プラモが光った。女の子になった。   作:ベースマテリアル

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暫くは原作と関わりない場所での進行となります。


【源内 紅】の日記 #2項目

――〇月▲日 天気曇(夜)

 

 俺スティの件から数日、ちょっと間が開いたが書く。

 理由は後述するが、事が事だったのでここ数日は色々と行動していた。

 

 まずは俺がスティレット…というかFA:Gになった件について。

 あの日以来、俺の全身がスティレットになることは一度も無かった……

 

 そう、あくまで【全身】は。あれから色々と検証した結果、少しだが法則や現象を把握することが出来た。

 

 FA:Gを持つと薄緑の光が発生する。これは変わらない。けれどその光に集中、兎に角その光を維持し続けるように全力で意識を向けているとあの時のように光の玉が保たれたまま、手にしているFAGのキットに収束され、一定のレベルになった瞬間に光が溢れ出し、キットが忽然と消失。そして同時に俺の身体に変化が起こるようだ。

 

 けれどもあの日と違い、この現象について調べるようになってから変化するのは身体のごく一部、右腕の肘から先だったり、足だけだったりとなんとも中途半端な感じ。頭と声だけ変化した時は鏡を見て思わず悲鳴を上げたくなるほどだった。美少女の顔に男の身体…うん、よそう、思い出したくもない。

 そしてもう1つ、検証を重ね続けていた今だから分かるが、この変化する時間が少しずつ伸びた。あの日の全身スティレット事件は十数秒だったのが、今は平均1分~2分くらいまで伸びた。変化している身体部位に意識を集中していれば5分近くまで変化を維持することもできた日もあった。

 

 つまり、あの日の出来事は夢でも幻でも無い現実。理由は不明、原理も不明だが俺はFA:Gに身体を変化させることができる。ただし、現状は特定部位のみで毎回ランダム箇所、最初の時のような全身変化はできていない。変化時間が少しずつ伸びている。

 長くなったので今日はここまで。他にもここ数日で色々とあったのだが、明日以降の日記に綴っていくことにする。

 

 

 

◎追記

 

 これを書いてから再び検証した結果、またしても部位変化のみだがFA:Gになった。今度は【イノセンティア(ノーマル)】の両脚だった。つまりは女の子の素足…悲鳴を上げて下階から父がすっ飛んできたがベッドに隠れて何とか逃れることに成功した。間一髪だった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

――〇月■日 天気曇(夕)

 

 昨日書けなかった続きを書く。というか今日も遭遇?したので。

 

 いつの日か登校の最中、周囲がざわついているような感覚があった日のことだ。あの時は単純にプラモが光った日の次の日ということもあって気が動転していた所為と思っていたのだが、どうにも事は違うようだ。

 

 またしても結論から。何か見えるようになった(霊感)

 

 学校への登校中にふと周囲に意識を向けながら辺りを見渡すと何かがいるのが見えた。因みに今日も見えた、白い仮面?らしいものを付けた怪物のようなナニカ。幸いにして目を合わせることは無かったが、その醜悪さにリアルSANチェックするところだった。

 

 最初は錯覚だと思った、というか思いたかった。

 だって怪物?幽霊?とか今まで信じたこと一度たりとも無かったし、オカルト好きで自称霊感があるという友達の1人が「幽霊と幽霊を追う怪物は実在するんですよ!」とか一時期自信あり気に語ってきた時もあったが、そん時の俺はそれを一蹴してたし、ムーでも読んどけと思ってた。

 だが今回は違う。意識を向ければ俺にもそれが見え、見えたと一度認識してしまったら最後、俺の周囲にそいつらが否が応でもいることを知覚せざるを得なくなった。

 

 何度でも言うが俺に霊感は無い、無かった筈だ。父も同じく、既に他界してしまった母が霊感持ちだったとか聞いたこともない。祖父や親戚にもそんな人は居ない…筈(朧気)だ。それなのに突然俺だけが霊感?を持つようになった。訳が分からないよ(QB並感)

 

 そして今日、その件で前述した自称霊感持ちの友人にそのことを相談した。最初は「またまた~!いきなり何言ってるの紅君~!」みたく茶化す感じに反応したが、白い仮面、怪物のような図体、意識を向ければ寒気というか悪寒に似た感覚がすることを伝えると急に真顔になって1枚のメモを渡された。

 友人曰く「その場所に行ってみると良いですよ~色々と教えてくれるおじさんがいるので~」とまた茶化すような笑顔と声で応えられた。唯一違っていたのは目が一切笑っていなかったことだ。

 

 メモには近所の住所、そして【総見道場】という名称が記されていた。

 とはいえ、渡されたからハイ行きますとも思えなかったので、放課後に別の友人達からそれとなく情報収集をしてみた。

 色々と聞いて回った結果、総見道場なる場所について、以下の事を知ることができた。

 

 ・平屋&大き目の剣道場が合わさった場所。

 ・昔は剣道教室を開いていたらしい。今は辞めているとのこと。

 ・住んでいるのは男の老人1人のみ?家主さんと思われる?

 

 他にも調べてみたが、これ以上のことは分からなかった。

 何故こんな場所を友人は紹介したのだろうかと逆に怪しくなった俺がそのことを直接聞いてみたのだが、その友人は「それは行ってみてからのお楽しみということで!」と煙に巻かれるかのように逃げられた。

 

 その上、そいつはとんでもないことまで俺に言い残してくれた。

 「そうそう!最近紅君に【変わったこと】があったらそれも持っていくと良いかもね!」

 と言われた。あの時は思わず固まってしまった。

 

 俺のFA:G化を知っているのか?

 これが何なのかお前は知っているのか?

 これって一体何なんだ!?

 

 そう聞こうとした時には既にそいつはその場から居なくなっていた。

 とても癪に障るが、今は従う方が良いのかもしれない。

 

 そんなこんなで数日が経った。殆どがFA:G化現象の観察と総見道場の情報収集に費やされた日々であった。

 そして明日の放課後、総見道場とやらに行ってみようと思う。アポを取ろうとも思ったが友人から渡されたメモには場所と名称だけ、どうやらアポ無しで行くことになるのだろう。

 一応、失礼のないように適当な菓子折りは用意済み。そして友人が言った通り【変わったこと】の原因であるFA:Gを1体、持っていこうと思う。

 

 さて、果たしてどんな人が出てくるのやら。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

――〇月◆日 天気晴(夜)

 

 ふざけんなあのクソジジイ!

 

 昨日綴った通り、総見道場なる場所へ行ってきた。

 話には聞いていたが実際に行ってみると如何にもザ・道場!と言わんばかりの立派な建屋が塀に囲まれるように建っていた。そこそこ歴史のある道場なのかなとは感じた。

 

 恐る恐るインターホンを鳴らすと「何用だ?」と短い声。如何にも年老いた老人のものと言わんばかりに掠れた声が俺を迎えてくれた。

 

 俺は自分の名前、紹介してくれた友人の名前、そして知りたいことがあると尋ねると、老人の声は俺を敷地の中へ入るよう案内し、そのまま住居側の客間に来るようにと告げた。

 

 通された場所で待っていたのは和服(浴衣で合ってたっけ?)姿のご老人。年は60後半から70前半と思しき厳つい顔をした人物だった。

 

 「春華の紹介と聞いた。さて、何を聞きたいのかなお前さんは?」

 

 そう言いながら俺とは反対側の客間のソファに腰かけた老人、【総見 誠彦(そうけん まさひこ)】と名乗った男はそう尋ねてきた。取り合えず俺も自己紹介をし、持ってきた菓子折り、そして持参したFA:Gの【アーキテクト】を客間のテーブルに置いて話を始めた。なお、突然美少女プラモを取り出したことにジジイは最初凄い勢いで訝しんでいた。

 

 聞きたいことは山ほどあったが、最初は最近になって見えるようになった白い仮面の化け物について聞いた。今まで見えなかったのに何故見えるようになったのか、あいつ等の正体、一体何者なのか。

 

 

 

 答えはあっさりと告げられた。

 【虚(ホロウ)】

 現世を荒らす悪霊。理由は様々だがその正体は堕ちた人間の魂が行き着いた成れの果て。生前に執着していた人物を襲う、もしくは現世に漂う【整(プラス)】と呼ばれる霊魂を襲う化け物とのこと…

 

 

 

 綴っている今もそうだが意味が分からん。最初聞いた時は思わず「何言ってんだ?」と失礼ながら呟いてしまった。ジジイは「まあいきなり言われても信じられんのは分かる」とか言っていたが、正体以前に説明そのものにもツッコミが多過ぎる。

 

 ・現世ってどゆこと?現世じゃない場所もあるの?天国?霊界?

 ・プラスって何?さらっと霊魂とか言ったけど幽霊のこと?

 ・人襲うってマジ?というか生きた人間もってヤバくない?馬鹿じゃないの?

 

 怪物について聞いただけでこれなのに、困惑していた俺にあろうことかジジイは更に追撃と言わんばかりに爆弾発言をぶつけてきやがった。

 

 「遠くない未来、お前さんも狙われるぞ」

 

 ……冗談だと思いたかった。実際、「冗談も戯言もいい加減にして下さい」とその場で言いたかったのだが、それを俺が言う前にジジイは手で俺を制すように止め、言葉を続けた。

 

 「今日の夜、11時頃で良い。うちの門前に来い…見せてやる」

 

 そう言ってソファから立ち上がり、俺に帰るように促した。食って掛かろうとも思ったが、その時のジジイの目は何というかこう…凄みというか、厳つい顔も相まって反論を許さない目をしていたので俺は渋々ながら帰ることになった。

 

 そして帰る直前、ジジイはこうも言ってきた。

 

 「その人形も持ってこい。それについても教えてやる」

 

 60過ぎたジジイにFA:G、というかプラモの趣味があるとは思えない(あってもミリタリーが関の山)ので、恐らくは俺のFA:G化現象についてのことなのだろう。というか一言も俺は話していないのに何故それを知っていたのだろうか。

 色々と謎、というか置いてけぼりになってしまったが、一先ずは知りたいことは教えてくれるらしい…今日の夜に、だが。

 

 という訳で、この後再び総見道場に行ってくる。普通なら高校生の深夜外出なんて親が認めないだろうが、俺は幸いにして片父、しかも父の職業は深夜の警備員。今日は仕事の日なので家を抜け出すのは容易だ。

 これを綴っているのが現在夜10時。これから軽く身支度をして出発する。ジジイはFA:Gを持ってこいと言っていたので一応持っていく。放課後に訪ねた時は【アーキテクト】を持って行ったが、俺のこの現象は種類問わずのものなので【スティレット(ノーマル版)】を持っていく。初めて全身変化が起こったキット(正確には初めてはアニメ版・非装甲状態だが)なのでこっちの方がジジイも分かり易いだろう。

 

 ということなのでこれから行ってくる。かれこれ今日は綴るのも長くなってしまった。明日以降はこの間のように短く適宜綴っていく形に戻したいと思う。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

◎追記

 

 いきててよかった、きょうはもうねる、いったいなにがおこったんだ。

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