プラモが光った。女の子になった。 作:ベースマテリアル
早々に評価バーに色がついて「なん…だと…」状態に陥っております。
――◇月α日 天気晴(夜)
九門からとんでもないことを言われた。
【紅君は本来の媒体ではないもので完現術を無理矢理発動している】
これは想定外、というより俺の完現術としての能力を前提から覆すようなものだ。
まず第一に、俺は自身の完現術の発動条件を知っている。これは自身の自覚というのもあるが、後に九門の完現術も合わせて調べてもらったことだから間違いようが無い筈だ。
俺の完現術、仮称【フレームアームズ・ガール展開(セッション)】(呼び名はアニメFA:Gの劇中用語をそのまま採用させてもらった)の能力は至ってシンプル、手にした(若しくは触れている)FA:Gをその身に纏い、その力を自身の身体を使って現実化させるという能力だ。
とはいえ、完全にFA:G化、FA:Gが人間大の等身になるだけという訳ではなく、髪や関節は人間のそれと同じであったり、装備できる武器もそのキット付属のものでないと実体化させられない。また、M.S.G等のオプション武装は後からキットに持たせても反映されないというのが、現状分かっている。
要約
・髪、関節は人間と同じ。機械になってる四肢は義肢?っぽい感覚
・【FA:G 轟雷】で実体化出来る武器は【専用カラーのフリースタイル・バス―カとナイフ】
・【FA:G スティレット】だと【大型ガトリングガンと2連装ミサイルと日本刀】
・【FA:G マテリア(ノーマル)】だと何も出せない(アニメ使用の武器も駄目)
・その他、他のFA:Gで他のFA:Gの武器は実体化出来ない
この2週間の特訓という名のイジメで得られた俺の能力の詳細についての成果はこれだけ。
一方で能力を使いこなすという面では酷い有様が続いている。
体力作りと称して走らされるようになった←わかる
暇さえあれば周囲の物体を完現術する訓練もするように←まあわかる
高速移動と空中直立は基礎だから早めに覚えてね←お前は何を(ry
完現術も動けて戦えるようになっただけマシだけど1分は短すぎる←いきなり高ハードル
完現術が不十分覚醒なのは媒体が別なもので無理矢理やってる可能性←は?(New!)
重ねて言うが、俺の能力とその発動条件は既に把握している。それなのに俺の完現術が無理矢理発現させているのかも?と能力解析に立ち会った本人から言われたのだからたまったものではないわ。思わず迅雷を道場の木目板に落としちゃったし。
そして唐突に言われる【専用機】を作れと言う指示……わけがわからないよ(QB並感)
あれか?「完現術で使用することを前提のFA:Gで完現術を発動してなかったから今まで不完全でした~」とか、そんなオチだとでも思っているのだろうか?そんな簡単なことだとは到底思えない上、その場合だと今手元にある全てのFA:Gを完現術で使用する前提でもう1組ずつ作らないといけないとかいう無茶振りが待っているのだが…勘弁してほしい。主に俺の懐事情的な意味で。
とはいえ、専用機、専用機か…うん、完現術を使用するという前提でのガールというもの自体はそう悪くない提案だとは思う。
完現術者は各々の固有能力だけでなく、前述した完現術を使用した高速移動や身体能力補助など、ただ己の能力だけで戦うという訳にはいかない。寧ろ固有能力は切り札というか見せ札として、最後はどれだけ完現術の基礎能力が高いかで戦闘力が変わってくる筈だ。
実際、総見の爺さんの戦闘能力は完現術の固有能力に依存していないし、九門も攻撃事態は固有の完現術だが、その戦闘スタイルは完現術者の基礎スペックの高さが見て取れる。あっちこっちに高速移動を繰り返して分身でもしたかのような軌道をしながら複数体の虚を倒していた時を始めてみた時は目玉が文字通り飛び出るくらいに驚いた。(一応あの時は俺も1体は倒せた)
よし、専用機の制作。というよりかは【完現術する前提でのFA:G】の制作、やってみようと思う。幸い、前々からそろそろオリジナルのガール、所謂【俺ームアームズ・ガール】を作ってみたいなとは思ってたところだった。予定を少し変更しなければならないが、完現術の媒体としてのオリジナルFA:G、いっちょやってみますか!
――◇月β日 天気曇(夜)
ベースの子の選定は終わった、というより前々から決めてはいた。
既にキット本体も入手しており、後は具体的な改造個所と方法を考えていくところまで、オリジナルのFA:Gの制作は進めてはいたのだが。
ベースとするのは【フレームアームズ・ガール バーゼラルド】
このキットをベースにするのには理由がある。
何しろ、俺が作りたいのは完全なオリジナルのフレームアームズ・ガールではなく、【現時点でガール化されていないフレームアームズ】を俺なりにガール化させようと思っている。そしてバーゼラルド…正確には【フレームアームズのバーゼラルド】が、俺の作りたいガールに大いに関りがあるのだ。
【フレームアームズ SX-25 カトラス】
フレームアームズ側の設定で存在する【SX計画】と呼ばれる地球防衛機構の次期主力機体の策定計画、量産モデルの試作機として【YSX-24 バーゼラルド】が制作され、紆余曲折の末に最終目標である量産化を成し得る機体として完成された機体。
バーゼラルドのヒロイックの掛かった意匠を色濃く受け継ぎ、それでいて量産機としての質素というかシンプルな外観と精錬された装備の類に、当時このキットを目にした俺は一目ぼれのようにこのカトラスという機体に惚れ込んだ。そして設定を深く読み込み、その果てにカトラスという機体がどうなったのかを知ったときは、割とガチなショックで丸一日ガチで寝込んだ(おのれジィダオ、君も嫌いではないけど)
そして、カトラスは未だFA:Gとしての商品化はされていない。個人で改造パーツを制作している者もいなくはないが、正式な商品としてのカトラスのガールはまだ存在しない。
ならば作ろう。俺の、俺だけの【フレームアームズ・ガール カトラス】を。
正直完現術用だとかそれ専用だとかそういった考えはぶっちゃけ今現在の俺の頭の中には無い。ただ作りたいから作る、そしてそれが丁度完現術用のガール制作とタイミングが被った。九門はああ言っていたが、作るからにはやれ完現術だの虚だのは一切考えない。俺の作りたいように作らせてもらう。
というわけで実を言うと既に策定済みのラフスケッチを今日は見直しと修正と行った。ガールのバーゼラルドを素体にするのは大前提として、そこからカトラスへ落とし込んでいくための武装の削減や逆に新武装の制作、加えて俺独自のカトラスの装備なんかも考え、それに似あうだけの可愛いガールを作らなければならない。この後も切りが良くなるまで改造案を練り直す予定だ。
ここ最近はずっと完現術の訓練ばかりだったから、楽しみで仕方ない。まるで初めてFAとFA:Gを作ったときの頃のようだ。
――◇月γ日 天気晴(夜)
改造案の策定が完了した。始めると楽しくなって止め時が分からなくなるのが困ってしまうが、楽しいものは楽しいのだから仕方が無い。
ともあれ、主な具体的箇所の改造案は以下のようにすることに決めた。
・素体本体は大きな改造無し。各所の意匠をバーゼラルドからカトラス寄りに形状変更
・頭部のうさ耳を左側のブレードアンテナ型に形状変更
・目元にクリアイエローのバイザーを装着(取り外し可、素顔の瞳色は橙色に)
・背中からのスラスター兼サブアームのサブアームを切除、単純なスラスターユニット化
・脚部と腰回りの装備は基本そのまま、一部カトラスに似せるように形状変更
・両腕にディフェンスローターを装着できるよう改造(左右対称化の3㎜ジョイント穴確保)
・足先用のベリルダガー、腕部用のディフェンスローター(兼手持ちベリルダガー)新規制作
・ショートライフル【IR-P13】はバーゼラルドのライフルを流用して制作(折角なので2丁制作)
・M.S.Gが使える可能性を考え、似合うと思う装備をいくつか制作(アサルトライフル、LEDソード等)
こんなところだ。ラフスケッチの時点で自慢だが中々の出来栄え。これを実際に立体化していくともなれば、それそれは楽しいこと間違いなしだろう。しかも完現術で俺がこの子になれると思うと素晴らしいことこの上無い!
この勢いのまま作業に入ろうかとも思ったが、こういう時は一晩挟んでもう一度確認し、問題が無いことを確認した上で作業に取り掛かろうと思う。
さてさて!明日から楽しみだ!
――◇月Δ日 天気曇(夕)
今日の訓練で九門から「紅君?具合、大丈夫ですか?」と唐突に言われた。思わず「お前は何を言っているんだ」と返した。けどどうにも真面目だったらしく、訝しむような目で九門は首を傾げていた。因みに総見の爺さんも同じく首を傾げていた。
いや、寧ろ俺としてはここ最近の完現術の訓練があまりに順調で、具合悪いどころか逆に絶好調なんですけど?完現術の発動時間もこの間よりも着実に伸び、戦闘技術も変わった我流というか、アニメ版フレームアームズ・ガールやその他多くのロボ系作品の戦い方を参考に独自にアレンジを施した戦闘スタイル、それを各FA:Gの特性ごとに最適化させるようにして、微々たるものだとは思うがそれでも確実に強くなっているという自負を感じているんですけどねぇ…2人からすればまだまだ足りないということなのだろうか?
因みに戦闘スタイル確立の為の作品鑑賞は、先日から開始した【フレームアームズ・ガール カトラス】の作業の合間やながら見で視聴している。アニメのバーゼラルドを見ながら手元のバーゼラルドを弄っていくのは我ながら酷い光景だなと苦笑もしたが、アニメの天真爛漫なバーゼをみていたらそんな感情も浄化されていく。アニメバーゼ良いよね、良い……
それはそうと、カトラスの進捗も悪くない。各所改造や新造パーツの制作もも着々と進み、気が付けば大体の改造作業は終了し、残すは微調整の後、塗装とデカールによるディティールアップを残すのみ。予定では後1週間程度で完成する手筈だ。我ながらフレームアームズ・ガールの改造、それも初めての俺ームアームズ・ガールだというのにこの作業速度は凄まじいと思う。作業中に工具を手にしたり改造素体に触れるたびに完現光が時折…というか、もう常時というレベルで完現術光が発生していたのも何かの要因だったりするのだろうか?
一応このことは九門にも伝え、俺がカトラスを制作している光景を分析してもらったが「分かりません。僕の完現術が一切の情報を読み解けないです…」と答えられてしまったので分からずじまいである。まあ、今のところ制作に問題が生じている訳ではないので、このままドンドン作業を進めていくつもりだが。
――◇月θ日 天気晴(夕)
今日の放課後、総見の爺さんと九門から急に呼び出しがあった。
「【
可能な限り持ってこれるだけのFA:G、そしてまだ最後の仕上げが終わっていない虎の子である【フレームアームズ・ガール カトラス】まで持ってこいと言われた。
どうにも、今日の夜はいつも通りとなったの夜とはいかないようだ。
【SX-25 カトラス】
地球防衛機構の次期主力機開発計画の1つ【SX計画】に基づいて開発された【YSX-24 バーゼラルド】の量産モデル化に成功した次世代機。しかし制作現場からはバーゼラルドよりも高い機体性能を発揮した機体(カトラスのオリジナルの姿。通称【O・カスタム】)が、バーゼラルドのような外見を重視した機体ではなかった為、バーゼラルドのパーツを取り付け、現在のカトラスの姿となった。一方でオリジナルの姿としての機体は【JX-25F ジィダオ】として生産されることとなった。
当機体は所謂次世代新型量産機の宣伝広告としての側面が強い一方、バーゼラルド譲りの高い機動性と運動性能、改良された新型のライフルに小規模ながらTCSオシレータとして機能し、ベリルウェポンの特性を有するベリルダガーを4基搭載し、高い近接格闘性能や防御性能(ディフェンスローター時)を発揮する。