今一度アシュフォード家に栄光を!   作:マルルス

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お待たせしました。


ヴァルフレアと双子

僕が自分を認識したのはいつぐらいだろう?

 

最初の記憶では僕は透明な箱に入れらており、お父さんと白い服を着た人達が僕を見て声は聞き取れないけど色々とお話をしていた。

 

次の記憶では僕は透明な箱から出されて、いい香りがする木製のベッドに寝かされていた。

そこで女の人が僕に毎日、絵本を読んでくれた。僕はそんな時間が大好きだったのを覚えている。

絵本を読み終わるとお父さんがやってきて、女の人とお話しているのが分かった。

話が終わるとお父さんは何も言わず、ただジッと僕を見つめていた。

 

それから僕は家の皆に見守られながら育っていった。

始めて手を付かずに自分の足で歩いてみせたら皆驚いて、直ぐに笑顔になって僕を抱きしめてくれた。

父さんも僕を見て笑顔になってくれた。

それが何よりも嬉しかった。

 

 

 

 

 

 

 

 

Sideアレクサンダー

 

1970年 6月

 

ヴァルフレアが誕生してから早一年経った。

半年は研究所で異常がないか見てきたが特に異常は見られず、自宅で育てる事にした。

この時期の赤ん坊は何でも吸収する天才だ。この時こそが最も重要な瞬間だと言えよう。

私は家のメイドに朝と夜に必ず絵本をヴァルフレアに読み聞かせるようにと命じた。

これによって赤ん坊は想像力、洞察力、言語能力などを発達させるので極めて重要な事だ。

ヴァルフレアはCODE:Veronica計画の試作体だがそれでもアシュフォード家の一員なのでアシュフォード家の恥となる育て方をするわけにはいかない

 

 

ヴァルフレアは一歳になった。

何も問題なく成長している。ヴァルフレアは常人より高い知能があるため、通常の子供より早く言葉を習得していった。

ハーマンを始めとした使用人達はそんなヴァルフレアを可愛がり、ヴァルフレアも使用人達に懐いてる。

更に通常の子供ならまだ手足を使って動いている時期だが、ヴァルフレアはそれらより早く二足で歩き出している。

あの子はあくまで試作体で本命は別なのだが…今、私自身はヴァルフレアの成長を楽しみ喜んでいる。

私に向かって歩いて来るヴァルフレアがとても愛らしく感じる…。

こんな私にもこのような感情がまだあったとは驚きだ…。

 

 

 

1970年 10月

 

現在、私はヨーロッパの自宅ではなくアンブレラ南極基地の()()()()()()でいよいよ()()()()()を果たすべくその準備に追われている。

ヴァルフレアで得た実験データを元に、より完璧に近づけていく。

私の手元にはアシュフォード家の初代当主にして偉大なるベロニカのDNAがある。

これがアシュフォード家の栄光を取り戻す切り札であり希望なのだ。失敗は絶対に許されないのだ…!

母体もより優秀な人間が良いだろう。不安になる要素は全て排除しなければならない。

始祖が再来した時、ヴァルフレアもここに呼び寄せよう…。誕生した妹とも仲良くなって欲しいものだ。

 

 

 

 

1971年 8月

 

遂に誕生した! アシュフォード家の栄光を取り戻してくれる存在が!

予想外だったのは何と生まれたのは男女の双子だった事だ。

男児の方はヴァルフレアと同じく知能は常人より高い程度で天才ではなかったが、妹の方は私の想像を超えた高い知能を持っていた!

名前も既に決めてある。

男児はアルフレッド

女児はアレクシア

と名付けた。

しばらくしたらヴァルフレアもここに呼び三人を育てる事にしよう。

 

 

 

1972年 10月

 

アルフレッドとアレクシアが誕生して一年経った。

二人共、特に体の異常はなく育っている。

もうじきヴァルフレアもここにやって来る。

これから三人を育て上げ、アシュフォード家の栄光をもたらす為の教育もしっかりとやらなければならない。

特にアレクシアは最も重要な存在だ。

ヴァルフレアとアルフレッドも大切な存在だが、アレクシアはアシュフォード家の次期当主としてだけではなくあのスペンサーを追い出し()()()()()()()()として君臨しなければならないのだ。

そしてヴァルフレアとアルフレッドはアレクシアと共にアシュフォード家の再興に力を尽くし、彼女を支え彼女を守り抜く守護者となる。

我らアシュフォード家の栄光は近い。アシュフォード家は永遠なのだ!

 

 

1972年 11月

 

今日、ヴァルフレアもようやくこの南極基地に到着した。

執事のハーマンも始めとした使用人達も一緒だ。

ヴァルフレアとアルフレッドとアレクシアの三人を育てるのに、私やハーマンだけでは難しい。

また、ヴァルフレアもいきなりヨーロッパから南極で暮らす事になるため、環境変化によるストレスの影響も考えて今までの使用人達もここで暮らす事にした。

使用人達は流石に南極で暮らす事に難色を示す者が多数居たが、ヴァルフレアの為に彼らの給料を上げて説得した。

また教育も疎かにするわけにもいかないので家庭教師も雇う事にした。

やはりと言うべきか、南極に来たがらない者が多かったが通常の倍の金額で何とか説得した。

例のプロジェクトで家の財産をかなり使ったので、正直これ以上の出費は避けたかったが仕方あるまい…。コレも未来の投資として考えよう。

全てはアレクシアに掛かっている。

 

広間にヴァルフレアがやってきた。

ここ二年間、私はプロジェクトの為にこの南極で過ごしていたものだからこの子を見るのは二年ぶりだ…。

ヴァルフレアも三歳となった。最後に会った時はまだ小さかったのに随分と大きくなったものだ。

言葉も舌足らずだったが、今は丁寧でハッキリと発音できている。身なりもしっかりしてる。

順調にアシュフォード家の男児として成長してるを見て私も頬が緩む。

この南極基地の地下にある屋敷は、かの有名な建築家ジョージ・トレバーが手掛けており、実家の屋敷と似た出来になっている。広間には秘密の研究所に通じる道があるが、そこは仕掛けを解かない限りは入れない様になってる。

実家と同じ造りになってるのでヴァルフレアも直ぐに構造を把握したようだ。

そして私は子供部屋にヴァルフレアを連れていく。

そこにベットに仲良く眠る双子…ヴァルフレアの弟と妹を会わせた。

私は「長男として兄としてこの二人を守るように」と言いつけた。ヴァルフレアもしっかりと頷き暫くの間、アルフレッドとアレクシアを見つめ続けていた。

 

 

 

1973年 6月

 

ヴァルフレアが南極(此処)に越してから半年が経った。

アルフレッドとアレクシアも特に問題なく育っている。

やはりと言うべきかアレクシアの成長ぶりは驚く他ない。

まだ一歳だというのに歩き出し言葉を次々と習得していき、何が欲しいとか自分の意志をハッキリと他者に伝えている。

アルフレッドはまだ言葉は覚えたてで上手く喋れないが、ヴァルフレアはそんなアルフレッドを甲斐甲斐しく世話をしている。アルフレッドもまたヴァルフレアに懐いてる。

気のせいかもしれないがヴァルフレアはアレクシアを避けているような気がする…。

 

 

自室に戻りレポートを纏めていると、ハーマンが使用人達はどうもアレクシアを気味悪く感じていると私に伝えてきた。

まだ一歳児だというのに歩き出し言葉を上手く喋る姿が不気味に映るそうだ。

そして母親の存在も気になりだしているそうだ…。

やはりこうなるか…。 無理もない。

この私ですら、自分がそうなるように作ったにもかかわらず、アレクシアの成長ぶりに少しの恐怖を感じてるのだから…。

母親、アルフレッドとアレクシアの母体の女性は既にこの世にはいない…。二人を生んだ時に亡くなってしまったのだ。

スペンサーを始めとしたアンブレラの連中に感づかれる前に遺体は既に()()してあるが、アルフレッドとアレクシアにもいつかは母親はもう居ないと伝えなければならないだろう…。

 

 

 

 

1974年 9月

 

アレクシアは二歳となったがその頭脳の成長ぶりは最早凄まじいとしか言えない。

アレクシアは既に専門学の本を次から次へと読み始めその内容をどんどん吸収していく…。

言葉も二歳児でありながら綺麗に発音するだけではなく外国の言葉すらも次々と覚えていく…! 何も知らない者が見たら恐怖するしかないだろう。

私は今更ながら自分が創り出した存在に震えている。アシュフォード家の栄光をもたらす少女に歓喜の震えと…同時に恐ろしい存在を創り出してしまった恐怖にだ…。

使用人達も今やアレクシアに恐怖してしまい、彼女には呼ばれる以外は近づこうとしない有様だ。アレクシアはそんな使用人達の態度に、気にするどころか興味すらないようだ。

彼らはアレクシアよりヴァルフレアとアルフレッドの二人を可愛がってる。

ヴァルフレアは四歳でアルフレッドは二歳だ。ヴァルフレアはアルフレッドと共に使用人達と毎日戯れている。勉学の時間となれば真面目に取り組み教えられた事はしっかりと覚えていく。

着々とアシュフォード家の男児として成長していく息子に私は安心していく…。

 

 

 

 

 

 

 

sideヴァルフレア

 

父さんが家に帰ってこなくてどれぐらいたっただろう?

ある日突然父さんは帰ってこなくなった…。

 

父さんが居なかったから寂しかったけどハーマンやジーナやマイケルやヨウコが、他の皆が居たから寂しくは無かった。

ずっと父さんは家に居なかった。ハーマンに聞いても「旦那様は今、とても大切な事をしてるから暫く会えませんが、私共が付いておりますので心配なさらないでください」としか言わなかった。

だから父さんと会えるまで立派な男の子になれるように勉強を必死に頑張った。いつか父さんに会えても大丈夫のように。

ある日、ハーマンが来月から住む場所が変わるから準備するように僕に言ってきた。何処に行くの?と聞いたら地図を出して「ここです若様」と指を当てて教えてくれた。

そこは南極と言ってとても寒い場所だと言った。そこに父さんがいてコレからは一緒に暮らせると聞いて僕は嬉しかった。

やっと父さんと暮らせるんだと胸が高鳴った。

僕は大喜びで荷物を纏めてその日を待った。

 

 

 

遂に引っ越しの日がやってきた!

僕は父さんに会えるとずっとワクワクしていた。

家から出ると車に乗って、ヒコウキという空を飛ぶ乗り物のある場所に行って、それに乗った。

始めて空を飛ぶ感覚に僕は興奮していた。窓を見ると人や建物がドンドン小さくなっていくの見ていて楽しかった。

少し経ったら、あとはずっと海が広がっていた。最初はずっと見ていたけれど、だんだんつまらくなって見るのを止めた。

使用人のジーナがおやつのクッキーを持ってきて、それを食べながらジーナと一緒にトランプをやって楽しんだけど今度は眠たくなって寝てしまった。

 

 

どれぐらい寝てたのかな?

ハーマンに起こされて外を見たら真っ白な世界が広がっていたんだ!

そうか…此処がナンキョクって場所なんだ。雪が降っててとても寒そうだ…。

それからまた窓の外を眺めていたけど大きな建物が見えてきてヒコウキはそこに降りた。

ハーマンが「到着ですよ若様」と言うからカバンを背負って建物に中に入っていた。

何か色々なキカイ?みたいなものがあってよく分からなかった…。

動いてる人もしゃべらずに淡々と静かに仕事をしていた。

 

 

エレベーターで下に降りていくとそこには家があった!

今まで住んでいた家と同じだった。

広間に行くと父さんが居た!

僕はカバンを捨てて父さんに抱き着いた。父さんも抱きしめてくれて「今ままで家にいなくて済まない」とか「私もお前に会いたかった」とか言ってくれた。

僕は父さんに色々と話がしたかったけど父さんは「ヴァルフレア、付いてきなさい」と言った。

一体何だろう?とついていくと二階に上がって部屋に入るととてもキレイな赤ちゃんが二人いた。

父さんは「これはお前の弟と妹だ。 名前は男の子の方はアルフレッド 女の子はアレクシアと言うんだ」と言った…。

僕に弟と妹が出来たなんて…何だか実感が湧かなかった…。

「お前は長男だ。これからこの二人を守るのだぞ」と言った。僕は父さんの言葉に強く頷いた。

アルフレッドとアレクシア… 僕が守るんだ!

スヤスヤ眠る二人を僕はずっと見つめていた。

 

 

 

僕が南極にやってきて半年が経った。

南極に来ても変わらず僕は勉強に励んでいた。

言葉の使い方やマナーなど新しく教えられながらも上手くやっている。

アルフレッドとアレクシアはもうベッドを出て屋敷を歩いている。

 

「お兄様、お早うございます」

 

声を掛けたのはアレクシアだ。僕もお早う、アレクシアと挨拶した。

アレクシアはまだ一歳なのにあんなに綺麗に喋れるんなんて驚きだ。アルフレッドも喋れるけどまだ上手く喋れてない。

 

「アレクシア また図書館に行くの?」

 

「ええ、お兄様。今日は生物学の本を見ますの。

お兄様は行きますか?」

 

「いや、僕は良いよ。そんなの分からないし…

今日もアルフレッドと遊ぶよ」

 

「そうですか。それではまた」

 

アレクシアはそのまま図書館に向かっていった…。

 

「アレクシア… お前は本当にまだ一歳なのか…?」

 

アレクシアは凄い勢いで勉強を覚えていく…。僕がやってる所なんてとうに終わらせて難しい事が書かれた学本を毎日見ている。今じゃ僕が逆に勉強を教えられている状態で正直兄としての立場がないよ…。

彼女は僕の妹だから守ってやらなければいけない存在なのに…だけど僕はそんなアレクシアを尊敬している。あんな綺麗な子が僕の妹なんだな…でも同時に僕は時々アレクシアが…怖く感じるんだ…

何だか彼女だけ別の世界の人って感じがして怖いんだ…。

そんなアレクシアのことを、父さんはとても期待してる。アレクシアは既に()()()()()()()()()()()ほどだしね。

正直アレクシアが次期当主なのは僕も賛成している。悔しい気持ちはあるけれど長男の僕よりも彼女(アレクシア)の方がずっと才能があるしアシュフォード家を良くすることも出来るだろうし。

 

「にいさま…おはよう」

 

「お早うアルフレッド 今日は何して遊ぼうか?」

 

目の前にいる男の子は弟のアルフレッドだ。さっきも言ったけどアルフレッドはアレクシアと違ってまだ上手く喋れない。

そんな弟が僕は好きで毎日アルフレッドと遊んでいる。

アレクシアも誘ったけど彼女はずっと「図書館に行くからいいです」と断ってばかりなのであまり誘わなくなった。

父さんも勉強に頑張るアレクシアをそれでいいと思っている。

 

「ぼく…かけっこがいい!」

 

「はは、アルフレッドは本当にかけっこが大好きなんだな」

 

そう言って僕はアルフレッドと一緒においかっけこに興じた。

 

 

 

僕が此処に来て二年となった。僕も四歳となった。

アルフレッドとアレクシアは二歳だ。

 

「兄さん、今日はキャッチボールしないか?」

 

「よし。今日は百回まで続けていくぞ!」

 

アルフレッドもすっかり言葉を喋れるようになった。

今日は広間の二階の廊下でキャッチボールをすることにした。

 

「あッ! アレクシア! 兄さんと僕で遊ばないか?」

 

「あら、アルフレッド兄さん。ごめんなさい…でもこれから自室に戻りますので

結構ですわ。先ほど読みたかった本が届きましたので」

 

「ア…アレクシア…」

 

アルフレッドの誘いを断りアレクシアはさっさと自室に戻ってしまう。

 

「はぁ… アレクシアは相変わらずだな…」

 

彼女の勤勉ぶりには溜息しか出なくなる。持っていた本をチラッと見たけど「世界の言葉」やら「人体のすべて」やらと難しいものばかりだ。

本当に住む世界が違いすぎる…。

 

「兄さん…アレクシアは僕達の事が嫌いなのかな…?」

 

心配そうな表情をするアルフレッド。

 

「そんな事は無いと思う… ただ勉強がしたいだけなんだと思う」

 

「でも、僕は今まで一度もアレクシアと遊んだことがないよ…。

誘っても本が読みたいからと断ってばかりだよ…」

 

最近のアレクシアは図書館ではなく自室に籠る事が多くなった。

どうも図書館の本は全部見てしまったようで、今は読みたい本があったら取り寄せてそれを読んでいることが多い。

 

「父上にも言ったけど「余計な事はしなくていい。お前とアルフレッドは自分の事に集中しなさい」とか言われたしな…」

 

「アレクシアは次期当主だから僕や兄さんはアレクシアを支えてやりなさい

父さんに僕はそう言われたよ」

 

ボールを投げながら僕とアルフレッドは語り合った。

しかしアレクシアは幾ら頭が良いからってアレは異常だ…。

ジーナを始めとした使用人達はアレクシアには全く近づかないしむしろ怖がってる有様だ。

アレクシアもそんな事はどうでもいいばかりの態度で本を読み漁ってる。

何というかアレクシアは()()()()()()()()()()()って感じだ。

僕やアルフレッドでもだ…。

アルフレッドは何度もアレクシアと遊ぼうとしてるがその度に断られているがそれでも嫌わずにアレクシアを慕ってる。

 

「きっとその内、僕達と遊ぶようになるさ」

 

「そうだと…いいんだけどね…」

 

今日もこうしてアルフレッドと遊んで終わっていく。




使用人の日記

1/3

私がアシュフォード家に使える事になったのは4年前でした。
丁度その頃、長男であるヴァルフレア様がこの家にやってきました。
私は旦那様からヴァルフレア様の世話を頼まれました。
必ず昼と夜には絵本を読むようにと言われそうしました。
始めて事ばかりでしたがハーマンさんを始めとしたベテランの方々に助けらながら何とか業務をこなしていきました。


2/3

アシュフォード家に仕えてから一年が経った頃でした。
ヴァルフレア様は一歳となりハイハイから自分の足で歩くようになりそれを見た私は嬉しさもあって涙がでました。
ヴァルフレア様の成長は早く言葉も覚えはじめ喋り出す様になり私に向かってきたり
とても愛らしく思います。
ヴァルフレア様のは私に懐いているのか頻繁に私の元へ歩いてきます。
それを見た先輩達から「母親のようでいいじゃないか。若様もお前の愛情がわかっているんだ」と言われました。

3/3

今日もヴァルフレア様のお世話をしていてふと気になったのはヴァルフレア様の母親です。普通ならあっても明かしくない奥様の写真が一つもないのです。
一度先輩に聞いてみましたが「自分達も知らない」とのことでした。
ヴァルフレア様を生んだ奥様…一体どのような方だったんでしょう?

                               ジーナ・ポルゾ









少女の日記

1/3

私が自分が特別な存在だと気づいたのはいつだったろう。
どんな問題も簡単に解くことが出来た。
どんな難解な問題でも同じだ。
私は知識を求めた。ここにある図書館に行きあらゆる分野の本を読み漁りその知識を自分に吸収していく。
次々と知識を取り込んでいく中、私は自分以外の存在が愚図にしか見えなくなった。

2/3

私には兄が二人いるがそれすらも愚図な下等な存在にしか見えなくなった。
長男は次男は私に一緒に遊ぼうというがなんて下らない…。
このような愚図と関わる時間などこの私にはない。
知識を蓄える事が最優先なのだから。

3/3

父も兄も使用人共も皆等しく屑だ。
私は確信している。私はこの世界の頂点に立つ存在なのだと!
しかしそれには力がいる…この世界の女王として君臨する為の力が…!
今はあの愚かな父の前では期待に添えられるよう態度を取っておこう。
今は雌伏の時だ…。
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