祖龍の眷族   作:シュメル人

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祖龍と眷属
祖龍と眷族


赤雷が走る

 

雷を剣で受け、逸らすように剣を背負う

相対するは白き龍 角は折れ 翼膜は破れ

無数の傷痕がそれまでの戦いを雄弁に語る。

 

ふところに転がり、悲鳴を上げる体に鞭をうち

雄叫びを上げながら、背負った剣を振り下ろす。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

目を覚ませば、自分は倒れ

目の前に立つ白き姿を見た。

 

自分は負けたのかと思う

ならばなぜ生きているのかとも

だが自身には四肢の感覚があり

五体は無事だと知りかすかな安堵を感じた

 

龍は倒れた自分を見て、なにか考える素振り

をしたあと、空へと飛び去った。

 

悔しかった、負けた事もそうだが

何より見逃されという事に、腹がたった。

 

 

あたりに散らばる鱗や甲殻

折れた角などを両手いっぱいに持ち

飛行船が来るであろう地点に身を運ぶ

くやしさに苛まれる体に、なぜだか痛みはなかった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

  

5日ほどの旅を終え、ギルドに入り

受付には失敗したと報告した

「でもすごいですよ、あの龍から生き延びるなんて」

と受付嬢に慰められる。

顔なじみのハンターからも

「まあまあ、生きてれば次があるさ」

と慰められ、なんだかいたたまれなくなって

逃げるようにギルドを飛び出した

 

 

 

失意のなか家に向かうと

ふと気づく

家の中に気配がする、自分は独り身で友人はいても

同居人はいない、今日はルームサービスが来る

予定もないし、姉は遠方で治療を受けている。

 

警戒しながら家にの扉を開けると

そこには、白いワンピースを着た赤い目の少女がいた。

 

 

少女もこちらに気づいたようで、

自分を見て目を見開いた

 

悪寒が走った、自分の意識が狩人へと切り替わる

目の前の少女はつい先日、自分と殺し合い、

自分を見逃した龍だと、本能が理解する。

 

なぜ少女の姿なのか、なぜここにいるのか、

そんな疑問はすぐに怒りに飲み込まれた

自分を見逃した事を後悔させてやる

そんな気持ちとともに背負う大剣に手をかけた。

 

「やめなさい」

 

少女が喋った

 

「今は争う気はないわ」

 

その言葉を聞き、少し冷静になり、言葉を発した

 

「ならなぜここにいる、負け犬を笑いに来たか」

 

と怒気を含めて、怒鳴るように言葉を出した

 

少女は笑いながら言った

 

「あなた、私のものになりなさい」

 

困惑した、少女は続けた

 

「言い方を変えるわ、私の眷族になりなさい」

 

「眷族とはどういうことだ?」

 

まだ怒気を含んだ言葉に少女はこう答えた

 

「手下というか従者というか、そういうものよ」

 

自身の下につけという少女に怒りが湧いたが

さらに少女は続けた

 

 

「負けた方が勝った方の下につく

自然ってそういうものじゃない?」

 

不服だが納得した、してしまった

だから俺は

 

「わかった、おまえの眷族とやらになろう」

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