戦姫絶唱シンフォギア 大地を照らす斉天の歌   作:先導

27 / 105
8月7日はマリアさんの誕生日!それに合わせてG編に突入!それに伴い、新たなタグを追加させました。午前に1本投稿し、午後にはもう1、2・・・可能なら3本を投稿する予定です。まぁ、多分できるとしたら2本まででしょうが、頑張ってみます。
長々とお待たせしました、G編、開幕です。


G編-フロンティア事変-
ガングニールの少女


昔々、2人の少女がいた。

 

1人は戦場が絶えぬ国より、1人は最愛の姉と共に、1つの施設に連れてこられた。

 

少女は手に入れた力を戦に用いることに抵抗を覚えていた。一方のもう1人の少女が、誰かを守るためには、戦う力が必要と割り切った。少女は・・・その少女の心の強さに、憧れを抱いた。

 

少女は少女に戦い方を教えを乞うた。少女は、少女の自分にはない優しい心に、憧れを抱いた。少女は、戦い方を教える代わりに、歌の存在のあり方について教わる。

 

教え、教えられ・・・2人は師匠と弟子の関係を越え、親友となるには時間はかからなかった。2人は幸せだった。過酷な環境ながらも、最愛の姉と、最愛の友と過ごす時間は、何物でもない宝物だ。

 

だが・・・運命は残酷だ。

 

1つの悪鬼が暴走した。少女は悪鬼と戦うことを選んだ。だが、力及ばず、敗れてしまう。少女は、仲間を、姉を・・・そして師匠であり、親友である少女を守るために、滅びの歌を歌った。

 

親友を失い、少女は心に傷を負った。少女は思う。少女の願う平和とは、何かを。そして少女は望んだ。少女の願う真の平和を。そのために、少女は決断した。

 

「・・・だから僕は戦う。如何なる犠牲を払おうとも、世界に憎まれようとも・・・彼女の望む平和を・・・この手で掴むために」

 

少女は・・・少女の望む世界のために、自らの手を、血で染めることを選んだ。少女には、その覚悟があった。

 

時が経ち・・・少女は、大人となった。胸に秘めた覚悟と、少女の願いを持ったまま。

 

そしてその覚悟が今・・・世界に牙を向けようとしている・・・。

 

戦姫絶唱シンフォギア 大地を照らす斉天の歌

G編-フロンティア事変-

 

ルナアタック事変と呼ばれる事件より3ヵ月の時が流れた。とある場所にて、装甲列車が疾走しているところに、液晶ディスプレイのようなものが付いた生命体が追いかけていた。

この生命体の名はノイズ。触れた人間を炭素の塊を変えて殺す、特異災害と認定された人を殺すための自立兵器。装甲列車はノイズを撃退しようと機銃を撃つが、ノイズは物質化されていないため、弾はすり抜けてしまう。ノイズは装甲列車に突っ込み、中にいた人間を炭素に変えて殺していった。そして、この衝撃で車両が爆発する。

 

「うわっ!!?」

 

「大丈夫ですか⁉」

 

護衛任務にやってきた特異災害対策起動部二課のオペレーター、友里あおいは別車両に乗っており、戦闘の衝撃で転ぶ。それをケースを抱えたメガネをかけた銀髪の男性が駆け付ける。

この男の名はジョン・ウェイソン・ウェルキンゲトリクス、通称ウェル。米国の研究機関に所属している研究者で、今抱えているケースの護衛のために出向いている。

このケースの中に入っているのは、歴史上の偉人たちが残した聖遺物。その聖遺物の中でまったく傷がついていない、いわば完全聖遺物と呼ばれる代物、その中の1つ、ソロモン杖である。

 

「平気です!それよりウェル博士はもっと前方の車両に避難してください!」

 

装甲列車が被害を受けている中、そこに3人の少女たちが入ってきた。

 

「大変です!すごい数のノイズが追ってきます!」

 

栗毛髪の少女の名は立花響。リディアン音楽院に所属する1年生で、特異災害対策起動部二課の一員である。

 

「こんなにノイズが集まるなんて・・・やっぱりそれが狙いなのかな?」

 

黒髪でウサミミリボンのカチューシャを着けた少女の名は東雲日和。リディアン音楽院に所属する2年生で、特異災害対策起動部二課の一員である。そして、響の先輩でもある。

 

「だろうな。連中、明らかにこっちを獲物と定めてやがる。まるで、何者かに操られてるみたいだ」

 

銀髪の少女の名は雪音クリス。かつては特異災害対策起動部二課と敵対関係にあったが、今では味方となり、同じく特異災害対策起動部二課の一員である。そしてこの3人とここにはいないもう1人のメンバーたちこそが、ルナアタック事変の功労者でもある。

 

「急ぎましょう!」

 

友里の声で全員は行動を開始し、別車両へ移動する。そこに、友里の通信機から二課の本部からの通信が入る。

 

「はい・・・はい・・・多数のノイズに混じって移動する反応パターン?」

 

友里が通信でやり取りしている間に、ウェルは口を開く。

 

「3ヵ月前、世界中に衝撃を与えたルナアタックを契機に日本政府より開示された櫻井理論。そのほとんどが、未だ謎に包まれたままとなっていますが、回収されたこのアークセプター、ソロモンの杖を解析し、世界を脅かす認定特異災害ノイズに対抗しうる、新たな可能性を模索することができれば・・・」

 

人類にとって脅威となる存在、ノイズを対抗するために完全聖遺物であるソロモンの杖を解析するのが、ウェルたち米国の研究者の目的なのだが・・・ソロモンの杖は、そんな生易しい聖遺物ではない。ソロモンの杖の脅威を誰よりも知っているクリスがウェルに忠告する。

 

「そいつは・・・ソロモンの杖は・・・簡単に扱っていいものじゃねぇよ」

 

「クリスちゃん・・・」

 

「クリス・・・」

 

「・・・もっとも、あたしにとやかく言う資格はねぇんだけどな・・・」

 

ソロモンの杖を起動させた本人であるクリスは罪の意識からそれ以上のことは言わなかった。すると響はそんな彼女の手を握った。

 

「な、な!お前こんな時に!」

 

「大丈夫だよ!」

 

「・・・っ!お前、本当のバカ!」

 

これは響の気遣いなのだろう。クリスはそれを理解してるのか顔を赤くしてそっぽを向く。そして、日和は後ろからクリスの肩をポンと乗せてにっこりと笑う。

 

「その通り!クリスはもう1人じゃないんだから!私たちに頼っていいからね!」

 

「お前はお前で鬱陶しいんだよ・・・」

 

「またまたぁ~」

 

クリスは顔を赤くしながら悪態をつくが、これが照れ隠しなのはわかってるため、日和は気にしてなかった。

 

「了解しました!迎え撃ちます!」

 

友里は通信を切り、懐から拳銃を取り出し、弾を確認する。それによって、そろそろ出番であると気づく3人。

 

「出番なんだよな?」

 

クリスの問いかけに友里は首を縦に頷き、肯定する。その瞬間、天井に複数のノイズが突き刺さる。

 

「うわああああ!!」

 

ウェルは腰を抜かし、友里は実体化したノイズに銃を発砲するが、決定打となる致命傷には至らない。

 

「行くよ!2人とも、準備はいいね!」

 

「はい!」

 

準備万端の日和の問いかけに響が返事をし、クリスが首を縦に頷いて返事する。そして日和は詠唱を唄う。

 

clear skies nyoikinkobou tron……

 

詠唱を唄い終えたその瞬間、日和の私服は分解し、茶色を基調にしたインナースーツを身に纏う。両手首には機械のユニット、腰部にはパレオのような装飾とそれを貫いた猿の尻尾のような機械の装飾、頭にはウサギ耳を模したようなヘッドギアが展開される。これこそが、唯一ノイズと対抗できる聖遺物。その欠片を用いて作り上げたアンチノイズプロテクター、シンフォギアだ。ルナアタックを経て、日和のギアは一部変化があるのがわかる。

 

Balwisyall Nescell Gungnir tron……

 

Killter Ichaival Tron……

 

響とクリスも同じく、詠唱を唄ってシンフォギアを身に纏う。2人のシンフォギアも一部が変化が見られるのが見てわかる。シンフォギアを身に纏った3人は天井を突き破り、外にいるノイズを迎え撃つ。

 

「夜雀共がうじゃうじゃと!」

 

「だけど今更ノイズだよね!」

 

「どんな敵がどれだけ来ようと、今日まで訓練してきたあのコンビネーションがあれば!」

 

「えっ!!?いきなり解き放つつもり!!?」

 

響がいきなり訓練してきたコンビネーション技を放つと言い出し、日和が驚き、クリスが咎める。

 

「あれはまだ未完成だろ。実戦でいきなりぶっこもうなんて、おかしなこと考えてんじゃねぇぞ」

 

「うん!とっておきだもんね!」

 

「そうそう、最後のお楽しみ、だしね!」

 

「わかってんなら言わせんな」

 

クリスがシンフォギアの武器、アームドギアであるボウガンを装備する。日和も自身のアームドギアである棍を右手首のユニットから取り出し、槍のように伸ばして構える。響は武術の態勢を整える。

 

「背中は預けたからな」

 

「任せて!」

 

「前の方は頼んだよ!」

 

クリスはボウガンの矢をノイズに向けて放ち、撃墜する。撃ちのがしたノイズは響が格闘術を叩き込み、撃破する。背中に回り込んだノイズは日和が棍と蹴りによる打撃で次々と蹴散らしていく。お互いがお互いの背中を預けあっていることから、高い信頼があると取れる。

強襲を仕掛けてくるノイズは響がサマーソルトで、日和が棍を一直線に伸ばした打撃で蹴散らしていく。

 

【一点突破】

 

そんな2人に負けじとクリスはボウガンを二丁の矢に変形させ、矢を放つ。放たれた矢はノイズを貫き、さらに分散し、重力に従って雨のように落下し、ノイズを大型を含め次々と撃破していく。

 

【GIGA ZEPPELIN】

 

ノイズの爆発の中に、ただ1体、他のノイズとは違い、戦闘機のようなノイズが飛んでいる。どうやらあのノイズが他のノイズたちを率いているようだ。

 

「あいつが取り巻きを率いてやがんのか!」

 

狙うべきノイズを見つけてクリスは小型ミサイルを展開して、戦闘機ノイズに向けて撃ち放つ。

 

「うおおおおお!!」

 

【MEGA DETH PARTY】

 

戦闘機ノイズは小型のノイズを盾にしながら、直撃コースを振り切って躱していった。

 

「だったらぁ!!」

 

クリスは拳銃を二丁のガトリング砲に変えて戦闘機ノイズに向けて乱射する。

 

【BILLION MAIDEN】

 

放たれるガトリングの弾を戦闘機ノイズは躱していく。そして、堅牢な装甲で身を守り、弾を弾きながらクリスに向けて突っ込んできた。

 

「クリスちゃん!」

 

「私たちに任せて!」

 

日和は2つの棍を連結させ、棍を回転させて竜巻の突風を創り出し、戦闘機ノイズに放つ。

 

【疾風怒濤】

 

竜巻の突風は戦闘機ノイズに直撃するが、装甲は厚く、貫けないが突進の威力は弱まる。日和に続いて響がバンカーを起動させ、戦闘機ノイズに強力な拳を叩き込んだ。だがしかし、装甲は強大で、この2つの技をもってしても、軌道を逸らさせることしかできなかった。どれだけノイズを蹴散らしても、数は一向に減らない。

 

「あんときみたく空を飛べるエクスドライブモードなら、こんな奴にいちいちおたつくことなんてねえのに!」

 

「何とか持ちこたえて!きっとまだどこかに打開策があるはずだよ!」

 

数が減らないノイズにクリスは愚痴をこぼし、日和は向かってきたノイズを片付けながら何かしらの打開策がないか考える。

 

「!!?ふ、2人ともぉ!!」

 

「あ?」

 

「え?」

 

後ろを振り向いて素っ頓狂な声を上げる響にクリスと日和も思わず後ろを見る。素っ頓狂な声を上げる理由は、トンネルが迫ってきたからだ。

 

「「「うわあああああああ!!??」」」

 

このまま装甲列車が進めば3人の直撃コースは避けられない。そうはさせないとばかりに響は屋根を踏み抜き、日和は棍を使って穴を開けさせて3人は中に避難する。

 

「ギリギリセーフ!」

 

「わりぃ、助かった!」

 

「うぅ・・・冷や汗びっしょり・・・」

 

「くそ!攻めあぐねるとはこういうことか!」

 

クリスはこの状況を悔しそうに拳を掌にぶつける。すると日和はこの状況を打破するための策を閃いた。

 

「あっ!私、閃いちゃった!」

 

「閃いた?何か策を閃いたのか、相棒?」

 

「ししょーの戦術マニュアルに見たことがある!列車の連結部を壊して・・・」

 

「・・・あっ!なるほど!!外した車両をぶつけるってわけですね!!」

 

「その通りです、響ちゃん!!」

 

日和が思いついた策とは、列車の連結部を壊して、外した車両をぶつけるというものだ。だが物質をすり抜けるノイズの特性には、それは無意味というものだ。

 

「はぁ・・・お前らなぁ・・・おっさんのマニュアルとか面白映画だろぉ?そんなものが役に立つものか。だいたい、ノイズに車両をぶつけたって、あいつらは通り抜けてくるだけだろ」

 

「ふっふーん、それだけじゃないんだなぁー、これが!」

 

「日和さん、私も手伝います!!」

 

「お願いね、響ちゃん!」

 

「?」

 

どうもノイズにぶつけるのは車両だけではないようで得意げな顔になる日和。クリスはまだ少し理解できていないが、とにかく日和を信じることにした。作戦を開始し、日和とクリスは車両の連結を外す作業に取り掛かる。

 

「急いで!トンネルを抜ける前に!」

 

クリスがボウガンでジョイントを撃ち放ち、車両同士の連結を外す。外れたところで日和が棍を伸ばし、車両を引き離し、ノイズに向けてぶつけさせる。

 

「ナイスだよクリス!行くよ、響ちゃん!」

 

「はい!!」

 

「・・・本当にこんなんでいけるのかよ」

 

車両を引き離したところで日和と響は車両から降り、響は拳を構え、日和は棍を構える。ノイズは当然ながら通り抜けてきた。そこを狙い、響は変形したバンカーのブーストを展開して、戦闘機ノイズに一直線に突っ込む。それに続いて日和は腰部のブースターを起動させ、弾丸のようなスピードで戦闘機ノイズに突っ込み、響と並んで強力な打撃を戦闘機ノイズに叩き込んだ。

 

【電光石火】

 

響が叩き込んだ拳によって戦闘機ノイズの装甲は崩れ、そこに日和の棍の一撃で戦闘機ノイズは貫かれる。そしてさらに、戦闘機ノイズの爆発、響のバンカーの衝撃、さらに日和の勢いはまだまだ止まらず、小型のノイズを一気に殲滅させた。素早いスピードで爆発を振り切り、日和は響と並び立つ。

 

(閉鎖空間で相手の機動力を封じたうえで、遮蔽物の向こうから重い一撃・・・。こいつら、どこまで・・・)

 

日和が閃いた策を目の前で見てクリスは驚愕する。しかも、日和自身はそこまで考えていないために余計に驚いている。

 

「やったね、響ちゃん!」

 

「はい!」

 

日和と響は作戦がうまくいき、ハイタッチで喜びを分かち合う。その様子にクリスはかなわないなと言わんばかりの笑みを浮かべる。これでノイズは殲滅した。後は米軍基地にソロモンの杖を届けるだけだ。




東雲日和(G編)

外見:黒髪のショートヘア、頭にウサギリボンのようなカチューシャをしている。
   瞳は青色

年齢:16歳

誕生日:10月27日

シンフォギア:妖棍・如意金箍棒

趣味:セッション

好きなもの:ベッキー(日和の白いベース)

スリーサイズ:B:86、W56、H85

イメージCV:輪廻のラグランジェ:京乃まどか
(その他の作品:マギ:アラジン
        変態王子と笑わない猫:小豆梓
        クロスアンジュ 天使と竜の輪舞:ロザリー
        その他多数)

本作品の主人公。リディアン音楽院の2年生。特異災害対策起動部二課のシンフォギア装者で、如意金箍棒の適合者。
以前まではノイズのトラウマを持っていたが、シンフォギア装者として戦っていくうちに恐怖が緩和していき、そしてエクスドライブ発動を期についにノイズのトラウマを克服することができた。
ルナアタックから3ヶ月の時が流れ、親友の海恋と、同じ学校で同じクラスになったクリスと共に、学校生活を満喫しつつ、シンフォギア装者として、今日も今日とて任務を遂行しに向かう。

G編楽曲

『Carrying The Soul』

亡くなった最愛の友、共に過ごした仲間の魂を背負い、約束を守るため、そして大切なものを守るために戦う少女の勇気を込めた楽曲。
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。