができなかった。5時のチャイムが鳴らなければいいのにと思いながら、秘密基地の中で、2人だけの秘密のことをして過ごした。
時々、身体に当たって倒れているラムネ瓶が転がり、ビー玉が心地いい音をたてた。それを聴いた英梨々が「クスッ」と上半身裸のまま子供のように八重歯を見せて笑っていた。
(了)
おかしい。ラムネを飲む爽やかな話になるはずだったのに。
おいしく飲めるように、そうだ秘密基地でも作らせようと思ったら、この流れですよ・・・