4人が生きていて、そのうえエクスドライブを身に纏った姿は地下にいる皆が見ていた。
「お姉ちゃんたち、かっこいい!」
「やっぱりあたしたちがついてないとダメだなぁ」
「助け、助けられてこそ、ナイスです」
「私たち、一緒に戦ってるんだ!」
皆の目は、この光景によって、希望が見え始めた。
「本当にもう・・・全員心配ばっかかけさせるんだから・・・」
海恋は4人が生きていて、呆れつつも安心したような笑みを浮かべる。
~♪~
エクスドライブを身に纏うことで空を飛べるようになった4人の背には朝日が昇っていく。
「みんなの歌声がくれたギアが、私に負けない力を与えてくれる。クリスちゃんに翼さん、そして日和さんにもう1度立ち上がる力を与えてくれる。歌は戦う力だけじゃない。命なんだ!」
空を飛ぶ4人をフィーネは苦々しく地上から見上げる。
「高レベルのフォニックゲイン・・・こいつは2年前の趣旨返し・・・」
『んなこたどうでもいいんだよ!!』
クリスが口を開かずとも、脳で直接会話ができるようになっている。
「念話までも・・・。限定解除されたギアを纏って、すっかりその気か!!」
フィーネはソロモンの杖から光線を撃ち、複数のノイズを召喚させる。
『またノイズを!いい加減鬱陶しいんだよ!!』
『世界に尽きぬノイズの災禍は、全てお前の仕業なのか!!』
翼の問いかけに、フィーネも念話で答える。
『ノイズとはバラルの呪詛にて相互理解を失った人類が同じ人類のみを殺戮するために作り上げた自律兵器』
『人が人を殺すために・・・⁉』
『バビロニアの宝物庫は、扉が開け放たれたままでな。そこからまろび出る10年一度の偶然を、私は必然と変え、純粋に力として使役しているだけのこと・・・』
『またわけわかんねぇことを!!』
召喚されたノイズは一斉に4人に向かって突進してきた。4人は難なくそれを躱す。
「怖じろ!!!」
フィーネは大きなエネルギーを蓄えたソロモンの杖を空に向けて撃ち放った。光線は空中で拡散し、街中に散らばっていった。降り注いだ光線から大型を含め、大量のノイズが出現する。もう街は、完全にノイズのみで埋め尽くされていた。
「あっちこっちから!」
4人がノイズを見回していると、ふと日和が笑みを浮かべる。
「・・・どうしてかな・・・。この光景を見たら、私、怖がるはずなのに。でも、今は・・・どうしてこんなの相手に今まで怖がってたんだろうなって、思えてきたよ」
以前までの日和ならば大量のノイズの前に、情けなく泣いて、怖がって逃げ回っていただろうが、今は違う。いや・・・ノイズと戦っていくうちに・・・恐怖というものが少しずつながらもなくなっていたのだ。
「私、ノイズなんか全然怖くない!!!!」
そして今日この日、日和の中のトラウマ、そして恐怖が完全に克服できたのだ。
「おっしゃあ!!どいつもこいつもまとめてぶちのめしてくれる!!なあ!相棒!!」
「相棒・・・うん!やろう、クリス!!」
クリスから相棒と呼ばれて嬉しくなった日和はクリスと共に真っ先にノイズ殲滅に向かっていく。翼はそんな2人に頼もしい笑みを浮かべる。
「翼さん・・・私・・・翼さんに・・・日和さんにも・・・」
響は暴走状態であったとはいえ、翼や日和に攻撃してしまったことに対し、申し訳なさそうな表情をする。そんな響に翼は優しい笑みを浮かべる。
「どうでもいいことだ」
「え?」
「立花は私の呼びかけに答えてくれた。自分から戻ってくれた。自分の強さに、胸を張れ」
「翼さん・・・」
「一緒に戦うぞ、立花」
「はい!!」
翼の言葉に力強く返事する響。響と翼は日和とクリスと並び、そして散開し、各々がノイズの殲滅に入る。響がバンカーを引き上げ、大型ノイズ2体を貫く。撃破した大型ノイズの爆発で、連動して近くにいた小型ノイズは爆発に巻き込まれて数多く消滅させる。
「オラオラオラァ!!」
クリスはアームドギアを飛行型の乗り物に変形させ、ビームの拡散射撃を飛行型ノイズを狙い撃ちで撃ち落としていく。
【MEGA DETH PARTY】
撃ち放つホーミングレーザーで逃げまとう飛行型ノイズを貫き、さらに他の飛行型ノイズをも追撃させ、撃ち落としていく。
『やっさいもっさい!!』
『すごい!乱れ撃ち!!』
『全部狙い撃ってんだ!!』
『さすがクリス!!なら私は・・・一点集中だ!!』
響のボケにクリスがツッコミを入れてる間に日和は棍をまっすぐに構え、弾丸のように・・・いやそれ以上を上回るスピードでノイズの群れに突っ込む。
【電光石火】
凄まじいスピードで勢いの乗った棍の一撃によってノイズの群れは一気に殲滅し、奥にいる大型ノイズも複数撃破する。
『へっ!やるじゃねぇか!』
『すごい!すごいです日和さん!』
『どんなもんだい!』
『よーし!だったら私は・・・乱れ撃ちだぁ!!』
響はバンカーの衝撃で文字通り地上のノイズを乱れ撃ちで次々と殲滅していく。翼は大剣を構え、大型飛行型ノイズに向けて青の斬撃を放った。
【蒼ノ一閃】
青の斬撃は通常との威力が段違いで苦戦していた大型飛行型ノイズを一気に2体殲滅する。日和が棍で崩し、響が拳で貫き、翼は剣で切り裂き、クリスがビームを撃ち抜いて、街のノイズを殲滅させていく。それなりに多くのノイズを片付け、4人は背中を合わせて臨戦態勢を整える。
「どんだけで出ようが今更ノイズ!」
「うん!私たちの敵じゃない!」
「!!」
すると翼はリディアンの方で異変に気付いた。リディアンでは、フィーネが自らの腹にソロモンの杖を貫こうとしている。そして、フィーネが不敵に笑うと・・・彼女は本当にソロモンの杖で己の腹を貫いた。そして、ネフシュタンがソロモンの杖をフィーネの身体だと認識し、ソロモンの杖との同化した。杖の力をコントロールできるようになったフィーネはまだ街に残っているノイズを自らの元へと集めていく。さらにそこに光線でさらにノイズを召喚し、自らに集中させる。
「ノイズに・・・取り込まれて・・・?」
「そうじゃねぇ!あいつがノイズを取り込んでんだ!!」
ノイズを取り込み、異形の塊となったフィーネの一部が4人に襲い掛かった。4人はそれを難なく回避する。
「来たれ!デュランダル!!!」
そして、異形の一部がカ・ディンギルの内部に侵入し、エネルギー炉心のデュランダルをも取り込んでいく。デュランダルの無限のエネルギーを得た異形の塊は形が成されていき、まるで巨大な竜の姿へと変化させていった。そして、異形の竜の頭部より、赤白いレーザーを街に向けて撃ち放った。そして、その瞬間・・・
ドオオオオン!!!!
街は大爆発し、強烈な爆風が生じる。4人は防御態勢を取り、何とか吹き飛ばされずに済んだが、街の方は焼け野原と化していた。
「!!街が!!」
「そんな・・・!」
目の前の強大な存在の強力な破壊力に戦慄する4人。
「逆さ鱗に触れたのだ・・・相応の覚悟はできておろうな」
竜の核と思われる胸部にはデュランダルを手にしたフィーネがおり、不敵に笑っている。そして、竜の頭部は今度は4人に狙いを定め、先ほどと同じレーザーを撃ち放った。
「うあっ!!」
レーザーの回避は成功できたが、凄まじい熱量と威力の前に吹っ飛ばされる。
「このぉ!!!」
クリスはアームドギアで何とか吹き飛ばれずに済み、即座にホーミングレーザーをフィーネに向けて放つ。だがしかし、竜の胴体の一部がシャッターのように閉められ、ホーミングレーザーは全て防がれる。そして、今度は竜が翼を広げ、ホーミングレーザーをクリスに撃ち放った。クリスは何とか躱そうとするが、振り切れず直撃してしまう。
「ぐあああああ!!」
「クリス!!このぉ!!!」
日和は2つの棍を連結させて、竜巻のような突風を竜に向けて放った。
【疾風怒濤】
突風は竜の胴体に直撃した。だがしかし、損傷はかすり傷のようなもので・・・しかもネフシュタンの鎧の能力によって、その傷もすぐに再生される。日和に続いて翼が再び大剣を構え、青の斬撃を放つ。
【蒼ノ一閃】
斬撃は竜に直撃するも、傷はやはり再生される。響の放つバンカーの強力な拳を放ち、穴をあけるも、その穴は再生される。
『いくら限定解除されたギアであっても、所詮は聖遺物の欠片から作られた玩具!完全聖遺物に対抗できるなどと思うてくれるな』
フィーネは4人を見下すようにそう言い放ったが、フィーネの言葉に翼とクリスはこの状況を打破する策を思いつき、日和はあることを思い浮かべた。
『聞いたか!』
「チャンネルをオフにしろ」
「あの・・・こんな時に非常識なんですけど、さっきの言葉を聞いて私、学校で習った矛盾が思い浮かんだんですけど・・・もしかして・・・」
「東雲も気づいたか」
どうやら日和が思い浮かんだ矛盾という言葉は、2人が思いついた策と深く関係しているようだ。
「もっぺんやるぞ!」
「しかし、そのためには・・・」
この策の要として、3人は響の方を見つめる。響は策についてまったく考えていなかった。
「響ちゃん・・・これは多分重要なことだと思う。やれそう?」
「えっと・・・よくわかりませんが、やってみます!!」
響はあまりわかっていない様子だが、気合だけは十分のようだ。ならば3人がやることはただ1つ、響のサポートをしてあげることだ。その間にも竜は4人にレーザーを放ち、4人は回避する。
「私と雪音、東雲が露を払う!!」
「手加減なしだぜ!!」
「わかってる!!本気も本気で行くよ!!」
クリスが先行して竜に突っ込んでいき、翼は大剣をさらに巨大なものに変化させて強大な青の斬撃を竜に放った。
【蒼ノ一閃 滅破】
そして日和は2つの棍を連結し、さらに巨人の身体に匹敵する長さに伸ばし、竜に向けて棍を回した。回転することで風が集まるだけでなく、さらには凄まじい雷が集まり、それを竜巻のように放った。
【疾風迅雷】
翼の放った強大な青の斬撃と、日和の雷を纏った竜巻の突風が竜に直撃する。これによってフィーネがいる核に穴が開き、再生される前にクリスがその中へと侵入した。そしてクリスは内部でレーザーをばらまき、爆発させて内部に煙を充満させた。フィーネが内部のシャッターを開けた瞬間、そこには大剣を構えた翼、棍を構えた日和がいた。
「!!!」
「はあああああああ!!!」
翼は大剣を振るって蒼の斬撃を放つ。フィーネはそれを防ごうと障壁を放った。斬撃は障壁を破壊したが、フィーネには届かなかった。しかし、これは想定済み。
「今だ!東雲!!」
「はい!!全力全開!!!!」
日和は光の羽を利用して、棍を構えた状態で目では追いつけない猛スピードでフィーネに突っ込んだ。
【電光石火】
猛スピードでの棍の一撃はフィーネに直撃する。
「があっ!!」
攻撃をまともにくらったフィーネはこの衝撃でデュランダルを手放してしまう。日和はその勝機を逃さず、デュランダルを棍で打ち払い、響の元まで届ける。
「そいつが切り札だ!勝機をこぼすな!つかみ取れ!!」
「受け取って!響ちゃん!!」
「ちょっせぇ!」
足りない飛距離はクリスが銃で弾き上げさせることによって、響はデュランダルを手にすることに成功する。
「デュランダルを!!?」
だが、その瞬間、響の中にある破壊衝動が掘り起こされ、再び暴走されようとしている。響は何とか踏ん張り、意識を保っているが、飲み込まれつつある。
「正念場だ!!!踏ん張りどころだろうが!!!!」
と、そこに避難シェルターのゲートを破壊し、外から出てきた弦十郎が檄を飛ばす。
「強く自分を意識してください!!」
「昨日までの自分を!!」
「これからなりたい自分を!!」
(みんな・・・!)
緒川、藤尭、友里も檄を飛ばす。
「屈するな立花!お前の構えた胸の覚悟を、私に見せてくれ!」
「お前を信じ、お前に全部かけてんだ!お前が自分を信じなくてどうするんだよ!」
「響ちゃんの力は、みんなと手を繋ぐんでしょ!そんな破壊衝動なんかに負けるな!」
翼、クリス、日和が響をしっかりと支え、響に声を届ける。
「あなたのお節介を!」
「あんたの人助けを!」
「今日は、私たちが!」
詩織、弓美、創世が響の応援をする。
「響ちゃん!うちでのリハビリを、思い出して!」
「立花さん!あなたの帰ってくる場所を、頭に浮かべなさい!」
咲、海恋は響自身の記憶を思い返して正気を保つように声を上げる。
「姦しい!!黙らせてやる!!」
フィーネは竜を操作して触手で響の妨害をしようとするが、装者4人のエネルギーのバリアによってそれは凌いでいる。だが、響の身体は黒く染まっていき、破壊衝動に支配されようとした。その時・・・
「響ーーーーーーーーー!!!!」
未来が響に向けて、意識を呼び覚ますように叫んだ。未来の気持ちは、響の意識に届いた。
(そうだ・・・今の私は・・・私だけの力じゃない!そうだ!この衝動に!塗りつぶされてなるものか!!)
響は黒い破壊衝動を自らの意思で脱出し、胸の奥のガングニールを強く輝かせる。響の想いに応えるように、デュランダルの刀身は光輝く。
「その力!!何を束ねた!!?」
「響き合うみんなの歌声がくれた!!
シンフォギアでええええええええええええええ!!!!!!」
天高く伸びたデュランダルの光の刀身をフィーネに向けて振り下ろした。
【Synchrogazer】
デュランダルの刃が振り下ろされ、ネフシュタンの鎧と・・・完全聖遺物同士でぶつかり合った。
矛盾・・・それは、何をも貫く矛と、全てを防ぐ盾。その2つが衝突しあうとどうなるかという物事が食い違ってつじつまが合わないことをさす。今目の前の光景はまさにそれを体現しており、無限のエネルギーと無限の再生能力が衝突しあい、対消滅を引き起こしている。
(どうしたネフシュタン!!?再生だ!!この身・・・砕けてなるものかああああああああ!!!!)
ぶつかり合った力は形を保つことができず、大爆発を引き起こした。
如意金箍棒の技
【電光石火】
日和の技。棍を一直線に構え、背中のブースターを使って弾丸のようなスピードで敵に突っ込み、棍の打撃を与える技。時と状況によっては移動時の軌道を変更させ、スピードを落とさずに威力を保つことができる。なおエクスドライブ時では弾丸以上のスピードを解き放つことが可能。
【疾風迅雷】
日和の技、疾風怒濤の強化技。エクスドライブ限定の技。これまでの疾風怒濤と使用方法は同じだが、そこに雷が集まり、疾風と迅雷で相手を薙ぎ払う文字通りの疾風迅雷。