俺は、美味そうに飯を食うウマ娘達を見続けたい!   作:レイ1020

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今回もオグリが登場しますが、今回は彼女のルームメイトを連れて行きます。


葦毛コンビ

視点 オグリキャップ

 

 

 

「ふん、ふん、ふふーん♪」

 

 

 

休日の学園内。寮の部屋中で、私は身支度を整えつつ、上機嫌に鼻歌を歌っていた。

 

 

 

「何や?・・・・・・妙に気持ち悪いで、オグリ?なんかええ事でもあったんか?」

 

 

 

そんな私に気味悪そうに声をかけてきたのは、ルームメイトであるタマ(タマモクロス)だった。そうか、つい嬉しくてそんなふうに映ってしまっていたのか・・・・・・。

 

 

 

「ああ。今日はタイヨーの店で昼ごはんを食べる予定があってな。それが楽しみで仕方がないんだ」

 

 

 

「昼飯?そないなもん、カフェテリアで済ませればええ話やろ?わざわざ外で飯食い行くやなんて・・・・・・その店に何やら思い入れでもあるんか?」

 

 

 

「特別な思い入れはない。ただ、タイヨーの作る料理は本当に美味しくて、食べると何処か力が漲るような・・・・・・体の底から力が溢れてくるような・・・・・・そんな錯覚に陥るんだ。・・・・・・その感覚がいまだに忘れられなくて、いつの間にか通うようにまでなってしまったんだ」

 

 

 

そう。今日は、タイヨーの店に食事をしに行く日だったのだ。それもあって、私のテンションは先ほどから上がりっぱなしだった。学園のこともあるので、休日にしか行く事はできないが、初めてあの店に行って以来、私は毎週のようにあの店に出向き、タイヨーの手料理を堪能していたのだ。

 

 

 

「力が漲るって・・・・・・そんなんオグリの気のせいちゃうか?」

 

 

 

「いや、実際あの料理を食べてからすこぶる調子が良くてな?最近のレースも全戦全勝してるくらいだ。タマにだって勝っただろう?」

 

 

 

「・・・・・・?あぁ、そう言えばそうやったな・・・・・・」

 

 

 

勿論、料理を食べたからって勝てるほどレースは甘くはない事は知っている。実際、私は何度もこのタマや他のウマ娘達に苦汁を飲まされたことがある。だが、レースに勝ててる事は事実であり、最近どうにも・・・・・・気のせいかも知れないが、スタミナが以前よりも切れにくくなっている気がしたり、疲労の取れ具合がよくなっている気がしたりしているので、一概に料理による影響はないとは言い難かった。

 

 

 

「美味いのもあるが、あそこの料理は量が多い上に値段も安いからな。私にとっては願ってもない店なんだ。・・・・・・!そうだ、良ければタマも来ないか?タマも来ればきっと気にいると思うぞ?」

 

 

 

「はぁ?まぁ、暇してたからええけど、でも・・・・・・量が多いんやろ?ウチ、そんな食えへんで?」

 

 

 

「タイヨーに言えば量を減らしてくれるさ。安心してくれ。食べ切れなかったら私が食べる」

 

 

 

「・・・・・・そうか?なら分かったわ。オグリがそんだけ言うその店・・・・・・ウチが確かめたろうやないか」

 

 

 

そんなこんなで、私とタマでタイヨーの店に行くことになった。タマもきっと驚くことになるだろう・・・・・・タイヨーの作るあの不思議で美味い料理に。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

––––––––––––––––––––––––––––––––––

 

 

 

視点 太陽

 

 

 

 

 

「タイヨー、来たぞ」

 

 

 

「オグリか。いらっしゃい!・・・・・・っと、今日は友達と一緒かい?」

 

 

 

開店時間の11時。その時間になると同時に店に来たのは、最近俺の店の常連になったオグリ・・・・・・と、その友達だった。今まで1人で来ていたオグリなだけに、友達を連れてくることに意外性を感じた俺は、少し目を丸くしていた。

 

 

 

「ああ。構わないだろうか?」

 

 

 

「構うも何も、お客として来てくれてんなら大歓迎だ。さっさと座りな」

 

 

 

店先で立たせるのも悪いと思った俺は、早急に2人を席に座らせ、水の入ったコップを2人の前に置いた。

 

 

 

「さて、ご注文は?」

 

 

 

「私は、親子丼の特盛で」

 

 

 

「あいよ。嬢ちゃんは?」

 

 

 

「ウチは・・・・・・そうやな〜」

 

 

 

オグリの友達の嬢ちゃんは、メニューの豊富さ故か、何を食うか迷ってる様子だった。確かに、小さい店の割には結構な品数を誇ってるからな、俺の店は。

 

 

 

「なぁ、兄ちゃん?きしめんってメニューにあるか?」

 

 

 

「きしめん?あるぞ?それにするか?」

 

 

 

「ホンマかいな!じゃあそれで頼むわ!ウチ最近きしめん食うとらんくて、いい加減食べたいと思ってたところやねん!」

 

 

 

きしめんがあると知ると、途端に嬉しそうに笑う嬢ちゃん。きしめんは名古屋で有名なうどん料理だ。俺も何度か口にしたことがあったが、非常に美味かった事はいまだに思い出せる。・・・・・・そんなきしめんが食いたいとは・・・・・・よし!いっちょ腕を振るうか!

 

 

 

「(2人とも見る限り、身体全体にかなり疲れが溜まっているように見える。オグリの足取りもどこか重そうだったしな。大方、トレーニングとレースのしすぎで過剰に疲労が溜まっちまってるんだろう。それにこの暑さで汗をかいて身体の水分や塩分が不足してるかもしれん。・・・・・・なら、それを解消させる料理を作ってやらねーとな)」

 

 

 

どんな客に対しても、お客が最高に満足してくれるような料理を出す。それが俺のモットーである。だからこそ、俺は頭の中で2人の身体の状況等を頭の中で分析し、具材や調味料にも気を使いつつ料理を作っていった。

 

 

 

 

 

そして、数十分後・・・・・・

 

 

 

「へい、お待ち!」

 

 

 

親子丼ときしめんを作り終えた俺は、2人の前にどんっ!と料理の入った器を置いた。オグリの特盛の親子丼を作るのは少々骨が折れたが、こいつの場合はこれだけの量でないと満足しないだろうから、それはやむを得なかった。

 

 

 

「「いただきます!」」

 

 

 

2人同時に手を合わせながらそう言葉に出すと、猛烈な勢いで食べ進め始めた。

 

 

 

「美味いっ!鶏肉が柔らかくて・・・・・・味もしっかりと染み込んでいる。卵のこのトロトロ感も、やみつきになる・・・・・・」

 

 

 

「こんなきしめん食うた事ないで?ちょっと変わった味してるけど、クセになる味でウチは好きや」

 

 

 

親子丼もきしめんも2人にとっては大好評だったらしく、俺の口角は吊り上がっていた。

 

 

 

「その2つの料理には、疲労回復の効能があるクエン酸が含まれている。それと、塩分不足をお補うために、従来よりも少しだけ塩分を多くしておいた。この暑さで汗かいて水分も塩分も蒸発しちまってるだろうからな」

 

 

 

「・・・・・・?何でウチらが疲れてるの知ってんの?」

 

 

 

「何となくだ。お前達の身体や顔つきを見て何となく『疲れてんのか?』って思ったから、疲労回復に適した料理を作ったんだよ。それに、目に隈が出来てんぞ、2人とも?トレーニングか勉強かで夜中まで起きてたんかも知れねーが、睡眠は疲労回復にとって何より重要だ。今後はもうちっと寝とけ」

 

 

 

「確かに、何処となく疲れが取れていくような気もしないでも無いけどな・・・・・・。それにしても、なんかトレーナーみたいな事言うな?兄ちゃん、トレーナーでもやってたん?」

 

 

 

「ねぇよ。そんなもん・・・・・・」

 

 

 

そんな突拍子も無いことを言い出した嬢ちゃんには、流石に少し呆れた。これはあくまでも俺が個人的に思ったことを言ったまでだ。いくら、疲労回復の効能を持つ料理とは言え、睡眠ほどに疲労が取れるとは思っていない。なんだかんだ言って、身体を休めるのが一番の回復につながるからな。

 

 

 

「ふぅ・・・・・・。タイヨー、すまないが・・・・・・並のサイズでもう一杯作ってくれないか?」

 

 

 

「「もう食ったんか、お前はっ!?しかも、まだ食う気かっ!」」

 

 

 

俺と嬢ちゃんが話している間に、どうやらオグリは親子丼を完食してしまったようで、尚且つあれだけ食っておかわりを要求し出したことに、俺と嬢ちゃんは思いっきり仰天していた。・・・・・・嘘だろ?あんだけの量を何でこんな短時間で完食できるんだよ・・・・・・。

 

 

 

「・・・・・・?私にしてみれば、普通に食べたつもりだが?」

 

 

 

「なんたる早食い・・・・・・。・・・・・・ったく、そんだけ食って太らねー方が不思議なくらいだ。・・・・・・まぁ、食いたいんなら作ってやるが」

 

 

 

米と具材の在庫はまだあったので、オグリの注文どおり、普通サイズでの親子丼を作ってやると、オグリは再び親子丼をかき込み始めた。

 

 

 

「嬢ちゃんも、早く食っちまいな。麺が伸びちまうぞ?」

 

 

 

「そやったな。早いとこ食うとくか」

 

 

 

嬢ちゃんも止めていた箸を再び動かし始め、ものの数分で汁ごと完食した。それと同時にオグリも親子丼を完食し、流石に満足になったのか腹をさすりながら息をついていた。

 

 

 

「満足したか?」

 

 

 

「ああ。お腹一杯だ」

 

 

 

「ウチも満足や。久々にこんな美味いきしめん食ったわ」

 

 

 

「へっ、そうか。じゃ、いい食べっぷりで食ってくれた2人にはサービスしちまうか。・・・・・・ほれ!これ飲んでいけ」

 

 

 

そう言いながら2人に差し出したのは、淡い黄色の液体が入ったコップだ。2人は、これの正体がよくわからずに首を傾げている様子だった。

 

 

 

「俺特製のレモンスムージーだ。暑い夏にはぴったりの品だし、手軽に作れるから結構出してるんだぜ?材料にはハチミツも使ってるから、栄養もそれなりに取れるんだ」

 

 

 

「いい匂いだ・・・・・・」

 

 

 

「スムージーかぁ・・・・・・兄ちゃん、見かけによらずこんなんも作ったりできるんやな?」

 

 

 

「どう言う意味だこらっ!?何作ったって別に良いだろうがっ!」

 

 

 

こんな強面のアラサーがスムージーなんて作ってわるーございましたー・・・・・・。とりあえず、今日は店を早めに閉めてこの抉られた傷を癒すために、ふて寝してやる・・・・・・と心に決めた俺だった。

 

 

 




オグリに出した親子丼には、レモン果汁が含まれた出汁に鶏肉や玉ねぎを染み込ませているので、少しレモン風味の味となっています。従来の親子丼にはレモン果汁は入っていないので普通のただの美味しい親子丼になります。

タマに出したきしめんには、めんつゆに少量のお酢を加える事で味にクセを出しています。さっぱりとした醤油ベースのつゆなので、食べやすくなっている。


ちなみに、今回オグリが食べた特盛の親子丼は、総重量10kgあります。


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